暗号資産指標BTC、アルトコイン指標ETH、中央集権指標XRP~暗号資産の指標化、その後のセクター選別は存在するか~

Daily Market Report 2021/03/31

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暗号資産の“セクター別”パフォーマンス比較

Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

2021年の第1四半期は、事業会社による大型参入案件や、機関投資家の参入を観測する報道が多くされたため、暗号資産市場への認知が高まり大衆化が進む四半期となった。

大衆化が進むことにより、暗号資産市場を金融商品指標の一つと捉える動きがより一層進むものと考えられる。

以下では、代表的な特徴を有する3銘柄について、それぞれの特徴を指標として定義し、比較をおこなう。

上図は1/1を起点としたBTC・ETH・XRPの3銘柄の上昇率を比較したグラフである。上記3銘柄は、それぞれ以下のような特徴を持っており、各カテゴリーのセクター別指標といえるだろう。

BTC(ビットコイン):暗号資産市場における時価総額が最も大きい暗号資産の代表的役割を担う銘柄。BTC価格の上下は、暗号資産市場の時価に加え、市場心理にも大きく影響を与える。暗号資産市場の時価総額算出が困難な現状においては、暗号資産市場全体を表す指標的存在といえる。
「ビットコインとは?初心者が知るべき知識・買い方とは?(https://bitcoin.dmm.com/column/0120)参照」

ETH(イーサリアム):一般的に、BTC以外の銘柄を総称する“アルトコイン”の中で、最も時価総額が大きい銘柄。分散型アプリケーション(DApps)を開発するためのプラットフォームであることから、ETHを派生としたアルトコインの誕生を前提としたアルトコインの総合指標的存在といえる。
「イーサリアム入門!特徴をわかりやすく解説(https://bitcoin.dmm.com/column/0124)参照」

XRP(リップル): Ripple Labs Inc.が管理する中央集権型銘柄。暗号資産は法定通貨と異なる「管理者のいない」非中央集権型銘柄が主体となっているのに対し、XRPは「管理者のいる」中央集権型銘柄であるとともに同型銘柄の中でも最も時価総額の大きい銘柄である。
「アルトコイン(オルトコイン)とは?わかりやすく解説!(https://bitcoin.dmm.com/column/019)参照」

2021年上昇率ランキング

上表が上昇ランキングの結果一覧である。

特徴として、BTCのパフォーマンス劣後が目立っており、以下2点推察できる。

① BTCが、パフォーマンス追求を目的とする存在から、暗号資産市場の指標的存在“レガシー”への役割変更

② 暗号資産の中でも銘柄別の特徴に応じた「セクター」選別が進む可能性

セクター選別の明確な存在は未だない

当社終値(2020/1/1 – 2020/12/31)より作成

上図は2020年におけるBTC、ETH、XRPの相関関係を一覧にしたものである。

-1から1の間で-1に近ければ負の相関関係、1に近ければ正の相関関係が強いことを示すが、2020年は、BTC・ETH・XRPの強い相関関係が認められるものの、XRPについては個別の動きを示す兆候もあり、一定程度のセクター選別が働いたと考えられる。

当社終値(2021/1/1 – 2021/3/29)より作成

上図は2021年におけるBTC、ETH、XRPの相関関係を一覧したものである。

2020年とに比べ、強い相関関係を示していることに加え、XRPについても値動きの同一化が進み、セクター選別の動きが後退したものと考えられる。

2021年はXRPが先頭を走って上昇しているが、相関係数を考えると出遅れ感や新高値の期待からBTCに期待が集まるか、はたまた、ETHが利便性を背景に見直しの買いが入るのか、XRPの米国訴訟問題も解決されたわけでなく、引き続き暗号資産市場から目が離せない状況が続きそうだ。

(3/31午前 0:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

3/30の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.44%、中央値は2.49%、標準偏差は1.44%となった。

最大上昇銘柄はBATJPY4.52%。最小上昇銘柄はXLMJPY0.43%

3/30は米決済企業PayPalの暗号資産決済開始の報道や(3月30日 CoinPost)、CMEマイクロビットコイン先物提供(5月予定)の発表が好感され(3月30日 CoinPost)、当社取扱い銘柄は全て続伸した。

最大上昇銘柄のBATJPYは5連騰。明確な材料は挙がっていないものの、日中を通して堅調に推移し、3/22以来の高値をつけた。夜間は暗号資産市場での好材料出尽くしや、戻り売りの思惑から失速し、上髭をつけた。
「テンバガーの可能性あり?~BAT (ベーシック アテンション トークン)モデル完結編~(https://bitcoin.dmm.com/useful_information/market_report/20210319)参照」

最小上場銘柄のXLMJPYは、ボラティリティも最小銘柄となった。同じく中央集権型の決済資産であるXRPは、リップル社の東南アジア市場拡大や(3月30日 CoinPost)、XRP投資家介入の提案(3月29日 CoinPost)など、強弱材料に応じて変動しているが、XLMは特有の材料に乏しい展開が続いていることも一因としていえるかもしれない。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

3/30の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値6.15%、中央値は5.30%、標準偏差は1.87%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBATJPY8.99%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXLMJPY3.39%となった。

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2021-03-31
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