ビットコイン取引は午前9時前後(東京時間)に注意…!?

本日は、暗号資産のアノマリーとファンダメンタルズにフォーカスしてお伝えいたします。

ビットコイン取引は午前9時前後(東京時間)に注意…!?

BTCJPY1時間足 当社取引ツールより作成

暗号資産取引の時間アノマリーとして、Bitcoin(BTC)価格は午前9時前後に大きく動くことが多い点や、午前9時に1日の最高値、いわゆる天井になることが度々発生しています。この事象が多々発生する原因として、以下の3つの可能性が考えられます。

1つ目は、BTC価格の日足が確定するのが、午前9時が多いという点です。暗号資産は株式市場とは異なり、24時間365日取引が可能です。そのため、ローソク足である日足が確定するタイミングがUTC(協定世界時間)0時、すなわち日本時間で午前9時となっています。日足は投資家の中で分足よりも重要視されていることが多く、短期・中期的なトレードをする際によく利用されています。BTC価格が前日比プラスで終わるのか、またはマイナスで終わるのかで今後の方向性が決まることもあるため、激しい価格変動を起こしやすい時間帯であると考えられます。

2つ目は、日本の株式市場のスタートが午前9時という点です。暗号資産取引を行っている投資家は株式市場にも注目して取引も行っている人も多いと考えられます。そのため、株取引の資金や株式市場で損失が発生した場合の追証回避のための資金を証券口座に差し入れるため、株式市場が始まる午前9時以降は暗号資産の売りが増加する可能性があります。他にも、東京証券取引所は過去に「世界三大証券取引所」と呼ばれていた点からも、午前9時前後は世界中の海外投資家達も意識している時間帯かもしれません。

3つ目は、通勤時間の取引が考えられる点です。最近は、PCよりも、スマホアプリで暗号資産を取引する人が多いとみられ、通勤時間帯の取引が活発になることが予想されます。また、弊社年間平均データを見てもショートポジションを持つ人より、ロングポジションを持つ人の割合が多いため、午前9時前には買いが増加することも考えられます。

以上の考察を踏まえた上で下記の検証結果を見ていただきたい。

(図)当社データより作成

上図は計測期間2020/6/1 – 2020/10/5における、BTCJPYの日中高値となった時間帯別集計です。高値を付けた時間が多い順に7時、10時、15時、23時、2時となっていることが分かります。これらの時間帯は上記2つ目の考察で述べた「株式市場のオープンとクローズ」と被っており、東京時間オープン後の10時、クローズの15時、ニューヨーク時間オープン後の23時にビットコインも動意付くことが多いと言えることができると思います。

また、これらの検証結果から、以前のレポートで紹介した(https://bitcoin.dmm.com/useful_information/market_report/20201012)、暗号資産市場の市場構造の変化が時間帯別の値動きにも表れていることが分かります。ビットコインが誕生してから10年が経過した暗号資産市場であるが、今後は暗号資産のみの値動きではなく、金融マーケット全体を俯瞰する必要があるでしょう。

ビットコインが高騰!だだし、CMEの窓には要注意…!?

BTCJPY4時間足 当社取引ツールより作成

BTCJPY価格が、約40日ぶりに120万円を突破しました。ここ最近、ハッキング事件や、イギリスで個人投資家への暗号資産デリバティブ提供禁止など、ネガティブな話題が続いていたことから、この価格上昇によって市場に安堵感が広がったかもしれません。

価格が上昇した原因として、上昇直前である10/8にTwitter創設者であるJack Dorseyが経営するSquare社が、BTCを5000万ドル(約53億円)購入したという報道が考えられます(Coin Postより)。他にも、オランダ初の暗号資産取引所AMDAXが運営ライセンスを取得したことも好材料として考えられた可能性も考えられます。(CoinPostより)。

このような好材料により、BTCJPYは楽観的になりたいところですが、一方で10/12に米CME Bitcoin先物に大きな窓が出来たため、BTCJPY価格の下落にも警戒が必要です。CMEとは米デリバティブ取引所シカゴ・マーカンタイルのことで、土・日は取引が停止します。そのため、週末にBTC価格が大きく動いた月曜日には、大きな窓(ギャップ)が発生することになります。先週のCME Bitcoin先物の価格は、先週終値11,095ドル(約1,172,525円)に対し、今週始値が11,360ドル(約1,200,530円)となり、28,005円の窓が完成しています。この窓を埋める(価格が戻る)動きが過去にも多く発生していることから、BTCJPY価格が1,172,525円に戻ってしまうことが懸念材料として考えられます。

10/12 午後6時時点では、窓が埋まる動きは確認できていませんが、CMEの窓は毎週発生するので、今回に限らず確認しておくとよい指標の1つかもしれません。

まとめ

今回は午前9時の価格アノマリーについて説明をしましたが、このような時間アノマリーは無数に存在しています。その時の経済情勢によって変わることもありますが、暗号資産によっては規則性のある動きが確認されることもあるので、他にもアノマリーが存在しないか分析してみても面白いかもしれません。

また、CMEの窓埋めも2020年は話題になることが多く、意識している投資家が増加した可能性も考えられます。窓埋めの認知度が高まったとなれば、窓埋めを狙っている投資家への仕掛けの動きが発生する頻度が増える可能性が考えられるため、過度な期待も注意が必要になるかもしれません。

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2020-10-14
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