ローソク足、分足、日足、週足、月足とは?

ローソク足
2018-10-31 更新

一説には江戸時代の豪商・本間宗久が米の取引のために考案したとも言われるローソク足は、今や日本のみならずグローバルに株式や為替、仮想通貨の取引で活用されています。ここまで普及しているのは、非常に優れたチャートだからこそでしょう。では、ローソク足を見れば、どのようなことがわかるのでしょうか? ローソク足の基本的な見方について説明します。

1本のローソク足は何を表している?

価格の推移を示したものがチャートで、描き方の手法が異なる様々なタイプがありますが、その中でもローソク足は非常に工夫が施されたものです。ローソク足チャートを見れば、時間の経過とともに価格がどのように変化していったのかが詳しく把握できます。

たとえば、日々の価格の推移をチャートに描く場合、通常は単純に点と点を結ぶグラフになります。しかし、その場合は1日のうちのいずれかの時間帯につけた価格か、最も高かった価格、あるいは最も安かった価格など、「点として表示すべき地点」を絞り込まなければなりません。

これに対し、1本のローソク足はその日につけた4つの価格を示すことが可能です。具体的に言えば、

  1. 始値(最初に取引が成立した価格)
  2. 高値(最も高かった価格)
  3. 安値(最も安かった価格)
  4. 終値(最後に取引が成立した価格)

が1本のローソク足に表示されているのです。

1本のローソク足は、ボックス状になっている実体部分と、そこから上下に伸びたヒゲ部分(上ヒゲと下ヒゲ)によって構成されています。

たとえば、BTC/JPYにおいて1BTC=73万円でその日の取引が始まり、一時は72万円の安値をつけたものの、そこから反発して75万円の高値を記録し、その日の最終取引は74万円だったとしましょう。このケースでは、実体部分の下辺を始値の水準、実体部分の上辺を終値の水準、上ヒゲの先端を高値の水準、下ヒゲの先端を安値の水準に描きます。

では、同じく73万円で取引がスタートし、70万円まで下げてから78万円まで切り返し、74万円で取引を終えた場合はどうなるでしょうか? 前述のパターンと実体部分はまったく同じになりますが、上ヒゲと下ヒゲはもっと長くなっています。こうしたヒゲの長さを見れば、その日の価格変動がどれだけ派手だったのかも把握できるわけです。

陽線と陰線の違いとは?

先程の例はどちらも、始値よりも安い価格を付ける局面があったにせよ、終値はもっと高い水準となって取引を終えています。つまりその日は価格が上昇傾向を示したことを意味し、そういったケースでは実体部分を白色や赤色で表示し、「陽線」と呼びます。

これに対し、始値よりも安い終値となった場合は価格が下落傾向を示したことを意味します。こちらは実体部分を黒色や青色で表示し、「陰線」と呼んでいます。

「陽線」が連続している局面は上昇の勢いが強く、逆に「陰線」ばかりが目立つ局面は下落基調で推移していると判断できます。また、実体部分が長い「陽線」は価格の急騰、実体部分が長い「陰線」は価格の急落を意味しています。

あるいは、日中に上昇局面と下落局面がそれぞれあったものの、結局は始値と同じ価格で取引を終えるというパターンもありうることです。そういった場合は実体部分がボックス状ではなく完全に1本線で、その上下にヒゲが伸びる格好となります。これを「十字線」と呼んでおり、取引に参加している投資家が先行きを読み切れなくて迷っている状態を示しています。それまで相場の上昇もしくは下落が顕著になっていたとしても、この「十字線」が出現すると、投資家が迷い始めて流れが大きく変わるキッカケになる可能性が考えられます。

一方、上昇傾向が続いてきたところで、長い上ヒゲの「陽線」や「陰線」が出現した場合も注意が必要でしょう。上ヒゲが長くなるのは、いったんは強気が優勢となって上昇が顕著となったものの、その後は急速に勢いを失ったためです。「陽線」であっても、上ヒゲが長かった場合は上昇のピッチが鈍ることがありえます。長い上ヒゲの「陰線」であれば、強気から弱気へと流れが急変していることを示唆しており、反落の可能性を念頭においたほうがよいでしょう。

対照的に、下落傾向が続いていた局面でローソク足が長い下ヒゲの「陽線」や「陰線」を描いたら、ポジシティブなサインだと受けることができます。いったん大きく売り込まれたものの、そこから大きく戻しているからです。「陰線」であっても、長い下ヒゲは弱気派が減ってきたことを意味し、反発の可能性が出てきたと解釈できます。長い下ヒゲの「陽線」ともなれば、上昇に転じる確率がより高まっていると判断してよいでしょう。

分足、時間足、日足、週足、月足とは?

さて、ここまで説明してきたのは、1本のローソク足がその日につけて始値、高値、安値、終値を示しているものでした。これを「日足」と呼んでいます。1本で描く時間軸を変えれば、日足以外のローソク足チャートを描くことも可能です。

その一つが分単位の始値、高値、安値、終値が1本のローソク足となっている「分足」で、よく用いられているのは1分足や5分足です。その名の通り、1分足は1分間、5分足は5分間のうちにつけた始値、高値、安値、終値を表しています。

続いて「時間足」は、1時間ごと、4時間ごとといったように時間単位の始値、高値、安値、終値で1本のローソク足を描いているものです。分足では値動きの方向性が判断しづらい勢力が拮抗した場面でも、時間足に目を転じてみると、どちらかに流れが生じつつある兆しを察知できるケースも出てきます。

もっと間隔を大きくとったものもあります。「週足」は1週間、「月足」は月内における始値、高値、安値、終値を1本のローソク足で描いたものです。

分足が目の前の価格変動を如実に伝えるチャートであるのに対し、週足や月足はもっと大きな潮流が浮き彫りになってくるものです。つまり、短期的な傾向は分足や時間足、日足のほうがわかりやすく、中長期的な方向性は週足や月足のほうがはっきりしやすいということです。

19世紀に米国でジャーナリストや証券アナリストとして活躍したチャールズ・ヘンリー・ダウが導き出した「ダウ理論」では、トレンド(価格の方向性)に3つの種類があると説いています。それは、潮流(大きなトレンド)、波(二次的トレンド)、波紋(小さなトレンド)です。

肝心なのは、これら大中小のトレンドが必ずしも同じ向きになっているとは限らないことです。そこで、週足や月足で大きなトレンド、日足や時間足で二次的トレンド、分足で小さなトレンドをそれぞれ見分けていくことが重要となってきます。

分足や週足などはどう使い分ける?

いずれのローソク足チャートに注目すべきなのかは、自分がどのようなスパンで取引を行うのかによって異なってきます。買ったその日に売って取引を完結させるデイトレードなら分足、数日間〜数週間の保有を前提とするスイングトレードなら時間足、数カ月〜半年をメドとしているなら日足、もっと気長に取り組むなら週足といった具合になるでしょう。

ただし、自分のスパンに合っている時間軸のローソク足さえ見ておけば万全だというわけではありません。デイトレードでは分足とともに時間足、スイングトレードでは時間足とともに日足、数カ月〜半年の取引では日足とともに週足、もっと長期で臨む場合も週足だけでなく月足といったように、時間軸の異なるローソク足を組み合わせて見比べるのがチャート分析の基本です。

たとえば、日足が上向きであっても、週足が下降基調になっていたとしたら、大きな流れは下向きで日足のほうの上昇は長続きしない可能性が出てきます。反対に、日足と週足がどちらも右肩上がりで推移していたら、しばらく上昇が続くものと予想できるでしょう。

ローソク足をはじめとするチャートの分析において大前提となってくるのは、「価格の推移には必ずトレンドが生じる」ということと、「トレンドは反転するまで継続する」ということ。これらも前述した「ダウ理論」に基づくものです。

価格のトレンドは上昇、下落、横ばいという3つのいずれかに分類できます。そして、いずれのトレンドにおいても価格は一定の方向感を示しつつも、小刻みにN字型の波動を描いて山と谷を形成していくものです。

上昇トレンドが確認できる場面であれば、小さな波動はN字を描きながらも、谷(安値)がその前の谷よりも高い水準になっているはずです。「安値を切り上げていく」と表現される現象で、逆に下落トレンドだった場合には、谷がその前の谷よりも低い水準となっていき、「安値を切り下げていく」というパターンを描きます。

トレンドが横ばいのパターンであっても、やはり小さな波動はN字を描いています。このトレンドにもやがて必ず転換点は訪れるのが宿命で、上昇トレンドにシフトする場合はそれまでの山(高値)を大きく超える山を形成したうえで、以降もどんどん安値を切り上げていくようになります。下落トレンドに転換した場合はそれまでよりも深い谷を描いたうえで、安値を切り下げていく展開となります。

たとえば、「デイトレードだから分足を見ているだけで十分」などというスタンスをとってしまうと、N字の波動の中の断片的な部分しか視界に入ってきません。つまり、トレンドの向きをきちんと確認できていないわけです。時間軸の異なるチャートを組み合わせて両睨みすることで、目先の波動だけに翻弄されず、トレンドをしっかりと見極めて売買のタイミングを判断できるようになります。

情報が詰まっているローソク足を存分に活用しよう!

一定期間中の4つの価格(始値、高値、安値、終値)がわかるばかりか、実体部分とヒゲ部分で表現したり、「陽線」と「陰線」に描き分けたりすることで、どのような展開だったのかも判明するのがローソク足です。しかも、実体部分やヒゲの長さから相場の強弱を把握できたり、トレンド転換の兆しを察知できたりするため、非常に重宝するチャートだと言えるでしょう。

特に、実体部分が非常に長い「大陽線」や「大陰線」、先にも述べた長い上ヒゲと下ヒゲは要注目です。「大陽線」は上昇、「大陰線」は下落の勢いが強いことを意味していますし、上ヒゲや下ヒゲは転換点となる可能性が考えられます。

もちろん、必ずそうなると断言できるものではありませんが、多くの投資家がローソク足のそういった特性に注目していることで、より法則的な動きを示しやすくなります。少なくとも、チャートが転換点を示唆するようなパターンになったら、その可能性を念頭に置きながら注意深く観察するのがよいでしょう。

ローソク足をはじめとするチャート上の指標に注目する手法をテクニカル分析と呼びますが、それをさほど重視していない投資家も存在しています。それよりも相場の需給関係(仮想通貨のマイニングの状況や買い手の需要の動向)などに注目していたりするのですが、そういった人たちであっても、価格の動向をチェックするうえで必ずチャートに目を向けるものです。

その際、ローソク足において前述したような転換点のサインが点灯していたら、多少なりとも気に留める可能性が考えられるでしょう。転換点とは、そのことを意識する人が多ければ多いほど、現実と化しやすいものです。

その意味でも、テクニカル分析を主としない場合もローソク足の基本について知っておいて損はないと言えそうです。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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