実際にチャートを用いて買いと売りの判断をしてみよう

チャート
投資手法
2018-10-31 更新

テクニカル分析に基づく売買と言われると、特に投資初心者は専門的で難しそうだというイメージを抱くかもしれません。しかし、チャート上における価格などの位置や移動平均線の向きなど、視覚的にも判断しやすいものですし、基本的な分析方法は非常にシンプルで理解しやすくなっています。

具体的にどのように分析しながら売買のタイミングについて見極めればいいのかなど、チャート上で実践してみたいと思います。慣れてくれば、いろいろな指標を見比べなくても、チャート上の推移をリアルタイムで眺めながら瞬時に判断できることもあります。

最低限、3つの推移はきちんと見ておこう!

テクニカル分析に用いる指標は非常にバラエティに富んでいますが、大半の投資家はその中から自分に合ったものをいくつか選んで使用しています。ごく基本的なものだけに絞ったとしても、きちんとした分析が可能です。

むしろ、より多くの投資家が注目しているスタンダードな指標のほうが使いやすく、相場が分析通りの展開になるケースが多いと言えるかもしれません。そういった指標において売買のシグナルが点灯すれば、たくさんの投資家がそのことを意識するからです。

もちろん、さまざまな指標を見ていれば、偏った見方ではない総合的な判断が下せることでしょう。しかしながら、知識や経験が足りない状況で下手にそれをこなそうとすれば、それぞれの指標で判定が食い違った場合にパニックになるかもしれません。

だとすれば、少なくともテクニカル分析のスキルに関してまだ自信を持てないうちは、用いる指標の数を絞ったほうがよいでしょう。ごく基本的な指標を的確に活用できるようになったほうが、分析の精度は増すと言えそうです。

では、必要最低限の組み合わせとしては、どういった指標を見ておけばいいのでしょうか? まず、価格の推移は絶対に見逃せませんが、その他には2本の移動平均線(もしくは、短・中・長期の3本)と出来高に注目しておけば、意外と簡単に売買の判断を下せます。

さらに極論を言えば、価格と移動平均線の推移を見ているだけでも買いや売りをどこで入れるべきかが見えてくるケースも少なくありません。本当にそんなことが可能なのか、実例で検証してみることにしましょう。

エントリーのポイントはどうやって判断する?

ここから先は、チャートを見ながら読んでください。なお、今回は相場の流れに沿って利益を狙う順張り(トレンドフォロー)の投資の観点からタイミングを探っていくことにします。

たとえば、2018年9月27日の夕方にBTC/JPYの1分足チャートを見てみると、16時頃から価格の下落基調が鮮明になっていました。しかし、17時30分頃に大底を打って急伸後、17時50分頃までもみ合ってきています。

価格は移動平均線(10)を割り込んでいましたが、移動平均線(25)よりも上の水準に位置しています。しかも、どちらの移動平均線も上向きでした。なお、移動平均線(10)はローソク足10本ごとの平均値、移動平均線(25)は25本ごとの平均値を算出してその推移を示したもので、前者が短期、後者が中期の移動平均線という位置づけです。

話を戻すと、このもみ合いにおいて移動平均線(25)を割らなかったことが大きな注目ポイントです。その後の推移を観察していると、17時47分に移動平均線(25)にタッチしてから切り返し、さらに移動平均線(10)も突破しました。

そこで、ここがエントリー(買い)のタイミングだと判断します。このチャートには表示されていませんが、念のために出来高も確認してみると増加傾向を示していました。

エントリーを決めた理由は、①移動平均線(25)を割り込まずに下げ渋っていた、②移動平均線(10)をはっきりと上抜いたことで上昇が本格化する可能性が高まった、③2本の移動平均線がともに上向きだった、といったところです。上昇が顕著になる局面では、価格が短期の移動平均線より上に位置し、一時的に割り込んでも再び戻してまとわりつくように推移しがちです。

ちなみに、エントリーした直後には移動平均線(25)を移動平均線(10)が上抜くゴールデンクロスも出現しています。やや遅行気味になるのが難点ではあるものの、これは買いのシグナルとされています。

その後、読みが的中して陽線が連続して価格は上昇基調を続け、移動平均線(10)よりも上の水準で推移しました。上昇トレンドが続いている証左です。

18時5分頃に大きく下げてヒヤリとしましたが、移動平均線(25)で止まったうえ、ローソク足が長い陽線となって反発したので、そのまま保有し続けることにします。価格が短期の移動平均線を上回っている局面はトレンドがかなり強く、いったん割り込んでもすぐに回復するようなら心配は無用だと言えます。

そして、中期の移動平均線に接近し始めたら要注意なのですが、ここでは移動平均線(25)にタッチしたら反発したので、トレンドは継続したと考えたわけです。言わば、中期の移動平均線がトレンドの生命線のようなものです。

イグジットのタイミングは何を目安に判断?

さて、その後の展開はどうなったでしょうか? 異変が起きたのは18時15分頃で、方向感が定まらなくなってきて、間もなく急落したのです。

焦点は、移動平均線(25)を巡る攻防です。下落がこの付近で止まれば、そのまま保有を継続します。

ところが、今回はあっさりと割り込みました。そこで、利益を確定させることにします。つまり、この地点がイグジット(売り)のタイミングです。

中期の移動平均線を下抜いたので、上昇トレンドはここでいったん途絶えたと判断したわけです。すると、直後に移動平均線(10)まで反発しましたが、移動平均線(10)自体も下降気味だったので、利益確定は間違いではなかったと思ったほうがいいでしょう。

案の定、その直後には移動平均線(10)が移動平均線(25)を下抜くデッドクロスが出現し、少しもみ合ったうえで、18時38分頃には急落しました。ちなみに、さらにもう1本、移動平均線(75)を描画してみると、その水準さえ割り込む下落だったことがわかります。

結局、このトレードでは72万3,900円付近で買って、72万5,300円付近で売り抜けたことになります。所要時間は約30分で、1BTC当たり1,400円の利ザヤでした。

レバレッジ取引であれば、この程度の利ザヤでももっと大きな収益を得られます。利益確定に踏み切る前に72万7,049円の高値をつけていますが、その時点で売り抜けるのはプロのトレーダーでも難しいと言えるでしょう。

相場の天井は、後から振り返って初めて確認できるもので、リアルタイムでは把握できません。しかし、トレンドの転換点はチャートを見ながらリアルタイムで推察できますから、その時点で利益を確定させるのが無難なのです。

再び訪れたチャンスでエントリーしてみると…?

先程のケースの以降の動きを振り返ってみると、結果的に18時55分頃まで軟調な展開が続きました。その過程では移動平均線(10)を価格が上回る局面もありました。

けれど、下向きで推移している短期の移動平均線を上抜いたとしても、あまり重要な意味はありません。実際、その後に価格は安値を更新しています。

注目すべきは、その直後に短期の移動平均線が上向きに転じ、やがてゴールデンクロスが出現したことです。以後は強い相場が続き、19時30分過ぎまで移動平均線(10)を割り込みませんでした。

つまり、ここもトレードを仕掛けるチャンスだったということです。

なお、この日は73万5,000円の水準には遠く及ばず、日付が変わってからもしばらく似たような展開が続きましたが、4時43分頃に大きな動きが見られます。

4時30分頃から移動平均線(10)を突破したので再び73万4,000円付近でエントリーしたところ、陰線が続いて移動平均線(25)まで下げ、さらにあっという間に移動平均線(75)まで割り込んでロスカットを迫られる展開となりました。

ところが、すぐさま反騰して長い陽線を描き、移動平均線(10)を上抜いていったのです。しかも、4時43分にはもっと長い陽線が出現しました。

以後、8本も陽線が連続して3本の移動平均線はいずれも上向きになり、極めて強い上昇トレンドであることが確認されました。4時50分頃から失速してきたものの、それでも移動平均線(10)よりも上の水準に位置しています。

そして、移動平均線(10)にタッチしてから再び上昇が顕著になり、75万8,465円の高値を記録しました。それから大陰線が出現しましたが、まだ移動平均線(10)の上に位置しているので様子を見ます。

すると、またしてももみ合う展開になってきたのですが、しぶとく移動平均線(10)にまとわりつく推移を示しています。けれど、下値を切り下げる動きが顕著になってきて、5時20分頃に移動平均線(25)を割ったので、ここで諦めて利益を確定しました。

その水準が75万4,000円付近でしたから、ちょうど利ザヤは2万円程度になります。約37分間に及んだ上昇局面でした。

先読みが難しくなってきたら撤退も検討する

日足に目を転じると、BTC/JPYは2017年12月に226万5,523円をつけて以来、下落トレンドに入っています。何度か反発する場面もありましたが、5月に108万3,659円の高値をつけた後も、頭を押さえつけられるような展開が続いてきました。

しかし、そのような中でも、ここまで見てきたように1分足のチャートにおいては、典型的な上昇トレンドが頻繁に出現してします。テクニカル分析でそういった局面を攻略することは十分に可能だったと言えそうです。

もちろん、日足チャートで下落トレンドの途上で何度か訪れた反発局面を狙うのも有効だったでしょう。ただ、その際は移動平均線のゴールデンクロスが出現するのが遅れ気味だったので、別の指標を用いた戦略をとったほうが賢明だったかもしれません。

おさらいすると、トレンドに乗る順張り(トレンドフォロー)の場合は、価格が短期の移動平均線をはっきりと上抜いた地点がエントリーのタイミングとなりやすいと言えます。そして、イグジットは価格が短期の移動平均線に続いて中期の移動平均線まで割り込み、上昇トレンドが途絶えた可能性が高まった場面です。

とはいえ、チャートを絶対視するのは禁物で、例外的な動きはつきものです。エントリーした後に先読みが難しい局面に突入したら、無理をせずに撤退して仕切り直すのも一考だと言えるでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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