BIP

ビットコインの議会、BIP

BIPとは

BIPとはBitcoin Improvement Proposalsの頭文字です。
Improvementは「改善」、Proposalsは「提案」を意味しています。ビットコインの仕様や用いる技術をより良いものにしていくための提案文書がまとめられた、いわばビットコインの改善提案の場のような存在です。

提案するのはビットコイン開発者などのコミュニティの参加者です。提案された文書は1番から番号をつけてhttps://github.com/bitcoin/bips で公開されています。提案された内容や、BIPでの提案から採用までの流れなどが説明されています。

BIPでの提案の流れ

BIPを運営するには、まず「チャンピオン」と呼ばれるリーダー的役割を果たす人物が必要です。提案者はいきなりBIPに提案をするわけではなく、アイデアをまずチャンピオンに提示します。

チャンピオンは提示された提案と同様のアイデアがすでに存在しないかなどをメーリングリストなどで確認をとったうえで、BIPとしてふさわしい提案かどうかを判断します。提案者はチャンピオンから提案を許可されたら、フォーマットに則ってタイトルの文字数や概要をまとめ、内容を整えてBIPへ提出します。公開することになった段階でBIP番号が割り振られます。

提案文書は番号付きで公開された後、コミュニティ参加者から採用後のメリットの有無を判断され、賛否の声が寄せられます。一定以上の賛成が得られた場合、BIPは承認されます。これまでの例を見ても、提案の動機や期待できるメリット、実証の根拠の点で強く主張できない提案は、なかなか必要な賛成者を集められず、承認に至っていません。厳しい判断がコミュニティ参加者から下される場でもあります。

提案の種類ごとに決められた数の賛成が得られた提案は承認されます。賛成が得られなかった提案は採用されません。不採用だった提案者は内容を練り直すなど、BIPでの反応を踏まえて対応します。なかには議論が進まないままになるような提案も出てきますが、その場合はチャンピオンが頃合いを見計らって、議論を最初の段階に差し戻したりします。このように、チャンピオンは提案をさばく役割を持ちます。

BIPの種類と特徴

BIPは提案内容によって「Standards(標準)」「Informational(情報)」「Process(プロセス)」の3種類に分けられます。

もっとも提案数が多い「Standards(標準)」はネットワークプロトコルやトランザクションなど、データに関するBIPが該当します。採用されるには、コミュニティでの承認が必要です。

「Informational(情報)」はStandardsの半分程度の提案数であり、ガイドラインやシステムのデザイン設計についての提案です。コミュニティで承認される必要はありません。

「Process(プロセス)」はBIPについての変更などを提案するものです。占める割合はわずかですが、必ず承認を得なければなりません。

代表的なBIPと最新の提案について

・BIP100
2015年6月に提案されたBIP100の内容は、ビットコインのブロックサイズについてのものでした。これは3ヶ月ごとにマイナーが投票してブロックサイズを決めるという仕組みです。このBIP100は、Bitcoin Unlimitedとして運用中です。

・BIP101
BIP101は同じく2015年6月に提案され、ブロックサイズの上限を緩和しようという内容でした。1MBの最大容量を上限8MBまで拡大。その後も少しずつ引き上げ、2036年に8GBにまでしようという提案です。この提案はビットコインXTとして運営されており、サイズ不足が懸念される現在のビットコインに代わる存在になりうると注目されています。

BIPの番号BIP100から110はハードフォークに関する提案に充てられています。ソフトフォークは95パーセント、ハードフォークは全員の賛成がないと承認されないため、実装まではかなり厳しい議論が続くことが予想されます。

・BIP34
BIP34はビットコインのバージョンアップに関する提案です。バージョン1から2へ更新するための要領が提案されたBIPです。この提案は承認前の最終段階まで進んでいます。

・最新のBIP
BIP176は、ビットコインの新しい単位として提案されました。単位はBitsです。100satoshiを1Bitsに設定することでビットコインの価格をよりわかりやすくするのが目的です。

現在のビットコインの最小単位は1satoshiで、表記は0.00000001BTCです。一目では小数点以下にいくつゼロがあるのかもわかりません。よりわかりやすい単位を作ってビットコインの価値をわかりやすくしようという提案です。

以上のように、BIPは管理者不在のビットコインをより良いものに改善していくうえで大きな役割を果たしています。どのような提案がされているかを見ておけば、今後のビットコインの動向が捉えやすくなるでしょう。

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