ビットコインアドレス利用時に注意すべきポイント

ビットコインアドレス
2023-02-08 更新

ビットコイン(BTC)はデジタル資産であり、実際に手で触れられる実体を持っていません。そのため、ビットコインを受け取ったり送ったりするためには、「ビットコインアドレス」を通じたデータのやりとりが必要になります。今回は、ビットコインアドレスを取得して、ビットコインを送受信する方法やその際の注意点などを詳しく解説していきます。ビットコインの仕組みを正しく理解することで、安心して利用できるようになることが大切です。

ビットコインアドレスとは?

ビットコインアドレスは、例えるなら銀行の口座番号のようなものです。ビットコインの送付先を特定するための文字列であり、暗号資産(仮想通貨)の口座にあたるウォレットを指定するものだと考えると理解しやすいでしょう。ビットコインを送付する場合、相手のビットコインアドレスが必要であり、受け取るときには自分のビットコインアドレスが必要になります。ビットコインのウォレットには個人情報が掲載されていません。個人情報のないウォレット内で秘密鍵や秘密鍵と紐づけされたビットコインアドレスが作られるので、ビットコインアドレスから個人状況は特定できないのです。そのおかげで、アドレス所有者の身元を知ることは困難であり、匿名性の高い取引が可能となります。

ただし、アドレス自体には取引履歴が残りますから、履歴を確認することはできます。

また、ビットコインアドレスには「1」「3」「bc1」「m」または「n」から始まるアドレスなど、その種類は複数あります。

「1」というのは、秘密鍵が一つ必要なアドレスです。「3」は複数の秘密鍵が必要なマルチシグを使ったものです。

「bc1」はSegwitに対応したウォレットで作成されたビットコインアドレスです。Segwitとは、トランザクション情報を圧縮することでデータ量を小さくする技術です。bc1から始まるアドレスに送付する場合は、送付側もSegwitに対応したアドレスから送付する必要があります。

「m」、「n」はテスト環境で作成されたビットコインアドレスです。

ビットコインアドレスの仕組み

ビットコインの管理には、「秘密鍵」と「公開鍵」と呼ばれる2種類の鍵が利用されています。ビットコインアドレスは、2つのうちの公開鍵を利用して作られているのです。ここでは、ビットコインの送受信に深く関わっている2つの鍵について解説していきます。

秘密鍵

秘密鍵とは、ビットコインの取引における「暗証番号」の役割を果たす文字列であり、英数字64文字で生成されています。秘密鍵は、ビットコインを管理するうえで最も重要なものであり厳重に保管する必要があるものです。秘密鍵があれば、その鍵と結び付いているビットコインアドレスを簡単に導き出せるため、世界中の誰にでもビットコインを引き出すことができます。秘密鍵を知られるというのは資産が流出することに直結するので、ハッキングのリスクがあるオンライン上での管理には向きません。USBメモリに保管したりメモ書きして金庫に入れたりするなど、ネットワークから切り離して管理するのが良いでしょう。

公開鍵

公開鍵は、秘密鍵と合わせて使用することで、ビットコインを管理する際のセキュリティを高めるためのものです。公開鍵は秘密鍵から生成されるものの、公開鍵から秘密鍵を調べる方法はありません。そのため、公開鍵を利用して送られてくるデータは、秘密鍵を持たない人にとっては意味のない情報になります。この特性を利用することで、ビットコインの送受信は安全性を確保しているのです。公開鍵は全世界のユーザーが閲覧可能になっており、秘密鍵のように厳重に扱う必要はありません。

ビットコインアドレスの取得方法

ビットコインアドレスを実際に手に入れるためには、いくつかの手続きを経なければいけません。ビットコインアドレスは、ビットコインの送受信に欠かせないものなので、きちんと取得方法を知っておくことが大切でしょう。ここからは、ビットコインアドレスを取得するための具体的な手順について紹介します。

取得の際に必要な情報

最初の手続きとして、インターネット上にある乱数生成器を利用し、秘密鍵の原型を生成することで作られる秘密鍵の二次元バーコードを取得する必要があります。次に、秘密鍵から作られる公開鍵を生成し、続いて公開鍵からビットコインアドレスを作り出すという手順です。つまり、ビットコインアドレスを取得するためには、秘密鍵と公開鍵の両方を用意しなければいけません。ただし、暗号資産交換業者を利用する場合はより手軽に、ビットコインアドレスを手に入れることが可能です。

アドレス取得の流れ

アドレスを取得する流れは、まず暗号資産交換業者に登録してアカウントを手に入れます。そして、口座情報の登録と本人確認書類の提出、アカウントの設定などを行いましょう。口座の開設が完了すれば、アカウントを管理する画面からビットコインアドレスを取得できます。DMM Bitcoinの場合であれば、マイページ(ウォレット口座)内にある「入金(パソコン画面では「日本円・暗号資産の入金」)」を選択してから現れる画面で「BTC入庫(パソコン画面では「入金」)」を選びましょう。そうすると、「入金アドレス」としてビットコインアドレスが表示される仕組みになっています。

ビットコインアドレスの使用方法

ビットコインアドレスは、ビットコインの送受信の際に利用するものです。しかし、アドレスを知っていれば利用できるというものではなく、きちんと使用方法を知っておく必要があります。ビットコインは資産として価値のあるものですから、送受信の手続きを間違えると大変です。ここからは、ビットコインアドレスの使い方について詳しく見ていきましょう。

ビットコインを受け取る場合

ビットコインを受け取るときに必要となるのは、自分のビットコインアドレスです。まずビットコインを送信してくれる相手に、自分のビットコインアドレスを伝えましょう。メールやメッセンジャーなどを利用して教えるならば、入力ミスがないようにコピー&ペーストを活用するのが便利です。モバイルウォレットを利用しているケースなら、ビットコインアドレスを二次元バーコードとして生成し、読み取ってもらうという方法もあります。後は伝えたアドレスにビットコインを送付してもらうのを待つだけです。

ビットコインを送る場合

ビットコインを送付する場合は、受取とは逆の手順が必要です。まず、送付する相手のビットコインアドレスを教えてもらいましょう。送付先のアドレスが1文字でも間違っていると、場合によっては送付したビットコインを喪失する可能性があるため注意が必要です。できれば、コピー&ペーストや二次元バーコードを利用して伝えてもらうのが安全です。教えてもらったビットコインアドレスを入力してから送信すれば、ビットコインを送ることができます。アドレス入力画面は、利用するウォレットによって異なるのでよく確認しておきましょう。

ビットコインアドレスは毎回変わる

ビットコインアドレスは、同じウォレットに送付する場合でも、毎回違うアドレスが発行される点を覚えておきましょう。送付先が同じだからといって、以前利用したアドレスがそのまま利用できるわけではありません。送信のたびに、新しいアドレスを教えてもらう必要があるのです。ビットコインアドレスが毎回変わる理由も含めて、基本的な仕組みを解説していきます。

個人情報保護のため

ビットコインアドレスから個人を特定することはできません。しかし、ビットコインの送信情報はブロックチェーン上ですべて公開されているため、「特定のアドレスでどのような送受信が行われたか」はすぐに確認できます。もし、ビットコインアドレスが毎回変わる仕組みがなければ、そのアドレスを利用した取引の内容が漏れてしまいます。そのため、ビットコインアドレスを毎回変更することで、アドレスの持ち主の情報を守る仕組みになっているのです。

所有資産の流出防止

ビットコインアドレスが毎回変更されるのは、特定のウォレット内に保管されているビットコインの数量を隠すという意味もあります。ビットコインの送受信記録はブロックチェーン上で公開されているため、アドレス変更が行われないと「1つのウォレットにどれだけビットコインが残っているか」を特定できてしまうのです。大量のビットコインを保有しているウォレットは、ハッカーから狙われやすくなります。ビットコインアドレスが毎回変わるのは、ウォレットごとにどの程度のビットコインが保管されているかを隠すことで、ハッキングのリスクを低くするという目的もあるのです。

ハッキング防止

ビットコインアドレスは、秘密鍵や公開鍵によって管理されています。そのため、秘密鍵や公開鍵を知らない人にとっては、単なる文字列でしかありません。ところが、ハッカーはそうしたデータからも情報を引き出そうとするのです。もし、同じアドレスを繰り返し利用すると、そこから得られる情報も増えていくためハッキングのリスクが高まります。送受信のたびにアドレスを変更すれば、それだけハッキングの難易度が上がるでしょう。アドレス自体の安全性を確保するためにも、常に新しいアドレスを利用する意味は大きいといえます。

ビットコインアドレス使用上の注意点

ビットコインアドレスを利用して、ビットコインを送受信するのはとても便利です。離れた場所にいる人にもすぐに送付でき、銀行振込のような手数料や時間的な制限を受けることはありません。しかし、ビットコインアドレスの利用について注意すべき点があることも忘れてはいけないでしょう。

送信時の間違い

ビットコインには、送受信時の情報に誤りがある場合、それを検出するシステムがあります。実在しないアドレスにビットコインを送付しようとしても、成功しないようになっているのです。しかし、ビットコインの送受信は世界中で大量に行われています。そのため、入力ミスしたアドレスが実在しているという場合があります。すると、本来の送付先ではないアドレスにビットコインが送られてしまうのです。この場合、銀行振込のように取消はできないため、送付したビットコインを取り戻すことはできません。だからこそ、アドレスの入力には細心の注意が必要です。

コピペ時の確認

送付時に入力するビットコインアドレスを間違えないように、コピー&ペーストを利用する方法があります。通常であれば、これで入力ミスを防ぐことが可能です。ところが、過去には利用するパソコンがウイルス感染していたために、貼りつけたアドレスが書き換えられてしまった事例もありました。コピー&ペーストしたアドレスだからと安心するのではなく、送付前にきちんと目視で確認することも大切でしょう。それでも不安になる場合は、二次元バーコードを利用してアドレスを伝え合う方法を選ぶという選択肢もあります。

まとめ

ビットコインアドレスの管理を徹底することは、ビットコインそのものを安全に管理することにつながります。ビットコインアドレスは、個人情報の保護やハッキングなどのリスク回避のために設計された仕組みです。しかし、ビットコインアドレスそのものを粗雑に扱うと情報や資産の流出を招く危険性があることを覚えておきましょう。また、アドレス以上に秘密鍵を知られることのリスクは大きいため、厳重に保管するように心がけることが大切です。

暗号資産のウォレットについて興味を持たれた方は「ビットコインを安全管理!ウォレットにはどのような種類がある?」もご参照ください。

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