仮想通貨のトレードにはリスク管理が不可欠

リスク管理
2018-11-07 更新

高いリターンを期待できる投資においては、おのずとリスクも関わってくるため、その管理が欠かせないと言われます。そして、大きな価格上昇を期待できる反面、逆の動きも起こりうる仮想通貨も、例外ではありません。

では、具体的にどのようなことを心掛ければ、リスクを上手く管理できるのでしょうか? その考え方や、押さえておくべきポイントなどについて解説します。

そもそも投資におけるリスク管理とは?

世間的には、「リスク=危険」というイメージが強いかと思われます。しかし、投資の世界で用いられているリスクという言葉は、「不確実性」という意味合いに近いと言えそうです。

投資による利益とは、預貯金の利息とは違って、確実にそれがもたらされると約束されたものではありません。預貯金などでは得ることができない大きな収益を期待できる反面、損失が発生して元本割れを起こす可能性も考えられます。

つまり、どちらの可能性もあるということがリスクなのです。リスクが低いと言われているものは、マイナスが生じる可能性があまりないものの、それだけ期待できる収益も限られてきます。 

反対にリスクが高いと言われているものは、マイナスが発生する可能性が低くない代わりに、ハイリターンを期待できます。こうして不確実な状況であることをあまり意識せずに無防備な投資を行えば、失敗を招く確率は高くなっても不思議はありません。

たとえば、1カ月後に価格が2倍になる可能性と半額になる可能性がともに50%の投資商品があったとして、それに手持ちの100万円をすべて投入したらどうなるでしょうか? 当然ながら、2分の1の確率で100万円は50万円に減ってしまう可能性があります。

しかし、30万円までにとどめておけば、半額に減ってしまっても「15万円+投入しなかった70万円=85万円」の資金が残り、2倍になったら「60万円+投入しなかった70万円=130万円」に資金が増えます。また、人によってはもっと減っても許容できるから、50万円を投じて、75万円に減るか150万円に増やすかの投資を行いたいと考えるかもしれません。

こうして自分の許容範囲を踏まえながら、投入する金額やレバレッジのコントロール、さらに見込み違いだった場合の対処法などをきちんと考えることによって、損失を被る確率をできるだけ低くするように努めるのがリスク管理です。裏返せば、リスク管理を徹底することによって、高い収益がもたらされる確率を高められるということです。

レバレッジの倍率だけでなく、ボラティリティにも目を向ける

仮想通貨のレバレッジ取引とFXを比較して、かけられる倍率が違うことに疑問を感じた人がいるかもしれません。ひょっとしたら、FXのほうが高いレバレッジをかけられるから有利だと思われたのではないでしょうか?

しかし、それはあくまで表面的な捉え方にすぎません。FXにおいて投資対象となっている円やドルなどの法定通貨は、仮想通貨と比べれば値動きが限定的です。

たとえば、10倍のレバレッジを効かせても1円しか価格が動かなければ10円の利幅しか得られませんし、米ドル・円相場が1日で1円も動くのはそんなに頻繁なことではありません。しかし、4倍のレバレッジでも5,000円の変動があれば2万円の利幅になり、仮想通貨ならその程度の展開は日常茶飯事だと言えます。

つまり、もともと大きな値動きを見込むことができる仮想通貨では、さほど高いレバレッジを効かせなくても、高いリターンを追求できるということです。むしろ、むやみに高くすると予想が外れた場合に受けるダメージも大きくなってしまいます。

言い換えれば、投資対象とする仮想通貨のこれまでの値動きを振り返りながら、そのボラティリティを踏まえてレバレッジの倍率を決めることが重要となってきます。ボラティリティとは価格変動の度合いを示す言葉で、これが高いものほど値動きが大きいと言えます。

仮想通貨の場合は過去のボラティリティを検証し、日常的な価格の変動幅を見定めることが出発点となります。それを念頭に置いたうえで、非日常的な値動きにならなければロスカットルールが執行されない程度にレバレッジの倍率をとどめるのです。

ロスカットルールとは、一定水準以上に損失が発生した場合にさらなる拡大を防ぐ目的で、建てているポジションが強制的に決済されるというものです。DMM Bitcoinでは、評価損の発生に伴って証拠金維持率が80%以下となった時点でロスカットルールが適用されるようになっています。

仮想通貨に限らず、価格がつねに上下しているものは非日常的な値動きとなる可能性を秘めているので、過度にレバレッジを効かせないことに加えて、最初から余裕資金の全額を投入しないように心掛けることが大事でしょう。ゆとりがない状態で取り組んでいると、投資の判断にも悪い影響が生じやすくなります。

ロスカット(損切り)についてはどのように判断する?

前述したロスカットルールは電源のブレーカーのようなもので、大きなマイナスが発生しそうになった場合の緊急回避措置です。投資でコンスタントに利益を追求していきたいと思うなら、ロスカットルールだけに頼るのではなく、日頃から自分自身でも損失を最小限に抑える取り組みが求められてくるでしょう。

つまり、自発的に行うロスカット(損切り)も徹底するということです。ポジションを建てた後に想定とは逆方向に価格が動くと、焦りながらもその流れが戻ることを期待するのが投資家の心理でしょう。

しかし、現実には逆方向に推移し続けるケースが少なくありません。ある程度の水準までその動きが進んだ時点で、諦めてそのポジションを閉じる決断を迫られます。

もちろん、決済すれば損失が確定してしまいますが、さらにそれが拡大することは阻止できます。だからこそ、「損切り」と呼ばれているのです。

損切りに踏み切れないと損失が膨らみかねないだけでなく、相場の反転を待ち続けている間はそのポジションを建てたままになって、その資金を他の取引に活用できません。資金効率的にも、そのようにアテのない逆転劇を待ちわびるのはロスが大きいのです。

「流れが反転してほしい」などといった感情は排除し、合理的な行動に徹するのが投資で成功を得るための鉄則で、現に資産を着実に築いている投資家はそれを実践しています。損切りを徹底することが投資の成否を左右すると表現しても過言ではないかもしれません。

では、どういったタイミングで損切りを決断すべきか? 「自分の読みと逆方向に○%動いたら切る」などと一律に決めている人もいますが、仮想通貨によってボラティリティにも違いがあり、折々の相場展開によっても事情が異なってくるものです。

したがって、局面ごとの情勢に応じて損切りの水準を見直していくのが現実的かと思われます。あるいは、テクニカル分析で判断するという手も考えられます。

価格が中期の移動平均線を下抜いたら(売り建ての場合は上抜いたら)断念して損切りするというのが一例です。これに限らず、過去のチャートの推移を振り返りながら、自分にとって最も目安になりそうな判断材料を見つけ出すとよいでしょう。

どのような判断で損切りを決めるのかは人それぞれであっても、共通していることもあります。それは、あらかじめ自分なりの損切りルールを決めておき、該当する状況になった場合は躊躇なく実行するということです。

リスク管理を徹底すれば、勝率が5割を切っても利益が出る

損切りを徹底すればダメージを抑えられるとはいえ、回数を重ねれば損失は累積していきます。「損切り貧乏」などといった言葉も投資の世界には存在していますが、そのような状況に陥る人は、損失のみならず利益も抑えてしまう投資行動を取っているケースが多いようです。

損切りを徹底して損失を最小限に食い止めていることは問題ではなく、想定通りの展開で利益が発生している局面でも、売り急いでせっかくの収益を伸ばしていないのです。つまり、1回当たりの損失のみならず利益も小さいのが実情であり、それで勝率も高くなければ、資金が目減りしていくのは必然だと言えます。

また、なかなか資金を増やせないという人の多くは、先でも述べたようになかなか損切りできないうえ、逆に上手くいった場合にさっさと利益を確定させてしまい、「損失が多いのに利益は小さい」というパターンに陥りがちです。これでは、たとえ勝率が高くても資金を増やすのは困難でしょう。

実は、投資で求められているのはその正反対のパターンです。損切りを徹底して1回の取引におけるダメージは最小限に抑えつつ、価格が読み通りの推移を示した場合には決済を急がず、できるだけ利益を伸ばすように努めます。

いわゆる“損小利大”に徹する投資行動です。これを心掛けるようにすれば、勝率が5割にも及ばなかったとしても、過半を占める小さな負けをわずかな回数の勝ちがカバーして、さらにお釣り(収益)が出るといった状況をもたらしうるのです。

たとえば、仮に1回のトレードにおける損失を5,000円にとどめつつ、利益は3万円まで伸ばすように心掛けたとします。この場合、10回のトレードで負けが6回だったとしたら損失が3万円であるのに対し、4回の勝ちで得られた利益は12万円で、勝率が5割を切ってもトータルではプラスです。

それどころか、負けが7回だったとしても損失は3.5万円で、3回の勝ちで得た利益は9万円ですから、収支はプラスとなります。しかも、損切りで「負けは5,000円まで」は厳守できる一方、相場次第で3万円以上の利益を狙うことが可能です。

では、どうすれば利益をできるだけ伸ばすことができるのか? 相場の流れに沿って投資する順張り(トレンドフォロー)の場合は、トレンドが反転する兆しをチャートなどで客観的に判断することがその一手です。

性急に利益を確定させてしまう人の多くは、価格の動きが止まってしまうのではないかという不安に苛まれていることでしょう。そして、それが現実となる前に利益を確定させる方がよいと考えがちです。

しかし、不安になるのは単に価格の推移を目で追っているばかりで、トレンドの継続性を冷静に分析していないからです。テクニカル分析を判断材料の一つとしている人なら、少なくとも価格が2本の移動平均線よりも上に位置している状況ではいたずらに売り急いだりはしないでしょう。

不安とは、先行きがわからないから増幅されるものです。つまり、それは冒頭でも触れた「不確実性」であり、利益確定のタイミングをチャートなどで客観的に判断することで不安を抑えるという行動も、広義ではリスク管理の一環となります。

リスク管理を心掛ければ、自然と不安は和らいでいく

管理という言葉にはどこか面倒そうなイメージがつきまといますが、要は大きな損失を被らないようにさまざまな面からコントロールを図ることがリスク管理です。その目的は、着実に資産を増やしていくことにあるため、リスク管理を実践しないのは資産を増やすことを放棄したに等しいとも言えるかもしれません。

しかも、利益はできるだけ大きくして、損失はできるだけ抑えたいと誰もが思っているはずです。その思いに対して素直になって、利益をできるだけ伸ばすように心掛けながら、失敗した場合はこまめに損切りしていけば好結果につながっていく可能性が高まり、不安も解消されていくことでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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