苦しい展開が続くビットコイン、1万ドルを挟んだ攻防が続く
Daily Market Report 2020/9/4~6
2020.9.7
Daily Point
・ビットコイン、主要仮想通貨取引所で一時1万ドル割れ(COINPOST)
・米雇用者、8月は137万人増-失業率は8.4%と予想以上に低下(Bloomberg)
・米国株式市場=続落、「FANG」銘柄の下げ続く(Reuters)
BTCJPY 一時間足 当社社内ツールより作成
先週末(9/4-6)のBTCJPYは大きなボラティリティを伴った下落となった。
金曜日(9/4)は前日(9/3)の下落相場を引き継ぎ、午前8時頃に大きく売られて一時106万円まで下げ、1時間で7万円幅の下落となった。その後はアルトコインの反発もあり、午前中のBTCJPYは109万円台を底堅く推移し、112万円台まで値を戻した。
午後9時半には8月の米雇用統計が発表。非農業部門雇用者数は市場予想140万人増に対して前月比137万人増。失業率は市場予想9.8%に対して8.4%と、4カ月連続での労働市場の改善が確認された。しかし、米株式市場がハイテク株主導の大幅下落で始まると、BTCJPYも再び下落に転じ、一時105万円まで下落。ただその後は押し目買いが入るなどして米国株が上昇に転じると、BTCJPYも連れてすぐに反転。そのまま朝方まで上昇を続け、米国市場時間の下落分を回復した。
土曜日(9/5)は続落。変わらず揉み合いながらも軟調で、アルトコインも連動して全体的に下落基調で推移。特にXEMJPYはこの一週間で大きく上昇していたことから下げ幅も大きく、午後5時から午後9時までに4円(約26%)下落し、11円台をつけた。BTCJPYも同様に106万円まで下落するが、この10,000ドルラインでは底堅さを見せ、すぐに反発。しかしその後も下落の勢いは収まらず、日付が変わって翌午前0時以降に5時間連続で陰線となり、再び10,000ドル付近に押し戻される。だがここも節目を割ることはなく、翌午前7時にかけて107万円まで値を戻した。
日曜日(9/6)は小幅上昇。午前8時頃に反発して108万円台半ばまで値を戻したが、109万円付近では上値が重く、午前中は107万円から109万円の間で揉み合いが続いた。午後2時頃からは価格を切り上げていき、午後5時頃に109万円まで上昇。以降は朝方まで109万円付近でのレンジ推移を続けた。
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
9/6営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は5.70%、中央値は5.36%、標準偏差は3.23%。
最小上昇銘柄はBTCJPYの2.47%。最大上昇銘柄はXEMJPYの12.75%。
昨日は全銘柄とも上昇した。最小上昇銘柄のBTCJPYも上値重いながらも下げ渋りをみせていた。最大上昇銘柄のXEMJPYは、逆行高となった9/3営業日に続き、ステーキングサービス需要を背景とした買いが集まった。(後述)
全般を通して、アルトコイン主導の反発であったと読み取ることもできる。
・24時間 ボラティリティ (%)
9/6営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は9.28%、中央値は7.20%、標準偏差は4.57%。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEMJPYで20.50%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPYで3.84%であった。
・8月に3倍上昇をみせたネム、今月の行方は?
XEMJPY 日足 当社取引ツールより作成
9/6営業日の最大上昇銘柄はXEMJPYの20.5%となった。
9/15にsymbolのオプトインが開始されるという好材料に加えて、先月の8月に5.4円台から16.3円台と価格が3倍まで上昇を続け、市場参加者からの買い意欲が旺盛であることから他銘柄と比較して反発幅も大きかったといえる。【詳細は、以前のレポート(https://img.bitcoin.dmm.com/press/market/dmm_bitcoin_market_report_20200903.pdf)の「6 連騰失敗、5 連騰の上昇幅を吐き出したビットコイン。今後の行方は?」のコラムで記載】
今回、①の16.5円より上の価格帯において、定着することができなかったネムは、9/5の大幅下落により②の13~13.5円のサポートラインをブレイク。ブレイク後は下落基調を強め③の10.5円のサポートラインを試す展開をみせたが、10.5円のサポートラインのブレイクには失敗。後は下落基調和らぎ一旦反転し、9/6には②と③の中間点での反発上昇といった推移をみせている。
XEMJPY 4時間足 当社取引ツールより作成
今後の推移は2つのシナリオが考えられる。まず、③の10.5円のサポートラインを確認できたシナリオの場合、②の13円~13.5円のレジスタンスラインを試す上昇につながり、再度高値を更新していくことが想定されるであろう。一方、③の10.5円のサポートラインを確認できない場合、8.5円~9.5円の保ち合い圏までの下落も想定され、8月の上昇幅の大半を吐き出す可能性があることにも注意が必要といえそうだ。
・リップル、三役逆転するも今後の展開は?
XRPJPY日足当 当社取引ツールより作成
XRPJPYは7月以来の安値を更新している。日足チャートを見てみると、他の銘柄同様に8月に34円の高値(ヘッド)をつけ、ネックラインではもみ合いながらも、32円まで上昇し、そこからサポートラインとなる雲を突き抜けて、ネックラインを割り込んだ。
また、先んじて8/27の下落では、①転換線(黄)による基準線(緑)の下抜けと、②遅行スパン(紫)による8/1のローソク陽線を下抜けを達成しており、③9/5に実体の伴った陰線で雲を下回ったことで、強い売りシグナルである三役逆転が発生したと考えることもできる。
一目均衡表上では、自律反発局面でも雲下限がレジスタンスとなって、頭を抑えられる可能性や、三役逆転に反応した売りによる下落の加速が考えられるが、この下落はこのまま続くのだろうか?
XRPJPY 週足 当社社内ツールより作成
上記のチャートのボリンジャーバンドを見てみると、7月の後半から8月の半ばまでは+2σの上限ラインを突き抜けて推移していた。34円の高値をつけたのも+2σの上限ラインの外である。RSIを見てみると、この期間は80のライン付近を推移しており、過熱感を示していた。
では現在はどうだろうか?
9月に巻き戻しが入り、7月後半の価格まで戻っている。XRPJPYの価格は中期移動平均線(20MA)付近にあり、RSIも50付近にある。このことからは方向を掴めないが、移動平均線が下を向いていないこと、また日足のRSIでは売られ過ぎを示す20のライン付近を推移していることから反発してくる可能性がある。長期の下降トレンドを脱し、32円より上へトレンド転換するためには重要な攻防となりそうだ。だがもし、このまま24円でサポートされず、下落が続くようであれば、ボリンジャーバンドの2σの下限ラインであり、前回安値の16円前後を視野に入れる必要も出てくるだろう。
(9/7 5:30作成時点)
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