Testnet

ビットコインの実験場、Testnet

Testnet(テストネット)とは

ビットコインには開発のためのテストを行うネットワークとしてTestnet(テストネット)が用意されています。
開発中のコードで本物のビットコインを使ってしまうと、何らかのエラーが起こってしまったときにビットコインを失ってしまうリスクがあります。
そうしたリスクを避けるために、正規のビットコインネットワーク(=Mainnet)とは別にTestnetネットワークが存在しており、そこでは価値を持たない擬似的なコインを本物のビットコインのように取り扱うことができます。

TestnetとMainnet(メインネット)の違い

Testnetは、実際に市場で取引されているビットコインのデータを格納しているMainnet(メインネット)と同じ条件や動作で稼働します。一方で、Mainnetよりも安全かつ安価に検証ができるという特徴があります。その他、トランザクションのチェックでは制限が緩和されているので、Mainnetのデフォルト設定で有効でないものをテストすることも可能です。

Testnetでの実験に欠かせないものがTestnet上のビットコインです。
Testnet上のビットコインは正規のビットコインと同じように利用できますが、市場で取引されている暗号資産(仮想通貨)のような価値を持たず、円やドルなどに交換することはできません。
一方、Mainnetで使われるビットコインは市場で流通している暗号資産(仮想通貨)なので、DMM Bitcoinなどの仮想通貨交換業者を通して取引することが可能です。

Testnet上のビットコインを受け取るには?

Testnet上のビットコインはTestnet用のFaucetから入手できます。
「Faucet」とは「蛇口」を意味し、蛇口をひねると水が出てくるように、Testnet上のビットコインを入手できるためそう呼ばれています。誰かが無償でTestnet上のビットコインを送ってくれることで成り立っているのです。
そのため、必要以上に利用しない、使い終わったら指定されたアドレスに送り返すなどといったマナーをしっかり守ることが大切です。

さて、Testnet上のビットコインをTestnet用のFaucetで入手できることについてご紹介しましたが、もらう場合でもあげる場合でも、その元となる場所(=ビットコインアドレス)を用意する必要があります。

Testnet用のビットコインアドレスを作るには、Bitcoreライブラリーなどを活用します。

Bitcoreはビットコインの送信用のアプリ作成に使えるライブラリーで、ビットコインの生成やトランザクションについての知識がある人であれば利用できます。
Bitcoreをブラウザで利用できるようにするには、BitcoreライブラリーとBitcore-explorersのインストールが必要です。

Testnet用のビットコインアドレスを作成したら、Testnet用のFaucetにアドレスを入力してTestnet上のビットコインを送ってもらいましょう。

Testnet上のビットコインの受取状況は 、insight(https://test-insight.bitpay.com) などで確認可能です。
サイトにアクセスして「Testnet」を選び、アドレスを検索すると確認できます。

ここまではビットコインのTestnetを中心にご紹介してきましたが、イーサリアム(Ethereum)やエックスアールピー(XRP)などのアルトコインにもそれぞれビットコイン同様Testnetやテストコインが用意されています。
その他、現在開発中のアルトコインも各Testnetで開発されており、Mainnetでの運用に向けてさまざまなテストが実施されています。

イーサリアム(Ethereum)のTestnetの場合

イーサリアムはERC-20(Ethereum Request for Comments: Token Standard #20)などのトークン作成用プラットフォームが広く利用されていることもあり、最もTestnetのネットワークが充実している暗号資産(仮想通貨)かもしれません。

ERC-20とは「トークンに関するルール」のことで、簡単に言えばトークン(暗号資産(仮想通貨)のようなもの)を発行(=ICO)する際に取り扱いしやすくするものです。

ERC-20を活用すると誰でも比較的簡単にトークンを作れてしまいますが、そのトークンを周囲の人とやりとりする際に、イーサリアムのTestnetがよく活用されています。

Dapps(Decentralized Applications)ゲームのベータverをプレイするときにもTestnetが使われます。

Dappsゲームとは非中央集権・分散型アプリケーションのことで、2018年6月現在はイーサリアムベースで構築されています。
Dappsゲームは現在開発段階のゲームが多く、ベータverではイーサリアムのTestnetが利用されます。

イーサリアムのTestnetとしては、RopstenとKovan、Rinkebyの3つがあり、この内、Ropstenはトークン発行などで、RinkebyはDappsゲームのベータテスト参加で使われることが多くなっています。

ネム(XEM)のTestnetの場合

ERC-20と似たものにmosaicがありますが、ERC-20がイーサリアムのチェーン上で動いているのに対し、mosaicがネムのチェーン上で動いているものという違いがあります。

作成したmosaic(=トークン)を周囲の人とやりとりする際にネムのTestnetが使われます。

トロン(TRX)がTestnetからMainnetへ移行

トロン(TRX)は先にご説明したイーサリアムのERC-20から誕生したアルトコインで、2017年8月の誕生以降イーサリアムのTestnetで運営されていましたが、2018年6月25日に独自のブロックチェーン上のMainnetに移行しています。

この際に元のイーサリアムネットワークで運用されていた旧トロンは利用不可能となり、既存のトロン所有者に対しては、同額の新トロンが配布されました。

Testnetは、単に暗号資産(仮想通貨)の取引のみをする場合は特に知る必要のないものです。
しかし、ビットコインやその他のアルトコインをより良いものにしていくために活用されてきたTestnetを知ることで、それらコインについての知識や理解をより深めることができます。
また、2018年6月現在開発段階のコインや、既存のコインの新しい技術などはTestnetで運用されるため、これから成長するコインを見分けるのに役立つ知識にもなり得るでしょう。

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