IoT分野での活用も期待される!イーサクラシックの将来性
「イーサクラシック」は、イーサリアムから分裂して誕生した暗号資産(仮想通貨)です。2022年2月10日現在、暗号資産時価総額ランキングで34位に位置しており、注目度の高い暗号資産の一つだといわれています。将来性を見極めるためにも、まずはイーサクラシックが持つ基本的な特徴をしっかりと理解することが重要です。今回は、イーサクラシックについて、イーサリアムとの相違点や今後の展望について詳しく解説していきます。
1.イーサクラシックとは?イーサリアムとの違いは?
イーサクラシックはイーサリアムから分裂することで誕生しました。もともとは一つの暗号資産(仮想通貨)だったイーサリアムとの間に、どのような違いがあるのかについて詳しく解説します。
1-1.誕生の経緯
イーサクラシックはイーサリアムから分裂して生まれた暗号資産です。分裂のきっかけになったのは、ハッキングによるイーサリアム流出事件でした。イーサリアムのプラットフォームを利用したプロジェクト「The DAO」のシステムに脆弱性があり、そこからハッキングを受けることでイーサリアムが不正に流出したのです。イーサリアム自体の脆弱性ではなかったものの、「盗まれたイーサリアムをどのように扱うか」という点で対応を迫られることになりました。
対応策について「仕様変更による解決」と「流出した暗号資産を凍結する」という2つの方法が提案されました。しかし、それぞれの支持者には大きな溝が生まれ、対立が収まることはありませんでした。結果として、ハードフォークという形で仕様変更を行い新しいブロックチェーンを持ったものが正式なイーサリアム、それに反対しハードフォーク前の古いブロックチェーンを持つものがイーサクラシックとなりました。
1-2.イーサリアムとの違い
イーサクラシックとイーサリアムは、もともと同じ暗号資産であったため、機能面で大きな違いはありませんでした。ただし、イーサクラシックを支持する人は、イーサリアム支持者以上に「非中央集権」という理想を信じているようです。流出事件の対策としてハードフォークに賛成しなかったのは、「問題解決のためにルールを変更する」という手法が強権的であると判断したためです。ただ、イーサクラシックは分裂時に参加者数が大幅に減少し、開発力も低下してしまいました。その一方で、ユーザー数の減少によって処理速度が向上したため、送金手段としての利便性は増したといわれています。分裂後、イーサリアムとの差別化を図るため、IoT(さまざまなモノがインターネットで接続される技術)の活用に特化したプラットフォームを目指して開発が進められるようになりました。
2.イーサクラシックが取引される理由
イーサリアムと比較すると価格や取引量の面で劣ってはいるものの、イーサクラシックには根強いファンが多いともいわれています。暗号資産(仮想通貨)としてどのような点に魅力があるのかを知っておくことは大切です。イーサクラシックの取引が続いている理由について、詳しく見ていきましょう。
2-1.非中央集権型である
イーサクラシックは、非中央集権的な暗号資産を求めるコミュニティによって誕生しました。分裂のきっかけとなったハードフォークにおいて、イーサリアムは「ブロックチェーンを流出事件前の状態に戻す」という対策を採用しました。ところが、イーサクラシック支持派は、「どのような理由でもブロックチェーンを変更するべきではない」と反発したのです。ブロックチェーンにおいて、その信頼性が保たれるのは「改ざんされない」という点にあります。
たとえ参加者の多数の意見であっても、ブロックチェーンの変更によって問題を解決すれば、「また同じことが行われるのではないか」という疑念が生まれます。だからこそ、「どんな状況であっても、何ものにもブロックチェーンの変更を認めない」という人々が出てきたともいえます。そうした流れの中で、ハードフォーク前のイーサリアムのブロックチェーンを引き継ぐことで、イーサクラシックが誕生したのです。これまでの経緯もあり、イーサクラシックはイーサリアム以上に、非中央集権的な暗号資産として開発が進められています。
2-2.流動性が高いため取引しやすい
イーサクラシックは、分裂と同時にイーサリアムの保有者に対して同数が配布される形で流通しました。もともとイーサリアムの流通量は、暗号資産のなかでも非常に多かったため、イーサクラシックも大量に流通することになったのです。保有者や取引量が多いというのは、それだけ暗号資産の価値を高めます。流動性が高ければ、いつでも好きなときに売買ができ、安心して取引が行えるため価値が高まるのです。発行当初から流通量が多かったイーサクラシックは、売買が成立しやすいというメリットを備えていました。今後の取引においても、流動性の高さはイーサクラシックの大きなポイントとなるでしょう。
3.イーサクラシックの価格変動
イーサクラシックは2022年2月10日現在、暗号資産(仮想通貨)時価総額で34位となっています。これまで、イーサクラシックがどのような価格の推移を見せてきたのかを知ることは、今後の価格予測にも役立つはずです。過去の価格の変化について解説していきます。
3-1.2017年の動き
イーサクラシックは、イーサリアムから分裂して以降、長い間1ETC=100円前後で推移していました。それが2017年に入ると、暗号資産市場全体の好調もあり、イーサクラシックの価格も徐々に上昇したのです。2017年5月に1ETC=1000円を超え、6月には2600円台にまで高騰しました。その後、価格の上昇は止まって少しずつ値を戻していきましたが、それでも1000円を下回ることはありませんでした。そして、11月頃から再び価格は上がり始め、年末まで上昇を続けていきました。12月には1ETC=5000円目前まで急騰していったのです。
3-2.2018年~2020年の動き
2017年末の高騰は2018年に入った直後に急落に転じました。1月中は1ETC=3000~4000円台の間で推移するようになります。その後、2月に入ると一時2000円を下回りましたが、再び上昇して1ETC=4000円台まで回復しました。そこから4月にかけて徐々に値を下げていき、価格は2000円台で推移するようになります。その後、何度か価格が上昇する局面はありましたが、少しずつ価格を下げていきました。2018年には1ETC=1000円を切るようになり、2019年から2020年の間は400円~500円前後で推移しました。
3-3.2021年~2022年2月までの動き
2020年末頃からビットコインの価格が上昇し始めたことに伴い、イーサクラシックの価格も上昇しました。イーサクラシックも2021年2月に入ると1ETC=1000円を超えるようになり、2021年5月には史上最高値となる2万円越えを記録しました。しかしながら、新型コロナウイルスの蔓延などの理由による暗号資産相場の下落を受たこともあり、2022年2月10日現在は1ETC=4000円弱で推移しています。
4.イーサクラシックの将来性
イーサクラシックに興味を抱いているなら、将来性について見ていくことが重要です。今後、イーサクラシックが世の中に普及するのか、価格が上昇する可能性があるのかについて解説します。
4-1.IoT分野での活用で実用化が見込まれる
イーサクラシックは、イーサリアムとの差別化を目指すためにも、IoT分野での普及を意識しています。インターネットを通じてモノとモノをつなげることで、人々の暮らしをさらに便利にするIoTは、これから大きく発展するといわれる分野です。IoTにおける課題として、個人情報をしっかりと守る高いセキュリティが必要だと指摘されています。イーサクラシックがIoT分野で活用されるようになれば、世の中に大きく広がっていく可能性があるのです。
4-2.サイドチェーンの実装で通信がスムーズになる
イーサクラシックは、メインチェーンに紐づけされる「サイドチェーン」機能の実装を目指しています。サイドチェーンが実装されると、メインチェーンのデータ処理の負担が減り、取引やスマートコントラクトの処理能力が向上するといわれます。特に、IoT分野で活用されるためには、処理速度・通信速度を保つことが重要です。サイドチェーン機能を備えることで、IoT分野で普及するために必要な通信体制を強化することができるのです。
4-3.SDKの配布で効果的に開発が進む
イーサクラシックでは、SDKと呼ばれるツールの配布を予定しています。SDKは、イーサクラシックを開発するための方法や、開発環境が体系化されたツールをパッケージ化したものです。SDKが配布されることで、イーサクラシックの開発に参加することが容易になり、システムの性能向上等につながると期待されています。
5.イーサクラシックの取引方法
イーサクラシックの将来性に期待を抱き、購入を検討したいと思っている人もいるでしょう。しかし、取引の方法を理解していないと購入することができません。ここでは、イーサクラシックの取引方法について紹介します。
5-1.現物取引
現物取引とは、売買の都度イーサクラシックを受け渡しする取引方法です。暗号資産(仮想通貨)そのものを購入・売却することになるため、保有しているイーサクラシックを決済に利用したり、ほかの暗号資産と交換することも可能になります。現物取引で利益を得るためには、イーサクラシックの価格が低いときに購入し、値上がったときに売却するのが基本です。価格変動にむやみに振り回されてしまわないためにも、無理のない範囲の金額で取引をするように心がけましょう。
5-2.レバレッジ取引
レバレッジ取引は、現物資産(日本円や暗号資産)を証拠金として預け、証拠金の数倍の金額で取引を行う方法です。レバレッジ取引は、現物取引よりも高額な取引が可能なため利益を得やすい一方で、損失も大きくなるリスクがあるため注意が必要でもあります。場合によっては、預けた証拠金以上の損失が出るケースもあるでしょう。そのため、限られた資産で余裕をもって取引を行うことが重要です。DMM Bitcoinのレバレッジ取引は、「新規注文(買いまたは売り)」と反対売買である「決済注文(売りまたは買い)」を行い、差額を「日本円」として受け渡しする「差金決済」です。
直接暗号資産を売買するわけではないため、レバレッジ取引でイーサクラシックに「買い注文」を出したとしても、保有することはできません。DMM Bitcoinでイーサクラシックのレバレッジ取引を行う場合は、日本円、イーサリアムあるいはビットコインとのペアによる取引ができます。
6.今後の価格変動のポイントはイーサリアムとの差別化!
イーサクラシックは、機能面においてイーサリアムとあまり差はありません。しかし、非中央集権という理想を追い求めたり、IoT分野への進出を計画したりと将来性は決して低くないでしょう。また、イーサリアムから分裂したという経緯から、暗号資産(仮想通貨)の時価総額でも上位であり、流動性に優れているという面もあります。今後、独自の路線を確立できればさらなる発展も期待できるでしょう。イーサクラシックに関するニュースに日ごろから意識を向けたうえで、投資を検討していくことが大切です。
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