孤立ブロック(オーファンブロック)
孤立ブロック(オーファンブロック)とは、ブロックチェーンが生成され、枝分かれする過程の中で、メインチェーンに含まれなかった、もしくは親となるブロックが見つからなかったブロックのことをいいます。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)のブロックチェーンでは、マイニングすることで新しいブロックが生成され、既存のブロックに繋がれることで一つの鎖のようになっています。
しかし、以下のような状況で孤立したブロックができてしまう場合があります。
- ブロックの生成の過程で同時に2つのブロックが作成された場合
- 親となる一つ前のブロックが見つからない場合
ただし、孤立したからといって、ブロックに含まれるトランザクションが処理されないというわけではありません。オーファンブロックはブロックチェーンの一部として追加されるようになっています。上記の2パターンがそれぞれどのように追加されるのかを見てみましょう。
同時にブロックが生成された場合
ブロックに含まれていたトランザクションは、未検証のトランザクションを一時的に保管するトランザクションプールに戻され、再びマイニングの対象となります。そしてトランザクションプールから新しくブロックが作成される際に取り出され、再びメインチェーンに繋がれることになります。
同時に作られた2つのブロックに含まれるトランザクションはほとんど同じものが多いとされています。そのために、ごくわずかなトランザクションだけを計算すれば良いため、それほど手間がかかるわけではありません。
ちなみに、メインのブロックチェーンになれなかったブロックは、「ステート(State、古いという意味)ブロック」と呼ばれることもあります。
親ブロックとなる一つ前のブロックが見つからない場合
マイニングを行うノードをマイナーと呼びます。マイナーはブロックを受け取った場合に、接続する一つ前のブロックを探します。しかし、一つ前のブロックが見つからないことがあった場合、「オーファンブロックプール」というところにブロックを一時的に保管します。
この状況は例えば、ノードが親ブロックよりも子ブロックを先に見つけてしまった場合に起こります。
このあと、親となるブロックが見つかった場合に、ブロックチェーンに再度接続されます。
出金・出庫が停止されることも
オーファンブロックが発生しても、後々はメインチェーンに繋がれることから、発生したとしても大きな問題はないように思えます。
ただ、過去にはイーサリアム(Ethereum/ETH)のアップデートに伴い、ノードを運用するためのソフトウェアであるGeth(Go-Ethereum)のアップデートを行なっていなかったことからオーファンブロックが生成されたことがあります。アップデートでコンセンサスアルゴリズムが変更されていたこともあり、古いバージョンでブロックが生成されたことが問題とされ、海外の暗号資産交換業者でイーサリアムやERC-20トークンの出庫が停止されるということも起きました。
問題はすぐに解決され、当時は大きな価格変動もなく出庫も再開されましたが、もし価格が動いていた時であれば、投資家にも影響を与えることにもなったでしょう。
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