4日続落のETH(イーサリアム)、下値の目途は?

Daily Market Report 2021/04/21

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27.5万円(2,500ドル)達成も4日続落

ETH/JPY 日足 Bid 当社取引ツールより作成
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3月末より史上最高値圏で強気推移していたETH/JPYは、4月1週目に足踏むも、再び上値を伸ばし、4/15には27万円台(2,500ドル)に乗せた。

その後は、米暗号資産取引所のNASDAQ上場(4/14)による材料消化を一因としたBTC/JPYの反落や、これにNYダウ30種指数の反落など、株式市場でのトレンド転換の始まりを連想させるような動きも重なったこともあり、一転、調整に転じている。また、ETH自体も2,500ドルの価格帯がテクニカル上の心理的節目として意識されていたことから、達成感による利益確定売りが重なったことも下落要因といえるかもしれない。

4/16以降において、ETH/JPYは3日目に長い下髭陰線をつけてから下げ幅を縮めているものの、終値ベースでは4日目も続落しており、本格的な弱気相場入りも警戒されつつある。

ETH/JPYの日足チャートを見るうえで特に注目しておきたいのは、75日移動平均線である

75日移動平均線は、昨年後半のETH/JPY上昇の転換点となったラインである。昨年10月にETH/JPYがチャート実体で上抜けてからは、下値のサポートとして意識され続け、以後、通算12回、今年に入ってからは4度、サポート付近で反発している。

この上方の価格帯を終値ベースで耐えることができるかどうかが、弱気相場入りの1つのサインとなりうるだろう。

このまま、ETH/JPYは続落してしまうのだろうか。出来高、フィボナッチの観点からも考察してみよう。

価格帯別出来高では20万円(1,850ドル)付近が注目

ETH/USD日足 価格帯別出来高
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

4/20現在、ETHの取引通貨・銘柄ペアのうち、46.8%はドルペッグのステーブルコインであるUSDTが、19.3%は法定通貨のUSDが占めている(CryptoCompare(https://www.cryptocompare.com/coins/etc/analysis/)4/20午後6:30に取得したデータより当社調べ)。

ETHの価格形成の過半数はUSD価格によって構成されているため、以降の本稿ではETH/USDについて考察する(円建て価格は 1ドル=108.20円と仮定)。

上図は、ETH/USDの出来高と価格の関係である。

まず、ETH/USD価格と出来高(下部に表示)の関係についてみてみよう。

出来高をみると一時的に急増するポイント(黃矢印)が存在する。これについて、出来高分析では、買い/売りのクライマックスとする見方がある。

その日の価格をみると、長い下髭をつけており、チャート分析では、売りが旺盛であった中買い方の抵抗が強かったことが読み解け、加熱した相場の一服を示唆するとする見方がある。

一方で、同じく出来高急増と下髭陰線の発生した2/23については、結果的には上昇に転じているものの、5日後の2/28には、再び下値を模索し、二番底を形成とする結果となっており、過信は禁物といえるだろう。

次に上図右部の棒グラフ「価格帯別出来高」を確認しよう。

これは、2/1以降の日足ベースの出来高をその価格帯ごとに集計したもので、出来高の多い部分は、市場参加者の注目ポイントとする見方がある。

上図では、1,850ドル(≒20万円)付近(白い〇で囲った箇所)から累積出来高が増加するため、下値を模索する展開になっても、この近辺の価格帯から、売買が厚くなり、過度な急変動は起こりにくくなるとも考えられる。

一方で、1,500ドル(≒16.2万円)付近から、再び薄くなるため、この付近では、下値模索の展開も想定される。それまでに下げ幅を縮めることができるかには要注目である。

ハーモニックパターン「ディープクラブ」を達成?

ETH/USD 日足
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

まず、現在のETH/USDの価格にフィボナッチが効いているといえるか検証する。

4/6のレポート「ETH(イーサリアム)最高値更新、2,500ドル(27.5万円)が注目ポイント」では、ハーモニックパターン「ディープクラブ」の可能性(※)について掲載した。

※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種。上図はカニに似ていることから「クラブ」と呼ばれる種類の派生とされる。

現在のETH/USDについて、「ディープクラブ」の成立要件と比較すると、

  • (B)は(X)を起点とするX-A値幅の88.3%戻し(上図では86.6%)
  • (C)は(A)を起点とするA-B値幅の38.2%~88.6%戻し(上図では59.2%)
  • (D)は(X)を起点とするX-A値幅の161.8%戻し(上図では169.4%)
  • (D)について、(D-C値幅)/(B-C値幅)が224%~361.8%(上図では261.6%)

となり、差分は(B)の-1.7%と、(D)の+7.6%となる。この2点を誤差として許容するならば、満たしていると考えられる。その場合は、ETH/USDの価格にフィボナッチが効いている可能性も想定しておきたい。まずは(X)-(B)間の2,036ドル-1,938ドル(≒22.0万円-20.9万円)での攻防が注目される。

一方で、ハーモニックパターンやフィボナッチが、今回のETH/USDには当てはまらないとする見方もでき、今後起こりうる不確定要素が多分にあることから、市場の情報に注意しながら臨機応変に立ち回りたいところだ。

 (4/20 午後8:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

4/20の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.81%、中央値は0.30%、標準偏差は5.57%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY6.18%、最大下落銘柄はBAT/JPY-13.68%。

最大上昇銘柄のETH/JPYは上述の通り。

最大下落銘柄のBAT/JPYは130円台から急騰し、150円を上抜けるも頭が重く、急騰前まで押し戻される展開となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

4/20の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値15.41%、中央値は16.49%、標準偏差は4.44%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY22.55%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY6.07%となった。

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2021-04-21
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