ビットコイン、1万ドルを挟んだ攻防継続
Daily Market Report 2020/9/7
2020.9.8
Daily Point
・東京オリンピック「来年7月23日開幕する」IOCコーツ調整委員長(NHK)
・【ロンドン外為】ポンド下落、「合意なきEU離脱」シナリオ再び戻る(Bloomberg)
・独鉱工業生産指数、7月は前月比+1.2% 予想下回る(Reuters)
BTCJPY 15分足 当社社内ツールより作成
昨日(9/7)のBTCJPY相場は、方向感のない展開であった。
東京市場時間、BTCJPYは109.9万円から始まり、前週のからの悪いムードを引き継いだ。
日経平均株価も弱含む中、英ジョンソン首相が『EUとの通商交渉のデッドラインを10月15日と定め、進展がなければ、ハードブレグジットを選択する』との姿勢を示したと報じられGBPを始めクロス円市場も大きく下げ、BTCJPYもつられる格好で、午後3時には107.1万円まで下落する展開となった。
欧州市場時間では、欧州株の買いにより市場が好転し、108.5万円まで反発を見せたが、ドル高の進行がBTCの重しになったか、108万円近辺を推移し、午後9時になると安値となる105万円まで下落した。
米国市場時間ではレイバー・デーにBTCJPYは上昇するというアノマリー通り反発し、再び109万円台まで回復して欧州市場時間での下げを取り戻した。しかし109万円で頭を押さえられ、高値を更新することはできずに終わった。米国市場が休場のため、BTCJPYと相関性があるとされているゴールドの商いも薄く、BTCJPYの価格を牽引する材料が乏しいこともあり、反落後は107万円から108万円台を推移して7日営業日を終えた。
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
9/7営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は -1.99%、中央値は -2.77%、標準偏差は2.39%。
最大下落銘柄はBATJPYの -4.37%。最大上昇銘柄はXEMJPYの4.30%。
最大下落銘柄のBATJPYは、8/24のダブルトップ形成以後は軟調で、8月の上昇分を打ち消している。現在のところ新規の売買材料に乏しく、他のアルトコインが選好されている可能性もある。
最大上昇銘柄のXEMJPYは、市場参加者の買い意欲も強く、2営業日続伸した。(後述)
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
9/7営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は8.82%、中央値は7.89%、標準偏差は3.77%。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEMJPYで18.96%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPYで4.49%であった。
・ネム、2日続伸。9月も存在感強い銘柄となるか
XEMJPY 日足 当社取引ツールより作成
9/7営業日の最大上昇銘柄はXEMJPYの4.30%となった。
XEMは2日続けて最大上昇銘柄として推移している。特に9/7は他銘柄が反落している局面で続伸して始まり、失速後も再び上昇したことを踏まえると、市場参加者からの押し目買い意欲が強い状態であることが伺える。【詳細は、以前のレポート(https://img.bitcoin.dmm.com/press/market/dmm_bitcoin_market_report_20200907_01.pdf)の「苦しい展開が続くビットコイン、1 万ドルを挟んだ攻防が続く」のコラムで記載】
チャートでは前日9/6の反発上昇により、②13円のレジスタンスラインの突破に成功。9/7は更に13.5円のレジスタンスラインの突破を試すが、東京市場時間のムードに押し戻され突破に失敗。その後は突破した13円のサポートラインを再度割り込む下落基調の推移をみせたが、米国市場時間に切り返し13~13.5円の中間点で推移している。
当社取引ツールより作成
上図は1/1 から 9/7までの期間で価格パフォーマンスが上位であった 3 銘柄と暗号資産時価総額 1 位である BTC の比較チャートとなる。
XEMの価格パフォーマンスと他銘柄を比較すると、直近の大幅下落からの反発力が非常に強いことが分かる。今後の推移としては、②の13円のサポートラインの確認と強含みの推移が継続する場合、①の16.5円のレジスタンスラインを試す上昇につながり、再度高値を更新していくことが想定されるであろう。一方、②の13円のサポートラインを確認できない場合、再度②と③の13円~10.5円の中間点までの反落も想定され、押し目買いは慎重に臨む必要がありそうだ。
・下落続くイーサリアムクラッシック、重要な局面へ
ETCJPY日足 当社取引ツールより作成
9/7営業日の下落率2位の銘柄はETCJPYで -4.09%となった。
8/1の51%攻撃以降、度重なる攻撃によりETCの脆弱性が疑問視されることとなった。市場参加者はこの問題についてネガティブに反応しており、価格も8/2の高値864円から9/4の安値496円まで下落した。現在も高値からおよそ2分の1の価格で取引されている。直近2週間の推移をみると、8/24~8/25に反発局面に差しかかるが長期移動平均線に抑えられ反落(①)。9/1~9/2も同じく反発局面をむかえることとなったが①と同様に長期移動平均線に抑えられ反落(②)している。①、②以降は下げ幅を広げて続落が続いており、短期移動平均線と長期移動平均線の幅と間隔が拡大していることからも下落トレンドの強さがうかがえる。正式に問題が解決されるまで不安定な展開が見込まれるだろう。
(9/8 5:30作成時点)
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