試練が続くビットコイン、120万円はなんとか死守
Daily Market Report 2020/8/27
2020.8.28
Daily Point
・FRB、2%超のインフレ容認 新戦略公表 最大雇用に重点(REUTERS)
・米新規失業保険申請、101万件に減少-先行きは不安残る(Bloomberg)
・米金融大手フィデリティ、ビットコインファンドを提供か(COINPOST)
BTCJPY 15分足 当社取引ツールより作成
昨日(8/27)のBTCJPYは小幅下落。
朝方は小動きを続けていたBTCJPYだったが、10時過ぎに日経平均株価と連動するように0.5万円程度下落。さらに東証マザーズ銘柄を中心とした新興市場の調整もあり、東京時間終了までに120.4万円まで値を下げた。
欧州時間では上昇に転じるも、19時頃に121.5万円付近まで値を戻した後は買いが続かず失速。NY時間に開催されるジャクソンホール会議を控えて午前中の高値更新には至らなかった。その後は21時半にかけて、120万円割れを窺う水準まで下落が続いた。
22時10分には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演がスタート。インフレ率が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指すほか、最大雇用の確保を図ることなどを発表した。
発表を受けて、現在の緩和状況が近く解除されることはないという安心感からか、株価や金は上昇。ダウ平均株価はコロナショック後の最高値を更新し、一時28,634ドルまで上昇した。BTCJPYも122.5万円まで一気に上昇したが、直後に金が70ドル近く急落すると、同様にBTCJPYも上げ幅を帳消しにし、再び120万円に。その後は翌1時頃まで自立反発で1万円程度戻すも、2時前には再び下落基調を強め、日中安値を超える119万円まで下落。しかし米株高に支えられた戻りの力も強く、すぐに反発して120万円まで回復した。
・戻り鈍いBTCJPY、上昇トレンドは終わったのか?
BTCJPY 週足 当社取引ツールより作成
8/17に132万円の年初来高値をつけて以降、冴えた動きがみられず120万円で底堅いが戻りも鈍いBTCJPYとなっている。BTC相場は今も上向きなのか、それとも下向きに転換したのかトレンドを確認するため、上位足(週足・日足)からBTCの現在地と今後の行方をみていきたい。
上図はBTCJPY週足チャートと2017年の高値(226.5万円)と安値(35.4万円)をフィボナッチリトレースメントで結んだものである。
ポイントとして、
① 8/17の年初来高値である132万円は丁度50.0%ラインに到達。安値からの半値戻し達成に成功した
一方で、
② 2019年6~8月にも50.0%ラインで抵抗しており、一定の売り圧力ないしは売り圧力を見越した思惑売りが予測される価格帯に位置している
ということが読み取れ、①のポイントで年初来高値を更新したことにより投資家はより強気になったのではなく、②のポイントから年初来高値を更新したが、同時に抵抗帯である価格帯に怖気づき弱気になったと考えられる。
BTCJPY 日足 当社取引ツールより作成
こちらの上図はBTC日足チャートにトレンドラインを引き、SMA、RSI、MACDを使用したものである。
チャートからは8/17に132万円と三角保ち合いをブレイクアウトしたものの、フィボナッチ50.0%ラインに跳ね返され、保ち合いのサポートラインを割りこみ8/22に120万円へ。その後は30MAに支えられ125万円まで上昇するものの、かつてのサポートラインであったレジスタンスラインに跳ね返される格好となり8/25は反落、以降は30MAの下で推移している。
何故、年初来高値を更新した後にBTCJPYは弱気になったのか。フィボナッチリトレースメントだけでなくRSI、MACDの推移をみると、
③ RSIは年初来高値を更新したにもかかわらず前回高値時の数値を下回る。価格とテクニカル指標の値が逆行するダイバージェンスの発生。
④ MACDは8/10以降デッドクロス状態が継続、上昇トレンドの終了を示唆
ということが読み取れ、8/17の年初来高値をつける前に既にテクニカル指標は上昇トレンドが弱まっていることを示しているとも取れる。
以上から、今後の推移としては上昇トレンドからの転換が加速しそうだと考えられる一方、下方向への推移ならば、フィボナッチ38.2%ラインと100MAが重なり合う108万円ラインまでの調整を視野に入れる必要があるだろう。
上昇トレンドへの復帰を目指すならば30MAライン、123万円まで上昇しなければ上昇トレンド復帰は難しそうな局面だといえる。
(8/28 5:30作成時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
8/27営業日の全暗号資産終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は -4.92 %、中央値は-4.65%、標準偏差は3.32%。
最大下落銘柄はQTUMJPYの-13.43%。最小下落銘柄はETHJPYの-0.85%。
最大下落銘柄となったQTUMJPYは、下落の流れ止まらず。400円台上抜けトライに失敗し、本日の大型アップデートを前に大幅下落となった。1週間ぶりの350円台割れ水準で推移しており、引き続き大型アップデート前後でのボラティリティ発生に注意が必要である。
ETHJPY 8時間足 当社取引ツールより作成
最小下落銘柄のETHJPYは8月中旬から軟調な展開が続いており、40,000円近辺で揉み合い推移している状況。現在の価格帯は、7月下旬から8月上旬までにかけての上昇後、1週間程度揉み合っていた価格帯であり、市場参加者が意識している価格帯であると考えられる。
ここで反発できなかった場合、再び7月下旬の価格帯まで大幅下落する可能性が十分に考えられる。ただ、ボラティリティが発生するには少し材料が不足しているか。引き続き、注視が必要だ。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
8/27営業日の全暗号資産の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は8.85%、中央値は8.22%、標準偏差は3.61%。
最もボラティリティが高かった銘柄はQTUMJPYで17.67%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTCJPYの3.09%であった。
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