ビットコイン市場を牽引した中国!爆発的な人気と規制の理由とは?

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2019-02-27 更新

ビットコインは市場での取引の具合によって価格が決まります。なかでも、中国市場は影響力が強く、ビットコインの価格が大きく変動する要因となることが何度となくありました。また、ビットコインの相場はほかの仮想通貨の価格に影響を及ぼすこともあります。そのため、仮想通貨取引に興味があるなら中国市場の動向はしっかりと押さえておくべきだといえるでしょう。今回は、仮想通貨市場そのものにまで影響を与える中国のビットコイン市場について解説していきます。

1. そもそも中国ではビットコインの人気が高い

中国は仮想通貨の取引が早くから行われた地域の1つです。特に、ビットコインの人気はとても高く、実際の取引も活発になっています。2017年1月ごろには、中国が世界の取引シェアのおよそ90%を占めるという状況まで生まれたほどです。一時は、中国政府が仮想通貨に対する規制を強める姿勢を示したこともあったものの、2018年10月には中国の裁判所で仮想通貨が財産と認められる判決も出ました。巨大な市場を握っている中国での規制緩和の流れができれば、ビットコインを含めた仮想通貨市場の勢いが増す可能性もあります。したがって、中国政府の今度の動向に注目が集まっているといえるでしょう。

2. 中国でビットコインが人気になった理由

中国におけるビットコインの人気はとても高く、世界の市場に占める取引のシェアも大きくなっています。ここでは、中国でビットコインが期待を集めている理由について見ていきましょう。

2-1. 法定通貨よりも手数料が安く便利

中国でビットコインが人気になったのは、法定通貨よりも利便性が高いという点に注目が集まったからだといわれています。中国には厳しい資本規制があり、お金を自由に送ることができず、海外への投資なども難しい状況になっているのです。ところが、ビットコインの送付は匿名性が高く、より自由に出し入れをしたり投資を行ったりすることができます。手数料が安く、送付に時間もかからないビットコインを活用することができるため、自然とユーザーが増えたという背景があったようです。

2-2. 元安と中国政府による規制

中国でビットコインに注目が集まった背景には、2012年ごろから始まった人民元の価値が下がり始めたことも影響したといわれています。中国の法定通貨である人民元の価値が下がるということは、中国内にある資産の価値まで下がることになります。人民元の下落が損失につながることを恐れた中国の富裕層が、ビットコインを購入することで資産を守ろうとしたわけです。さらに、2015年には中国政府による人民元の切り下げが行われました。人民元切り下げによる資本流出を恐れた中国政府が厳しい規制をかけたものの、その規制をすり抜ける方法としてビットコインが利用され、中国国内におけるビットコインの人気が一層高まっていったようです。この流れは富裕層だけに留まらず、一般層にまで波及していき、中国国内におけるビットコインの普及につながりました。

2-3. ビットコインの発掘量が世界一

ビットコインには、送付データの承認(マイニング)を行う報酬として新規発行のビットコインを得られるという仕組みがあります。そして、マイニングによるビットコイン報酬によって利益を上げている集団(マイニングファーム)の存在も発掘量に影響を与えているのです。これらの集団が中国国内に集中しているという状況も、中国でのビットコイン人気に一役買っているといわれています。マイニングファームの世界シェアは上位13社だけで80%に及ぶといわれ、そのうち10社は中国に拠点を置いているのです。

マイニングに用いられる機器には、設置するための広大な土地と莫大な電力がかかります。中国は他国と比べて、土地代・電気代が圧倒的に安いため、マイニングによって利益を上げやすい環境が整っているのです。その結果、中国全体でビットコインの関心が高まりました。ビットコインの取引だけではなく、発掘量についても中国の影響は巨大なものになっているといえるでしょう。

3. 中国の情勢が市場に与えた例

中国におけるビットコインの人気の高さは、市場に大きな影響を与えるものでした。過去の出来事を例にして、中国市場がどのようにビットコインの相場を動かしてきたかを見ていきましょう。

3-1. 2013年の暴落

2013年12月、ビットコイン価格は一時約12万7800円という過去最高値をつけました。ところが、同年12月5日に中国政府が国内銀行に対してビットコインの取り扱いを禁止する通達を出したのです。この通達の影響から、中国にある仮想通貨交換業者の一部がサービスを停止する事態に陥りました。その結果、中国市場を中心にビットコイン市場全体が混乱して価格は40%近く下落して、1BTC=約6万9000円にまで至りました。

3-2. 2017年1月の暴落

2017年に入った直後、ビットコイン市場に多くの日本人が参加するようになりました。そうした市場の変化もあり、2017年1月には2013年以来の市場最高価格を更新します。ところが、中国人民銀行がビットコインの暴騰を警戒し、警告と規制を行いました。これが原因となり、ビットコイン価格は一時的に急落します。しかし、ビットコインに対する需要の高まりから、価格の下落は安価でビットコインを購入するチャンスとして市場に受け止められました。結果、中国以外のユーザーによって買い支えられる形で高騰していきます。2017年1月には中国国内のビットコイン取引量は約1億3194万BTCであり市場の約95%を占めていたものの、同年2月には約145万BTCで市場の25%まで下がってしまいました。

3-3. 2017年9月の暴落

2017年9月に中国政府が仮想通貨取引およびICOを全面的に禁止すると、メディアを通じて発表しました。中国市場が大きく縮小することが予想されたため、ビットコインの価格は急落したのです。世界有数の取引量を誇っていた仮想通貨交換業者が閉鎖や海外移転を強いられたこともあり、ビットコイン価格の暴落につながったといわれています。1BTC=約55万円だったものが、31万円前後まで下がりました。ただ、その後9月末になると約47万円まで価格を戻し、2017年12月には235万円まで急上昇したのです。

4. 中国でビットコインが規制された理由

かつて、中国によるビットコインの市場シェアは圧倒的なものでした。ところが、政府の規制などが原因で、シェアを大きく失うことになったのです。ここからは、中国政府がビットコインの規制に乗り出した背景について解説します。

4-1. 中国政府による独自の仮想通貨の開発

ビットコインは新技術であるブロックチェーンを利用した仮想通貨であり、世界的に普及する可能性を秘めているといわれています。その基本的な理念として、政府などの組織に依存しない「非中央集権的」な通貨を作るというものがあります。しかし、中国政府としては政府のコントロールが及ばない通貨が流通することを警戒しており、ビットコインが中国国内に広がることを防ぎたかったのでしょう。ただし、中国はブロックチェーンを含めた新技術には興味を持っており、政府発行の仮想通貨を作る計画を進めています。中国政府は人民元の価値を守る金融政策をとっているため、その邪魔になるビットコインを排除したいという思惑があるのでしょう。

4-2. 暴落や詐欺による被害の防止

ビットコインは一般的な投資対象である株式やFXなどと比較すると、ボラティリティ(資産価値変動の激しさ)が大きいため利益を増やしやすい面があります。その一方で、暴落などによって資産を失う可能性が高いという特徴もあるのです。中国国内でビットコイン投資が過熱してしまうと、暴落によって巨額の損失を抱える人がたくさん現れる懸念がありました。中国国内の投資家がビットコイン投資で大損をしないように、中国政府が規制に乗り出したという面があります。また、新しい仮想通貨を発行することで資金を集めるICOが乱立していたのも規制の理由とされているのです。中国政府はICOの大部分について金融詐欺であると指摘しており、投資家が詐欺行為で被害に遭わないようにする狙いもあったのでしょう。

4-3. 国が直接管理できない

中国政府は中国国内からの資本流出を止めるために、厳しい資本規制を実施しています。ところが、その規制の抜け穴として利用されていたのがビットコインだったのです。ビットコインは匿名性が高く、法定通貨における中央銀行のように管理を行う組織が存在しません。そのため、ビットコインの普及により、中国政府の資本規制が効力を失うことを警戒したといわれています。もし、ビットコインが人民元よりも普及するような状況になれば、人民元の価値や需要を維持するのが難しくなるでしょう。そうした事態を防ぐことが中国政府によってビットコインを規制する目的の1つでした。

5. 中国の規制による国内への影響

中国政府による仮想通貨関連の規制は、中国国内の市場などに大きな影響を及ぼしました。規制に対する市場の反応など、実際に起こった出来事を具体的に見ていきましょう。

5-1. 中国の仮想通貨交換業者は停止・閉鎖に追い込まれた

中国政府は、2017年9月15日までに仮想通貨交換業者を閉鎖するという発表を行いました。この流れを受けて、中国国内の仮想通貨交換業者は取引を停止することになったのです。中国政府は、顧客資産の安全を確保するための計画を仮想通貨交換業者に提出することも要求しました。実際、当時の仮想通貨交換業者の大手だったBTCCは、顧客の資産返還に応じるという発表を行っています。2018年11月時点でも、複数の仮想通貨交換業者が運営を続けているものの、香港や国外に本社を移しているようです。また、中国国内での取引を続けているケースがあったとしても、仮想通貨同士の交換のみのサービスに留めています。この規制により、人民元と仮想通貨を取引できる仮想通貨交換業者は中国国内から姿を消しました。

5-2. 中国はビットコインのマイニングにも規制がある

中国政府はビットコインの取引を規制するだけではなく、マイニングに対する規制も強化するようになりました。2018年からマイニング業者に対する税制上の優遇を廃止し、電力消費量にも制限を設けたのです。マイニングには莫大な電力が必要であるため、電力消費量が制限されると、事実上マイニング事業の継続が不可能になるという状況が生まれました。マイニング事業への優遇廃止・規制強化を行った背景として、中国の電力問題が絡んでいるといわれています。2017年10月の中国共産党全国代表大会にて、経済政策の重要課題の1つに「汚染防止」が掲げられました。石炭火力に頼る中国にとって、アルゼンチン1国分に相当するといわれるマイニング用の消費電力を見逃すことはできなかったのでしょう。こうした規制に加え、2018年11月のビットコインの価格暴落によって、運営継続を断念する中小のマイニング業者も増えています。

6. ビットコイン価格に影響を与える中国!今後の展開は要注目!

ビットコインの価格は中国市場から大きな影響を受けてきました。中国の情勢によって乱高下するという事態を何度となく経験してきたのです。2019年1月現在では以前ほどのシェアは失われているものの、それでも中国市場の存在感は小さくありません。ビットコインや仮想通貨に投資をするならば、中国市場および中国政府の動向には注目しておく必要があるでしょう。

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