ビットコイン、トレンド転換か?ボラタイルな展開に要注意
Daily Market Report 2020/11/27
2020.11.27
Daily Point
・ビットコイン反落 過去最高値更新目前で利益確定売り(CoinPost)
・ビットコイン支持派Gensler氏、バイデン新政権の財務副長官候補に浮上(CoinPost)
・アストラゼネガ、コロナワクチンで新たな世界的試験を実施の公算(Bloomberg)
BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成
木曜日(11/26)のBTCJPYは、一日で20万円以上の大幅下落をする高ボラティリティな展開となった。
東京市場時間のBTCJPYは196万円台でスタートした。前日深夜に200万円にのせた達成感からか軟調な展開が続いていた。午前中は特段材料もなく193万~196万円台でのレンジ推移に留まった。相場が動いたのは正午頃となり、2020年10月以降、非常に大きく買われ過ぎた状態が継続していた事、史上最高値更新を前にやれやれ筋の決済や利益確定売りが入った事からか下落した。190万円を割れると下落の勢いはさらに加速し一時は181万円台まで下落する展開となった。その後、一旦は自律反発し午後1時過ぎに188万円台まで値を戻すも、190万円がレジスタンスとなり、185万~188万円台で推移し欧州市場時間を迎えた。
欧州市場時間に入ると東京時間での下落を見た欧州地域投資家の狼狽売りが加わった事、中華系大手取引所のOKExの出金再開が発表された事からか、再び売られる展開となりBTCJPYは大幅下落した。午後5時半には1週間ぶりに180万円を、午後6時頃には10日ぶりに170万円を割れ、169万円台をつけ日中に2度も1時間内で10万円幅の下落を記録した。下落が一服すると徐々に値を戻していき午後8時頃に181万円まで上昇し、177万~181万円台のレンジで推移した。
米国市場時間に入ると、180万円台を推移していたBTCJPYだが、再び下落を開始。翌午前0時には174万円まで下落した。ボラティリティが大きい展開が続く中、BTCJPYはさらに下落し、午前2時過ぎに168.8万円を記録し、日中安値を更新した。BTCJPYは190万円を割れた所から5万円幅でレジスタンスラインを切り下げている状況が続いており、午前3時以降は175万円がレジスタンスとなって170万円台前半を午前5時過ぎまで推移する格好となった。
しかし、170万円台中盤が一旦の押し目と判断されたのか、午前6時前から、買い優勢の展開となり、180万円まで値を戻すも上値追い続かず、179万円台で推移して取引時間を終えた。
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
11/26営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-15.78%、中央値は-15.78%、標準偏差は3.19%。
最小下落銘柄はBTCJPYの-9.42%。最大下落銘柄はXLMJPYの-19.60%。
11/26営業日は全銘柄下落した。
最小下落銘柄となったBTCJPYは、頻繁に年初来高値更新をして底堅い動きを見せていた。しかし中華系大手取引所OKExが、およそ1ヵ月半ぶりに出金再開をしたことが発表されたことを受けてか、暗号資産全般が売られて下落し始め、BTCJPYも過去最高値更新を目前に下落した。
一方で最大下落銘柄となったXLMJPYは、Protocol15へのアップデートの実施や、南米のステーブルコインをステラネットワークで発行など好材料が多く、7日連続で上昇していた反動と、中華系大手取引所OKExの出金再開もあってか下落。暗号資産銘柄のなかでも目立つ結果となった。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
11/26営業日の全暗号資産終値の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は25.27%、中央値は24.85%、標準偏差は5.41%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXRPJPYで33.96%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPYで15.02%となった。
・大幅下落のビットコイン、調整か、トレンドの転換か?
BTCJPY 週足(当社取引ツールより作成)
11月26日営業日にBTCJPYは一時168.8万円まで値を下げた。これは一時的な調整なのか、それともトレンド転換なのか?
テクニカルの観点から探ってみる。上図はBTCJPYの週足チャートである。2017年年末の上昇において、ボリンジャーバンド(橙線)は上下に広がるエクスパンション状態となっており、上昇トレンドが続いていた。2018年に入ると、ボリンジャーバンドの上限ラインが下向き、下限ラインが上向きを始め、上下共に幅を狭めてくると、下落トレンドが始まった。2018年9月頃まで下落トレンドが続いたがその後、一旦は揉み合い推移となる状況が一定期間続いた。
2018年10月半ばになるとそれまでよりも上下の値動きが乏しいスクイーズ状態に入ると、その後、2018年11月に再び下落トレンド入りをした。
では現在の状態はどうだろうか?
2020年10月半ばにボリンジャーバンドが上下に広がり、エクスパンションの状態となっている。さらに移動平均線(青線)も上を向いており、セオリー通りで考えるのであれば、このまま上昇する可能性が考えられる。しかし、ボリンジャーバンドの下限が上を向き始めている。ボリンジャーバンドは上下が互いに両側へ広がっている時が強いトレンドとされているのが一般的である。2017年から2018年の時期に当てはめて考えてみると、上昇トレンドに陰りが見え始めてきたのかもしれない。
他のテクニカル指標も見てみる。
BTCJPY 日足(当社取引ツールより作成)
上図はBTCJPYの日足チャートである。日足チャートでも10月半ばにボリンジャーバンド(橙線)が若干ではあるが上下に広がり、エクスパンションの状態となって上昇したことが確認できる。
パラボリックSARからは、11/26に上昇しているSAR(青点線)と下落した日足が交差して下抜け、下落トレンド入りを示唆していることが読み取れる。引き続き売り圧力に警戒する必要があるだろう。
スローストキャスティクスは11/25に買われ過ぎを示す80のライン(スローストキャスティクスチャート上部の赤線)を超えた位置で、Slow%K(青線)がSlow%D(橙線)を上から下に抜けており、前日に下落トレンド入りを示唆していた。
MACDも、11/25に MACD(青線)がシグナル(橙線)を上から下へ抜けており、下落トレンド入りの兆候が見られる。
ヒストグラム(紫色グラフ)は11/21頃にピークアウトし、徐々に山を小さくし、MACD(青線)とシグナル(橙線)のデッドクロス発生を示唆していた。11/26にマイナス圏に入っており、下落トレンド入りを示している。
RSIは11/25まで買われ過ぎを示す80のライン(RSIチャート上部の赤線)を超えて推移していたが、11/25と11/26にかけて一気に50のライン付近まで落ちてきた。現在50の中間ラインに位置していることからRSIから方向感は見えてこない。上下どちらに動くのか市場の動向に注視する必要があるだろう。
以上の指標から日足では一部指標で売りシグナルが点滅していたことから、今日の下落は一旦の調整売りが発生したともとれる。週足で見ると、ボリンジャーバンドの下限の動きが気になる要素となるものの、下落トレンド入りしたとは明確に言えないだろう。
ボラタイルな展開が続いているため、ビットコイン以外の動向にも注視しながら今後の方向感を探っていく必要があるだろう。
(11/27 午前7:00時点)
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