ビットコインのマイニング(採掘)とは? 方法や仕組みを解説

ビットコイン
マイニング
2020-10-14 更新

暗号資産(仮想通貨)を手に入れる方法の一つに「マイニング(Mining)」があります。日本語で「採掘」を意味するマイニングは、ビットコインなどの暗号資産を手に入れるために膨大な計算を行う認証作業をいいます。

しかし、なぜこうした膨大な計算を行うことが暗号資産を手に入れることに繋がるのでしょうか。

ここでは、暗号資産のマイニングについてその仕組みや、方法を解説します。

報酬がもらえる?暗号資産のマイニングとは

そもそも暗号資産やビットコインって何?

暗号資産は資金決済法において、以下のとおり定義されております。

  • 1.不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)または他の暗号資産と相互に交換できる
  • 2.電子的に記録され、移転できる
  • 3.法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

の3つの性質を持つと定義されています。1.の「法定通貨または他の暗号資産と相互に交換できる」というのは暗号資産業者が実際に行っています。2.の「電子的に記録され、移転できる」ではブロックチェーンや暗号技術を使うことで実現されています。3.の「法定通貨ではない」ということも重要です。暗号資産は日本円などの法定通貨とは異なり政府の信用の元に発行されているわけではなく、利用者の需給関係をはじめ、様々な要因で変動します。

暗号資産の中でもビットコインは一番初めに登場した暗号資産ともいわれ、ビットコイン以外の暗号資産をアルトコイン(alternative coin=代替コイン)と呼ぶように明確に区別されています。

暗号資産は実物のない資産ですが、入手する方法として3つ挙げることができます。

  • 1. 暗号資産交換業者で購入する
  • 2. 人と交換する
  • 3. マイニングする

この3つの入手方法について、以下で説明していきます。

  • 1.暗号資産交換業者で購入する

    一番簡単なのはDMM Bitcoinなどの暗号資産交換業者で購入する方法です。

    暗号資産交換業者では、例えば「1ビットコイン=80万円」といったようなレートが用意されており、日本円を暗号資産交換業者に入金することで購入できます。

  • 2.人と交換する

    自分のインターネット上のウォレット(財布)アドレスを相手に伝え、そこに暗号資産を送ってもらうことで、自分の暗号資産とすることができます。

    銀行を利用した振込のような時間の制限がなく、また相手に自分の個人情報を伝えることなく送金を受けることができるといった特徴があります。

    暗号資産の価値が乱高下していることもあり、まだ決済手段としてはあまり普及していませんが、他の人と交換するといった使い方の他、インターネット上にある小説やイラスト、便利なサイトやブログなどを応援する投げ銭として活用されているケースもあります。

  • 3.マイニングする

    暗号資産はマイニング(=採掘)することでも入手できます。

    これは円やドルなどの通貨にはない入手方法です。

    以下、暗号資産のマイニングについて解説します。

暗号資産のマイニングとは?

暗号資産の入手方法の3つ目「マイニングする」は、正確には「膨大な計算を成功させた報酬として、新しく発行した暗号資産を受け取る」ことです。

暗号資産のマイニングは、金や銀を掘るイメージになぞらえてそう呼ばれていますが、実際にはコンピューターで暗号資産の取引の承認・確認作業を行うことを指します。

日本円などの法定通貨であれば銀行取引は銀行が承認します。しかし中央管理者がいない暗号資産の取引は第三者であるマイナー(=マイニングする人)がその役割を担います。

暗号資産の取引(送付)が行われると、世界中のマイナーがそれぞれ自由に取引の確認作業を行うのです。

例えばビットコインでは実際の送付状況は全て公開されています。リンク先(外部サイト)に「Unconfirmed Transactions(未確認の取引)」とあるように、ビットコインの取引は承認されて初めて問題ないことが確認されます。この確認作業の計算競争がマイニングです。

この確認作業には多くのマイナーが参加しますが、ある計算の結果、正解とされる文字列を見つけたマイナーの確認作業だけが採用され、採用されたマイナーはマイニング成功となります。(※詳しくは後述の「暗号資産のマイニングの仕組みと方法」をご覧ください。)

マイニングには膨大な計算が必要とされます。

そして、マイニングに成功した人には新しく発行された暗号資産で報酬が支払われます。2020年8月現在では、1つのブロックをマイニングしたごとに6.25BTCが支払われています。

暗号資産が新しく発行されるのはマイニングによる成功報酬として支払われた時だけです。マイニング(取引の承認・確認作業)が行われないと暗号資産の送付を完了できません。

なお、マイニングに失敗した多くのマイナーが行った確認作業は、マイニングに成功した確認作業の検証のために使われます。(※詳しくは後述の「暗号資産のマイニングの仕組みと方法」をご覧ください。)

このように、マイナーがマイニングの結果得られる報酬を目的としてマイニングを行う一方で、多くのマイナーがマイニングに参加することにより、取引の承認・確認作業が行われ、システムが回っているのです。

暗号資産のマイニングの仕組みと方法

マイニングの方法

暗号資産のマイニングには、一人で行うソロマイニングと複数人で行うプールマイニング、事業者と契約して報酬を得るクラウドマイニングの3つがあります。

ソロマイニング

ソロマイニングはその名の通り一人でマイニングする方法で、気軽にできそうなイメージがありますが、高価な機材を揃える必要があり、専門知識が必要です。

ビットコインなど、多くのマイナーがマイニングに参加している暗号資産ではソロマイニングは不可能に近い難易度になります。

マイニングを成功させるためには世界中のマイナーと競う必要があり、多くのマイナーが参加するビットコインなどでは、一般的に使うコンピューターでは太刀打ちできないからです。

一方、開発されたばかりで、まだ競争も激しくないアルトコインではソロマイニングも可能です。

プールマイニング

プールマイニングとは自分のパソコンのマシンパワーをインターネット経由で提供することでマイニングに参加して、計算力の大きさに応じて報酬を受け取るサービスのことです。またマイニングを行う集団のことをマイニングプールといいます。

プールマイニングは専用のソフトをインストールするだけで始めることができますが、計算力に応じて報酬を分け合うため、それなりの機材が必要です。さらに参加するマイニングプールを選ぶ作業が生じるために、ある程度のマイニングの知識が必要でしょう。

また、ソロマイニングやクラウドマイニングと比べて報酬が少ないのが一般的です。

クラウドマイニング

クラウドマイニングは大規模な施設を建設してマイニングを行っている企業やマイニングプールにお金を出して代わりにマイニングしてもらい、配当という利益を得る方法です。

クラウドマイニングは自分で実際にマイニングする必要がないためソロマイニングのように高価な機材も、専門知識も不要です。

ただし、代わりに採掘してもらう分マイニングを行っている企業に手数料を支払わなければなりません。

クラウドマイニングというサービスを購入すると考えると分かりやすいでしょう。

マイニングのアルゴリズム

これまで、マイニングの仕組みや種類についてお話してきましたが、ここではマイニングのアルゴリズムについて解説します。

ハッシュ関数とは?

暗号資産マイニングのアルゴリズムを理解するにあたり、最初にハッシュ関数について解説します。

ハッシュ関数は入力した値に対して、まったく別の値(=ハッシュ値)を出力するという関数で、ハッシュ値から元の入力した値を知ることは非常に難しいという特徴を持ちます。

例えば、ビットコインではSHA-256というハッシュ関数が用いられていますが、このハッシュ関数に「DMM」という値を入力すると

「25F0F2B3C3A7EE2320155EC701726BAC70102B7913EA2AB94DB8DC28BED6A4EB」

というハッシュ値が返ってきます。

SHA-256のハッシュ関数に「DMM」を入力すると、いつも同じハッシュ値が出力されます。また、ハッシュ値から「DMM」を復元することは、ハッシュ関数の代入した値に対して全く別の値(=ハッシュ値)を出力するという特性上、困難です。

一方、小文字で「dmm」を入力すると

「DB948C52D1088E8542D212CD9D885C71D2F70C99987EA06943BF4E84E6DB51DF」

というハッシュ値が返ってきます。このように小文字にしたり、1つ文字を変えたりするだけで返ってくる値は全然違うものになるのです。

参考:
暗号資産(仮想通貨)におけるハッシュ&ハッシュレートとは?

マイニングはハッシュ関数にいろいろな値を代入する作業

マイニングでは、ハッシュ関数にランダムな変数を代入する作業を繰り返します。

ハッシュ関数にある値を代入して、返ってきたハッシュ値が「決められた値」より小さくなった時にマイニング成功となり、報酬が与えられます。この時の代入値を ナンス値と呼びます。

つまり、マイニングとはハッシュ関数に手当たり次第にいろいろな値を代入して、ナンス値を見つける作業です。

「決められた値」については後述しますが、ビットコインのマイニングに参加するマイナーのパソコンを全て足し合わせて計算しても約10分かかるように調整されます。

「000100」が決められた数字だとしたら、「000099」より小さくなる数字を総当たりで探すということです(実際には桁数が64桁になります)。

ハッシュ関数は完全にランダムに返還されるため総当たりで計算するしかないため、膨大な計算量が必要となります。

個人も可能?マイニングに必要なものや注意点

マイニングはスマホや自宅のPCでも可能

マイニングには膨大な計算量が必要で、マイニングに必要なマシンやツールを揃える必要があります。

2020年8月現在、まだ開発されてまもなく、参加者の少ないアルトコインなどではマイニングの競争も緩やかで自分が持っているPCはもちろん、スマホでもマイニング可能です。

一方、時価総額ランキングで上位に出てくるような暗号資産では、PCでマイニングすることも可能ではありますが、マイニングするまでに膨大な計算が必要とされ、その分の電気代や、マイニングするための機材を考慮するとほぼ利益は出ません。

GPUや専用チップを使ってマイニング

ビットコイン取引が開始された当初にはCPUによるマイニングが行われていましたが、ビットコインの価格が高騰するにつれてマイニングの競争が過激化し、より性能の高いGPU(グラフィックボード)でないとマイニングを成功させることが難しくなっていきました。

CPUはCentral Processing Unit(=中央演算処理装置)、GPUはGraphics Processing Unit(=画像処理装置)などと訳されます。

CPUはパソコン全体の計算を行う装置で、GPUは3Dゲームなど3Dグラフィックスを高速で処理するために作られました。

3Dグラフィックスは縦・横・奥行などの位置情報を計算して映像を表示させたり、高画質の映像を滑らかに表示させたりする必要があるため、高度な演算処理を行えるようになっています。

マイニングには膨大な計算量が必要とされるため、より高速な処理が可能なGPUが使われ始めたのです。

マイニングしたい暗号資産によって向いているGPUは異なるため、まずはマイニングしたい暗号資産を決めるのが効率的です。

また、ビットコインのマイニングは競争の激化が著しく、すでにGPUでも計算が追い付かなくなっており、ASICと呼ばれるビットコインマイニング専用チップを搭載するハードウェアの方が計算が早く電気代も抑えられるため、マイニングの主流となっています。

マイニングにかかる費用:膨大な電気代とマイニング機材

マイニングに必要な費用は、マイニングに使う機材と電気代の2つを考える必要があります。

機材に関しては、自分のパソコンでマイニングするのであれば特に費用を支払う必要はありませんが、GPUやASICを使うのであればその購入費用が掛かります。

また、マイニングでコンピューターを動かすのには電気代も当然必要です。日本では2016年より電力の小売全面自由化がなされ、電気代を支払う会社を選ぶことができるようになっているのでお住まいのエリアの電気会社のHPなどで確認しておきましょう。中にはマイニング専用の電気プランもあるので、マイニングを行う方は検討してみてください。

さらに、電気代は地域によっても異なります。

日本国内でも北陸電力と北海道電力とでは電気料金に大きな差がありますし、日本と中国とでは8倍もの差があると言われています。

コンピューターを冷やすために、1年を通して寒冷な北欧でマイニングを行う企業もあります。本格的にマイニングに取り組むならば、海外も含めて拠点を検討すれば万全です。

マイニングに必要な知識

マイニングで得られる報酬から費用を差し引いた額がプラスになっていなければ意味がありません。

そこで、マイニングでどのくらい利益が出るのかを事前に把握するために必要な指標である、ハッシュレートとディフィカルティの2つを理解しておきましょう。

ハッシュレートとは

ハッシュレートはマイニングの採掘速度のことを指します。

ハッシュレートの単位はH/sで表され、1秒間に1回ハッシュ関数が計算されると1H/sとなります。

ビットコインにおけるマイニングは、10分の間に世界中のマイナー(=採掘者)が一斉に計算を行い、ナンス値を見つけ出します。

自分でマイニングする時は、自分がどのくらいのハッシュレートを出せるのかと、マイニングしたい暗号資産でトータルどのくらいのハッシュレートがあるのかを知っておく必要があります。

ビットコインのハッシュレートは2020年8月現在、1秒あたり、約124エクサハッシュ(1エクサ=100京)となっています。

一方、一般的なCPUのハッシュレートは15H/s程度、GPUでは11MH/s程度です。ちなみにマイニング機器大手のビットメイン社が2020年6月に発売したASIC「Antminer T19」は84TH/s(1T(テラ)=1兆)程度となっており、CPUはもちろん、GPUでもマイニングするのが難しくなっています。

Antminer T19はビットメイン社のフラッグシップマシンの廉価版であり、1750ドルで販売されています。

ディフィカルティとは

ディフィカルティはマイニングによりナンス値を見つける難易度のことです。

ディフィカルティは先述のハッシュレートを参照して、10分に1回ナンス値を見つけられるよう約2週間に一度調整されます。

基本的にビットコインのハッシュレートはCPUからGPU、ASICと右肩上がりに上がり続けているため、ディフィカルティが上昇し続けています。

マイナーにとっては、ディフィカルティが上昇すると途端に1日あたりに得られる報酬額が少なくなり、これまで使用していた機器でのマイニングが難しくなることもあります。それでもマイニングを続けるのであれば機器を買い換えることも検討しなければなりません。

マイニングをしたい暗号資産のディフィカルティを事前に把握しておくことは重要なのです。

マイニングスクリプトへの対策

マイニングスクリプトとは、Webサイトのソースコード内に記載されたスクリプトにより、Webサイトにアクセスしたユーザーの承諾なしに暗号資産のマイニングを自動実行することです。

近年、暗号資産マイニングスクリプトが話題に上がることも多く、マイニングスクリプトの埋め込まれたWebサイトを訪問すると、トップページを開いただけでPCの速度が低下したり、スマホのバッテリーが急速に減少したりといった問題が起こります。

マイニングスクリプトの実装されたWebサイトを訪問しただけでウィルスに感染されるわけではありませんが、PCやスマホがサイト運営者の収益化に利用されるなどの被害が及びます。

マイニングスクリプトはセキュリティツールで対策できるので、用意しておくと良いでしょう。

価格によっては赤字もありうる 大事な損益分岐点

これまでお伝えしたように、ビットコインのマイニングには多額の電気代がかかります。

そのため、せっかくマイニングしたのに電気代や機器代の投資が赤字になってしまうということも考えられます。ビットコイン価格が下落するとマイニングの損益分岐点を割ってしまうことがあるからです。

損益分岐点を計算するにはコンピューターの計算能力やマシンの費用によって様々です。

マイニングプールではハッシュレートに応じた1日あたりの収益予測を出しているところがあります。中国の大手マイニングプールであるF2Poolによると、2020年8月の記事執筆時点で、1TH/sあたり、1日の収益は0.0939ドルほどとなっています。

マイニングプールに参加する際は参考にするといいでしょう。

まとめ

暗号資産は暗号資産交換業者で購入したり、人と交換したりする方法以外にもマイニングで手に入れることができます。

ビットコインのマイニングに個人で参入することは難しくなっていますが、プールマイニングやクラウドマイニングなど別の方法を検討したり、まだ競争の緩やかなアルトコインのマイニングに取り組んだりと、できることはたくさんあります。

マイニングに取り組む際はハッシュレートやディフィカルティについてよく理解し、電気代や機器代を考慮して利益のでるよう計算して取り組むと良いでしょう。

ビットコインのマイニングの難易度調整についてより詳しく知りたい方は「 ビットコインのマイニングが価格変動に影響?その理由は難易度調整」もご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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