仮想通貨における中長期トレードのメリットとデメリット

トレード
投資手法
2018-10-31 更新

目先の浮き沈みには翻弄されず、大幅な価格上昇を期待してじっくりと時間をかけて臨むのが中長期トレードです。その仮想通貨が将来的にもっと普及し、より多くの人たちから高く支持されると見込んで投資するわけです。

期待通りの推移を辿れば非常に大きな成果を享受できそうですが、そのデメリットや気をつけるべきポイントとしてはどういったことが挙げられるのでしょうか? 仮想通貨における中長期トレードの長短について説明します。

中長期トレードとはどんなものか?

いったん買ったら1年〜数年、あるいは10年、20年といったタームで保有し続けることを前提とするのが中長期トレードです。価格の推移には上下のうねりがつきものですが、下落中はひたすら我慢し、やがてその後に大きな上昇局面が来れば結実するというものです。

つまり、短期的な上げ下げに一喜一憂せず、時間を味方につけるというのが中長期トレードの発想です。中長期的にその仮想通貨の価値が高まっていくというストーリーが大前提となっています。

言い換えれば、大前提が崩れてその仮想通貨がさほど普及しなかったり、分裂などを機に衰退してしまったりした場合には、せっかく長い時間を費やしたのに報われないケースも出てきそうです。もちろん、自分が思い描いていた通りにその仮想通貨の評価が高まっていけば、冒頭で触れたように大きな成果を期待できます。

長い歴史を有する株式投資においては、長期保有の有効性が実証されています。たとえば米国株(ニューヨークダウ)は過去20年間で約7倍になっており、いずれのタイミングで投資していても利益が発生していたことになります。

その点、仮想通貨はその筆頭格のビットコインでさえ10年程度の歴史しかないうえ、誕生から数年間はあまり流通してこなかったのも確かです。中長期投資が仮想通貨においても有効かどうかはまだ判明していません。

過ぎ去った時間は取り返せませんし、仮想通貨の場合は、さすがに10年、20年といった歳月を費やす超長期の投資は壮大なる実験ということになりそうです。その可能性を試してみるには、かなりの勇気が求められるでしょう。

もしもビットコインを長期保有していたら?

投資の世界に「たら・れば」がつく話は禁物ですが、あえてここでは仮定の話を行いたいと思います。生みの親とされるサトシ・ナカモトなる人物が論文を発表した翌年に当たる2009年10月、ビットコインが初めて法定通貨(米ドル)と交換されました。

その時点の終値は日本円で0.09円でしたが、さすがに当時はビットコインの存在を知っている人は日本にほとんどいなかったことでしょう。しかし、2011年3月には日本にも初の仮想通貨交換業者が現れており、その際の終値は74円でした。

もしも、74円でビットコインを買って今まで保有し続けていたらどうなるでしょうか? 2017年12月17日には、終値ベースで史上最高価格の222万7388円をつけており、わずか1BTCの保有だったとしても、74円がこの金額に化けたことになります。

しかし、それから2カ月も経たない翌年2月6日にはビットコインの終値が62万6518円となったことも事実です。約8年で3万倍超になった一方で、約2カ月でそのわずか28%程度にもなったわけです。

このことが中長期トレードの魅力と怖さを物語っていると言えそうです。74円から史上最高価格に至るまでのプロセスにおいても何度となく大きく下げる局面があり、2018年に入ってからは下落トレンドに転じているとはいえ、再び上昇基調が顕著になって、史上最高価格の更新をめざす可能性も考えられます。

これまでのビットコインの歴史を振り返ると、比較的早い段階から保有していた人は史上最高価格の前後で売っていれば膨大な利益を得たことになりますし、下落トレンドに移行した後も保有していたとしてもまだ大きなプラスが出ています。しかし、史上最高価格の前後で買った人は今なお辛抱の日々が続いているかもしれません。

結局、仮想通貨の短い歴史の中では、いずれのタイミングで投資してどこで利益確定を行うのかでまったく結果が異なってくるということしか判明していません。2008年のリーマンショックを乗り越えてさらに上昇し続けてきた株式と同じような結果が得られると考えるのは過大な期待だと言わざるをえないでしょう。

コツコツと少しずつ買い増していくのも一考

しかしながら、仮想通貨の将来性を完全に否定してしまうのも乱暴な話かもしれません。ビットコインはあらかじめ発行上限が2,100万BTCに限定されていますが、2018年の早い段階ですでに1,680万BTCが採掘の報酬として配られたとの推測情報が出ています。

早くも上限の80%に達し、残りは420万BTC(20%)となっているのです。上限に達した後も流通するものの、その希少性が高まることは確実で、そうなるとビットコインの価格には上昇圧力がかかると考えるのが自然です。

ただ、マイナーに支払うマイニングの報酬を半額に引き下げる半減期がほぼ4年間隔で訪れ、その直後は採掘の動きが鈍ることが予測されます。こうしたことから、上限に達するのは2140年と目されており、価格に対する上昇圧力は比較的緩やかに長期的に作用するとも見られています。

したがって、そういった将来を展望して中長期の視点で投資するというのも一考でしょう。ただ、先述したように急に大きく価格が動きやすいという特性を踏まえれば、ずっと保有したままではなく、まとまった利益が得られそうな局面では利益を確定させたうえで再投資を行うという継投策的な中長期トレードのほうが堅実かもしれません。

また、エントリーのタイミングにしても、大きく下げた直後ならまだしも、特に高値圏に位置している局面ではなかなか判断がつきにくいものでしょう。タイミングを見定められないなら、細かく分けて何度もエントリーするのも一案です。

面倒でなければ毎月、そこまで手をかけたくないなら四半期ごとか半年ごとといったペースで毎回定額ずつ資金を投じ、積立感覚で定期的に仮想通貨を買っていくのも一考です。そうすれば、価格が低迷している局面で多めに入手できる一方、高値圏では控えめの量にとどまって結果的に取得コストを抑えられ、先々で価格が上昇に転じた場合に大きな恩恵を受けられる可能性があります。

一方、2017年12月の史上最高価格付近で売り抜けた投資家は限られていたものと思われますし、天井圏でイグジットするのは現実的にかなり難しいことでしょう。その場では、「さすがに過熱しているかも?」と思いながらも、「まだまだ上がるかも?」と期待してしまうのが人情だからです。

こうしたことを踏まえて、将来的に期待通りの価格上昇を示した場合のイグジットの戦略においても、分散を念頭に置くのが1つの手でしょう。価格の上昇が過熱気味になってきたら、少しずつ分けて売っていくのです。

そうすれば、早く利益を確定しすぎたと後悔するリスクを抑えながら、上昇が途絶えるギリギリの地点まで粘ることが可能です。ピタリとタイミングを見極められない場合、まずは“打診買い”や“打診売り”で少しずつ様子を見ていくというのも投資のテクニックです。

短期売買で始めて途中で中長期に切り替えるのは禁物

最初から中長期トレードを考えていたならともかく、気がつけばそうなっていたという投資家が少なからず存在しているようです。たとえば、「派手に値上がりしているのですぐに利益が出ると思ったけど、買った途端に値下がりしたので、ちょっと様子を見てみよう」と考えるわけです。

そして、さらに価格が下落して含み損が大きくなっていくと、「売ったら損が出てしまうし、長い目で見ればもっと値上がりする気がするから……」と思い、そのまま我慢して保有し続けます。当初は「すぐに利益が出ると思った」のですから、明らかに短期トレードで臨んでいるはずです。

にもかかわらず、損失を確定したくないという切実な思いによって、「長い目で見ればもっと値上がりする」という中長期トレードの視点から自分自身の行動を肯定しているのです。このケースでは、「すぐに利益が出ると思った」という予測が外れた時点でいったん損切りするのが原則だと言われています。

そのうえで、「長い目で見ればもっと値上がりする」と本心から思っているなら、最初から中長期トレードのスタンスで買い直せばいいのです。最初に定めた方針や予想に関する前提を自分の都合のいいように途中で変更することは、投資の世界では禁物とされています。

なぜなら、そういった優柔不断な投資行動は、えてして好結果をもたらさないからです。短期トレードで入ったなら、たとえそれが損切りという苦渋の選択であっても、あくまで短期トレードとしてのイグジットを考えるのが鉄則となってきます。

もっとも、中長期トレードで臨んだところ、いきなり目の前で史上最高価格を大幅に更新するような状況になれば、躊躇なくさっさと利益を確定してしまっても差し支えないでしょう。それはうれしい誤算であり、自分への言い訳で作戦変更するケースとは根本が異なっているからです。

さらに上昇すると思っているなら、いったん利益を確定させたうえで再びエントリーすれば、中長期トレードのスタンスを崩したことにはならないはずです。先にも述べたように、ビットコインを比較的初期に買って史上最高価格で売り抜けるのは容易ではないので、中長期トレードの場合は途中で利益を確定させながら取り組むのが現実的でしょう。

投資に臨む前に自分なりの見通しを明確にする

誰しも本音では、「短期間で劇的な価格上昇を遂げる」というパターンを最も期待しているのではないでしょうか? しかし、現実にそのようなことは滅多にないので、短期トレードで利益を積み重ねていくか、時間を味方につけて中長期トレードで臨むといった選択を行っています。

どちらが有効でどちらが非効率であるといった判定がつくものではなく、それぞれに一長一短があり、その人の適性も関わってくるでしょう。実際に投資を始める前に、どちらで臨むのが自分にとって合っているのかをよく考えてみることが大切です。

いずれにしても、繰り返しになりますが、ポジションを建てている最中に短期トレードから中長期トレードへ作戦を変更するのは好ましくありません。含み損を抱えた場合、多くの人は「もう少し我慢すれば上昇するかも?」と思いがちですが、さらなる下落に巻き込まれて損失が膨らんでしまうことが少なくないのです。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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