仮想通貨に大きな影響を及ぼすイベントとは?

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2018-10-31 更新

さまざまなイベントが仮想通貨の価格変動に大きな影響を及ぼすことがあります。そういったことを認識しておけば、イベントが発生する前に先回りして投資するという発想も生まれてくるでしょう。

では、いったいどのようなイベントが仮想通貨の価格を動かすのでしょうか? 主に考えられるものを挙げてみましょう。

やはり、半減期は特に注目度の高いイベント

ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格にインパクトを与えるイベントは大小織り交ぜてたくさん存在していますが、最大の関心事となりやすいのは半減期でしょう。半減期とは、マイニングに対する報酬が半分になってしまうタイミングのことです。

仮想通貨のトランザクション(取引)は、そのすべてがブロックチェーンに記載されており、その行為をマイニング、それを行う人をマイナーと呼んでいます。そして、誰よりも早く演算処理を進めて取引内容を正確に記載できたマイナーには、新たに発行された仮想通貨が報酬として支払われる仕組みになっています。

円やドルのように中央銀行が発行量をコントロールしている法定通貨とは異なり、仮想通貨には中枢で管理する組織が存在しません。しかも、ビットコインの場合は発行上限があらかじめ2,100万BTCと決められています。

そうなると、上限に達する前にできるだけ多くのビットコインを手に入れたいと考えるマイナーが殺到し、どんどんマイニングが進んでしまう可能性が高まります。こうして発行量がむやみに増えていけば、急激なインフレーション(供給過剰による通貨価値の下落)が発生しかねません。

そこで、その急激なインフレーションの発生を未然に防ぐために講じられているのが半減期です。報酬が半額になればマイニングの意欲も半減し、過度に発行が進まないようにコントロールしているわけです。

当初、ビットコインの報酬は1回当たり50BTCでした。これが2012年の半減期で25BTCになり、2016年には12.5BTCになりました。約10分に1個のペースで生成されるブロックが21万個に達した時点で半減期が訪れるように定められているので、「10分×21万ブロック=約4年」ごとというサイクルになっています。

では、半減期というイベントは仮想通貨の価格にどのような影響を及ぼすのでしょうか? 2012年11月の半減期では、まだビットコインの利用者やマイナーの数も限られていたこともあって、価格にさほど特徴的な変化はうかがえませんでした。

しかし、2016年7月実施の2回目の半減期では、それに先駆けて5月頃からビットコインの価格が上昇傾向を示し始め、半減期直前に利益確定の売りが出て6月末にいったん反落し、その後、再び上昇基調を強めています。

その後の流れを見ても、半減期以降は価格が中期的に上昇トレンドを示しています。やはり、「マイニング報酬半減→新たな供給量抑制」という需給関係の改善が価格上昇に結びついているようです。

12.5BTCの報酬が6.25BTCとなる3回目の半減期は、2020年6月となる公算が大です。そのタイミングが迫ると、2回目のケースと同じような動きが見られる可能性が考えられますし、それから先の大きな流れも右肩上がりをイメージできるかもしれません。

ハードフォークの実施や技術的なブレイクスルーも!

一方、技術面に関するイベントも価格を大きく左右しがちです。その典型例として挙げられるのがハードフォークでしょう。

ハードフォークとは、仮想通貨の技術的な課題を克服するために実施される大掛かりな仕様変更です。ハードフォークを実施すると過去につながれてきたブロックチェーンとの間に互換性がなくなるため、新たなチェーンが枝分かれしたままの状態が続き、一本化されることはありません。

つまり、ブロックチェーンが完全に分裂して新たな仮想通貨が誕生するわけです。たとえば、ビットコインはここまで普及することは想定していなかったせいか、当初に設定された1MBというブロックの容量がネックとなって、送金スピードや手数料などに問題が発生していました。

そこで、2017年8月にハードフォークが行われ、ブロックチェーンが分裂してビットコインキャッシュ(BCH)が誕生しました。その後も2回のハードフォークが実施されて、10月にビットコインゴールド(BTG)、11月にビットコインダイヤモンド(BCD)が新たに登場しています。

果たして、これらのハードフォークの前後でビットコインの価格はどう動いたのでしょうか? まず2017年8月1日のハードフォーク当日は大きく下落したものの、すぐに反発し、数日後には実施以前の水準を大幅に超えました。

そして、2017年10月24日の2回目のハードフォークではさらに大きな下落に見舞われましたが、わずか2日間で実施以前の水準まで回復。しかも、その後は上昇が加速していますし、2017年11月25日の3回目のハードフォーク以降はさらに続伸し、翌12月には史上最高価格を大幅に更新することになります。

ハードフォーク以外にも、ブロックチェーンの永続的な分岐を伴わない仕様変更であるソフトフォークや、その他のアップデートなど、各仮想通貨において技術的な改善は随時続けられています。利便性やセキュリティが大きく向上する内容のものは投資家から大いに歓迎されることになり、価格に対してもプラスに作用する可能性が考えられそうです。

ビットコイン先物の期日、ETFの承認も!?

2017年12月下旬、米国ではビットコイン先物取引が認可され、CME(シカゴ・マーカンタイル先物取引所)とCBOE(シカゴ・オプション取引所)に上場して取引が開始されました。ビットコイン先物取引とは、将来の特定の時点において、あらかじめ決められた価格で、ビットコインを売買することを約束するというものです。

ビットコインがその時点までに上昇すると思うなら先物取引で買いのポジションを建て、逆に下落すると予想するなら売りのポジションを建て、思惑通りの展開となれば利益が得られます。仮想通貨のレバレッジ取引のように、売買代金の一部に相当する証拠金を預けるだけで取引できるのも大きな特徴です。

どちらもビットコインが対象となっていても、現物取引と先物取引では価格の推移が大なり小なり異なってきます。しかし、満期日(期日)が近づくにつれて、先物価格が現物価格に収れんしていきます。

こうした特性に着目した大口のトレーダーは、あらかじめ先物取引で売りのポジションを建てたうえで、その期日が迫ると保有していた現物のBTCを大量に売って価格を意図的に下落させ、大きな利益を上げていると言われています。FRB(連邦準備制度理事会)の統轄下にあるサンフランシスコ連邦準備銀行は2018年5月に、「ビットコインの史上最高価格からの下落は先物取引が始まったことに起因している」との見解を示しています。

このようにビットコイン先物取引は、今のところ価格を下落させる方向に影響力を強めていると受け止められているようです。反対に、価格上昇に結びつく好材料だと思われがちなのはビットコインETF(上場投資信託)の市場への上場でしょう。

ビットコインETFとは、その価格がビットコインに連動するように設計された金融商品で、市場において株式と同じような感覚で時価での売買が可能です。このため、上場が認められれば今まで以上にビットコインへの投資が活発化することが期待されています。

残念ながら2018年8月22日、SEC(米国証券取引委員会)は申請中だった9本のビットコインETF上場を否決しましたが、その翌日には再審査を決定。詐欺や価格操作を防ぐ対策がさらに進められれば、上場が認められる可能性があると言われています。

いよいよビットコインETFの上場が実現するとの観測が強まってくれば、価格上昇が顕著になる可能性も十分に考えられるでしょう。

一方、Bloombergが2018年9月13日に配信した報道によれば、米国の大手金融機関であるモルガン・スタンレーがビットコインのスワップ取引を機関投資家に提供することを計画しているとのことです。スワップ取引はデリバティブの一種で、同じ種類の通貨において異なる種類の金利(固定金利と変動金利)を取引の当事者間で交換するというものになります。

いずれは個人投資家や機関投資家の動向も大きな影響を?

カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を構え、全米最大の支店数を誇るWells FargoグループのWells Fargo/Gallupが2018年7月に公開したレポートによれば、米国の投資家ですでにビットコインを所有しているのは、全体の2%にしかすぎないそうです。しかし、その一方で、「所有していないものの、興味は抱いている」と答えた人は26%に達していたとのことです。

ビットコインETFの上場が現実となれば、そういった人たちも気軽に取引しやすい環境が整い、にわかに資金流入が顕著となるかもしれません。もともとリスク資産を保有することに抵抗感の少ない米国の投資家が本格的にビットコインを買い始めれば、その動きも価格に大きな影響を及ぼしうるでしょう。

また、すでにスタートしているビットコイン先物取引やビットコインETF、ビットコインのスワップ取引は機関投資家の参入も誘う可能性を秘めているでしょう。株式や為替、債券などと比べてプロの投資家が占めるウエートがはるかに低いのがビットコインをはじめとする仮想通貨市場の現状であるだけに、彼らの参加が本格化することは市場の活性化にダイレクトに結びつきそうです。

米国の著名な経済誌「フォーブス」の報道によれば、コンサルティング会社のグリニッジ・アソシエイツが北米、欧州、アジアの金融機関(141社)を対象に実施した調査において、機関投資家の70%以上が「仮想通貨は将来的に定着する」と回答したそうです。そして、「法整備が発展して市場の発展と革新につながると信じている」と38%が回答しており、機関投資家の間でも仮想通貨に対する関心や期待は高いようです。

イベントにまつわる憶測やハードフォークなどの延期に注意

ここまで見てきたように、仮想通貨にまつわるイベントはその価格を大きく動かす可能性を有しています。ただし、イベントを巡ってインターネット上などで様々な憶測が飛び交い、いたずらに投資家を翻弄させている状況も散見されます。

イベントがらみの記述の中でも特に裏づけのなさそうな内容のものは真に受けないのが賢明だと言えそうです。最低限、複数の情報源で確認をとり、根拠の薄いものは視界から外していくとよいでしょう。

また、ハードフォークやソフトフォークをはじめとする技術面のアップデートに関しては、不意に延期されるケースが多々あります。そして、イベントを巡って過去と同じ反応が必ず起きると保証されているわけでもありません。

言い換えれば、イベントは価格にインパクを及ぼす可能性が高い反面、肩すかしをくらうリスクも存在しているということです。イベントに先回りする投資を考える場合は、予想が外れた場合の撤退(ロスカット)についてどのように行うのかをあらかじめ決めておくのがよいでしょう。

加えて、イベントの中には価格上昇ではなく下落につながるものもあるため、個々にその中身をきちんと吟味することが肝心です。こうした基本を押さえておけば、仮想通貨の取引においてイベントが大きな収益をもたらしてくれる可能性があります。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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