ビットコイン170万円到達、相場に過熱感はあるのか、今後の行方を考察
Daily Market Report 2020/11/13
2020.11.13
Daily Point
・PayPal、仮想通貨売買サービスを提供開始(CoinPost)
・自由民主党へ仮想通貨の税制改正要望 JCBAが『予算・税制等に関する政策懇談会』に出席(CoinPost)
・東京のコロナ感染3カ月ぶり高水準、全国も過去最高(Bloomberg)
BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成
木曜日(11/12)のBTCJPYは値動き荒く、2営業日連続で年初来高値を更新した。
東京時間のBTCJPYは午前中は軟調な動きとなった後、午後には167.5万円付近を探る上昇となった。
午前中は、国内の新型コロナウイルス感染者数急増の報道が嫌気されてか、株式市場が頭重く推移すると、つられてBTCJPYも上値重く165万円を前に低位でもみ合った。
午後に入ってからは、自由民主党「予算・税制等に関する政策懇談会」で暗号資産の税制改正要望が提出されたことや日経平均株価も上昇に転じたことにより、BTCJPYもつれ高となり167.5万円まで上昇した。
日経平均は前日比で171円28銭高の2万5520円88銭で引けた。8連騰は昨年9月以来、1年2カ月ぶりで、8日間の上げ幅は計2543円に達した。
欧州市場のBTCJPYは、19時には年初来高値を更新し、一時170万円台まで到達後、利食い等に押され数分で売られ、20時には164万円台まで下落した。
米国市場時間は、株式市場が高値警戒感からか、頭重く推移するとBTCJPYも166.6万円まで連れ安となったが、金利低下・ゴールド上昇に反応し、一時、170万円台に再び乗せる場面もあった。
その後は、株式市場が軟調になる中、利益確定的な売りに押されと、BTCJPYは167.5万円まで下押したが、午前3時過ぎには、下髭をつけて上昇基調となり、そのまま続伸、終わってみれば、170万円に到達して大陽線で取引を終えた。
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
11/12営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-1.34%、中央値は-1.60%、標準偏差は1.26%。
最大上昇銘柄はBTCJPYの+1.63%。最大下落銘柄はBATJPYの-3.19%。
最大上昇銘柄のBTCJPYは、節目の170万円を目前に控えて、上昇ペースが加速。
他のアルトコインからの資金の流入が顕著となり、2日連続の年初来高値更新となった。
最大下落銘柄のBATJPYは、BTCJPY以外の銘柄が軒並み下落する中で、QTUMJPYなどとともに下げ幅を広げる形となった。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
11/12営業日の全暗号資産終値の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は4.40%、中央値は4.18%、標準偏差は1.17%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はBATJPYで6.54%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRPJPYで2.45%であった。
・株高、景気先行指標と連動するビットコイン
BTCは11/7に162万円から148万円まで14万円の大幅調整が起きたのにもかかわらず、今月の上昇トレンドを崩すことなく11/12に170万円の大台を突破した。連日の年初来高値を更新する好調な推移の結果、今週の週足が陽線で引けることとなれば、2018年2月以来の6週連続続伸という記録に並ぶこととなる。しかし、あまりの好調ぶりに2017年のバブル相場を想起させる推移であるという市場参加者の声もある。
そこで、過去のBTCの値動きからBTCの現在地点は根拠ある推移であるのか、それとも過熱感を示唆するものか、今後の行方の手がかりを探ってみたい。
Bloombergより当社作成
左軸がBTC、右軸がMSCIとCopper
上図は、2016年1月1日時点の終値を100としたBTCと世界の主要株式市場を対象とした指数であるMSCI世界株価指数、そして景気の先行指標として注目される銅を比較したものとなる。
上図から、BTCは世界株式市場の良し悪し、景気循環と大きく連動していることがわかる。大きなサイクルとして具体的には、
①2016年10月~2017年12月の上昇トレンド(MSCI世界株価指数、銅は共に上昇)
②2018年1月~2018年12月の下落トレンド(MSCI世界株価指数、銅は共に下落)
③2019年1月~2019年7月の上昇トレンド(MSCI世界株価指数、銅は共に上昇)
④2020年2月~2020年3月のコロナショックによる下落(MSCI世界株価指数、銅は共に下落)
⑤2020年3月~現在の上昇トレンド(MSCI世界株価指数、銅は共に上昇)
とBTCは大きな上昇と下落を繰り返しながらも、世界経済の成長に寄り添って価格は推移していたことがわかる。
Bloombergより当社作成
左軸がBTC、右軸がCopper
③と④の空いた期間である2019年8月~2019年12月頃、世界株式市場の価格とBTCの価格の連動が相関あるものから逆相関の関係に変化した時期もあったことがわかるが、これは景気先行指標である銅価格が上値を切り下げた推移をみせており、BTCは景気先行指標に連動していたことで説明がつくといえる(A箇所参照)。
また、2017年のBTCが史上最高値を記録した同時期に、銅価格も高値をつけていることがわかる。大統領選の不透明感が後退、金融緩和の継続、さらにはコロナウイルスのワクチン開発の期待が高まっている中、世界株高に乗じて上昇トレンドが維持されるならば、景気先行指標とBTCの2017年高値を更新する可能性がある。(詳細は「ビットコイン反発上昇、先行きは続騰か?」参照)
・短期的には調整の警戒も必要か
BTCJPY 週足 当社社内ツールより作成
上図は、BTC週足チャートと移動平均乖離率を表示し、価格のトレンドの行きすぎ状態を視覚化したチャートとなる。
価格の行きすぎは是正される傾向に基づき、移動平均線から価格が大きく下に離れた地点(緑丸)は売られすぎ判定となり、移動平均線から価格が大きく上に離れた地点(赤線)は買われすぎ判定として相場の反転動向を示す手がかりとなる。
上図で示したように、現在の移動平均線乖離率は過去に下落に転じたケースと同水準で乖離が発生していることから短期的な調整には一層警戒することが必要かもしれない。
(11/13 午前7:00時点)
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