ETC(イーサクラシック)、機関投資家VS個人投資家の闘技か
Daily Market Report 2021/04/20
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・ETC、年初来+900%超のパフォーマンス
ETC/JPY 月足 Bid 当社取引ツールより作成
ETC(イーサクラシック)のチャート・価格情報はこちら
年初より堅調に推移しているETC/JPYは、4月15日から17日にかけて、大きく値を伸ばし、2017年10月につけた史上最高値5,400円付近に迫った。
年初からの上昇率は一時、926%にもなった。
現在のETC/JPY相場の強気材料としては、次の3点が挙げられる
①昨年の51%攻撃を踏まえたアップデート(Thanos)
②イーサリアム技術が用いられているNFTトークンへの注目
③アルトコインの物色相場(BTC(ビットコイン)のドミナンス低下とも称される)
この他、テクニカル的には今年2月の年初来高値を更新したことで、新高値買いが集まったことや、需給面からはETCの流動性がETH、XRP等の主要アルトコインに対して低いことに着目した市場参加者による投機的な買いも上昇の一因と考えられる。
本稿では、この投機的資金の流入について考察してみよう。
・ETC急騰の裏に投機的資金の流入か
CryptoCompare(https://www.cryptocompare.com/coins/etc/analysis/)
4/19午後6:30, 3/14午後8:00に取得したデータより、当社作成
先月3/14のレポート「ETC(イーサクラシック)、節目となる価格は?960円と1300円に注目」では、ETCとペアで取引される通貨・銘柄の世界シェアについて取り上げた。
上図は、4/19現在のETCとペアで取引される通貨・銘柄の世界シェアで、括弧内は前月3/14との比較である(取引通貨ペアについて、今回はUSDTとUSDを分けて記載した)。
次に、取引通貨・銘柄ペアについて、取引の主体を考察し、市場参加者の属性を想定してみよう
USDT…米ドル連動型ステーブルコイン。中国系の暗号資産取引所、シンガポール、イギリスで取引高が多い
⇒金融機関、資産運用会社等の大口機関投資家か
KRW…韓国の法定通貨
⇒韓国内の個人投資家、韓国の投資法人か
BTC…各国の取引所にて用いられる
⇒顧客属性は一概に断定できない
USD…米国系の暗号資産取引所で用いられる
⇒顧客属性は一概に断定できないが、米国内の大口機関投資家も含まれるか
OKB…中国系の取引所で用いられる
⇒中国外の個人投資家、または投資法人か
ETH…アルトコイン時価総額首位。各国の取引所にて用いられている
⇒顧客属性は一概に断定できない
BUSD…中国系の取引所で用いられる米ドル連動型ステーブルコイン
⇒中国外の個人投資家、または投資法人か
先月比でUSD、USDTのシェア縮小に対し、BTC、KRWが拡大している点について、以上の取引の主体を仮定するならば、中国国内の金融引締めによって中国系投資法人に代表される大口機関投資家の取引が減り、並行して米国の機関投資家の手控えもあるなか、韓国国内の個人投資家が逓増したと推察される。
換言すれば、現状のETCの上昇は、大口投資家の売り圧よりも個人投資家の買い圧が勝っている結果と言えるかもしれない。
・5,521円突破で最高値更新だが、足の早い資金には警戒
ETC/JPY 月足 Bid 当社取引ツールより作成
上図は、ETC/JPYの月足チャートである。
現状として、ETC/JPYは上髭をつけているが、2018年1月の史上最高値を更新した場合には新高値買いが集まることが予想され、さらに上値を伸ばす可能性を秘めている。
上図では、2018年1月の最高値から2018年12月の最安値のフィボナッチ・リトレースメントを引いている。
23.6%ラインが2021年2月高値、38.1%ラインが2018年5月安値、61.8%ラインが2018年3月高値と、それぞれ近辺に位置しているようだ。
今後も適合してくるとするならば、127.2%戻しの、5,521.1円、加熱次第では161.8%戻しの8,715円までも目標価格とする展開が考えられるだろう。
一方で、個人投資家が取引主体となる相場ではファンダメンタルズでの予測が難しく、市場心理の影響を受けやすいことから、資金の抜けるのが早い可能性もある。
調整の際は、2018年の下落時にも実体で意識された61.8%(3546.5円)が、注目ポイントとなろう。
特に、米中の大口機関投資家を主体とする市場参加者が再び戻り、再び売り圧力となる展開も考えられるため、価格だけでなく出来高や通貨シェアといった市場からの情報も注視して臨むのも一考だろう。
(4/19 午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
4/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-0.66%、中央値は-2.46%、標準偏差は7.27%となった。
最大上昇銘柄はQTUM/JPYの17.63%、最大下落銘柄はETC/JPYの-10.37%。
最大上昇銘柄のQTUM/JPYは昨日の下落幅を全て戻し、過去最高値を更新する上昇となった。月末にはハードフォーク、9月には半減期という好材料を控えている。
最大下落銘柄のETC/JPYは上述の通り。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
4/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値16.44%、中央値は18.44%、標準偏差は5.26%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPYで24.12%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPYで6.33%となった。
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