ビットコインの仕組みについて初心者にもわかりやすく解説!

ビットコイン
仕組み
2024-08-31 更新

暗号資産(仮想通貨)で取引を始める際、その仕組みについて知っておくことが大切です。今回は代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)を例にして、送付や取引の仕組みなどをわかりやすく解説します。安心して投資ができるようになるために、ビットコインに関する正しい知識を持ちましょう。

ビットコインとは

ビットコインは、サトシ・ナカモトが2008年に発表し、2009年1月に世界で最初に運用が始まった暗号資産です。サトシ・ナカモトについては、本名なのか、そもそも個人の名前なのか、グループなのかなど詳細は分かっていません。

ビットコイン以外の暗号資産は「アルトコイン」と呼ばれ、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)、エックスアールピー(XRP)などが代表的です。

ビットコインは、日本円や米ドルなどの国や中央銀行などが発行する法定通貨とは異なり、発行元となる国や組織が存在せず、インターネット上のP2Pネットワークで分散管理されています。そのため、誰か特定の人が取引を止めたり、政府が独断で預金封鎖を行ったりすることがありません。これは電子マネーとビットコインの大きな違いでもあります。

ビットコインの持つ基本的な機能として、決済・送付・投資があります。ビットコインは利用するのに身分証明書はいらず、ビットコインを取引するために必要なビットコインアドレスを作成することで取引が可能になります。この一連の流れはスマートフォンなどの端末があれば利用可能です。こうしたことから、金融インフラが発達していない国や、プライバシーを重視する人の間で利用が広まっています。2021年には中米のエルサルバドルで法定通貨として初めて認められました。

また、暗号資産の仕組みの一つとして、「ブロックチェーン」と呼ばれる技術が用いられている点も特徴です。ブロックチェーンについては、「暗号資産(仮想通貨)の仕組みを値動きの関係とともに解説」もご参照ください。

ビットコインウォレット

ビットコインは中央発行機関や管理者を持たず、ピアツーピアのブロックチェーンネットワーク上で運用されています。ほとんどの場合、ユーザーは「ウォレット」と呼ばれるデジタルツールを利用してビットコインを送受信することになります。ウォレットを利用することで、利用者は秘密鍵を保存したり、取引署名を行うための環境を提供したりできます。分散型で自律的なビットコインの取引システムについて、その仕組みや取引の手順を詳しく解説します。

参考コラム:
ビットコインのウォレットとは?暗号資産(仮想通貨)の仕組みを通して理解する

暗号鍵の生成と管理とビットコインアドレスの作成

ビットコインには日本円のように物理的な形はなく、インターネット上にデータとして存在します。取引記録なども全てデータとして公開されます。

こうしたデータは、一般的には「ウォレット」を介して取引されます。ウォレットには主に「暗号鍵の生成と管理」と「ビットコインアドレスの作成」、「トランザクションの処理」などの機能があります。

まずは「暗号鍵の生成と管理」、「ビットコインアドレスの作成」から説明します。

ビットコインで使われる暗号鍵には「秘密鍵(Private Key)」「公開鍵(Public Key)」の2つがあります。まず、秘密鍵というのはウォレットを通じて作成されるビットコインを管理する暗号コードです。ビットコインの送付は秘密鍵を用いることで可能であるため、セキュリティの上では最も重要なものです。一方、公開鍵は秘密鍵から生成される別の暗号コードで、名前の通り不特定多数に公開してもかまわないものとなっています。秘密鍵から公開鍵が作られているものの、公開鍵から秘密鍵を知ることはできません。

ビットコインアドレスは、公開鍵から生成されたハッシュ値で構成されており、銀行口座の口座番号のような役割を果たします。

ビットコインを送付する際にはまず、受取人のビットコインアドレスを教えてもらいます。送付側は受取人のビットコインアドレスがわかったら、送付額、トランザクション手数料、受取人のアドレスを含むトランザクションを作成し、このトランザクションを秘密鍵で署名します。このように生成したトランザクションをビットコインネットワーク全体へとブロードキャストします。

トランザクションの処理

このトランザクションを作ることがウォレットの重要な役割です。

トランザクションは、受取人だけでなく、ビットコインネットワークのすべての参加者(ノード)にも送信(ブロードキャストと呼ばれます)されます。

検証過程では、ビットコインネットワークのノードによってトランザクションに含まれる送金者の公開鍵を用いてデジタル署名が検証されます。このプロセスにより、トランザクションが送金者によって本当に行われたものであり、途中で改ざんされていないことが確認されます。
もし第三者がトランザクションデータを書き換えようとすれば、署名が不一致となり、ネットワークはそのトランザクションを無効とみなします。デジタル署名は送金者の秘密鍵によってのみ作成されるため、秘密鍵を持たない者が署名を作成することはできません。

トランザクションは、約10分間隔で「ブロック」という単位にまとめられます。

このブロックが「マイニング(採掘)」という作業によって、改ざんなどがされておらず、「有効な情報である」と判断されれば、ブロックチェーンに記録され、情報通りにビットコインが受取人へと送付される仕組みとなっています。

なお、暗号資産交換業者で口座を開いて取引を行う場合は、交換業者がウォレットや秘密鍵を管理しているため、利用者が意識することはほとんどありません。

ビットコインマイニングの仕組み

前述の通り、ビットコインの取引情報が正しいものであると検証する作業は「マイニング」と呼ばれます。マイニングによって、ブロックチェーンに記録されるデータは常に正しいものとして証明され続けます。ここからは、ビットコインにおけるマイニングの仕組みを紹介します。

マイニングとは

マイニングは、ビットコインの取引の正当性を検証・承認する作業です。マイニングを行う人のことをマイナー(採掘者)といいます。

ビットコインの取引記録は、世界中に公開されているブロックチェーンへ書き込まれていきます。追加されるデータは1つの塊(ブロック)になっていて、1つの鎖(チェーン)のようにつなげられて保存されていきます。

新しいブロックは、1つ前のブロックにつながれることで、正当な記録であると認められる仕組みとなっています。マイナーは、新しく記録される情報が正しいことを証明できれば、報酬として新規発行のビットコインが配布されます。2024年7月時点で1ブロックあたり3.125BTCが報酬で、約4年に一度報酬が半分になる「半減期」というイベントがあります。新規ビットコインという報酬を求めて、世界中でマイニング作業が続けられているからこそ、ネットワークの安全性が守られています。

PoWという仕組み

マイニングで「有効な情報」を判断する方法として、ビットコインで採用されているのが「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)」という合意形成の方法(コンセンサスアルゴリズム)です。

PoWは膨大な量の計算を行い、数あるノードの中で最初に「ハッシュ値」という特定の数値を探し出すことができればブロックの生成が認められ、さらにそのブロックを他のノードが検証して有効とされればブロックチェーンに繋がれます。新しいブロックを最初に作成したノードに一定額のビットコインを与えるように設定されています。

ビットコインでは、このPoWを採用していることで取引の改ざん耐性を高めています。

ビットコインの仕組みは原理上、元からブロックを書き換えて、取引を好きなように変更することが可能です。しかしビットコインのPoWで最初から計算をし直そうとすると、世界中にある計算能力の半数以上が必要な上、計算するコンピューターを動かすための莫大な電気料金がかかります。そのため、実際には書き換えようとするインセンティブも弱く、不可能だとされています。

関連コラム:
マイニングに使われるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)とは?意味や役割を解説

マイニングの方法

ビットコインのマイニングには、ブロックチェーンに記録されたデータを共有し、複雑な計算を行うためのコンピュータが必要です。マイニングに参加する方法は、大きく分けて「ソロマイニング」「プールマイニング」「クラウドマイニング」の3種類です。ソロマイニングは、個人でマイニングへ参加する方法であり、成功報酬は自分だけのものになります。ただし、世界中で続くマイニング競争に勝利する必要があるため、強力な計算能力を持つ機器(マイニングリグ)を自前で用意しなければいけません。

プールマイニングは、自分が所有するコンピュータの処理能力を貸し出し、集団でマイニングの計算作業を行う方法です。それほど性能の高い機器を用意しなくてもマイニングに参加可能であるものの、報酬は集まった人たちで分け合うことになります。一般のパソコンやスマホから参加できる場合もあるでしょう。

クラウドマイニングは、マイニングを行っている団体へ投資することで成功報酬を得る方法です。自らコンピュータを用意する必要もないので、最も気軽に参加できる方法だといえます。

ビットコインの価格に影響を与える半減期

ビットコインの価格は、需要と供給のバランスによって変化します。欲しいと思う人が増えれば価格は上昇し、手放したい人が多くなると値下がるでしょう。ビットコインの市場は株やFXと比べると市場そのものが新しく、参加者や取引量が少ない状態です。そのため、需要と供給のバランスが少し崩れるだけで、大きく値動きする可能性があります。

ビットコインにおいて、需給の変化に大きな影響を与えるのが半減期です。半減期によって、4年に一度のペースで新規発行量が減少することで、ビットコインのインフレが抑えられ、価格上昇に影響するとされています。

ビットコインはこれまでに4回の半減期を迎えています。ビットコインの価格は半減期のサイクルに合わせて最高値を更新するとされており、市場でも注目すべきイベントのひとつといわれています。

半減期が発生した年 半減期当日の価格 半減期サイクルの最高値 上昇率
2012年 12.5ドル 1,040ドル 83倍
2016年 670ドル 17,800ドル 26倍
2020年 8,800ドル 66,000ドル 7.5倍
2024年 64,000ドル 16万ドル? 2.5倍?

(価格はコインマーケットキャップより引用)

参考コラム:
ビットコインの半減期とは?価格動向の予測に必須の知識

まとめ

ビットコインを取引するなら、ビットコインの仕組みを理解することが大切です。送付やマイニングの方法だけではなく、セキュリティについても知っておくことで、自分の資産を守る方法も身につけるように心がけましょう。将来性に期待が集まるものだからこそ、正確な知識を持つことで安心して取引・利用できる環境を作ることが重要です。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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