6日ぶりに123万円を回復。続伸は週明けのマーケット次第か
Daily Market Report 2020/8/28 – 8/30
2020.8.31
Daily Point
・XEMが大幅上昇 約2年ぶりに16.3円まで(当社調べ)
・日銀、大規模緩和継続へ コロナ禍で資金繰り支援―安倍首相辞任(時事通信)
・米低金利観測でドル下落、円は首相辞任で安全買い=NY外為(ロイター)
BTCJPY 1時間足 当社社内ツールより作成
先週末(8/28-30)のBTCJPYは概ね上昇基調で推移。円相場の上昇により、行って来いの場面もあったが、BTC自体は底堅く、120万円を割ることなく安定して上昇した。
金曜日(8/28)は小反発。前営業日3時頃からの上昇を継続させ、朝方は上昇。さらに東京時間に入って日経平均株価・ドル円・金の価格が上昇して始まると、暗号資産もついていく形となり、BTCJPYは122万円手前まで上昇した。14時には、安倍首相が辞任を表明したことにより日経平均株価・ドル円は大幅下落となったものの、暗号資産への影響は少なく小幅な下落に留まった。欧州時間においても円買いが継続し、ドル円は一時105.2円に到達する中、BTCJPYには目立った動きはなく、ボラティリティの乏しい値動きが継続した。
NY時間入り後、23時過ぎには120万円付近まで下落したが、ドル円の下げ渋りやダウ平均株価の上昇もあり、すぐに反発して122万円手前まで回復。その後は週末のためか、それ以上の買いが続かず、121.2万円ほどまで緩やかに値を下げた。
土曜日(8/29)は小幅上昇。午前中は値幅5,000円程度の方向感の無い値動きとなったが、正午からは上昇に転じ、16時過ぎには前日高値の121.9万円を更新。だが122万円付近のラインを抜けることはできず、120万円後半まですぐに押し戻される展開となった。その後も、23時以降に再び上値を目指す動きがあったが、またも日中の122万円ラインで失速し、121.6万円ほどまで押し戻された。
日曜日(8/30)は続伸。朝方から9時にかけては、前営業日後半の下落基調が継続し、121.1万円まで下押しした。一方でXEMJPYが一時約2年ぶりの16円台まで大幅上昇するなど、アルトコインは底堅く推移。さらに、日銀の金融緩和路線が首相辞任後も当面継続される見通しであるという報道が入ったことにより、金融市場の不透明感が後退、するとBTCJPYも引きずられる形で122万円台後半まで反発し、前日超えられなかった122万円ラインを軽々と突破した。11時以降は上昇の動きが落ち着き、122万円台での高値での揉み合いとなったが、翌1時過ぎには再度上昇し、6日ぶりに123.4万円まで回復した。その後は、週末の薄商いや材料待ちもあり、123万円を挟んだ小動きに終始した。
・ネム16.3円まで高騰し2年ぶりの高値水準突破、上げ止まりにより調整となるか?
チャートA(XEMJPY日足 当社取引ツールより作成)
週末、新チェーンSymbol稼働予定やオプトイン予定などの個別材料により高騰したXEMは2年ぶりの高値水準となる14.5円を突破し、16.3円を確定させた。以前のレポート(https://img.bitcoin.dmm.com/press/market/dmm_bitcoin_market_report_20200825.pdf)の「ネム 8.3 円の重要な価格ラインを上抜け年初来高値更新、上目線のまま調整局面に突入か?」のコラムで記載した調整局面は、フィボナッチリトレースメント23.6%水準の押しとなり、橙色チャンネルの上限を上抜けた(チャートA参照)。上抜けにより加速したXEMだが、その上げ止まりについて「斜めライン」と「価格ライン」を用いて分析してみる。
まず橙色チャンネル内で押したフィボナッチ23.6%水準の安値を節目としたN波動により、橙色のラインを移動させる(チャートB)。実勢はこのラインへ到達し上髭で引けて推移しているため、下落調整を示唆した状況である。
チャートB(XEMJPY日足 当社取引ツールより作成)
また週足より価格ラインを確認すると2018年6月18日週足の14.9円安値で抑えられていることが分かり、実体引けが確定すればレジスタンスとして機能したと言える(チャートC)。下げた場合は2019年6月24日週足の11.4円高値に当てた価格ライン、若しくは上抜けた橙色ラインで支持されることが想定できる。
以上より14.9円を実体抜けしない限りは上げ止まりと見て、一旦チャートCの赤枠内で調整する可能性が高いと言えるのではないだろうか。
チャートC(XEMJPY週足 当社取引ツールより作成)
・「ビットコイン」Google検索数VS BTCJPY価格 推移
Googleで「ビットコイン」と国内で検索された数(最大値が100)とBTCJPYの価格を集計したチャート
GoogleTrendsのデータを基に作成(5/30~8/27の過去90日間分)
ビットコインは8/17に132万円まで上昇、年初来高値を更新した。年初来高値を更新して以降、約2週間に渡る調整局面が続いている。今週はDeFi銘柄の続伸やXEMの連日にわたる急騰劇といったボラタイルな相場展開がみられたが、盛り上がっている銘柄に対して、ビットコインに関しては底値を探る展開が続きそうだ。
Google Trends Scoreは、年初来高値を更新以降、やや反発する場面もみられたが概ね下落基調で推移しており、8/2や8/18のスコアを上回ることができていない。同様にビットコイン価格も反発はあったものの、上値は抑えられていることがわかり、注目度(Google Trends Score)の減少傾向が継続する限り、上値追いは見込まれないのではないかと読み取れる。
Googleで「ビットコイン」「ネム」と国内で検索された数(最大値が100)を集計したチャート
GoogleTrendsのデータを基に作成(2015/8/30~2020/8/27の過去5年分)
上図は過去5年分のビットコインとネムのGoogle Trends Scoreを比較したものである。ビットコインとネムの共通点として、今年の8月に年初来高値を更新した銘柄であり、2017年と比較すると現在のスコアは低水準であることがわかるが、注目するべき点は青枠部分のビットコインとネムの違いである。
ネムは8/1に5.4円から始まり、8/30には16.3円まで高騰。わずか一か月で約3倍の値上がりをみせ、年初来高値を更新した銘柄である。ネムの場合、価格の上昇に対してGoogle Trends Scoreも比例してスコアが上昇してきたことがわかる。
一方のビットコインは年初来高値を更新することに成功したものの、Google Trends Scoreのスコア上昇は一服しており、注目度が価格の上昇に追い付いていなかったのではないかと読み取れる。約2週間にわたる調整局面が続いているビットコインであるが、調整局面を脱するためにはネムでみられたような注目度(Google Trends Score)の上昇と価格の上昇を両立することが求められるであろう。
(8/31 5:30作成時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
8/30営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は 0.35 %、中央値は0.78%、標準偏差は3.48%。
最大下落銘柄はXEMJPYの-6.17%。最大上昇銘柄はLTCJPYの7.33%。
最大下落銘柄はXEMJPYで6.2%の下落となった。8/28,29営業日で42%上昇していたこと及び8/30営業日もスタートから16%上昇していたこともあり、その後は過熱感から売り優勢となり、終値は前日比-6.2%の陰線引けとなった。
・24時間 ボラティリティ (%)
8/30営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は6.65%、中央値は4.23%、標準偏差は6.16%。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEMJPYで24.83%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPYで1.93%であった。
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