売られすぎ、買われすぎを測る指標とは?

分析
2018-11-07 更新

テクニカル分析に用いる指標には、トレンド系と呼ばれるものとオシレーター系と呼ばれるものがあります。価格のトレンド(方向性)を見定めるために用いるトレンド系に対し、現状の価格が割安(売られすぎ)なのか、それとも割高(買われすぎ)なのかを判断する目安となるのがオシレーター系です。

オシレーター系に属する指標にはどのようなものがあって、どういった見方をすればいいのでしょうか? 代表的なオシレーター系とその活用法について紹介します。

オシレーター系指標とはどんなもの?

相場の動きは強くなったり弱くなったりを繰り返していて、過度に高い価格まで買われすぎることもあれば、極端に安い価格まで売り込まれることもあります。オシレーター系指標は、そういった相場の強弱を客観的な数値で判定するものです。

オシレーターは「振り子」を意味し、割安・割高を示す数値が一定の範囲内で行ったり来たりを繰り返しながら推移するので、こうした特性のある指標の総称となりました。つまり、オシレーター系指標の数値がどの水準まで振れているのかを見れば、相場の勢いを把握できるということです。

オシレーター系指標の代表例として挙げられるのは、RSI、ストキャスティクス、RCI、DMI/ADX、モメンタム、サイコロジカルラインなどです。また、MACDはトレンド系に分類されることもあれば、オシレーター系に位置づけられることもあります。

なぜなら、MACDは価格のトレンドと相場の強弱の両方を判断できるからです。なお、列挙した指標のうち、RSIとストキャスティクス、MACDについてはこの後で詳しく説明します。

一方、モメンタムとサイコロジカルラインの概要については別の記事で説明しています。そこで、残るRCIとDMI/ADXについて簡単に説明しておきましょう。

RCI(Rank Correlation Index)は「順位相関指数」とも呼ばれ、一定期間中(日数)における終値を高いほうから順位づけし、日数と価格との相関関係を指数化したものです。その数値が100に近づくと高値圏、−100に近づくと安値圏にあると判定します。

DMI(Directional Movement Index)は「方向性指数」、ADX(Average Directional Movement Index)は「平均方向性指数」ともいい、オシレーター系指標に属しているものの、MACDと同様にトレンドと相場の強弱の両方を把握できるのが特徴です。当日と前日の値幅を比較・検証して指数化したのがDMIで、現状のトレンドを把握するのに用います。その一定期間中における平均値の推移を示したのがADXで、その数値でトレンドの強弱を判断するようになっています。

RSIはどうやって判断する?

オシレーター指標の代表格であるRSI(The Relative Strength Index=相対力指数)とは、一定期間中の価格推移において、前日比で上昇した日の値動きが占める割合を算出することで、相場の強弱を数値化したものです。考案したのは米国のJ.W.ワイルダー(John Welles Wilder Jr.)で、彼は前述のDMI/ADXも開発しました。

RSIの数値は、0〜100の範囲内で上下動を繰り返しています。一定期間中の価格がすべて前日比で上昇していればRSIは100で、逆にすべて前日比で下落していれば0となります。

RSIが70~80以上のゾーンに達したら買われすぎで、30~20以下のゾーンまで低下したら売られすぎとみなすのが判断の目安です。割安・割高のいずれかの方向にいきすぎると、間もなく流れが反転することが予想されます。

その法則性に従えば、30~20以下に低下した地点で買いを入れ、70~80以上になった地点で売るという戦略が考えられます。流れの反転に先回りして仕掛けることになるので、RSIは典型的な逆張りのための指標であるとも言えるでしょう。

RSIの難点は、大幅な上昇・下落を伴うトレンドが発生した場合にその初動の段階で指数が過剰に反応してしまい、一気に買われすぎ・売られすぎのゾーンに達してそのまま膠着状態となりやすいことです。そのような局面で逆張りを仕掛ける目安にしても、流れは一向に反転しないどころか、さらに続伸・続落して深傷を負いかねません。

一方、価格が下落しているにもかかわらず、RSIが上昇することがあります。逆に、価格が上昇している局面においてRSIが低下することもあります。

これらはRSIのダイバージェンス(逆行現象)と呼ばれており、相場の流れが転換する可能性を示唆する重要なシグナルと位置づけられています。こうした現象が発生するのは、下落や上昇の勢いが鈍ってきたことが考えられるという背景からです。

RSIの分析方法には、トレンドの継続を示唆するシグナルに注目するものもあります。それは、「隠れたダイバージェンス(Hidden Divergence)」と呼ばれるシグナルです。

同じく価格とRSIが逆行している局面に注目し、たとえば高値が切り下げているのに対し、RSIは反対に切り上がっていることを根拠に下落トレンドがまだ続くといった判断を下すわけです。流れが一服した場面でトレンドの継続を確認する際などに、RSIの「隠れたダイバージェンス」は重宝します。

ストキャスティクスでわかることとは?

ストキャスティクスとは「推計学」を意味し、これまでにつけてきた高値や安値と比べてその日の価格がどのような水準に位置しているのか数値化した指標です。①%K、②%D、③%SDという3つの指数によって構成されているのが特徴です。

そのうち、ベースとなってくるのは%Kで、「(現在の価格-安値)÷(一定期間中における最高値-一定期間中における最安値)×100」という式で算出します。一定期間中に動いた値幅を100とし、現在の価格はそれに対してどの程度の割合に達しているのかを示しているのです。

%Dは「(一定期間中における現在の価格-安値の合計)÷(一定期間中における高値-安値の合計)×100」という式で計算しており、その期間中における%Kの平均値のようなものです。ただし、%Kが5日間なら%Dは3日間とういった具合に、それぞれの算出に用いる一定期間の長さは異なります。残る%SDは、一定期間中における%Dの平均値です。

%Kは0〜100の間で推移し、価格が上昇すればこちらもそれに連動し、逆に価格が下落すれば低下傾向を示します。%Dも同じく0〜100の間で上下しますが、その動きは%Kよりも遅行し、%SDにはさらにタイムラグが発生することになります。

ストキャスティクスの分析方法としては、主に3つが挙げられます。そのうちの1つは、%Kの推移に注目するものです。先述のRSIと同じような感覚で、80%以上に達したら買われすぎ、20%以下に低下したら売られすぎと判断し、逆張りを仕掛ける目安にします。

もう1つはファートストキャスティクスと呼ばれるもので、%Kと%Dという組み合わせで買いや売りを判断します。売られすぎのゾーンにおいて%Kが%Dを上抜くゴールデンクロスが出現したら買いで、買われすぎのゾーンにおいて%Kが%Dを下抜くデッドクロスが出現したら売りのサインです。

残る1つはスローストキャスティクスと呼ばれており、こちらは%Dと%SDを用います。やはり、売られすぎのゾーンで%Dが%SDを突破するゴールデンクロスが買いシグナルで、買われすぎのゾーンで%Dが%SDを割り込むデッドクロスが売りシグナルとなってきます。

ファーストストキャスティクスとスローストキャスティクスの違いは、反応の感度にあります。ファーストのほうが敏感なので短期トレード向きで、通常はスローを用いるのが一般的です。なぜなら、ファーストはあまりにも反応しやすいので、それだけ“騙し”と呼ばれる現象が発生しがちとなり、アテが外れてしまうケースが多発するからです。

トレンド系だが、オシレーター系とも位置づけられるMACD

MACD (Moving Average Convergence Divergence)は「移動平均収束拡散取引手法」とも呼ばれ、短期の移動平均線と中長期の移動平均線を用いて売買タイミングを判断します。移動平均線による分析の発展形であることからトレンド系にカテゴライズされやすいのですが、相場の強弱も掴めるのでオシレーター系として捉えられることもあります。

MACDに用いるのは通常の単純移動平均線(SMA)ではなく、直近につけた価格の比重を高めるかたちで計算された指数平滑移動平均(EMA)です。直近の価格のほうが今後の推移に対する影響力が強いという考えに基づいています。

具体的には「短期EMA−長期EMA」という式で算出しており、その推移を示すラインをMACD、MACDの移動平均線をシグナルと呼び、これら2本の推移をもとに分析します。価格が安値圏に位置している局面でMACDがシグナルを上抜くゴールデンクロスが出現したら買いシグナル、逆に高値圏でMACDがシグナルを下抜くデッドクロスが出現したら売りシグナルと判断するのです。

また、MACDとシグナルが0の水準を交差することも重要なシグナルとなってきます。2本ともそれを突破したら上昇トレンドの継続、反対に割り込んだ場合は下落トレンドの継続を示唆します。

MACDでもRSIと同じように、ダイバージェンス(逆行現象)が発生します。価格が上昇傾向を示している局面においてMACDが低下傾向を示したり、その逆のパターンを示したりすることがあるのです。

MACDのダイバージェンスは流れが反転する可能性を示しており、特に高値圏や安値圏で出現した場合は重視したいところです。ただし、MACDはトレンドが明確になっている場面では効力を発揮するものの、横ばい(もみ合い)のように方向感の定まらない場面では“騙し”と呼ばれる現象が発生しがちです。

移動平均線でも売られすぎ&買われすぎがわかる?

実は、売られすぎや買われすぎはごく基本的な指標でも大まかに判断できます。しかも、それはオシレーター系ではなく、トレンド系を代表する指標です。

その指標とは移動平均線で、価格との位置関係に着目すれば、現状の株価が割安なのか割高なのかをざっくりと把握できます。移動平均線と価格とのかい離に注目するのです。

価格の上昇が進むと移動平均線よりもはるかに上の水準に位置するようになる一方、下落が続くと逆に価格は下の水準で低迷するものです。しかし、どちらの場合も無限大にかい離が拡大していくわけではありません。

過去の推移をさかのぼって検証してみると、一定以上までかい離が進むと、価格が移動平均線の水準に収れんしていくという法則性を確認できます。正確に測定したいなら、移動平均線かい離率という数値に注目するといいでしょう。

かい離率がいずれの水準を超えると収れんする確率が高くなるのかを確認すれば、相場が反転する兆しを察知できます。また、価格と移動平均線とのかい離の状況をグラフ化したものが移動平均乖離線と呼ばれるものです。

オシレーター系単独ではなく、トレンド系も併用しよう!

いずれの指標にも長所と短所があり、100%の確率で売買シグナルが的中するわけではありません。それに、価格の先行きを占ううえでは、トレンドを見定めるとともに、相場の強弱を把握することが欠かせないと言えるでしょう。

したがって、テクニカル分析を行う際には、トレンド系とオシレーター系の両方を併用し、さらに複数の指標を見比べることが肝心です。いずれかの指標で“騙し”が発生していても、他のものも念のためにチェックしておけば、未然にその事実に気づくことが可能でしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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