ビットコインの行方は銅とドルが知っている?

Daily Market Report 2020/12/23

_

銅とビットコインの価格連動に注目

Bloombergより当社作成
左軸がビットコイン($)、右軸が銅($)

ビットコインは12月の上昇トレンドを崩すことなく、12/17に2017年の最高値である226.5万円の大台を突破。12/20にはさらに上値を伸ばし、250.1万円まで上昇と最高値を更新する結果となった。

2020年は2017年と異なり、機関投資家の参入や、世界の大手企業で暗号資産サービスが開始されるなど、金融資産としての認知度が高くなった年であるといえる。

ビットコインの現在地点は根拠ある推移であるのか、それとも過熱感を示唆するものか、今後の行方の手がかりを探るための2つの有用な指標を紹介したい。

1つ目の有用な指標は銅価格の推移である。

上図は、2016年1月1日時点の終値を起点としたビットコインの価格と景気の先行指標として投資家層から注目される銅の価格を比較したものとなる。

上図から、ビットコインは世界経済の需要の先行きや、景気循環と大きく連動していることがわかる。大きなサイクルとして具体的には、下記のとおりとなる。

日時 ビットコイン
①2016年10月~2017年12月 上昇トレンド 上昇トレンド
②2018年1月~2018年12月 下落トレンド 下落トレンド
③2019年1月~2019年7月 上昇トレンド 上昇トレンド
④2020年2月~2020年3月
コロナショック
下落 下落
⑤2020年3月~現在 上昇トレンド 上昇トレンド
日時 ビットコイン
①2016年10月
~2017年12月
上昇トレンド 上昇トレンド
②2018年1月
~2018年12月
下落トレンド 下落トレンド
③2019年1月
~2019年7月
上昇トレンド 上昇トレンド
④2020年2月
~2020年3月
コロナショック
下落 下落
⑤2020年3月
~現在
上昇トレンド 上昇トレンド

BTCは大きな上昇と下落を繰り返しながらも、世界経済の成長に寄り添って銅と同様な価格で推移していたことがわかる。

ビットコインは最高値を更新する強気相場をみせたが、トレンドサイクルは常に上昇と下落を循環しながら推移するため、今後ビットコインの強気相場が継続するか否かについて、銅価格の動向が参考になるかもしれない。

(詳細は11月13日のマーケットレポートの「ビットコイン170万円到達、相場に過熱感はあるのか、今後の行方を考察」参照)

止まらないドル安・ビットコイン高

Bloombergより当社作成
左軸がビットコイン($)、右軸がドルインデックス

2つ目の有用な指標はドルインデックスである。

上図は、2020年1月1日時点の終値を起点としたビットコインの価格とドルインデックスの価格を比較したものとなる。

上図からドル安という通貨価値低下に伴い、ビットコインの価格が大きく上昇していることが分かる。

コロナショックという経済的打撃に対応するため、各国中央銀行は歴史上類をみない金融緩和政策を継続することを余儀なくされた。この大規模金融緩和による過剰流動性により、一部の市場では、実体経済と乖離した様相を呈しているが、過剰流動性はいずれ資産インフレを招くことに繋がり、インフレ懸念への新たな対応策として通貨供給量の限られたビットコインはゴールドと同等の存在として認めらつつあるという可能性がある。

既に米ナスダックに上場するマイクロストラテジー社やスクエア社は投資ではなく、将来のインフレ懸念から資産を守るためにビットコインを購入しており、法定通貨の価値の低下、とりわけ米USDへの価値下落に対する世界の対応策として、今後、多くの企業に選好される可能性もあることは注目しておきたいところだろう。

ビットコイン260万円突破のためには

Bloombergより当社作成
左軸がビットコイン($)、右軸がドルインデックス

上図は、2016年1月1日時点の終値を起点としたビットコインの価格とドルインデックスの価格を比較したものとなる。

上図からドル安が進行するにつれて、ビットコインの価値は上昇してきたことが分かる。

今年のドル安進行により、史上最高値を更新し続けたビットコインだが、現在のドルインデックスの価格帯は2018年2月の安値圏に迫る勢いで下落していることが分かる。

仮にドルインデックスが2018年2月の安値88を割り込むならば、ビットコインの強気相場は継続となり、25,000USD(260万円)の大台突破が想定される。

一方で、2018年2月の安値を更新できない場合、インフレヘッジへの期待買いが落ち込む可能性やスペキュレーターの存在により、200万円までの調整局面へ見舞われる可能性もあるだろう。

(12/23 午前 7:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

12/22営業日の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.91%、中央値は-3.64%、標準偏差は5.64%となった。

最大上昇銘柄はLTCJPY1.61%。最大下落銘柄はXRPJPY-20.18%

最大上昇銘柄のLTCは2日ぶりに反発上昇。10,130円まで下落する展開をみせたが、いち早く持ち直し、直近のレジスタンスラインである11,600円を試す動き。

最大下落銘柄のXRPJPYはSECがリップル社を証券取引法違反で起訴したことを受けて大幅下落。一時40.2円まで下落、1か月ぶりの価格帯まで値を戻すこととなった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

12/22営業日の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値10.14%、中央値は7.80%、標準偏差は6.54%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRPJPY29.34%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBCHJPY4.61%となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2020-12-23
ページTOPへ