順張りで攻めるか? それとも逆張りで迎え撃つか?

順張り
逆張り
2018-10-31 更新

投資目的で仮想通貨を買うのは、「今よりも値上がりするだろう」と期待しているからこそです。もっとも、仮想通貨を買った投資家がイメージしている価格上昇のシナリオは大きく2つに分かれることでしょう。

その1つは、すでに上昇傾向を示している価格がさらに高くなるというものです。そしてもう1つは、今は価格が低迷しているものの、やがて上昇に転じるはずだという筋書きです。こうして思い描いているシナリオの違いによって、おのずと投資戦略も大きく異なってきます。そう、それが「順張り」と「逆張り」です。

順張りとはどんな投資戦略?

順張りはトレンドフォローとも呼ばれ、目の前で発生している相場の流れに沿って、「上昇トレンドがさらに続いていく」という前提で投資を行うものです。その読み通りにトレンドが継続すれば、得られる利益もどんどん大きくなっていきます。

たとえば、2017年3月にドルベースで史上最高価格をつけたのを機に、まだまだ値上がりし続けることを期待してビットコインを買っていたら、その年の12月には一時2,350,517円(国内仮想通貨交換業者の平均価格)まで高騰し、そのタイミングを逃して終値で売ったとしても13.3倍超に増えた計算になります。

順張りにおいて究極の理想は、上昇トレンドに転換した直後に素早く買うことでしょう。しかしながら、それは決してたやすいことではありません。上昇トレンド入りをきちんと確認できない状態でフライング気味に手を出すと、買った途端に下落してしまうことが少なくないのです。

やはり、できるだけ堅実に順張りの投資を行うには、チャート上で上昇トレンドが始まっている確証を得たうえで動くことが肝心となります。ただ、そのタイミングではすでに値上がりし始めているのも確かです。

そこで、順張りの投資において少しでも安く買うための手法として、“押し目買い”と呼ばれるものがあります。これは、上昇トレンドは継続しているものの、一時的に下落に転じた局面で買いを入れるというテクニックです。

価格は決して一直線に上昇したり下落したりするものではなく、小刻みにジグザグな波動を描いています。上昇途上における小さな下落局面を買いの好機と捉えるわけです。

もちろん、そのまま本格的な下落に転じてしまうと本末転倒となるので、上昇トレンドが崩れていないことをチャート分析で見定めておくことが不可欠となります。先程のビットコインの例で言えば、2017年8月にブロックチェーンが分裂してビットコインキャッシュが誕生した後、その年の9月までビットコインの価格は一時的に弱含みました。今思えば、この地点が“押し目買い”の好機だったということです。

順張りの真逆にあるのが逆張り

波乗りのように流れに乗じる順張りに対し、カウンタートレンドとも呼ばれる逆張りは、まさにその名の通り、反対の流れを待ち受けるという投資戦略です。まだ価格の下落基調が続いているものの、近いうちに反発に転じると判断して、いち早く先回り買いを仕掛けていきます。

たとえば、ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアムは2018年1月に史上最高価格を記録した後、急落へと転じました。そして、同年4月まで下げ止まらなかったのですが、そのタイミングで「そろそろ上昇に転じるかも?」と考えて逆張りの投資を行っていたら、底値の約2倍まで反発していた、という局面が訪れました。

ただし、逆張りの場合も、トレンドが転換する可能性が高まっている確証をチャート分析などで得ておくことが必要です。特に根拠もないまま、単に「下げ止まってもよさそう」といった発想で飛びつくと、続落に巻き込まれてしまう恐れがあります。

逆張りの狙い方にはいくつかのパターンがあり、その一例はもみ合い相場に着目するものです。これはほぼ一定の値幅内で上下動を繰り返す展開のことを意味しており、その下値付近で先回り買いを入れておき、上値付近で利益を確定させるという機械的な売買を行います。

また、前述したイーサリアムのケースが典型的でしたが、急激に一方向に価格が動くと、相場ではその反動が必ず生じるもので、そういった展開を狙って逆張りで攻めるのも一考です。さらに、究極の逆張りと言えるのは、下落トレンドのクライマックス(大底圏)で買いを入れることでしょう。

もちろん、繰り返しになりますが、いずれも根拠なきエントリーは極めて危険です。チャート分析などで反発の確率が高まっていることを裏づけたうえで行動に移すのが鉄則となってきます。

順張りと逆張り、それぞれのメリットとデメリットは?

順張りと逆張りには、それぞれメリットとデメリットがあります。両者は表と裏の関係にあるので、それぞれの長所・短所も正反対のものとなっています。

相場において発生したトレンドは、大きな転換点が訪れない限りは継続していくものです。素直にその流れに乗っていく順張りは、トレンドが生じているという分析が間違っていなければ、利益を得られる可能性があると言えるでしょう。

これに対し、流れに逆らう格好になる逆張りは、どうしても高い勝率を望めなくなってしまいます。トレンドが転換するという根拠が固まっていなければ、意に反して流れが変わらず、たちまち損失を被ってしまうというケースが少なくありません。

一方で、順張りはトレンドが生じていることを確かめてからエントリーを決めるので、逆張りと比べればどうしても出遅れがちになります。しかも、まだまだ上昇トレンドが続くという予想が外れると、買った途端に上昇がピークアウトしてしまう“高値づかみ”のパターンに陥りかねません。

その点、逆張りは流れが変わる前から先回りしているので、予想が的中すれば底値で拾えたことになります。ただ、先にも述べたようにトレンドが継続して底割れとなることも多々あるので、軽率な判断は禁物だと言えるでしょう。

逆張りの典型的な手法として、「リターンリバーサル」と呼ばれるものがあります。これは、急落した価格は時間の経過とともに相対的に上昇する確率が高くなるという分析に基づいたものです。

確かに価格の下落が急激に進むと、過剰に安い水準まで売り込まれることが珍しくありません。いわゆるオーバーシュートと呼ばれる現象で、感情的な売りがそういった動きを誘発しがちです。

そうすると、冷静さを取り戻すにつれて下げすぎた価格の水準訂正が行われる可能性が高まってきます。とはいえ、あくまでオーバーシュートしたことに対する反動にとどまるケースも多く、欲を出しすぎると再び低迷局面を迎えてしまう恐れもあります。

そういった意味では、トレンドに乗っていく順張りのほうが攻略しやすいと捉えられるかもしれません。トレンドがどこで途絶えるのかは正確に予想できないので、いったん利益確定の売りを入れ、まだ流れが変わらない様子なら再びエントリーするという売買を繰り返していけば、上昇局面で利益を積み重ねていくことも不可能ではありません。

順張り、逆張りとも、読みが外れたら深追いは禁物

順張りの場合はトレンドを見極めることが重要なので、チャート分析では「移動平均線」や「ボリンジャーバンド」、「MACD」といった指標を中心に位置づけるのが有効でしょう。これらは、いずれの方向に相場の流れが生じていて、売買のタイミングがいつ訪れるのかを察知することができます。

逆張りの場合も先に挙げた指標を見ておいたほうが無難ですが、「RSI」や「ストキャスティクス」といった指標で相場の過熱感を確認するのも効果的でしょう。これらに注目していれば、現状の価格が買われすぎの水準なのか、それとも売られすぎの水準なのかを推察でき、逆張りを仕掛ける参考となってきます。

そして、順張りと逆張りのどちらにも言えるのは、読みが外れた場合に深追いは禁物だということでしょう。トレンドが続くと思ってエントリーしたのに下落に巻き込まれ、チャート上の下値支持線(サポートライン)を割り込んだにもかかわらず、再び上昇に転じるのを待って辛抱し続けるというのは危険です。

トレンドが続くという前提が崩れていることは、下値支持線を割った時点でほぼ確定的です。だとしたら、潔くロスカットしたほうが深傷を負わずにすみます。

冷静に考えてみれば、順張りのスタンスで投資していたにもかかわらず、下落トレンドに転じた後も上昇トレンドの再来を期待して保有するというのは大きな矛盾を抱えています。自覚のないまま、順張りから逆張りへと方針が180度変わってしまっているのです。

逆張りにおいても、反発すると確信してエントリーしたのに続落し、下落トレンドの継続がチャート上で確認できるなら、ロスカットを決意する方がまだよいでしょう。依然として反発すると信じていたとしても、いったん撤退しておかないと、どんどん損失が膨らんでしまいます。

つまり、順張りは「トレンドが変わったら」、逆張りは「トレンドが変わらなかったら」、ロスカットを決断する合図だということです。

個人投資家は逆張りを好む傾向が強いと言われるが…

ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)やピーター・リンチ(Peter Lynch)など、株式投資の世界では逆張りの手法で高実績を残した著名な投資家が数多く存在しています。また、個人投資家の多くは逆張りを好む傾向にあるという調査結果もあるようです。

もっとも、バフェットやリンチは単にトレンドに逆らったのではなく、本当にいい会社(株価が上がるのが当然)でありながら、まだ大半の投資家がそのことを見逃していたタイミングで目をつけたからこそ、大きな成功を収めたと言えるでしょう。そういった観点から、やがて株価が上昇に転じることに確信を抱いていたのです。

少なくとも、逆張りのスタンスで大きな利益を狙う際には、「トレンドが変わる」と予想する根拠をいくつか集めたうえで総合的に判断するのが賢明だと言えそうです。

対照的に「トレンドが続く」と予想して臨む順張りにしても、それが読み通りだったとしても、トレンドが続く限り保有し続けるというのはかなりの勇気が必要となります。特に史上最高価格を更新し続けているような局面で粘って保有し続けるのは、ある意味、チキンレースのような度胸勝負になりかねません。

ただし、ピークアウトのタイミングを完璧に予想するのは困難なので、こまめに利益を確定していくのが現実的だと言えるでしょう。実際、株式やFXで億を超える財を築いた投資家の多くは順張りのスタンスで、あまり欲を出しすぎずに手堅く利益を積み重ねてきたことが奏功しました。

仮想通貨は株式や為替などと比べて値動きが派手になりがちであるだけに、期待通りに価格が動いた場面では大きな利益を期待できる反面、逆に動いた場面では損失も膨らみやすくなります。順張りと逆張りのどちらを選択するにしても、「前提が崩れれば速やかにロスカットを行う」というルールを厳守するのが無難だと言えそうです。

また、仮想通貨への投資において順張りと逆張りのどちらが適しているのかについては、個々の性格も少なからず関わってくることでしょう。まずは少額でそれぞれの手法を試してみて、自分に合ったほうを選ぶのも一つです。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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