イーサリアムは今後どうなる?アップグレード延期による影響は?

イーサリアム
アップデート
2019-08-07 更新

数ある仮想通貨のなかでも、イーサリアムは取引量が多いものの一つです。投資家からも期待を集めているイーサリアムは、2019年1月に予定されていたアップデートが延期になるというトラブルも起こりました。それでも、イーサリアムが将来性のある仮想通貨であると評価する声は小さくありません。今回は、イーサリアムの特徴を今後のアップデート情報なども含めて解説します。

1.イーサリアムはどのような仮想通貨?

アルトコインのなかでも、特に有力だと言われているのが「イーサリアム」です。ここでは、イーサリアムの技術的な特徴を解説するとともに、イーサリアムから分裂したコインであるイーサリアムクラシックとの違いも見ていきましょう。

1-1.イーサリアムの技術

イーサリアムが備えている特徴的な機能のなかに、「スマートコントラクト」があります。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に取引情報だけではなく、契約情報も記録するという技術です。ビットコインのブロックチェーンには、「AからBへ何BTCが送付された」という記録しか残りません。イーサリアムでは、こうした取引の情報以外に、たとえば「送付日時の指定」といった情報を記録しておくことができます。そうすると、指定された日時が訪れると同時に、自動的に送付が行われるのです。スマートコントラクトは、取引の自動化や仲介者抜きでもトラブルの起こらない取引が可能になるという期待から注目を集めています。

イーサリアムが持つもう一つの特徴は、ネットワーク上で独自のトークンを発行できる点です。イーサリアムのブロックチェーンを利用し、すでに数多くのトークンが発行されています。トークンとは、既存のブロックチェーンを利用して発行される仮想通貨のことです。トークン発行の機能を活用すれば、企業や個人が独自の仮想通貨を発行するのも難しくありません。

1-2.イーサリアムクラシックとの違い

イーサリアムクラシックは、イーサリアムが分裂して誕生した仮想通貨です。そのため、機能面においては決定的な違いはありません。しかし、分裂後の方針として、イーサリアムクラシックは「IoT(モノのインターネット)」への活用に焦点を置いています。一方で、イーサリアムは開発当初と変わらず分散型アプリケーションのプラットフォームとして展開することを目指しているのです。また、イーサリアムクラシックには発行上限が設定されているものの、イーサリアムには発行上限がないという違いがあります。

1-3.イーサリアム独自の手数料「ガス」

イーサリアムの送付には、「ガス」と呼ばれる手数料がかかります。ガスには「ガスリミット」と「ガスプライム」の2種類があります。実際の手数料は、「ガスリミット×ガスプライム」によって決定される仕組みとなっています。ガスリミットは、たとえるなら「送付に必要な燃料」であり、ガスプライムは「燃料の質」だと言えるでしょう。ガスリミットは、取引内容によって自動的に決定するものの、ガスプライムは送付者が自分で決めることができます。ガスプライムを高く設定すると、それだけ早く取引が成立する一方で、その分だけ手数料も高くなるわけです。

2.イーサリアムアップデート延期のニュースによる今後への影響は?

イーサリアムは開発が進められている最中の仮想通貨です。そうしたなかで、2019年1月に予定されていたアップデートが延期されました。この延期により、イーサリアムの今後の展望にも影響が出る可能性があります。ここでは、イーサリアムのアップデート延期のニュースについて詳しく見ていきましょう。

2-1.ニュースの概要

2019年1月に予定されていたイーサリアムの大型アップデートの「コンスタンティノープル」が延期されることになりました。コンスタンティノープルでは、イーサリアムのマイナーに支払われる手数料「ガス」の計算方法が改められ、スマートコントラクト機能に新たなコードが実装される予定でした。ところが、アップデートによって、「リエントリー攻撃」を受ける可能性が指摘されたのです。システムの脆弱性が発覚したことにより、イーサリアム財団がアップデートの中止を発表することになりました。

2-2.アップデートを延期した理由

アップデートが延期されたおもな理由は、「リエントリー攻撃」と呼ばれるバグでした。これは、イーサリアムのスマートコントラクトに何度もエントリーすることで、被害対象のアカウントから過度の送金を繰り返すという脆弱性です。これまでは、取引手数料であるガスを支払うことで、リエントリー攻撃は防がれていました。ところが、予定されていたアップデートでは、ガスの計算方法が変わることで手数料が低下する予定でした。ガスの低下がリエントリー攻撃を可能にする原因になると指摘を受けたことで、今回のアップデートが延期されたようです。その後、バグは修正され、2019年3月1日に「コンスタンティノープル」および「サンクトペテルブルク」の二つのアップデートが完了しました。

2-3.価格への影響

アップデートの延期に関するニュースが発表されたことで、イーサリアムの価格は一時的に急落しました。アップデートの延期が発表された2019年1月16日、イーサリアムの価格はおよそ6%も下落したのです。当日の仮想通貨市場は全体的に下落傾向であったものの、イーサリアムの下げ幅はほかの仮想通貨よりも大きかったのです。アップデート実施への期待感から買われていたイーサリアムが予定の延期によって、一気に価格を下げたものだと言われています。

3.イーサリアムの将来性を予測するポイント

これからイーサリアムの購入を考えているなら、将来性を把握しておくことが重要です。イーサリアムの展望が分かれば、価格を予測するのにも役立つでしょう。ここからは、イーサリアムの今後を考えるうえで、重要になるポイントを紹介します。

3-1.今後も価格変動が続く可能性がある

イーサリアムは2019年6月12日現在、ビットコインに次ぐ時価総額を持つ仮想通貨です。アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のなかでも、特に将来性が期待されている仮想通貨の一つだと言われています。イーサリアムの価格は、2019年1月には1ETH=1万2000円台から1万7000円台で推移していました。2018年11月からの3カ月間で見た場合、1ETHが最安値9000円台から最高値2万5000円台まで動いており、とても価格変動が激しい状態でした。アップデート中止のニュースによって下落したのと同様に、今後もニュースやイベントによって、価格が大きく動く可能性が充分にあります。

3-2.課題の解決により実用性の向上が見込まれる

イーサリアムは将来性に期待が集まる仮想通貨であるものの、さまざまな課題を抱えているという面もあります。なかでも、特に大きな課題となっているのが「スケーラビリティ問題」です。これは、イーサリアムの取引数が増えた場合に、処理が間に合わなくなってしまうというものでもあります。取引数に対して処理数が追い付かないと、イーサリアムの送付が滞ってしまうのです。今後、イーサリアムがさらに普及していくためには、取引の遅延は解消しなければなりません。

もう一つの大きな課題として、「セキュリティ問題」があげられることもあります。イーサリアムがハッキング攻撃される可能性が指摘されており、それを解消しなければ安心して利用することができないためです。過去に、イーサリアムは「DAO事件」と呼ばれる大規模なハッキング被害を受けたことがあります。プラットフォームを利用して作られたアプリケーションのバグが原因であったものの、結果として大量のイーサリアムが不正に奪われる結果になったのです。イーサリアムは開発途上の仮想通貨ですから、課題も徐々に解消されつつあります。ただ、完全に乗り越えるまでにはまだ時間がかかるものなので、今後の展開に注目しておく必要があるでしょう。

3-3.技術の発展が期待される

イーサリアムは開発の流れとして、4段階の大規模なアップデートを予定していました。それぞれ、「Frontier(フロンティア)」「Homestead(ホームステッド)」「Metropolis(メトロポリス)」「Serenity(セレニティ)」と呼ばれています。2019年6月現在、3段階目であるメトロポリス(「Byzantium(ビザンチウム)」と「コンスタンティノープル(Constantinople)」の2つのアップデートが含まれます)が終了している状態です。3段階目のアップデート後、4段階目のセレニティが実装されることによってイーサリアムは完成する予定です。セレニティのアップデートが行われると、マイニングの方法が変更となり、マイニング時の電力消費量削減やセキュリティ向上が見込まれています。こうしたアップデートによって、イーサリアムの価値は上昇していくと期待されているのです。

3-4.Dappsでの活用が期待される

イーサリアムは、Dapps(分散型アプリケーション)のプラットフォームとしての展望があります。Dappsは中央管理者が不在でも運用可能なアプリケーション・サービスのことです。これまでのアプリケーションは、管理者が監督することによって、不正を排除したりルール作りが行われたりするものでした。しかし、こうした仕組みでは管理者が自らの都合で勝手に設定を変えるというリスクを排除できません。管理者にとって有利であり、利用者には不利な条件を突きつけられる可能性があったわけです。しかし、Dappsは管理者が不要であり、利用者の合意によってルールや設定が作られていきます。

また、データの改ざんも困難なため、不正を防ぐことができると期待されているのです。こうした機能は、オンラインゲームや分散型取引所(DEX)などの分野で活用されると言われています。Dappsはまだ開発途上であるものの、普及すればイーサリアムの価値も大きく上がる可能性があるでしょう。

4.イーサリアムは今後どうなるのか?

イーサリアムを考案したヴィタリック・ブリテン(Vitalik Buterin)氏や投資家のマイケル・ノボグラッツ(Michael Novogratz)氏など、開発者や投資家の間ではイーサリアムの価格が上昇すると予測されています。アップデートによる機能性向上と企業活動への実用化が進めば、価値が高まる可能性は充分にあるからです。今後の価格上昇を見込んで利益を狙うなら、ある程度価格が下がったときが購入のタイミングに適していると言えるでしょう。

5.イーサリアムは今後価格上昇の可能性もある!

イーサリアムは分散型アプリケーションのプラットフォームという独自の方向性で開発が進められています。ビットコインとは異なる形で展開する可能性がある仮想通貨であり、将来性も価格上昇の可能性も決して低くはないと言われています。もちろん、課題も残っているため、今後の開発状況を慎重に見極める必要はあるでしょう。ただ、期待している人が多いというのも事実です。今後の動向を見守りつつ購入するかどうかを検討してみると良いでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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