イーサリアム、高値更新なるか?

Daily Market Report 2020/10/19

2020.10.20

Daily Point

・ペロシ議長とムニューシン財務長官、米東部時間午後3時に電話協議へ(Bloomberg)

・景気回復に長い道のり、労働市場持ち直しに遅れも=FRB副議長(Reuters)

・英国、EU提案取り合わずー「交渉再開の根拠依然ない」と強硬姿勢(Bloomberg)

・ユーロネクスト傘下取引所で障害、きょう中に取引再開へ(Reuters)

・米FRB議長、「デジタルドル」に慎重姿勢 利点とリスク見極め必要(時事通信社)

・仮想通貨「ポルカドット」への注目高まる-時価総額が世界8位に(Bloomberg)

 

BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成

昨日(10/19)のBTCJPY相場は3日連続で続伸となった。

東京市場時間は、米国経済対策の協議が引き続き実施されていることを背景にBTCは買い方優勢でスタート。午前9時台には121.6万円まで上昇幅を拡大した。

日経平均株価は、終値が昨年末来の高値となる上昇となった一方で、BTCは直近10/16の高値である122.2万円を上回ることができず失速。日本時間午後1時台には営業日安値である120.2万円まで下落した。

欧州市場時間に入り、BTCは底固め。下値を切り上げて再度高値を試す展開の中、日本時間午後5時台に、欧州取引所大手のユーロネクストがシステム障害により計5か所の取引所で一時売買停止となるニュースが懸念された。しかしBTCには影響がなく、ゴールドの上昇に合わせて底堅さをみせた。午後9時台にはゴールド急伸の後押しを受けて121.4万円まで反発上昇となり、午後10時台には122.2万円まで続伸した。

米国市場時間では、ムニューシン米財務長官とペロシ下院議長が米国経済対策を巡り、電話協議するとの報道があり、大統領選挙前の法案合意への期待感からダウ平均株価とナスダック総合指数は上昇して始まった。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染者増加により、各地域で制限措置が強化される方向にあることから、経済回復の遅れが懸念され、揉み合いの末、翌午前0時頃には下落に転じた。BTCJPYは、リスク回避資産であるゴールドが底堅く推移したことも影響してか、下値を支えられ、午前1時までに本日高値となる124.6万円まで上昇、その後、ゴールドはムニューシン米財務長官とペロシ下院議長との協議に進展があったとの観測報道から上値が抑えられるとBTCJPYも連れ安となり、翌午前1時以降は123万円台まで値を落とし、この水準での推移となった。

・銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/19営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.37 %、中央値は0.84%、標準偏差は1.93%。

最大上昇銘柄はXLMJPY+6.72%。最大下落銘柄はETCJPY-0.57%

最大上昇銘柄であるXLMJPYは9月末から徐々に下値を切り上げている。10/19営業日の早朝は弱含んだが、10/12営業日にレジスタンスだった8.3円付近がサポートとなったこともあり、再び上値を伸ばした。最大下落率のETCJPYは10月に入ってから横ばいで推移している。先週7日間は-5.2%の下落だったが、前回(2週前)の下落週は-6.8%だったことから、週単位での下げ幅も縮小傾向にある。

・24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/19営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは、平均値は4.21%、中央値は3.38%、標準偏差は1.98%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXLMJPY9.56%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はQTUMJPY2.85%であった。

・イーサリアム、強気相場入りなるか?

チャート(ETHJPY 日足) 当社取引ツールより作成

DeFiブームで今年の7月から8月下旬にかけて急騰していたETHJPYだが、9月に入ってからは急落し、その後も軟調な展開が続いていた。しかし、10月に入り、約1か月ぶりに4万円台まで値を戻し、現在も同価格帯を推移している。

9月中旬から、20日単純移動平均線(赤線)に上値を抑えられ推移していたが、その流れは10月に入ってからも続いて(ピンク矢印)いた。しかし、10/7を機に、4日連続の上昇を見せ、10/12には35,000円から約14%上昇の41,100円に到達し、約1か月ぶりに40,000円台を回復した。その後はボリンジャーバンド+2σのラインを上抜けできず、一度は約38,000円まで調整するも、それまでレジスタンスラインとなって頭を押さえていた、20日単純移動平均線がサポートとなって反発している。

短期的には、上昇チャネル内(白線)の推移であるのに加え、ダウ理論的にも、9月末高値がサポートとして機能していることからも、まずは直近高値である41,100円がターゲットとなりそうだ。20・100日単純移動平均線が上向きで下支えとなる点、9月下旬から下値を切り上げて推移している点を踏まえると、さらに上昇する可能性も視野に入るだろう。

次に意識される価格帯としてはチャネル上限でもあり、過去に2度上値を抑えられて、43,000円付近が意識され(白丸)、今回もレジスタンスラインとして機能する可能性がある。しかし8月のパターンでは、ヘッドアンドショルダー+MA20割れからの下落トレンド入りを大きく裏切り、10%超の大幅上昇を演出している。DeFiの今後の活躍次第では、再度、年内に年初来高値、51,500円の更新も視野に入ってくるだろう。

BLOCKCHAIR データより当社作成
(https://blockchair.com/ethereum)

ETHJPYの価格を形成する要素の一つにトランザクション1回あたりの平均手数料がある。DeFi市場の大幅成長、それに伴うDeFi領域でのネットワークの圧迫等から、8月においては、1回あたりの送金手数料が15ドルへと、歴史的な高騰が続き、価格上昇への一因となっていた。しかし、その後のマイニング報酬の削減検討や、DeFiブームの落ち着きから、現在は1ドル前後を推移している。

その他に、1秒あたりに処理できるトランザクション数も指標としてあるが、これらも、9月に比べ低下してきており、投資家のDeFi、ひいてはEthereumへの熱も一旦は落ち着いた状態にあると受け取れる。

昨今では、中国でも積極的にDiFiを採用していくような動きもあることから、今後もEthereumのプラットフォーム上でのプロジェクト開発や、DeFi関連が注目されると再びボラタイルな展開が予想される。引き続き注視していきたい。

ETHJPY は前回のレポートも参考に注目点を押さえていきたい。 (https://bitcoin.dmm.com/useful_information/market_report/20201002)

(10/20 5:30時点)

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2020-10-20
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