米株下落に水を差され、上昇相場移行は持ち越し

Daily Market Report 2020/9/10

2020.9.11

・EU、英の離脱合意修正「月内撤回を」 FTA合意に危機(日本経済新聞)

・ラガルド総裁、ECBはユーロ相場を注視-警戒感は示さず(Bloomberg)

・米上院、共和党の追加コロナ対策法案の動議否決(Reuters)

 

BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成

昨日(9/10)のBTCJPY相場は僅かに上昇した。

BTCJPYは、109万円からスタートし、午前8時には一時108万円まで下押しした。しかし、前日(9/9)の米国市場時間の好転ムードを引き継いだ日経平均株価やゴールドの上昇につられる形で、午前9時から反転上昇。午後1時には111万円まで上値を伸ばした。

欧州市場時間に入ると、ECB理事会を控えて慎重ムードに転じ、再び朝方の109万円まで上げ幅を削った。その後ラガルド総裁が政策決定後の記者会見で、緩和政策の維持の決定を発表。さらにECBがここ最近のユーロ高に対して警戒感を抱いていないことを示唆すると、ユーロは一時、対ドルで1ユーロ=1.1916ドルをつけた。

一方のBTCJPYは109万円では底堅さを見せ、午後9時以降に上昇に転じた。そして米国市場時間に米国株が上昇して始まったことが起因して、BTCJPYも力強く上昇し、午後11時には111万円を回復。しかし、すぐに米国株が反落し始め、さらに米上院が共和党の追加コロナ対策法案の動議を否決したという報道が出ると、翌午前4時にかけてダウ平均株価が高値から700ドル下落。BTCJPYもつられて再び109万円まで下落することとなったが、ここも割れることはなく109.5万円まで値を戻した。

・銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

9/10営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.27%、中央値は1.95%、標準偏差は2.12%。

最大下落銘柄MONAJPY-1.94%最大上昇銘柄QTUMJPY5.72%

9/4 午前4時36分に半減期を終えたMONAは一時的な上昇を見せ147.5円の高値を打ったが、その後は堅調さを示すことができず、9/9営業日に続き2日連続で最大下落銘柄となった。

最大上昇銘柄であるQTUMは9/4から4度の安値を試し底を固めていたことから、市場参加者の注目が集まっており、2日連続で最も堅調さを示した。

・24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

9/10営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.24%、中央値は4.96%、標準偏差は1.68%。

最もボラティリティが高かった銘柄XEMJPY7.52%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄BTCJPY2.92%であった。

・ネム、2日ぶりに反発、半値戻しへ。強気の勢いは続くのか?

XEMJPY 日足 当社取引ツールより作成

9/10営業日の最もボラティリティが高かった銘柄はXEMJPYで7.52%であった。

直近では、9/8は陰線、9/9も続落と弱気派が優勢で値を崩す場面もみられたが、上図チャート上②の13円のサポートラインでは底堅く推移しており②ラインは市場参加者から強く意識されていることが伺える。

9/10は東京市場時間に上図②の13.5円のレジスタンスラインをブレイク、14円まで上昇。その後はECB理事会を控える慎重ムードから、上げ幅を削る場面もみられたが②の13.5円のサポートラインは守り、下値の堅い相場を形成。欧州市場時間から米国市場時間にかけて14.1円まで上げ幅を拡大。再度上昇基調で推移している。【詳細は、以前のレポート(https://img.bitcoin.dmm.com/press/market/dmm_bitcoin_market_report_20200908.pdf)の「ビットコイン、1万ドルを挟んだ攻防継続」のコラムで記載】

XEMJPY 4時間足 当社取引ツールより作成

上図は9/1の高値17.733円と9/5の安値10.489円をフィボナッチ・リトレースメントで結んだものである。大きく下げた相場がどれだけ値を戻したのか確認すると、今の相場は丁度50.0%水準まで相場が反転推移したという点、そして2度に渡り50.0%ラインである14.1円の突破を目指したがブレイクに失敗しており、14.1円は市場参加者から意識されるレジスタンスラインであることが分かる。

今後のシナリオとして13.5円のサポートラインの確認と強含みの推移が継続する場合、50.0%ラインの14.1円のレジスタンスラインを試す上昇につながり、再度高値を更新することが想定されるであろう。一方13.5円のサポートラインを確認できない場合、再度13.5~13円の中間点までの反落も想定される。価格帯ごとの意識されているラインに注目したい。

・方向感のないビットコインキャッシュ、今後の展開は?

9/2から連日下落し、その後反発の雰囲気のないBCHだが、9/10営業日も値幅狭く、方向感の出ない動きとなった。

ここでBCHについてこれまでの価格推移を振り返ると共に今後の動きについて考察していく。

BCHJPY日足 当社取引ツールより作成

今年に入ってからBCHは2月に年初来高値である、54,000円をつけてから急落し、1か月後の3月には約40,000円も下落し13,000円まで値を下げるボラタイルな展開が続いていた。しかしその後は自立反発し値を戻すも、20,000~30,000円でのレンジ推移が約4か月間も続いた。7月中旬頃からはアルトコインが先導となって暗号資産市場はレンジ上へブレイクし急騰。ETH 100%、XEM 250%、XRP 70%の上昇に対してBCHは約50%の上昇と主要アルトコインの中でも一際上昇幅の小さい展開となった。

9/11現在、BCHは9月初旬の下落で、7月中旬の上昇前と同価格帯を推移しており、BTCに加え、他主要アルトコインは30~80%の反落でおさまっていることから、BCHが弱気相場であることが伺えるだろう。

現在の23,000円前後の価格帯は、今年の3月頃から、何度もサポートラインとして機能しており市場参加者が意識しているポイントとなっている。今後はこのサポートラインを割れると、今年3月以来となる1万円台まで下落する可能性が考えられる。もしこの価格帯で耐えることができれば、上昇の兆しが見え再び3万円台へ到達する可能性もあるだろう。しかし、ここ最近ではXEMやDefi関連銘柄の話題が中心となっており、BCHに関しては材料薄な状況である。加えてクレイグライトとロジャーバーの対立のBCH騒動が今もなお続いていること、短期移動平均線が中期・長期移動平均線を上から下に突き抜けるデッドクロスが発生していることから今後も市場に大きなインパクトを与えるニュースが出ない限りは上値の重い展開が続く可能性が高いだろう。

(9/11 5:30作成時点)

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2020-09-11
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