仮想通貨に大きく関与する世界のキーマンとは?

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2018-11-14 更新

ビットコインの生みの親はサトシ・ナカモトとされていますが、その正体はいまだに不明です。そして、彼とは別に仮想通貨の世界には他にもグローバルにその名を知られる人物が幾人か存在しており、彼らの一挙手一投足が価格の推移に大きなインパクトを及ぼすことも少なくありません。

具体的には、どのような立場のどういった人物が注目されているのでしょうか? 主だった人たちを列挙するとともに、彼らが過去に与えた影響や今後の見通しなどについても紹介しましょう。

仮想通貨に関わる著名人の発言が価格に影響を及ぼす

噂の段階で買って、事実であることが確定した時点ですばやく売り抜けることがあらゆる投資において鉄則だと言われています。その市場に参加している投資家の間で期待が高まることで価格が上昇し、「やっぱりそうだったのか!」と確認できたその先にはさらなる驚きが待っていなければ、続伸しないことが多いからです。

つまり、価格は憶測や思惑で大きく動くということです。まだ歴史が浅くて経験則が働きにくい仮想通貨においては、特にその傾向がうかがえると言えるでしょう。

そして、投資家に憶測や思惑をもたらすキッカケの一つとなっているのが仮想通貨界における著名人の発言です。たとえば、この世界には「マカフィー砲」なるものが存在しています。

それは、大手アンチウィルスソフト会社の創業者であるジョン・マカフィー(John McAfee)氏の発言のことを意味しています。彼は熱烈な仮想通貨支持者で、そのTwitterを通じた発言が仮想通貨の急騰に結びついてきました。

あまりにも影響力があることから、2017年12月には彼のTwitterのアカウントがハッカーに乗っ取られて、偽のメッセージが送信されるような事態も発生しました。偽のツイートによって、いくつかの仮想通貨が急騰したのです。

仮想通貨の価格に大きなインパクトを与えるのは、マカフィー氏だけではありません。主要なマイナーやコア・デベロッパー(開発の中核を担う人たち)など、世界的に注目されている人物の一挙手一投足が影響を及ぼしうるのです。

では、主だった人物としては、どういった面々を挙げられるのでしょうか?

世界から注目を浴びる著名なマイナーとは?

広く知られているマイナーとして筆頭に挙げられるのは、これまで世界で最も多くのビットコインを採掘してきたAntPoolとBTC.comの経営者でBitmainの共同設立者でもあるジハン・ウー(Jihan Wu)氏でしょう。また、Bitcoin.com のCEOを務め、ビットコイン財団の共同設立者でもあるロジャー・バー(Roger Ver)氏も世界的にその名が知られています。

2人とも分裂後はビットコインキャッシュを支持しており、彼らの発言がその価格高騰に結びついたとも言われています。また、他にも中国の大手マイニングプールであるViaBTC創業者のハイポ・ヤン(Haipo Yang)氏や、BTC.TOPのCEOであるジアン・ズオア(Jiang Zhuoer)氏なども仮想通貨の世界では有名人です。

ちなみに、2018年7月に上海の調査機関であるHurun Research Instituteが中国におけるユニコーン企業リストを発表したところ、その中にジハン・ウー氏率いるBitmainが入っていました。同社は700億元(約1兆1,700億円)の市場価値があると判断され、13位にランクインしています。

著名なマイナーたちは自身の発言もさることながら、彼らがどのような行動を取るのかに関する思惑が仮想通貨の価格に影響を与えがちです。「ビットコインでは採算が合わなくなったのでビットコインキャッシュに乗り換えるらしい」などといった推測が投資家の間で飛び交い、価格を大きく動かしていくという現象がうかがえるのです。

現に、2017年11月初旬にも、ビットコインの価格が急落してビットコインキャッシュが急騰するという動きが観測されました。マイナーの多くがビットコインからビットコインキャッシュにシフトするとの思惑が広がったからです。

それを裏付けるかのように、ビットコインのブロック生成は20分に1回の間隔までペースダウンしていました(通常は10分間隔)。マイニング参加者が激減したことで、送金の遅延が発生していると捉えられたのです。

こうしたことから、「ビットコインはもうダメで、これからはビットコインキャッシュの時代になる!」と判断した投資家が群がって、後者の価格が急騰していきました。もっとも、マイナーの大半がビットコインキャッシュに乗り換えるとの観測は正確ではなかったようで、その後にビットコインの価格は驚異的な上昇を遂げて史上最高価格を大幅に更新しています。

ただ、一時的には思惑や憶測の方向へと価格が急激に動きやすいことは確かだと言えそうです。そのうえで、事実関係が次第に明らかになってくるにつれて、行きすぎた動きの修正が行われるというのが相場の流れのようです。

仮想通貨に深く関わってきた著名な開発者たち

2008年11月、metzdowd.comにおいて「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文が発表されました。著者はサトシ・ナカモトと名乗っており、これがビットコインの出発点となりました。そして、サトシ・ナカモトの思想に共鳴し、彼が記したプログラミングコードをもとに開発の中核を担ったのがコア・デベロッパーたちです。

サトシ・ナカモトのプログラミングコードに基づいて開発されたのがビットコインコアで、これによって同通貨のルールが定義づけられています。2012年から開発の監督を行っているのはビットコイン財団で、その中心人物がギャビン・アンダーソン(Gavin Andresen)氏です。

彼こそ、サトシ・ナカモトの継承者で、ビットコインのプロジェクトのリーダーだと位置づけられています。また、ジェフ・ガルジック(Jeff Garzik)氏やマイク・ハーン(Mike Hearn)氏、グレッグ・マクスウェル(Greg Maxwell)氏、ピーター・ウィール(Peter Wuille)氏、コーリー・フィールズ(Cory Fields)氏、エリック・ロンブローゾ(Eric Lombrozo)氏もコア・デベロッパーとして知られています。

スケーラビリティ(ブロックの容量不足)問題の解決などを巡ってコア・デベロッパーの間で意見が対立することもあり、その内容もビットコインの価格に影響を及ぼしうると言えます。彼らの名前でインターネット検索を行えば、発言の内容を確認できるでしょう。

一方、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の開発者としては、イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏がまず挙げられます。彼は19歳にしてイーサリアムのプラットフォームを考案し、スマートコントラクトと呼ばれる新技術を開発しました。

ライトコインの開発者は元Googleエンジニアのチャーリー・リー(Charlie Lee)氏ですが、2017年12月 に彼は所有していた同仮想通貨をすべて売却しています。なぜなら、自分の発言によってライトコインの価格が大きく動きがちで、ポジショントーク(自分の利益のために価格を誘導する発言)ではないかとの批判が出ていたからです。

リップルの開発者はジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)氏とクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏で、後者は会長を務めているので、その発言の内容が注目されがちです。また、前者はステラという仮想通貨も開発するとともに、日本で大きな騒動を引き起こしたマウントゴックスという仮想通貨交換業者の創設者としても知られています。

なお、サトシ・ナカモトの正体についてはいまだに明らかになっていませんが、オーストラリアの起業家であるクレイグ・スティーブン・ライト(Craig Steven Wright)氏ではないかとの説が浮上しています。彼は情報セキュリティーや暗号化技術の専門家でもあり、過去に自分自身でも何度となく、「私がサトシ・ナカモトである」とインターネット上で発言し、その度に世界中の注目を集めてきました。

仮想通貨を大量保有する著名投資家の動向も影響

仮想通貨を大量保有している投資家の発言も、価格の動向に影響を及ぼす可能性が考えられます。たとえば、ウィンクルボス兄弟(Tyler & Cameron Winklevoss)はFacebookに自分たちのアイデアを盗まれたと訴え、6,500万ドルの賠償金を得たことで有名になった双子です。彼らはそのお金をビットコインに投資し、世界有数の大量保有者となっています。

また、チャーリー・シュレム(Charlie Shrem)氏はビットコインの普及を目的としたビットコイン財団の創設メンバーに名を連ねており、早い段階から同仮想通貨を保有しています。ベンチャーキャピタリストのバリー・シルバート(Barry Silbert)氏も、比較的早期から大量のビットコインを保有していると言われています。

同じくベンチャーキャピタリストのティム・ドレーパー(Tim Draper)氏も誕生当初からビットコインに目をつけてきたのですが、2014年2月のマウントゴックス事件でハッキングの被害に遭い、保有していた4万BTCを盗まれました。もっとも、その後に米連邦保安局が押収したビットコインがオークション販売されていたのを見て競り落とし、今でも大量保有者となっています。

世界で最も大量のビットコインを保有しているのではないかと推測されているのは、仮想通貨のウォレットを開発するBitpayを経営するトニー・ガリッピ(Tony Gallippi)氏です。その真偽はともかく、彼の動向が世界的に注目されていることは確かでしょう。

仮想通貨界における著名人の大胆な予測

仮想通貨界における著名人たちは、今後の価格の推移に関しても大胆な予測を明らかにしています。冒頭でも触れたジョン・マカフィー氏は2017年11月の時点で、「ビットコインは2020年末までに100万ドル(約1億1,000万円)を超える」と予想しており、2018年に入って急落に転じた後も考えを改めていません。

ウォール街のストラテジストでファンドストラット・グローバル・アドバイザーズという投資調査会社の共同代表を務めるトム・リー(Tom Lee)氏は、「2020年3月までに9万1,000ドル(約1,000万円)まで上昇する」と推測。こちらもその見通しは変えていません。

スタンドポイント・リサーチのCEOで世界の経済アナリストランキングで5つ星の評価を獲得しているロニー・モアス(Ronnie Moas)氏は、「2020年までに1万5,000~2万ドル(約165万〜220万円)まで上昇する」と予想しています。

先にも触れたベンチャーキャピタリストのティム・ドレーパー氏は、2018年9月にカリフォルニアで開催されたブロックチェーン技術に関する会議において、「2020年までにビットコインは25万ドル(約2,800万円)に達する」との見解を示しました。もちろん、これらはあくまで予測にすぎませんが、仮想通貨の取引に参加している人たちの多くがこうした見解に高い関心を示しているのは確かです。

発言などで価格が動く際にはボラティリティに注意

とにかく、Twitterで多数のフォロワーを抱える著名人たちの発言は、その真偽は抜きにして大きな影響を及ぼしやすいことは間違いないと言えるでしょう。結局、「何らかのサプライズ発言→投資家の思惑を誘引→仮想通貨の価格急変」という図式が成り立っているわけです。

しかも、いい意味と悪い意味のどちらにおいても、サプライズの度合いが大きければ大きいほど、価格へのインパクトが強まります。そのうえで、急激に極端な動きを示した後には、すぐさま反対方向へと流れが変わるケースも少なくないのが実情でしょう。

すでに上昇が顕著になってから下手に後追いすると、逆流に飲み込まれる恐れがあります。中長期的な予想のようにすぐさまシロクロがつかない内容のものを別とすれば、著名人の発言が招いた価格の急変は長続きしないと割り切ったほうが無難かもしれません。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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