ETH(イーサリアム)最高値更新、2,500ドル(27.5万円)が注目ポイント

Daily Market Report 2021/04/06

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上方レジスタンスを上抜け

ETHJPY 日足 Bid
当社取引ツールより作成

4月に入り、史上最高値を再び更新したETHJPYであるが、大きく調整することもなく高値圏を維持している。

現状は235,000円が重くなり、上昇幅は縮めつつあるものの、依然として下値を切り上げており上値模索の様相となっている。

上図、ETHJPYの日足チャートの(B)以降※の動きをみてみよう。

(※(B)以前については過去のレポート「ETH(イーサリアム)、価格と出来高は逆相関。警戒が必要な局面か」をご参照いただきたい)

(B)は史上最高値達成からの急落、(XからA)を経た後の戻り高値で、上値の目処の一つとして意識されていた価格帯である。(X)をつけてから1ヶ月ぶりに20万円の節目を回復し、陽線で引けたところであったが、翌日には高値警戒感や利益確定売りが優勢で反落。

再度、下値模索の上値の重い展開となった。また、四半期末であることによる、一部市場参加者の売買の手控えからか、出来高も減少した(後述)。

3/25にはFRB議長が暗号資産の決済手段としての利用に難色を示したことにより、暗号資産市場でのリスクオフが加速。ETHJPYは75日移動平均線付近まで下押しし、(C)の3月安値をつけた。

これまでを整理すると、

①テクニカル要因…X-Bの延長線がレジスタンスラインと意識された、心理的な買い控え

②季節要因…期末、年度末であることによる市場参加者のポジション解消売り、売買手控え

③ファンダメンタルズ要因…FRB等規制当局による懸念の表明

の3つがあげられるだろう。

前述の下落要因3点については、

①が3/26以降、悪材料の一服や、自律反発狙いの買いが集まったことからか、3/31にはX-Bのレジスタンスをブレイク、新高値買いも集まり勢いがついている(赤矢印)。

②も年度末のポジション調整が一巡し、新年度に入ったことで、新たな買いが入りやすくなったといえる。

③も欧州航空会社の暗号資産対応(3月30日 CoinPost)で「決済手段」として再び認識されつつある。

加えて、ーサリアム技術を基盤としたNFTトークンが暗号資産市場で注目され、アルトコイン市場が活況となっており、その中でもETHが話題性や、時価総額からみてもアルトコイン首位銘柄として材料視されている点にも触れておきたい。

以上より、現状の上昇要因となる強気材料は以下4点となった。

①テクニカル要因…X-Bの抵抗ラインを突破したことによる、新高値買いの入りやすさ

②季節要因…期初、新年度であることを背景とした取引高の増加

③実需要因…決済手段としてETHを活用する機会の加速

④話題性…NFTトークン等のETH特有の材料

なお、年初より逆相関していた価格と出来高の関係であるが、3/25の急落により整理され、4月に入り、再びポジションを建てる動きが強まったのか、取引高も拡大。出来高の伴った上昇に移行したことが見受けられる(下図)

B-C間の上値の重かった時期とは流れが変わったと考えることもできそうだ。

ETHUSD出来高移動平均
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

2,500ドルが注目ポイントか

ETHUSD 日足
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は対ETH取引で最も流動性の高い、ETHUSDの日足推移である。

上図では、今後の上値の目途(D)を算出するための一例として、ハーモニックパターン※の成立要件を満たしている点に着目し、「ディープクラブ」を描画している。

※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種
上図はカニに似ていることから「クラブ」と呼ばれる種類の派生とされる

上図パターンの成立要件は、

  • (B)はXを起点とするX-A値幅の88.3%戻し(上図では86.6%)
  • (C)はAを起点とするA-B値幅の38.2%~88.6%戻し(上図では59.2%)
  • (D)(Aを起点とするX-A値幅の161.8%戻し)について、(D-C値幅)/(B-C値幅)が224%~361.8%(上図では246.2%)

となり、(B)の誤差が約1.7%であることを除けば概ね満たしている。

ETHUSDが「ディープクラブ」である場合の上値の目途は、X-A値幅の161.8%である(D)(=2,491ドル ≒275,000円 1ドル=110円で換算)となり、(D)を目指して値が進むことになろう。その後は達成感から(D)を天井に反落する値動きとなる可能性には注意が必要となる。

一方で、現状の相場付からは2,100ドル近辺での膠着が続くようであると、上値の重さに嫌気が出て、一気にポジション調整が進む可能性には留意したい。

この場合、再度1,500ドルへの調整も視野に入れておく必要はあるだろう。

(4/6 午前0:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

4/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は10.50%、中央値は7.91%、標準偏差は12.00%となった。

最大上昇銘柄はXRPJPY43.18%。最小上昇銘柄はBTCJPY0.30%

最大上昇銘柄のXRPJPYは前日比+50%の価格上昇率を記録しており、背景としては、スイス拠点の取引所「Lykke」がXRPを再上場することを発表したことや(4月6日CoinPost)、SECとの裁判の影響を受け取引を停止していた海外大手取引所が、XRPを再上場するのではと噂されていることなどが挙げられる(4月6日CoinPost)。

最小上昇銘柄のBTCJPYは、相場に方向感がなく、レンジに入ってしまっている状態

しかし、Microstrategy社が新たにBTCを追加購入したことや(4月5日coindesk)、短期足では目線が上に転換してきているなど好条件も出てきており、今後の値動きに注目していきたいところである。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

4/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値12.94%、中央値は9.89%、標準偏差は10.12%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRPJPY41.23%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPY3.86%となった。

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2021-04-06
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