ドルテザー(USDT)大量発行は乱高下の合図!?大きな動きに注意

ファンダメンタルズによる暗号資産分析

2020.8.19

水曜日は、暗号資産のファンダメンタルズにフォーカスを当てて、価格変化の動向についてお伝えいたします。

① ドルテザー(USDT)大量発行は乱高下の合図!?大きな動きに注意。

BTCJPY4時間足 当社取引ツールより作成

ドルテザー(USDT)が大量に発行されると、ビットコイン価格が大きく動く可能性が考えられます。

まず、USDTについてはご存じでしょうか?USDTとは、Tether社が発行しており、入金された米ドルを担保に同額のUSDTトークンを新規発行し、1ドルが1USDTとほぼ等価になるように設計された、いわゆるステーブルコイン(価格があまり変動しないように設計された暗号資産)です。発行したUSDTの数量と同じ量の米ドルをTether社が保有することで、テザーの信用を保っています。どのような需要があるのか?と疑問に思う方も多いと思いますが、不安定な相場での資金の退避先や、異なる取引所間の出入金を、USDTを用いてシームレスに行えること等から、需要が高いと言われており、時価総額ランキングも4位となっています。(08/17時点)

中国政府はビットコインの所有自体を禁止していない一方で、取引を仲介する取引所の運営を禁止しています。そのため、OTC(店頭取引)ブローカーが人民元をUSDTに変え、取引を可能にしていると言われています。

そのようなUSDTですが、大量に発行された際は価格が大きく動く可能性が考えられます。最近でも7/28に1億2000万ドル(約127億円)相当のUSDTが発行された後にビットコインが暴騰しています。これは暗号資産マーケットに新規マネーが流入する際にUSDTをハブにして、各取引所へアクセスしていることが考えられます。反対に、USDTの信認に疑義が持たれた場合等に、価格が急落することも過去に何度も確認されています。

このように、USDTが大量に発行されて価格が大きく動くことを、暗号資産トレーダーの間では『テザー砲』とも呼ばれており、無視できない指標となっています。

今後もUSDTの大量発行が、ビットコインの価格を大きく動かす要因となる可能性も考えられるため、テザー砲には常に警戒が必要かもしれません。

② 半減期が近いモナコイン。前回の半減期の動きは!?

MONAJPY4時間足 当社取引ツールより作成

日本で初めて生まれた暗号資産(仮想通貨)であるモナコイン(モナーコイン/MonaCoin)。2020年9月初旬頃に2回目となる半減期を予定しており、残り2週間程になりました。価格も7月初旬から上昇し続けており、200円台をキープする力強さを見せいています。(8/17時点)

そもそも半減期とは、暗号資産の発行量をコントロールするために実施されます。半減期のある暗号資産は発行上限が決められていることが多く、モナコインの発行上限は1億512万MONAと決められています。モナコインはまだ全量が発行されている訳ではなく、現在もマイニング報酬として新規発行され続けています。モナコインは3年に1度半減期を迎え、その際にマイニング報酬として発行されるモナコインの量が半分になることで、インフレを抑制し価値の低下を防ぐ仕組みとなっています。

これまで半減期のあった暗号資産は価格が上昇するケースが多かったため、『半減期前は価格が上がる』というアノマリーが暗号資産市場全体に根強く残っています。その期待上げから、価格が上昇していると考えられます。

モナコインの記念すべき1回目の半減期は、2017年7月16日にありました。価格を見てみると、半減期の1ヵ月前には35円程でしたが、2週間前には99円まで価格を伸ばし、その後下落を続け半減期当日には41円まで急落しました。前回のデータから推測すると、今回の半減期もその前後で価格が大きく動く可能性があります。上記理由から、価格の乱高下を想定した対応策を備えておくといいかもしれません。

モナコインについて詳しく知りたい方は、下記コラムにまとめておりますので是非ご覧ください。(2020年4月15日作成のため、半減期の期間に多少の差異があります。)

コラム:モナコインの今後と将来性は?2020年動向を詳しく解説
https://bitcoin.dmm.com/column/0156

③ 世界の動向とまとめ

1週間の世界の動きを見てみると、ドイツ財務省がブロックチェーン技術を基盤とした証券のデジタル化法案を発表、中国の商務省がデジタル人民元のテストを首都の北京や香港など広範囲で実施することを発表、ナスダック上場企業が新型マイニング機器の大量購入など、暗号資産に関する前向きなニュースが多くありました。他にも、アメリカのファイナンシャル・タイムズにビットコインの全面広告が掲載されたり、全米で8/10からビットコインのテレビ広告が配信されているなどの影響からか、ビットコインは強いパフォーマンスを見せています。投資の格言に『買いにくい相場は高い』という言葉がありますが、世界中で追加の財政政策や、金融緩和が実施されている現状を鑑みると、まだまだ上昇余地があるかもしれませんね。

今週の記事は『USDTが大量発行されると、ビットコインの価格が大きく動く可能性が考えられる』と、『2020年のモナコインの半減期も価格が大きく動く可能性がある』の2点でした。

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2020-08-19
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