時価総額46兆円失った今こそ見たい暗号資産ランキング/ ETH(イーサリアム)が見せた小さな予兆を分析

Daily Market Report 2021/04/26

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半年続いた上昇相場に暗雲が立ち込める

暗号資産市場時価総額
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
暗号資産のチャート・価格情報はこちら

上図は2020年10月1日を起点とした暗号資産時価総額を示したグラフである。

BTC/JPYは4/14に705万円の過去最高値を更新したものの、米coinbase社の上場をピークに上昇の勢いは失速。

一週間後の4/23には米キャピタルゲインの課税強化がきっかけとなったか、BTC/USD は5万ドルの節目を割り込む展開となった。

また、過熱感をみせていたETC(イーサクラシック)やQTUM(クアンタム)などのアルトコインも売りが売りを呼ぶ相場環境に投資家心理は耐えられず、大幅に価格を下げることとなった。

全体を俯瞰するための指標である暗号資産時価総額はピークである2.3兆ドルから4300億ドル(46兆円)もの価値を喪失する様相を呈している。

およそ半年にわたって続いた上昇相場の恩恵を受けてきた強気派にとって、4月中旬からの価格動向は水を差す形となったが、現在地点からの反発は可能なのか、それとも下落トレンドへの始まりなのか。

今後の動きを把握するために騰落ランキングを確認したい。

調整進む暗号資産の現在順位は?

当社取り扱い銘柄の上昇率比較
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄の価格上昇率を比較したグラフである。

BAT(ベーシック アテンション トークン)、ETC(イーサクラシック)、QTUM(クアンタム)といった銘柄が400%を超える上昇を維持しているのとは対照的に、BTC(ビットコイン)の出遅れ感が目立つ格好は前回レポート執筆時点と変わりがないように思われる。

2021年4月26日時点の価格上昇ランキングから、下記のポイントが注目される。

当社取り扱い銘柄の全銘柄で年初来プラス圏と好調な推移

特にBAT(ベーシック アテンション トークン)、ETC(イーサクラシック)、QTUM(クアンタム)が大きく上昇

BTC (ビットコイン)の上昇率は70%にとどまり、順位はアルトコイン優勢

暗号資産市場に調整局面が訪れているものの、年初来比でマイナス圏に落ち込んだ銘柄はなかった。どの銘柄に対しても、現在の価格帯で踏みとどまることができるかに注目されるが、上図2021年上昇ランキングを確認すると、大半の銘柄で一つの上昇相場を終えてしまった可能性は否定できないが、絶好の押し目買いの状況とも言えなくもないため、投資においては重要な局面であると言える。

特に、売りをこなして堅調な推移をみせている銘柄は、注目しておいた方がよいだろう。

ETH価格推移
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点としたETH(イーサリアム)の価格上昇率を示したグラフである。

ETH(イーサリアム)は上昇ランキング6位に位置しており、BAT(ベーシック アテンション トークン)やETC(イーサクラシック)、QTUM(クアンタム)といった400%をも超える上昇銘柄と比較すると見劣りする部分があるものの、多くの銘柄が価格の天井を付けた山型の推移をする中で、過熱感なく堅調に上昇トレンドを描き続けている銘柄であることが読み取れる。

ドミナンスに現れた小さな予兆を見逃すな

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は2017年8月1日を起点とした暗号資産全体の時価総額における当社取扱い銘柄のBTC (ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、XRP(リップル)、LTC(ライトコイン)、BCH(ビットコインキャッシュ)の占有率を可視化するドミナンスを比較したグラフである。

4月中旬の調整以降もBTC (ビットコイン)ドミナンスが低下している一方で、ETH(イーサリアム)ドミナンスが反転上昇していることが確認でき、根強い需要の裏付けがあることが読み取れる。

また、ETH(イーサリアム)の堅調な推移の背景として、NFT市場の成長が挙げられる。NFTの最大手であるOpenSeaでは、作品の購入にはETH(イーサリアム)が必要であり、多くのNFT分野ではイーサリアムプラットフォームが選好されている代表的存在である。さらに、分散型金融(DeFi)の分野においても大半がイーサリアムブロックチェーンが使用されており、暗号資産のエコシステムにかかせない銘柄として認知されつつある。

ETH/JPY 日足 Bid当社取引ツールより作成
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら

ETH/JPYのチャートは青色の長期移動平均線に位置する23万円ラインで下ヒゲを付け反発したものの、3日連続陰線という地合いの悪さで強気派・弱気派のせめぎ合いの局面といえる。

とはいえ、テクニカル的には上昇トレンドは継続しており、メインシナリオとしては、一旦は23万円のラインでの反発で、再度チャネル上限を目指し、上辺をブレイクして史上最高値更新という流れが想定できるだろう。

NFTブームも重なりETHへの需要は変わらず高止まりする可能性がある。

2点目のシナリオは、チャネル下限まで下押しした後、21万円付近からの反発を想定する。21万円は、ETH(イーサリアム)は最高値から30%下落ラインであり、青色の長期移動平均線の下限でもあるため、押し目買いが入りやすい価格帯であろう。

3つ目のシナリオは、BTC調整の動きをETHが次に演じる弱気相場入りの展開となる。

NFTブームは過剰な盛り上がりになっている可能性もあり、規制などの懸念がでると一気に過熱に水を差すことになる。

かつてのICOの隆盛がそうであったように、ファンダメンタルズの変化は急速に起こりえるため、注意が必要だ。

ETH/JPYは、21万円が割れて来るとベアマーケットに突入した色合いが濃くなるだろう。下落相場への市況の変化などにも柔軟に対応できるよう、適切なポジション管理が重要であろう。

(4/26午前 0:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

4/25営業日の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-6.66%、中央値は-6.33%、標準偏差は1.60%となった。

最小下落銘柄はETH/JPY-3.31%、最大下落銘柄はXRP/JPY-9.98%

最小下落銘柄のETH/JPYは、上述の通り。

最大下落銘柄のXRP/JPYは4/26午前、CMEビットコイン先物の終了価格(50,565ドル)で上値を抑えられたことを皮切りとした暗号資産市場全面安の流れの中で下げ幅を拡大し、ダブルトップのネックとなる110円を下方へブレイクアウトしたことを意識され、勢いが加速する展開となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

4/25営業日の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値15.06%、中央値は13.62%、標準偏差は5.27%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPY25.48%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETH/JPY8.45%となった。

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2021-04-26
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