暗号資産(仮想通貨)の注文の種類や方法を解説
ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の取引には多彩な注文方法が取り揃えられています。投資家が自分自身の求めている条件を指定し、条件を満たしたら取引が成立するという特殊な注文方法もあります。それぞれの仕組みや活用法を知っておけば、手間なく注文を済ませることができ、より円滑で機敏なトレードが可能となります。ここでは、暗号資産の主な注文方法について紹介します。
暗号資産(仮想通貨)の注文方法にはどんなものがある?
DMM Bitcoinでは、現物取引ならストリーミング注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文の4種類が用意されています。レバレッジ取引の新規注文ならストリーミング注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文、IFD注文、IFO注文の6種類あり、ストリーミング注文ではFIFO注文の選択が可能です。レバレッジ取引の決済注文ならストリーミング注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文の4種類を使用できます。各注文方法の詳細はDMM Bitcoinの操作マニュアルからご確認いただけます。
このうち、まずはストリーミング注文と指値注文、逆指値注文について説明します。
<各取引のご注文方法>
現物取引 | レバレッジ(新規注文) | レバレッジ(決済注文) |
---|---|---|
ストリーミング注文 指値注文 逆指値注文 OCO注文 BitMatch注文 |
ストリーミング注文(FIFO注文) 指値注文 逆指値注文 OCO注文 IFD注文 IFO注文 BitMatch注文 |
ストリーミング注文 指値注文 逆指値注文 OCO注文 一括決済 クイック決済 |
ストリーミング注文とは、リアルタイムで提示されているレートに対し、任意のタイミングで注文する方法です。自分が許容できるスリッページ幅(注文した価格と約定価格との差)を設定し、その範囲内なら約定し、超えた場合は注文が失効となります。
指値注文とは、現時点の水準よりも自分にとって有利な価格を指定して発注するものです。買いの指値では現時点の「Ask/買」よりも安い価格、売りの指値では現時点の「Bid/売」よりも高い価格を指定します。
逆指値注文はそのネーミングの通り、現時点の水準よりも自分にとって不利な価格を指定して発注するものです。買いの逆指値では現時点の「Ask/買」よりも高い価格、売りの逆指値では現時点の「Bid/売」よりも安い価格を指定します。
「自分にとって不利な価格」と説明されると、逆指値を用いるのは損ではないかと思うかもしれません。しかし、実は非常に役立つ注文方法で、逆指値を用いれば、あらかじめ損切りを入れておくことが可能です。
「現時点の水準よりも○円安くなったら売る」などと逆指値を発注しておけば、その条件を満たす水準まで価格が下がった時点で、すでに建てていた買いポジションが決済されて、それ以上の損失拡大を食い止められます。
一方で「現時点の水準よりも○円高くなったら買う」という逆指値を発注しておけば、価格が上昇トレンドの中で買い時を逃さずに上昇の勢いに乗ることができます。
ストリーミング注文と指値はどう使い分ける?
前述したように、任意のタイミングで取引を成立させたいと思った場面で役に立つのがストリーミング注文です。自分が許容できるスリッページ幅を広めに設定しておけば、取引はより成立しやすくなります。
これに対し、指値注文では自分が希望する売買価格を指定することで、想定外の高値で買ってしまったり、許容しづらい安値で売ってしまったりするリスクを回避できます。
たとえば、目の前の相場が1BTC=500万円付近で推移していた局面において「495万円で1BTCを買う」という指値注文を入れたとしましょう。その指値注文の有効期限内に一度でも495万円まで下げる局面が訪れれば、指値がヒットして買い注文が成立します。なお、DMM Bitcoinの場合は取引が成立するか、もしくは注文が取消されるまで、指値が無期限で有効となります。
売りの指値も同様で、目の前の相場が1BTC=500万円付近で推移していた局面において「505万円で1BTCを売る」との注文を入れて、有効期限内にビットコインの価格が505万円に一瞬でもタッチすれば、そのタイミングで取引が成立します。とにかく価格を優先し、自分のタイミングで取引を行いたい場合に用いるのが有効です。
暗号資産は価格の変動幅が大きく、変動スピードも速いのが大きな特徴です。したがって、タイミング重視でスリッページ幅を広めにしたストリーミング注文を入れていると、まったく想定していなかった高値・安値で取引が成立してしまう恐れがあります。
その点、指値注文の場合は自分が望んでいる価格で取引できるのが魅力ですが、その水準に達しなければ取引が成立しないのも確かです。「もう少し条件について妥協しておけば売買できていたのに……」と後悔する可能性もあるでしょう。
また、指値注文でも価格の急激な変化に巻き込まれてしまう可能性はあります。仮に、1BTC=500万円付近で推移していた局面において「495万円で1BTCを買う」という指値を入れて、現実にその水準まで下げて取引が成立したとします。
おそらく、そういった指値を入れたのは、その後に再び上昇に転じていくと考えたからでしょう。ところが、意に反して続落してあっという間に480万円まで達してしまったとしたら、いきなり15万円の含み損が発生してしまいます。
もっとも、そういった事態にもすばやく対処できるように、これから説明するさまざまな注文方法が用意されています。
OCO注文はこんな局面で活用しよう!
OCO(One Cancels the Other)注文とは、異なる2つの注文を同時に出しておき、どちらかが指定した条件を満たして取引が成立したら、もう一方は自動的にキャンセルされる仕組みの注文方法です。この注文は指値と逆指値のどちらを用いることも可能です。
OCO注文のポピュラーな活用法の一つは、利益確定と損切りを同時に発注するというパターンです。たとえば、1BTC=500万円でビットコインを買って、510万円まで上昇したら利益を確定しようと思っていたと仮定しましょう。
そして、もしも流れが反転した際には、1BTC=490万円で損切りしようと考えていたとします。そういった場合はOCO注文を用いて、「510万円まで上昇したら売る」という指値とともに、「490万円まで下落したら売る」という逆指値を入れておきます。
思惑通りにビットコイン価格が上昇して510万円に届けば利益確定の売りが執行され、反落してしまったケースでは490万円の水準で逆指値がヒットします。ずっと相場を凝視するわけではない数日〜数週間単位のスイングトレードなどで、特に重宝する注文方法だと言えるでしょう。
IFD注文はどんな展開に有効?
IFD注文とは、新規注文と、その新規注文が成立した際の決済注文を同時に出せるという注文方法です。IFDはIf Done(もしも、○○をしたら)の略で、新規注文が約定したら、その時点で決済注文が有効となり、指定した価格に達すると執行されます。
まず、ポジションを建てたい暗号資産(円と暗号資産ペアもしくは暗号資産同士のペア)を選択し、希望の取引価格や取引数量などを入力します。そして、注文が約定した場合に、どのような条件になったら決済するのかを指定するのです。
たとえば、「1BTCが490万円になったら2BTCを購入する」という新規の買い注文を入れたら、「1BTCが510万円になったら1BTCだけ売る」という決済注文も同時発注しておきます。
1BTC=490万円の買い注文が約定した後、ビットコイン価格が上昇して510万円の水準に達したら、1BTCだけ決済されて20万円の利益が出る一方、残る1BTCの買い建てポジションは維持されています。さらに上昇する可能性も考えられるので、とりあえず1BTCだけ利益を確定しておき、残るポジションはもう少し粘ってみるという作戦を1回の注文で実行できたということです。
もちろん、この例では1BTCだけの決済としましたが、IFD注文によって全ポジションの決済注文を入れておくことも可能です。
IFO注文のメリットや活用法は?
IFOはIf Done One + Cancels the Otherを略したもので、IFO注文はOCO注文とIFD注文を組み合わせた注文方法です。新規注文が成立すると、2パターンの決済注文が自動的に有効となります。
IFO注文は、上昇中の価格が一時的に下げる現象である“押し目”のタイミングを待ち受ける際にとても便利です。“押し目”のタイミングで買うことからできたら、利益確定や損切りまで自動的に執行されるからです。
たとえば、上昇トレンドが続いて1BTC=500万円まですでに達しているものの、490万円付近まで下げて“押し目”をつけるタイミングが訪れるはずだと思っていたとしましょう。そういった際にはIFO注文を用いて、まずは「1BTC=490万円まで下落したら買う」という新規の指値注文を入れます。
そのうえで、「1BTC=510万円まで上昇したら売る」という利益確定の指値注文とともに、「1BTC=480万円まで下落したら売る」という損切りの逆指値も同時に入れるのです。期待通りに490万円まで下げたら買いのポジションが建ち、予想的中で“押し目”を形成して上昇に転じて510万円に到達したら20万円の利益が確定しますし、読みが外れて続落しても480万円まで下げた時点で損切りが執行されます。
FIFO注文でどんなことができる?
FIFOはFirst in First outの略で、新規と決済の区別をつけない注文方法です。
ポジションをまったく保有していなかったり、同じポジションを保有していたりする場合(たとえば、売りポジションを保有している時に、さらに売りポジションを建てる場合)にこの注文方法を用いるとポジションが追加されます。
これに対し、すでに反対ポジションを保有している場合には、約定の日時が古いポジションから順に決済されていきます。 決済時にポジションを指定する手間がかからないので、円滑に取引を進められるのがメリットです。
たとえば、すでに2BTCの売りポジションを建てている状況で、「1BTCを買う」というFIFO注文を入れたとします。すると、新たにその分の買いポジションが建てられるのではなく、1BTC分だけ売りポジションが自動的に決済されます。
FIFO注文は、相場の流れが完全に反転して急に作戦変更を迫られた局面で大いに役立ちます。
たとえば、それまで下落色を強めてきたので2BTCの売りポジションを建てていたところ、目の前で大底を打って上昇に転じたと仮定しましょう。
通常の注文方法では、まず売りポジションの決済を行う必要が生じます。しかし、FIFO注文ならいきなり「4BTCを買う」などの指示を出すだけで、上昇トレンドに即対応することが可能です。
FIFO注文を受けて2BTCの売りポジションが決済されるとともに、新たに2BTCの買いポジションが自動的に建てられます。いわゆる「途転買い」を一発で果たせるのです。
注文方法ごとのメリットを生かして上手に活用しよう
暗号資産の価格変化は大きく、その点が魅力であると同時に注意すべきポイントでもあります。だからこそ、注文方法ごとの特徴を抑えて活用すべきです。
新規のポジションを建てる際はもちろん、利益確定や損切り、さらにはすでに建てていたポジションの整理など、一度に幅広い指示を済ませておけることは大きなメリットです。存分に使いこなせば、よりスピーディーな取引が可能であり、想定されるシナリオに基づいてさまざまな対策を講じられます。
DMM Bitcoinの取引システムでは、ここで説明した指値、逆指値、IFD、OCO、IFOなどといった多彩な注文を選べるようになっています。ぜひ、活用してみてください。
DMM Bitcoinでは、例えばビットコインの現物取引は0.001BTC(1BTC=500万円の場合は5,000円)と少額から取引が可能です。詳しくは「取引概要」をご参照ください。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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