XLM(ステラ・ルーメン)動き出す!今後の展開は「カニ」に注目

Daily Market Report 2021/04/15

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悪材料をこなし、年初来高値を更新

XLM/JPY 日足 Bid 当社取引ツールより作成

年初の急騰から一転、3月は膠着相場となったXLM/JPYだが、4月に入り、上昇を再開したようだ。

上図、XLM/JPYの日足チャートをみてみよう。

XLM/JPYはウクライナ政府のステラ開発財団との提携や(1月5日 CoinPost)、ステラ開発財団の成長戦略発表(2月1日 CoinPost)が好感され、2021年初頭は15円台から25円をクリアし、30円台へレンジを移す強気相場となった。

また、XLMと比較的相関性の高い値動きをもつXRPが、SNS上の呼びかけにより急騰したこともXLMのサポート要因となったようだ。

これらの材料が後押しとなったことで、2月上旬には9連騰し、62.106円の約2年ぶりの高値をつけた(X)。

しかし、高値警戒感が意識されたのか翌営業日には反落すると軟調な展開へ。2/23には7週間ぶりに75日移動平均線付近の30円前半まで続落した。

その後、新たな材料「リップル社出資のプロジェクト「Flare Networks」が、ステラ(XLM)を統合する」報道により(2月26日 CoinPost)、一旦は反発するものの、買いが続かなかったようだ。

そして3月になると、XLM特有の材料の乏しさから上値を切り下げていった(青矢印)。一方で、下値も75日移動平均線が下支えに約1ヶ月超にわたってXLM/JPYは値幅を縮小させた。

4月に入り、アルトコイン市場が活況となったことや、XRPの訴訟問題の進展が契機となったことでXLM/JPYも連れ高となり動意付く展開となり、足元では65円を超えるエリアまで値を飛ばしている。

テクニカル的にみても、1ヶ月超にわたって上値のレジスタンスであった青矢印を抜けたこと(赤矢印)、2月下旬より下向いていたそれぞれの移動平均線が、収縮し、上方向へ再び拡張するようになり、トレンド転換のサインとして注目されやすかったようだ。

今のXLM/JPYの強さの源泉は何なのか、出来高をみてみよう。

出来高の伴った上昇に転換、低い売り圧力も後押しか

XLM/USD日足 価格帯別出来高
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、対XLM取引でUSDTの次に流動性の高いXLM/USDの出来高と価格の関係である。

まず初めに確認しておきたいのは、上図下部に表示している出来高である。

年初のXLM/USDは価格の上昇に対し、出来高は減少する傾向にあり、価格と出来高は「逆相関」の関係にあった。

XLM/USDは(X)で一旦の天井をつけ、(C)にかけて上値を切り下げていくが、この期間も出来高は下落している。

相場が強い方向感をもっている場合、上昇・下落を問わず、出来高の増加が確認できるが、(X)から(C)の期間においては、相場の下落に対して出来高の減少が見られる。

この期間に関しては、新規の売りというよりも、XLMの注目度が下がることへの嫌気や、他銘柄の物色を背景とする消極的な決済、「買い方のやれやれ売り」が発生したと推測することもできるかもしれない。

(C)以降はXLM/USDの出来高の伴った価格上昇は、(X)から(A)の期間に発生した売買建玉が整理され、新規の買いが入りやすくなったことが一因となったと言えるかもしれない。

次に「価格帯別出来高」から相場展開を見てみよう。

上図右部の、棒グラフは年初来の日足ベースの出来高をその価格帯ごとに、集計したもので「価格帯別出来高」と呼ばれる。

「価格帯別出来高」については、出来高の多い価格帯では、含み益が出た段階で決済をする市場参加者が多いことから、値が重くなり、少ない価格帯では、それまで出来高の厚かった価格帯が売り/買いの圧力となるため、薄い方向へ進みやすいとする見方がある。

XLM/USDに関して言えば、3月の膠着相場により、0.3-0.4ドルの価格帯(白い〇で囲った箇所)が厚くなっており、それぞれの累計売買高も100億ドル近くある。

4/5の急騰で売買高の多い0.4ドルの価格を上方向へ抜けたことで、売り圧力の低下が意識されること、また、0.4ドル付近が下落時のサポートとして意識されやすくなったことも、上値を追いやすい相場であることの一因として考えられるかもしれない。

「クラブ」形成なら0.7730USDが鬼門か

XLM/USD 日足
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

最後にハーモニックパターン(※)から次の展開を考えてみる。

上図では、今後の上値の目途(D)を算出するための一例として、ハーモニックパターンの成立要件を満たしている点に着目し、「クラブ(カニ)」を描画している。

※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種

上図はカニのハサミに似ていることから「クラブ」と呼ばれる。

「クラブ」の成立要件は、

  • (B)は(X)を起点とする(X)-(A)値幅の38.2%~61.8%戻し(上図では53.4%)
  • (C)は(A)を起点とする(A)-(B)値幅の38.2%~88.6%戻し(上図では39.8%)
  • (D)((X)を起点とする(X)-(A)値幅の88.6%戻し)について、((D)-(C)値幅)/((B)-(C)値幅)が261.8%~361.8%(上図では350.6%)

となり、XLM/USDは満たしているようだ。

XLM/USDが「クラブ」である場合の上値の目処は、X-A値幅の161.8%戻しである(D)となり、0.7730(84.257円 1ドル=109円で換算)を目指して値が進む展開が想定される。
その後は利益確定売りや、「バット」に着目した新規の売りに押され、(D)が天井となる可能性には警戒しておきたい。

一方で、現状のXLM/USDの上昇の勢いからすれば、(D)点を抜けて1ドル台に乗せる展開も想定しておく必要があるかもしれない。

この場合、出来高がない真空停滞に突入することになり、続騰、一段高となる可能性も視野に入れておきたいところだ。

(4/14 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

4/14の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は3.72%、中央値は2.78%、標準偏差は4.01%となった。

最大上昇銘柄はBCH/JPY12.82%。最大下落銘柄はBTC/JPY-0.68%。

最大上昇銘柄のBCH/JPYは、2019年以来の80,000円の最高値を4/14午前時間からブレイクアウトしたことを楽観され、米コインベース上場を追い風とした暗号資産市場の堅調さに乗る形で、90,000円まで上昇。

最大下落銘柄のBTC/JPYは、ビットコインドミナンスが50%台と低水準であることを受け、7,000,000円到達後に上値を圧迫された様子。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

4/14の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値11.61%、中央値は9.92%、標準偏差は5.05%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY24.08%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY5.58%となった。

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2021-04-15
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