価格変動にも影響する?ビットコインのマイニング難易度調整

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2019-08-07 更新

ビットコインにおけるマイニングは高度な計算を用いて行われており、計算の難易度が調整される仕組みとなっています。ビットコインの取引を行ううえで難易度調整の基本的な仕組みについて、理解を深めておくことが大切です。難易度調整が価格にどのような影響を与えるのかについて解説します。

1.そもそもビットコインのマイニングとは?

ビットコインのマイニングの難易度調整について理解をするためには、まずはマイニングの基本的な仕組みや方法を知っておく必要があるでしょう。ここでは、ビットコインにおけるマイニングの基本的な特徴について解説します。

1-1.マイニングの仕組み

ビットコインのマイニングとは、ビットコインでの取引の承認作業を行って、新たなビットコインを発掘(マイニング)することを指します。発掘したビットコインは、承認に成功した人(マイナー)が報酬として受け取ることができるのです。承認作業の仕組みは一般的に、「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」と呼ばれており、もっとも高度な計算を行った人が報酬を受け取ることになります。そのため、マイニングには高性能なコンピューターや電気代、人件費などが必要なのです。一般家庭で使っているPCでは、マイニングで勝つことは難しい状況でもあると言えます。

1-2.マイニングの方法

ビットコインのマイニングに必要な計算作業は、具体的にはハッシュ関数にランダムに値を代入して計算することです。代入した値(ナンス値)が決められた値よりも小さくなった場合に正解となり、マイニングが成功したと見なされます。ナンス値はランダムに値を代入することでしか導き出されないため、計算量が多いほど必然的にマイニングが成功する確率が高まるのです。マイニングのやり方は大きく分けて、「クラウドマイニング」「プールマイニング」「ソロマイニング」の3つがあります。クラウドマイニングはマイニングを行っている団体に資金を出して、代わりにマイニングを行ってもらう方法です。自分ではマイニングを行わずに、利益を得ることができます。ただ、信頼できる団体に資金を預けなければ、詐欺の被害に遭ってしまう可能性もあるので注意しておきましょう。

プールマイニングは、グループを作って協力しながらマイニングを進めていく方法です。マイニングによって得られた報酬をそれぞれの貢献度にあわせて分配する仕組みであり、一人で取り組む場合と比べて効率の良い方法だと言えます。そして、ソロマイニングとは自分一人でマイニングを行う方法です。報酬を独り占めできる反面で、プールマイニングと比べると日によって得られる報酬にばらつきが出てきます。また、プールマイニングとソロマイニングでは機材や設備を用意する必要もあるのです。その一方で、クラウドマイニングでは自分で機材や設備を用意することはないので、気軽に始められるというメリットもあります。実際にマイニングを行う際には、3つの方法を比較したうえで自分に合ったやり方を選択すると良いでしょう。

2.ビットコインのマイニングは難易度調整が行われる!

ビットコインのマイニングでは、定期的に難易度調整が行われている点を押さえておきましょう。難易度調整の基本的な仕組みや調整される間隔、調整を行う理由について解説していきます。

2-1.難易度調整の仕組み

ビットコインのマイニング時に行われる計算は、約10分間に1回の割合で正解が導き出せるように難易度調整が行われています。マイニングに成功すれば報酬を受け取ることができるため、マイニングを行っている人は世界中に多く存在しているのです。ただ、難易度調整があることによって、マイニングに参加する人数が多くなっても、実際にマイニングに成功する人は10分間に1人の割合となります。

2-2.難易度調整をする理由

マイニングの難易度調整が行われる理由の一つとしてあげられる点は、ビットコインが新たに発行されるペースを保つためです。たとえば、マイナーの増加によって承認ペースが速くなれば、ビットコインの発行ペースも速くなってしまいます。そうした状態に陥ってしまうと、ビットコインが過剰に発行されてしまうのです。結果として、ビットコインのインフレを招いてしまう可能性があるため、発行ペースを守るという意味で難易度調整が行われると言えるでしょう。つまり、マイニングの難易度調整はビットコインの価格の安定に貢献している面もあるのです。

2-3.難易度調整が行われる間隔

マイニングの難易度調整が行われる間隔は、2週間に1回と決まっています。直近の2週間でマイニングに成功した間隔が10分よりも長い場合には、難易度が下げられるのです。逆に、10分よりも短い場合には難易度が上げられる仕組みとなっています。一般的には、マイナーの数が増えるほど計算量が多くなるので、必然的に難易度も上がっていくと言われているのです。マイニングの難しさを示す指標として、「採掘難易度(Difficuly)」というものがあります。2009年末の時点では「1」であったものの、2019年1月には「約5兆8000万」となっており、難易度は上昇しているのです。採掘難易度が上昇した背景には、以前と比べてマイナーの数が増えたことや、コンピューターの性能が向上したことがあげられます。

3.難易度調整はいつ行われるのか?スケジュールの確認方法

ビットコインのマイニングの難易度調整がいつ行われるのかを確認するには、チャートをチェックする必要があります。2週間に1回の割合で難易度調整は行われるので、チャートは階段状のグラフで表示される特徴があるのです。たとえば、2019年1月の難易度調整は1月14日に行われており、難易度が引き上げられました。マイニングを行う際には、定期的にチャートを確認するようにしましょう。

4.難易度調整によりビットコインにどのような影響があるのか?

難易度調整が行われることは、マイナーの数の増減やビットコインの相場にも影響を与えるものです。ここでは、難易度調整による影響や2018年の動きについて解説します。

4-1.2018年の難易度調整の動き

2017~2018年初頭にかけてビットコインの価格が高騰した影響で、マイニング事業に参入する業者が増えました。そのため、マイニングの難易度も段階的に上昇してきた流れがあります。ただ、2018年2月ごろからビットコインの価格が下落し、マイニング事業での採算をとることが難しくなってきたため、手を引く業者も増えたのです。そうした流れのなかでマイナーの減少によって、2018年11月と12月にはビットコインのマイニングの難易度は下落しています。

4-2.今後難易度調整が行われた場合に想定される影響

難易度調整が行われたときに、どのような変化があるのかを把握しておくことが重要です。想定される影響について解説していきます。

4-2-1.マイナーへの影響

マイニングの難易度が上がるほど、より高度な計算が必要になるため、マイニングにかかるコストは上昇していきます。そのため、今後もさらに難易度が上がっていけば、マイナーが難易度の低いほかの仮想通貨のマイニングに移ってしまう可能性もあるでしょう。逆に、難易度が下がっていく傾向が続くならばマイナーは増えていくと言えます。マイニングの難易度は、マイナーの数の増減に大きく影響を与えるのです。

4-2-2.相場への影響

ビットコインの相場に与える影響として押さえておきたい点は、マイニングの難易度と相場は逆の方向にそれぞれ動く傾向があることです。マイニングの難易度が上がれば、マイナーの数が減少してしまうことによって取引スピードが遅くなります。そのため、ビットコインを購入する人が減少してしまい、価格の下落につながってしまう可能性もあるでしょう。ただ、難易度の上昇と価格の下落は必ずしも連動した動きになるわけではないため、取引を行うタイミングごとに相場環境を見極めていく必要があります。

5.ビットコインの価格変動に対応するには?

ビットコインの難易度調整によって価格が変動したときに備えて、対処法を押さえておく必要があるでしょう。価格が上昇する場合と下落する場合とで、どのように対応すべきかを解説します。

5-1.価格が上昇する場合

ビットコインの現物取引で価格が上昇する傾向にある場合には、購入をする良いタイミングとなります。価格がいったん下落して、上昇に転じたときを狙って取引を行うのが一般的です。また、レバレッジをかけてビットコインを購入することによって、大きな利益を獲得できる可能性もあります。ただ、レバレッジ取引では投資額を上回る損失が発生してしまうこともあるので、充分に注意をしておく必要があるでしょう。想定外の損失を抱え込んでしまわないためにも、限られた資産の範囲内で取引を行っていくことが大切です。

5-2.価格が下落する場合

ビットコインを保有している状態で価格が下落し始めたときには、損切りを判断するタイミングでもあります。価格が上昇から下落に転じたときに、素早く損切りを行うことが大切です。相場が下落傾向にある状態で、いつまでも損切りを行えずにいると損失がどんどん膨らんでしまう可能性もあります。スムーズに損切りを行うためには、ビットコインを購入したときにあらかじめ損切りのポイントを決めておくほうが良いでしょう。損失が膨らんでしまってから損切りを行うことは心理的にも難しいものなので、逆指値注文を出しておくことも大切です。

DMM Bitcoinでは、ビットコインのレバレッジ取引も行えるので、「売り」から取引を始めることもできます。ビットコインの価格が下落を続けると予想した時に売り、価格がさらに下落した時に買い戻すことによって利益を狙うこともできるでしょう。ただ、レバレッジ取引は大きな利益が狙える分だけ、大きな損失を抱えてしまう可能性もあります。場合によっては、投資した金額以上の損失が出てしまうこともあるので、充分に注意をしておきましょう。無用なリスクを抱え込んでしまわないためにも、生活に支障のない範囲の資産で取引を行っていくことが必要です。

6.ビットコインのマイニング難易度調整は相場にも影響する!

マイニングの難易度調整はマイナーの数の増減に影響を与えるため、結果的にビットコインの価格にも影響が出てしまう場合もあります。マイニングの基本的な仕組みや難易度調整のポイントを押さえておくことが大切です。実際にビットコインの取引を行うときには、価格の動きを見極めながら取引を進めていく必要があります。想定外の動きにもきちんと対応できるように、損切りのラインをあらかじめ決めておくと良いでしょう。どのような相場状況であれ、無理のない資産の範囲で、自分で決めたルールをしっかりと守りながら取引を行っていくことが肝心です。

マイニングについて興味を持たれた方は「ビットコインなどの仮想通貨のマイニング(採掘)とは」もご参照ください。

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