リップル、さらなる上昇には出来高の増加と好材料が必要か

Daily Market Report 2020/11/20

2020.11.20

Daily Point

・仮想通貨ネムの新チェーン「Symbol」ローンチ日は21年1月に(CoinPost)

・東京で最多534人、新型コロナ「急速な感染拡大局面」 全国2200人超(Reuters)

・米新規失業保険申請74.2万件、予想外に増加 コロナ制限措置で(Reuters)

 

BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成

木曜日(11/19)のBTCJPYは180万円から188万円のレンジ推移となった。

11/16から続くBTCJPYの連日の上昇も一服し、180万円台を維持した堅調な推移を見せた。

東京市場時間では、日経平均株価とTOPIXが共に軟調なスタートであったが、午前9時30分頃からTOPIXが反発したことに加え、午前10時30分には、中国政府が国内消費を喚起し、イノベーション主導の成長モデルを推進する方針を示したとの報道が好感され中国株式市場が上昇したことを受けて、BTCJPYも反発上昇。午前11時30分頃には187.5万円まで買いが進んだ。

しかし正午を過ぎて、東京都の新型コロナウイルス新規感染者が500人を超えたとの報道が入ると、午前までの上昇の勢いは衰退しBTCJPYは下落。午後6時過ぎまで緩やかに下落を続け、日中安値となる180.7万円まで値を下げた。

また、BTCJPYの下落のタイミングと同時間帯に、当初今年の12月に予定されていたネムのパブリックブロックチェーン「シンボル(Symbol)」のローンチが来年の1月14日に延期されるとの発表を受けてXEMJPYも13円から午後5時には11円まで大幅に下落した

欧州市場時間に入ると英国と欧州連合(EU)の通商交渉一時停止による先行きの不透明感と新型コロナウイルス新規感染者拡大による景気回復への懸念から欧州株式市場は反落したが、日経平均やダウ平均の先物が買われており、BTCJPYも買いで反応し再び反発上昇。午後7時から午後11時にかけて180万円から187.6万円まで再び値を伸ばした。

米国市場時間に入ると、米新規失業保険申請件数が発表され、74.2万件(予想70.7万件、前回71.1万件)と予想を上回る数字となり、米労働市場回復の鈍化を示唆する結果となった。しかし米国株式市場は新型コロナウイルスワクチン開発進展への期待も大きいのか、下値は限定的となり、BTCJPY も翌午前0時頃に日中高値である、188.8万円を更新するも上値追いはなかった。その後、夜間帯は米国株式市場が緩やかな反発を見せるも、暗号資産市場に目立った材料はなくBTCJPYは185万円から188万円のレンジ推移で取引時間を終えた。

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

11/19営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.97%、中央値は0.36%、標準偏差は4.55%。

最大上昇銘柄はLTCJPY10.29%。最大下落銘柄はXEMJPY-7.98%

最大上昇銘柄となったLTCJPYは、11/16に直近8/17の高値である7,200円を上抜け後は、堅調な推移を見せている。2/13に更新した年初来高値である9,200円まであと一歩の水準まで上昇しており、さらなる上昇には好材料が必要となってくるだろう。高値圏でのボラタイルな動きに注意したい。

一方で二日連続での最大下落銘柄となったXEMJPYは、前日の11/18も5%超下落したが、11/19にSymbolのローンチ日が1か月程遅れるとの悪材料が出ると下げ幅を拡大させた。一時は11/8以降の上昇幅を全て打ち消す約11.13円まで下落。年末に向けての動きに引き続き注目したい。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

11/19営業日の全暗号資産終値の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は7.79%、中央値は5.78%、標準偏差は5.40%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEMJPY20.64%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBCHJPY2.95%であった。

リップル、年初来高値更新には材料が必要か

XRPJPY 日足 当社社内ツールより作成

XRPBTC 日足 当社社内ツールより作成

XRPJPYは11月に入り、堅調に推移している。背景にはBTCの上昇による暗号資産市場への資金流入だけでなく、XRP自体にもエアードロップ等の適度な材料があることが挙げられる。同時期のXRPJPYとXRPBTCのチャート(XRPJPYが年初来高値を更新した2月以降)を部分分けしてみると、

①新型コロナウィルス・原油安による金融市場全体のスパイク

②暗号資産市場は戻り基調だが、対BTCでの下落相場

③XRPや他アルトコイン主導の上昇(DeFiブーム)

④BTC主導の上昇。XRPJPYはかろうじて耐えている相場

⑤暗号資産市場全体が活況

と考えることもできる。

②と④、この当時のXRPは主な材料がなかったという点でも共通しており、BTCは上昇しているなか、対BTCで下落しており、積極的に買われる展開とはならなかった。

③の時期はDeFiによるETHをはじめとしたアルトコインが見直された時期で、XRPのSparkトークンのエアードロップも好感され、買い材料となった。BTCも変わらず買い戻される展開のなか、それを上回るパフォーマンスを発揮することができた(対BTCで上昇した)。

現状として、XRPJPYは上昇しており、対BTCでは移動平均線が下向いているものの、拮抗しつつある。XRPJPYが今後も上昇を続けるためには、BTCと連れて上昇するか、XRP単独で上昇できるほどの要素が必要となるであろう。一例として、リップル社のドバイ支社設立による不透明感解消や、現在は12月に控えているSparkトークンのスナップショットが材料として挙げられる。

リップルの出来高は2月の水準に差し迫る

XRPUSD 出来高加重平均(5日,25日,75日 2020.1.1 – 2020.11.18)CoinMarketCapより当社作成

上記はXRPUSDの出来高チャートである。年初から7月にかけてはXRPUSDでは出来高が減少していたものの、7月に一時的な出来高急増を経て横ばいとなり、順調に年初の水準まで出来高を戻しつつあるようだ。

直近の動きの詳細を確認すると、10/5に出来高が急増した後、5日移動平均線が、25日移動平均線、75日移動平均線を上抜けており、25日も75日を上抜けたことで、5日>25日>75日のゴールデンクロスが発生している。その後も出来高が増加していることから、出来高の強い上昇トレンドと考えることができそうだ。

一方で、10/29には出来高が急増しており、トレンド転換(下落)の兆しかとも見えたが、その後、XRPBTCは下げ渋り、XRPJPYは強い上昇トレンドとなった。

現状として、2月に年初来高値をつけた水準まで出来高が急増しているものの、価格はXRPJPYが20%、XRPBTCに関しては50%であることから、価格には現れていないが、市場参加者の関心が高まっている事が窺える。

しかし、10/29に関して見れば、出来高急増の後にリップル社のQ3最新報告書公開や、ドバイ支社新設の発表がされたことがあり、引き続き、今後のリップル社の動向や出来高の急増には注視していきたいポイントだ。

(11/20 午前7:00時点)

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2020-11-20
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