mBTC
ビットコイン(bitcoin)のmBTC
mBTCとは
為替相場の世界では1ドル=110円20銭などと表示されているように、「銭」という単位の通貨はもはや存在しなくても、今なお単位としては使用されています。ビットコインにおけるmBTCは、「円」に対する「銭」のような補助単位の1つです。
mBTCは「ミリビットコイン」の略で、BTCの1,000分の1に相当します。つまり、1 BTC = 1,000 mBTCとなるわけです。
mBTC以外の単位について
ビットコインには、さらに小さな単位としてμBTC(Bits)という名称のものがあります。読み方は「マイクロビットコイン(ビット)」で、こちらはBTCの100万分の1に相当し、1 BTC = 100万μBTCという関係になっています。気をつけたいのは、基本の単位であるBTCを「ビット」と呼んでいる人が意外と多いこと。正式にそう呼ぶのはμBTC(Bits)のほうであり、誤解や混同には気をつけたいものです。
さらにビットコインの最小単位には、satoshiというものが存在しています。サトシ・ナカモトという人物がビットコインの生みの親と言われていることに因んで、その最小単位がこうしたネーミングになっています。サトシ・ナカモトは2008年10月にビットコインに関する論文を発表し、翌年1月には最初のブロックが生成されました。他の単位との関係は、1 BTC = 1,000 mBTC = 1億satoshiとなっています。
ちなみに、5,460Satoshi以下には特別な呼び名がつけられています。それは「dust」で、直訳すれば「ゴミ、ほこり」で、「小さすぎる単位」という意味合いです。
ビットコインにこうした小さな単位が設けられているのは、その発行量に上限が定められていることが関係しています。ビットコインは円やドルといった法定通貨とは異なり、2,100万BTCまでしか発行できないルールが定められています。
一般的には、発行量が増えれば増えるほど通貨の価値は低下し、相対的に物価が上昇していきます。極端な例を挙げれば、たとえば今までは100円で購入できる商品だったのに、円の価値が10分の1になると1,000円になってしまうようなことも起こり得るのです。現に、南米のベネズエラでは2018年3月時点で年率44万%超という信じがたい物価上昇(同国通貨の価値暴落)に見舞われています(ただし、この事例では発行量以外の要因も深く関わっています)。このように発行量の拡大に伴って価値が低下する傾向があるものをインフレ通貨と呼んでいます。
対照的に、ビットコインのように発行量に上限が定められていると、希少性(手に入れにくさ)を踏まえて通貨価値が上昇しやすくなります。通貨の価格が上昇するのに伴って物価は下落傾向を示すので、先ほどのケースとは反対に、デフレ通貨と呼ばれます。
インフレが進むと、代金の支払いにより多くの貨幣が必要となってくるため、必要に応じてデノミ(通貨単位の切り下げ)という政策が実施されます。先ほどの例で言えば、「今までの1,000円を100新円と定める」といった具合です。
逆に、デフレがどんどん進んだ場合、同じく円を例にすると、極端な場合、1万円だったものが0.1円で買えたりするかもしれません。その場合、円という単位を使い続けるよりも、「旧0.1円を1新円に切り上げる」とか、あるいは「銭を基本の単位とする」といった対応が求められてきます。
ビットコインにおいては、将来的にデフレ傾向が顕著となって単位が切り上げられることを想定して、satoshiを最小とするBTCよりも小さい単位が定められているのです。
現に、2018年を迎えてビットコインが急落に転じる前には、価格の高騰を踏まえてBTCという単位をBitsへと変換し、100万分の1の値で表記するように改めるべきだという提案がビットコインの開発者から出ました。数字の桁数が多くなればなるほど、どうしても読み違えや入力ミスなどが発生しがちになるだけに、賛同者もいたようです。それが新たな価格上昇を誘うと期待する声も聞かれました。しかしながら、それから先の価格低迷でそういった要望は急速にトーンダウンした模様です。
一方、BTCよりも大きな単位も定められています。1daBTC(デカビットコイン)は10BTC、1hBTC(ヘクトビットコイン)は100BTC、1kBTC(キロビットコイン)は1,000BTC、1MBTC(メガビットコイン)は10万BTCに相当します。
mBTCは「ミリビットコイン」の略で、BTCの1,000分の1。さらに小さい単位として、μBTC(Bits)、satoshiというものも定められていて、1 BTC = 1,000 mBTC = 1億satoshiという関係になっています。これらは、将来的にデフレ(ビットコイン価格の上昇)が進んだ際に、BTCに代わって基本の単位となる可能性も考えられます。価格が急落に転じて立ち消え気味になっているものの、実際に切り上げて、BTCからBitsへと基本の単位を変換すべきだという意見でも出ています。また、BTCよりも大きな単位まで定められていることも知っておいて損はないでしょう。
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