ビットコインの買い時を見極めよう!チャートの見方や分析のしかた
ビットコイン(BTC)を含め、暗号資産(仮想通貨)は株式や不動産といった他資産に比べ価格変動が大きいという特徴があります。そのために急速に市場が冷え込むこともあります。暗号資産投資を行う場合には、しっかりと取引のタイミングを見極めることが大切です。
今回は、ビットコインの基礎知識から売買するタイミングを見つけるために必要なチャートや情報の分析の仕方、注意点などを紹介します。
ビットコインの基礎知識
ビットコインは日本円やドルとは異なり、実物があるわけではなく、インターネット上の資産である暗号資産(仮想通貨)の一つです。ただ、電子マネーが法定通貨の支払い手段としてあるのに対し、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産はそれ自体が資産価値を持っています。
ビットコインは暗号資産交換業者を通じて円やドルに換金ができるため、ゴールド(金)のように投資用資産として注目を集めています。
特にビットコインは、数ある暗号資産の中でも時価総額1位となっています。しかし前述したように、価格変動が大きいことから、買い時を見極めることが重要です。
参考コラム:
「【初心者向け】ビットコインの基本〜取引の始め方!注意すべき点も解説」
テクニカル分析でビットコインの買い時を見極める!
ビットコインを購入することで利益を狙うためには、「テクニカル分析」や「ファンダメンタルズ分析」といった手法で価格を分析します。まずは、テクニカル分析とは何かを解説し、テクニカル分析で使われるチャートや移動平均線について詳しく見ていきます。
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、過去の価格推移から将来の価格の方向や水準を予測する分析方法です。後述するファンダメンタルズ分析は、資産の本質的価値を分析し、そこから理論価格を割り出す手法ですが、テクニカル分析ではこうした本質的価値は考慮しません。テクニカル分析では投資家の売買といった取引活動の傾向を分析することで、将来価格が推測できるという考えからきています。
テクニカル分析では過去の価格動向を分析するために、チャートを使います。このチャートでは、世界中で使われる「ローソク足」や価格推移の把握に使われる「移動平均線」などがあります。それぞれについて解説します。
ローソク足チャートの見方
ビットコインを含め、暗号資産(仮想通貨)の相場で価格推移を把握するには、日本で考案されたローソク足チャートが便利です。
ローソク足チャートは、特定の期間における値動きが把握できます。「ローソク足」と呼ばれる棒状のグラフで表し、それらを並べることで相場の推移を表現しています。
1つのローソク足には、
- 「始値」
- 「終値」
- 「安値」
- 「高値」
が示されています。
太い棒で表された部分は「実体」と呼ばれ、1つのローソク足の期間における始値と終値を表しています。DMM Bitcoinの取引システムでは、終値が始値よりも高い(値上がりした)時には、赤塗りの「陽線」になります。逆に、終値が始値よりも低い(値下がりした)時には、青塗りの「陰線」で表現されます。また実体から上下に伸びる線があり、上の線は「上ヒゲ」、下の線は「下ヒゲ」と呼ばれます。上ヒゲは期間中の高値を表し、下ヒゲは安値を表します。
ローソク足では陽線が連続している局面で上昇の勢いが強いと考えられます。一方で陰線が多い時では下落基調だと判断できます。
さらに、陽線の実体部分が長い「大陽線」が見られた時は、始値から終値に価格が急騰したことがわかります。反対に陰線の実体が長い大陰線では価格が急落したことが示されています。
ローソク足は、異なる時間軸で見ることも重要です。
1日の間でつけた始値や終値を示しているものは「日足(ひあし)」と呼びます。日足の他には分単位の「分足(ふんあし)」、1時間ごと、4時間ごとの「時間足(じかんあし)」があります。さらに「週足(しゅうあし)」、「月足(つきあし)」などもあります。
短期的な値動きは分足や時間足といった短い時間軸で、長期的な場合は週足や月足などを利用するなど、取引の形に合わせて組み合わせて使うことを覚えておきましょう。
参考コラム:
「暗号資産(仮想通貨)取引でのローソク足の見方は?種類やパターンを解説!」
移動平均線の見方
移動平均線は、ビットコイン価格の動きを把握するために必須の指標です。一定期間における終値の平均値をつないだ折れ線グラフのことを指します。
ビットコインなどの暗号資産では、1日の間でも高値と安値が大きく変動します。平均値を取ることで、こうした一時的な値動きが均され、トレンドが把握できます。
移動平均線は5日移動平均線や25日移動平均線など計算期間によって、チャートが異なります。短期的な傾向を知る場合は期間を短くし、長期的な傾向を知りたい場合は長くします。
移動平均線は、右上がりであれば上昇トレンド、右下がりであれば下落トレンドとみなし、移動平均線の傾きが急であれば、そのトレンドは強く、水平になる程弱いといえます。
また、使い手の主観が入るトレンドラインとは異なり、計算期間や価格が同じであれば、誰が引いても同じ値が出ます。そのため主観が入りにくいトレンドの見極めができます。 一般的に移動平均線と呼ばれているものは、「単純移動平均線」を指します。ほかにも、直近の価格に比重を置く「加重移動平均線」や「指数平滑移動平均線」などがあります。
チャートを使った買い時の見極め方
それでは、チャートや移動平均線を使って買い時をどのように見極めればいいのでしょうか。
まず、ローソク足チャートから買い時を判断する場合、終値が始値よりも大きく上昇したことを表す「大陽線」に注目するとよいでしょう。特に、上ヒゲのない「陽の丸坊主」「陽の大引坊主」と呼ばれるローソク足が現れると、買いの勢いが強いことがわかります。
移動平均線は、短期移動平均線と長期移動平均線2つを利用した方法によって、強いトレンドかどうかがわかる指標があります。価格が大きく下落した後に短期移動平均線が長期移動平均線を上向きに追い抜くタイミングを「ゴールデンクロス」と呼び、今後価格が上昇していく兆候だとされます。反対に価格が上昇した後に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に追い抜く場合を「デッドクロス」と呼び、価格が下落トレンドになる兆候だとされます。
チャートや移動平均線、さらには「オシレーター系」「トレンド系」と呼ばれる複数の分析手法を組み合わせることで買い時を見極めることが重要です。
参考コラム:
「オシレーターとは?暗号資産(仮想通貨)のチャート分析で必須の知識」
ファンダメンタルズ分析でビットコインの買い時を判断する!
テクニカル分析は、ビットコインの買い時を見極めるために有用です。しかし、資産が割安か割高かを見極めるには「ファンダメンタルズ分析」も併用する必要があります。テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を両方使うことによって、より良い買いのチャンスを見つけることができます。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析とは経済指標などを使って、現在の価値が割安か割高かを判断する手法です。株式では企業の財務状況や業績から判断します。割安であれば買いであり、割高であれば売りだと考える手法です。
ビットコインでは、アップデートやハードフォークなどの技術面のニュースや、暗号資産(仮想通貨)に対する規制状況を分析し、今後の成長性などから現在の価格が割安なのか割高なのかを判断します。
ビットコインの将来性・発展性を感じさせるニュースは、価格が上昇する要因となる場合もあります。逆に、ビットコインの普及について影を落とすような内容の情報は、売りの勢力が強くなるきっかけになります。そのため、ビットコインのファンダメンタルズ分析には、ビットコインや暗号資産(仮想通貨)に関する情報をしっかりと集める必要があります。
ビットコインの買い時につながる情報
ビットコインの買い時をファンダメンタルズ分析で判断する場合、資産価値につながる情報収集が欠かせません。ビットコインでいえば、「半減期」が挙げられます。
ビットコインには、約4年に一度、マイニング報酬が半分になる「半減期」があります。半減期後に資産の希少性が向上することから、価格が上昇しやすいとされています。2012年から2016年の半減期では、価格が50倍に上昇。2016年から2020年の半減期にかけては約30倍になり、期間中に最高値を更新しています。しかし、この最高値はいつ頃に天井を打つのかはわからず、価格高騰後には急落して、価格低迷期が長期化することも起きています。
また、大手企業がビットコインの取り扱いを始めるというニュースなども大きく影響します。2020年11月には決済大手のPayPalが暗号資産の取り扱いを発表し、期待感から価格が大きく上昇しました。
購入を控えるタイミング
ビットコインに関するニュースには、価格を下げる影響を与えるものもあります。そうした情報を得た場合には、一時的に購入を控えたり保有しているビットコインを売却したりする対策が必要でしょう。
特に、社会、政治経済に関する話題で大きく値を下げることがあります。2020年3月の新型コロナウイルスに起因する経済混乱では、数日で価格が約50%も下落しました。
また、ハッキングなどによる不正な資金流出などのニュースは、ビットコインの価格に悪影響を及ぼす可能性があります。これは、ビットコインの流出だけではなく、ほかの暗号資産に関する事件でも影響が現れる可能性があります。暗号資産そのものへの信頼が揺らぐことで、ビットコインの価格が下がるかもしれません。そのため、ファンダメンタルズ分析では、ビットコインに直接関わる情報だけではなく、暗号資産関連のニュース全般に意識を向ける必要があるでしょう。
参考コラム:
「ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析とは?」
価格停滞時の戦略は?
価格停滞時に短期的な値動きを調べるために、ブロックチェーン特有の「オンチェーン分析」で買い時を見極めるのも有効です。
ブロックチェーンはトランザクションが全て記録されており、こうした記録データを分析することをオンチェーン分析といいます。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析とともに、オンチェーン分析によって、トレンドを調べることができます。
例えば、価格が今後動くことが予想される場面でよく使われるのが、暗号資産交換業者へのビットコインの出入量です。暗号資産は暗号資産交換業者のアカウントで保持する以外に、個人や企業がウォレットを使って独自に保有できます。しかし、現金化するには保有分を売却しなければならず、一般的には暗号資産交換業者を通じて売買されます。
そのため、今後価格が下落すると投資家が見込んでいる時は、売却するために暗号資産交換業者の保有量が増加するとされています。この傾向から、売り圧力が高まり価格の下落になると見られています。反対に暗号資産交換業者の保有量が減少すると、価格が今後上昇すると投資家が想定しているために、買い時と判断されることがあります。
一方で、長期的な動きで過去の傾向を読み解くのが重要です。
ビットコインは過去3回の価格高騰サイクルが起きており、価格高騰の後には価格が低迷するという傾向を繰り返しています。過去の傾向から、低迷した後に上昇するには、株なども含めた「市場全体のリスクオンモード」や新たなブームが発生しています。例えば、2020年ごろからは米株との相関が高まっていました。市場全体がリスク資産に投資する勢いが高まると、暗号資産にも資金が流れるという動きが出ています。
さらに、2020年末から翌年にかけて発生した強気相場では、2020年の夏に「DeFiサマー」と呼ばれる、分散型金融(DeFi)のブームが起こりました。暗号資産業界の新たな動きに資金が集まり、その後にはNFT(ノンファンジブルトークン)にも注目が高まりました。こうした複数の要素から、暗号資産にも投資が集中し、価格停滞から抜け出したと考えられます。
もちろん、チャートや過去の傾向は必ず同じトレンドになるとは限りません。上記の内容を参考にしながら、ご自身で戦略を立てると良いでしょう。
参考コラム:
「ビットコインETFとは?その仕組みは?実現されると何が変わるか?」
今後の価格予想
ビットコインは、2021年11月に過去最高値を記録しました(2022年9月末時点)。多くのアナリストは、今後さらに価格が上昇すると見込んでいます。ここでは、大手銀行などの価格予想からタイミングを探ります。
投資銀行大手のJPモルガンは、2022年2月、長期的にはビットコインは15万ドルまで上昇すると予想しました。JPモルガンはビットコインと金(ゴールド)の時価総額を比較し、今後、個人が投資目的で保有する金の価値と並ぶとの持論を述べています。
金と同等の関心を示すために必要なのは、機関投資家の参入とされています。すでにビットコイン先物に連動するETFがアメリカでは承認されていますが、現物はまだ先送りされています(2022年9月末現在)。ボラティリティが高いことなどを理由に米当局が承認を下していません。機関投資家が安心して参入できるようになれば、資金の流入が拡大し、市場も大きくなることが予想されます。
同じく投資銀行大手のゴールドマンサックスは2022年1月、今後5年で10万ドルを突破すると予想しました。JPモルガン同様に金のシェアをビットコインが凌駕することを条件としており、金を含めた「価値の保存」市場で当時の時価総額シェア20%を50%までビットコインが高められれば10万ドルに達すると予想しました。
そのほかにも長期的には、ビットコインは上昇すると強気の予想が著名アナリストなどから出ています。2020年9月時点では、価格は低迷していますが、今後の値上がり予想からは買い時ではないかと発言する投資家も出てきています。
参考コラム:
「ビットコインと金(ゴールド)の関係性」
ビットコインの買い時を決める際の注意点
さまざまな分析方法を用いて、ビットコインの買い時を見極めることは重要です。しかし、買いのタイミングを見つけたからといって、すぐに判断を下すべきではありません。ビットコインを購入する際に、注意すべき点があります。
目標を決める
投資では思いもよらない損失が生じてしまう場合があります。そのため、冷静に判断を下すためには、取引を始める前に目標を決めておく必要があります。たとえば、「どの程度の利益を目指すのか」、「どのくらいの損失が出たらビットコインを手放すか」というルールを設定するようにしましょう。その場の判断に身を任せると、冷静に考えるのは難しいという点を覚えておくことが大切です。
ロスカットで損失を抑える
ビットコインの取引には、実際にビットコインを購入する現物取引とは別に、「レバレッジ取引」があります。DMM Bitcoinでは、ビットコインのレバレッジ取引が可能であり、実際に始めるなら仕組みを理解しておく必要があります。
レバレッジ取引には、利用者の損失を抑えるための「ロスカットルール」があります。これは、預けてある資産(証拠金)に対して、一定以上の損失が発生した時点で、自動的にすべてのポジションが決済され損失を確定させるというものです。ロスカットルールによって、発生する損失を小さく抑えることができます。
ただし、ロスカットルールがあったとしても、急激な相場変動が起きれば損失は膨らむでしょう。レバレッジ取引では、預けてある元手を超える損失が生じるリスクがあるため、資金に余裕をもって取引することが重要です。
参考:
「レバレッジ取引のロスカットルールについて」
「ビットコインのレバレッジ取引とは?注意すべきポイントを解説」
まとめ
ビットコインの購入タイミングを判断するためには、チャートや移動平均線を分析したり、関連情報やニュースに注目したりする必要があります。ただし、それ以上に大切なのは、投資に関して冷静さを失わないことです。正しい情報を得ながら、きちんとしたルール作りを進めることで、利益を得る可能性を上げていくことが大切です。まずは、取引そのものに慣れるためにも、暗号資産交換業者で口座を開設し、少額からビットコインを購入しつつ、暗号資産の取引を学んでいくのがよいでしょう。
DMM Bitcoinの「マーケットレポート」では、ここで解説したようなテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を用いて実際に分析をしていますので、お取引の参考として活用していただければ幸いです。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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