暗号資産(仮想通貨)暴落の歴史とその理由!損失拡大を防ぐには?

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2021-04-14 更新

2020年は新型コロナウイルスに起因する経済混乱によって、暗号資産(仮想通貨)市場が一時大きく下落しました。暗号資産の購入を検討したり、実際に運用したりする場合には、なぜ暗号資産の価格が暴落するのかをしっかりと把握する必要があります。この記事では暗号資産が暴落したニュースを振り返り、その理由について見ていきます。原因を知ることで今後の取引の参考になるはずです。

2020年の暗号資産(仮想通貨)暴落ニュース

2020年はビットコインの半減期によって価格上昇が期待され、実際に2017年に記録した過去最高値を更新するなど大きく価格が上昇した一年でした。一方で、社会情勢に影響を受けた価格の暴落も経験しました。具体的に見ていきましょう。

新型コロナによる暗号資産市場の暴落

2020年の最も大きな暴落ニュースは、新型コロナウイルスに起因するものです。2月下旬〜3月にかけて暗号資産だけでなく、株など多くの資産が下落しました。ビットコイン価格に至っては、3月に数日で約100万円から50万円台まで50%も下落しました。

通常はゴールド(金)と同様に「安全資産」とされるビットコインは、株価指数などが下落すると、投資資金が流れ込み、価格は上昇するとされています。しかし新型コロナウイルスの時ばかりは、株やその他資産が予想以上に下落したことで、投資家が持つ手元の現金がなくなりました。そのため「資産なら何でも売る」という状況に陥ったことが、ビットコインにも派生し、暴落に繋がったと考えられます。

米政府による海外暗号資産交換業者の告訴

10月にはアメリカの商品先物取引委員会(CFTC)が海外の大手暗号資産交換業者を刑事告発したことで、ほとんどの暗号資産が急落しました。ニュースが報じられると、ビットコインは2時間で4%急落。ビットコインや暗号資産は政府の規制によって、投資家心理にネガティブに働いた場合、大きく下落することがあります。

最高値更新後に急落

12月には、2017年の暗号資産バブル時に記録したビットコインの史上最高値をついに更新しました。しかし、直後に反落し、200万円を割り込みました。投資家は過去の上値である「レジスタンス(抵抗)」でポジションを決済して利益を選ぶことがあります。

史上最高値という大きなレジスタンスが意識されたことで、投資家は利益を確定し、価格が急落したと考えられます。

2019年の暗号資産(仮想通貨)暴落ニュース

2019年はビットコイン価格が乱高下した年でした。その要因としては市場の期待通りにいかなかったことへの失望感の他に、基幹技術への警戒感など様々なものがありました。

複数要因が重なる

2019年は9月23日から26日にかけてビットコイン価格は約20万円も下落しました。ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つインターコンチネンタル取引所(ICE)が設立したBakkt(バックト)がビットコイン先物を23日に立ち上げましたが、市場の反応が限定的だったために失望売りを起こしたことが、原因の一つと考えられます。

さらには当時、22日から23日にかけてハッシュレートが急落しました。直後に回復したものの、再び30%も下落。25日未明から朝にかけて8%も急落し、2ヶ月ぶりに100万円を割り込みました。

ハッシュレートはマイニング(採掘)の際の計算力を表す数値です。ハッシュレートが下がるということは、マイニングに参加するコンピューターが減り、処理能力が低下したと捉えられます。マイニングに参加する人が減ると、取引情報を記録する人が減り、ビットコインへの信頼性が低下するとも言われます。

当時、ハッシュレートが急落した原因は明らかになっていませんが、何らかの要因でビットコインへの信頼性や人気が一時的に急落したと考えられます。こうした複数の要因が重なり、市場の大きな下落につながりました。

ビットコインの基盤技術への危機感

10月にはGoogleがスーパーコンピューターの計算能力をはるかに超える「量子超越性」に成功したと発表しました。

これによってビットコインで使われている暗号技術が破られてしまうのではないかとの警戒感から、価格が暴落しました。発表から数時間後に下落が始まり、わずか5分で5万円ほどマイナスとなりました。

ビットコインは暗号技術を元に中央管理者なしで信頼性を実現していますが、こうした基盤技術に影響を及ぼす発表には注意が必要です。

2018年の暗号資産(仮想通貨)暴落ニュース

2017年末から2018年初頭まで、暗号資産市場全体が暗号資産バブルと言われる過去最大の高騰を起こしていました。ところが、1月中旬ごろからほとんどの暗号資産が値を下げていきました。2018年は価格が低迷した年でした。その内容を見ていきましょう。

中国政府の規制

2018年1月16日、ビットコイン価格が30%ほど下落しました。その原因と言われているのが、中国政府による暗号資産禁止政策です。政策を受け、中国の大手マイニングプールViaBTCがマイニング事業を廃止すると発表しました。当時のビットコイン市場において、中国投資家の力は相当強いと言われていたものの、中国当局の規制によって取引の規模が一気に縮小したようです。さらに、1月26日には暗号資産ネム(XEM)が暗号資産交換業者から流出するという事件も起こりました。これが暗号資産に対する信用を揺るがし、多くの投資家が市場から撤退するきっかけとなったのです。

ハッシュウォー

2018年11月には再び暗号資産市場全体が暴落する事態が訪れます。ビットコインは1BTC=40万円台まで値を下げました。要因と言われているのが、ビットコインキャッシュ(BCH)による「ハッシュ戦争(ハッシュウォー)」でした。当時、ビットコインキャッシュではハードフォークを巡って、ビットコインABC派とビットコインSV派の2つのコミュニティが対立しました。暗号資産においては、より多くのハッシュ(マイニングのために費やされるマシンパワー)を持っているほうが決定権を持つ面があります。そこで、ABC派とSV派は採算を無視しても、ハッシュレートを高く維持しようと争っていたのです。マイニングが赤字になる以上、損失を補てんする必要があります。そのために、マイニング業者が保有していたビットコインを大量に売却しているのではないかという疑念が生まれ、価格を下げる原因になったと言われました。

市場低迷による失望感

2018年12月3日、ビットコイン価格が一時急落し、暗号資産市場は全面安の流れになりました。ビットコインは1BTC=30万円台まで値を下げました。下落の要因としては、11月から続くビットコインキャッシュの分裂騒動、ICO規制や暗号資産市場全体の低迷が続いたためだと言われています。投資家の間で失望感が広がったことで、さまざまな推測が生まれた時期でした。

暗号資産(仮想通貨)暴落の原因は何なのか?

暗号資産が暴落するタイミングには、要因となる事件やニュースなどがあります。ここでは、全体を通じて暴落が発生した背景について解説します。

セキュリティ・技術への不安

暗号資産が暴落した主な要因として、セキュリティや技術に対する不安が挙げられます。理論上、暗号資産の基盤技術であるブロックチェーン自体は不正な変更やハッキングはほぼ不可能です。しかし、暗号資産を保有する個人や組織のセキュリティの脆弱性を狙ったハッキングは毎年のように起きています。国内海外問わず、暗号資産を狙ったハッキング事件が相次ぐと、資産そのものへの不安が広がり、売り圧力につながります。

また、2019年に発表されたGoogleの量子超越性に関する発表では、ビットコインの暗号技術が破られるのではないかとの警戒感から暴落しました。量子コンピューターの開発が進めば、ビットコインの秘密鍵が解読されて取引の信頼性に影響するとして、投資家のセンチメントが悪化したと考えられます。

世界経済の低迷

新型コロナウイルスのように、世界規模で経済が大きな打撃を受けると、暗号資産の価格にも影響が及びます。暗号資産に投資する際には暗号資産に関わるニュースや技術だけでなく、幅広くアンテナを伸ばすことも必要です。

日頃から経済や社会情勢などのニュースにも気を配るようにしましょう。

世界各国の暗号資産規制

暗号資産に対する規制は日々、世界各国で進められています。暗号資産規制のための法整備は、投資家の保護などの面でメリットも大きいでしょう。しかし、過去にいくつかの国では暗号資産そのものを禁止する動きもありました。特に、2018年にあった中国での規制強化は暗号資産市場全体に不安感を与えたため、価格の下落につながったと言われています。

暗号資産(仮想通貨)暴落による損失拡大を防ぐには?

暗号資産の価格が暴落した場合、注意しなければいけないのは損失の拡大です。暗号資産投資で、損失が膨らんでしまうことを防ぐための方法について紹介します。

分散投資をする

暗号資産暴落による損失を防ぐためには、投資対象を分散しておく必要があります。一種類ではなく複数の種類の暗号資産に分散して投資すれば、損失をある程度防ぐことができます。ただし、アルトコインの価格はビットコインの価格変動に大きく影響される傾向があります。そのため、暗号資産市場全体が同じような値動きをするケースも少なくないという点を押さえておきましょう。

投資する暗号資産の理解を深める

技術面に関する理解からチャート分析まで、暗号資産に関する理解を深めることが重要です。政治や社会情勢から上昇や下落のきっかけを探り、テクニカル分析やチャートを読む力をつけることで大きな損失を防ぐことにつながります。

暗号資産のニュースは日々更新されています。常に新しい情報を手にいれることを心がけましょう。

損切りのルールを決める

許容できる損失額を決めておき、それ以上の損失が出ないように決済してしまうことを「損切り」と言います。投資においては損切りがとても重要です。「また値上がりするかもしれない」と保有し続けた結果として、さらに損失が広がる可能性があります。損切りをすると、その時点で損失が確定してしまうものの、残った資産で再び投資を行うことが可能です。次のチャンスを待つためにも、損切りのためのルールを決めておくようにしましょう。

暗号資産(仮想通貨)が暴落しているときは買いのチャンス?

暗号資産の価格が暴落しているタイミングこそ、購入するチャンスであると捉えることもできるでしょう。ここでは、暴落時に利益を狙うためのコツについて紹介します。

底値を見極めて購入する

過去のチャートを見ると、暗号資産の価格は暴落後に値を戻すという動きをしたことが多くありました。価格が暴落したあと、再び価格が上昇するタイミングで購入できれば、利益を得ることができるでしょう。そのためには、しっかりとチャートを分析したうえで、底値を見極めてから購入することが大切です。

長期保有で値上がりを待つ

価格が暴落していても、将来性のある暗号資産であれば、長期的には値上がりする可能性もあります。暴落時に慌てて売るのではなく、長期的に保有するために暗号資産を購入しておくという方法もあります。たとえば、アプリやゲームなど実需につながる用途を持っていることや、大企業や金融機関との提携が進められていたりする暗号資産は、注目度が高くなります。

暗号資産(仮想通貨)暴落による損失拡大はできるだけ回避しよう!

暗号資産は値動きが激しいため、大きく利益を得られる可能性がある反面、損失が膨らむ危険性も高いと言えます。だからこそ、過去の事例などを参考にしつつ、暴落の予兆を警戒しておくことが重要です。また、実際に値下がりが起こったときに損失拡大を防ぐため、分散投資や損切りなどの対策を行うように心がけましょう。

リスク管理について興味を持たれた方は「ビットコイン暴落の歴史とその理由は?今後の価格変動への対応」もご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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