暗号資産(仮想通貨)シバイヌ(SHIB)とは?ただのミームコインではない将来性を解説

シバイヌ
将来性
2023-12-13 更新

暗号資産(仮想通貨)シバイヌ(SHIB)は、2020年に誕生したミームコインの一種で、犬種の柴犬をモチーフにした暗号資産です。

2021年にテスラのCEOであるイーロン・マスク氏が同様の犬をモチーフにしたミームコインであるドージコイン(DOGE)を話題にしたことから価格が急騰したことを受けて、シバイヌもつられるように話題になりました。

ミームコインは著名人の発言やSNSのトレンドに敏感で、ネタや話題性で価格が変動することが多く、その人気は一過性のものが少なくありません。しかし、シバイヌは話題になればなるほど、そこには他のミームコインにはない将来性が垣間見え、さらに注目を集めるようになりました。

この記事では、シバイヌを詳しく解説し、そのメリットや将来性についても紹介していきます。

シバイヌ (SHIB)とは?

シバイヌ(SHIB)は、2020年7月に作られた日本の犬種として知られる柴犬をモチーフにした暗号資産(仮想通貨)です。匿名の人物またはグループである「Ryoshi(リョーシ)」によって開発されました。人気ミームコインのドージコイン(DOGE)を模倣した「ジョーク通貨のジョーク通貨」として知られています。

公式では「Shiba Inu」と表記され、日本では単にシバイヌと表記する他、シバイヌコインまたは柴犬と表記されることも少なくありません。

ミームコインとは、インターネット上で広く愛されているミーム(ジョーク)に影響を受け開発された暗号資産です。ミームという言葉は、インターネット・ミーム(Internet meme)というインターネットを通じて人から人へと、通常は模倣として拡がっていく行動・コンセプト・メディアのことを指す言葉に由来しています。

発行当初のシバイヌは、ほとんど無価値の暗号資産でしたが、2021年にイーロン・マスク氏がX(旧Twitter)にドージコインに言及したツイートを投稿したことからドージコインが高騰し、ミームコインが話題となり需要が拡大しました。それがシバイヌにも波及して、ドージコインの人気に引っ張られるようにシバイヌも話題になりました。

シバイヌはミームコインとしては珍しく、コンセプトや機能が本格的なものであることが徐々に認知されはじめ、やがて注目を集めるようになり、その人気も高まり価格も高騰するようになりました。

プロジェクトの特徴

シバイヌの開発者リョーシ(匿名)は、「RYOSHI RESEARCH」と題したMediumにてブログを公開していました。

ブログのトップ画像に葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景 甲州石班沢」を採用していたことから、リョーシは日本語の「漁師」と推測されますが、実際には国籍や経歴など素性は不明です。

リョーシは「WoofPaper(ホワイトペーパー)」にて、シバイヌは「分散型の自発的なコミュニティ構築の実験」であると記し、「プロジェクトが100%コミュニティによって運営されたらどうなるのか」という実験であると述べていました。

リョーシは、シバイヌの開発をゼロから始めることを選択し、プロジェクトの方向性は「Shib Army」と称するコミュニティに委ねたことをホワイトペーパーに記しています。Shib Armyによるプロジェクト開発はまったくゼロからのスタートであり、これまで共同開発をしたこともない初顔合わせのメンバーによるものであることと、「私たちは柴犬を愛しています」という創業理念を掲げていました。

シバイヌの仕組み

シバイヌは、イーサリアム(ETHブロックチェーン上で発行された、ERC-20規格の暗号資産(仮想通貨)です。ネイティブトークンの「SHIB」、ドージコインのキラートークンである「LEASH」、ガバナンストークン「BONE」の3種類のトークンが同時に発行されています。また、「TREAT」という詳細不明な新たなトークンもリリース予定です。

ネイティブトークンのSHIBはシバイヌの基盤となり、国内外にて取引が可能なポピュラーな暗号資産です。

LEASHは当初、ドージコインキラーとして、ドージコインと価格が連動するよう設計されたトークン(リベーストークン)として作成されましたが、現在はその機能は解除され、シバイヌが運用するDEX(分散型取引所)ShibaSwapにて流動性を提供したユーザーに対する報酬用トークンとして利用されています。

BONEは、その保有量に応じてシバイヌプロジェクトの方向性や課題解決などの提案に関する投票権が付与される、ガバナンストークンとして利用されています。Shib Armyが計画する分散型自律組織Doggy DAO(2023年9月現在はベータ版)など、シバイヌの将来にも寄与することを可能にするトークンです。

公式サイトによると、シバイヌは最初に1000兆SHIBが発行されました。当初は大量に発行されたことから1枚あたりの価格が安く、誰でも手に入れることができるミームコインの本領を発揮していました。

その後、シバイヌはDEXを使って流通させるために総供給量の50%をUniswapにてロックし、残りの50%の意図は不明ですがイーサリアムの共同創業者のひとりヴィタリック・ブテリン氏に送られました。

SHIBを受け取ったヴィタリック・ブテリン氏は、シバイヌの価値が高まると、そのうちの50兆SHIBを新型コロナウイルス感染症が急速拡大したインドを支援するためにIndia Covid Crypto Relief Fundに寄付し、残りのSHIBは二度と取り出すことのできないウォレットに送金しバーン(焼却)しています。

ヴィタリック氏は、当初からウォレット内のシバイヌの90%をバーンし、残りの10%を大規模な人命の損失を防ぐような長期的な支援を行う価値観を持った慈善団体に送る予定だったといいます。新型コロナウイルス感染症の問題は将来についても長期的に考えることが重要だと語っています。

残りのSHIBをバーンした理由について、ヴィタリック氏は「コインを作る人は、今後は私の同意なしに私にコインやプロジェクトでの権力を与えないでほしい。私は権力の座につきたくない」と語り、また「コインは価値あるチャリティーの手に直接渡したほうがいい(ただし、まずは彼らに相談すること)」とも述べています。

2021年11月時点で、SHIBの総供給量は約550兆SHIB程度となりました。リョーシはシバイヌの長期的な計画の成功とトークンの安定性のための措置として、今後もSHIBの希少性を確保するためにSHIBをバーンする可能性があることを示唆しています。

また、リョーシやShib Armyの開発メンバーは、開発当初は一切のトークンを保有してはいないことを説明、開発についてはすべてボランティアで作業を行っており誰一人トークンを保有していないことを明かしました。公平を期するためにリョーシを含めた開発メンバーも、他のユーザーと同様の手段を取らなければシバイヌを入手することはできないとしたといいます。

プロジェクト、その後の展開

シバイヌプロジェクトは2021年7月、SHIB、LEASH、BONEの3つのトークンを活用するDEX(分散型取引所)ShibaSwapを公開しました。

ShibaSwapは、ユーザー向けにトークンのDig(流動性の提供)、Bury(ステーキング)、Swap(交換)といった機能を提供するために作られました。

具体的な機能として、トークンの交換に加えて、ステーキングや、LEASHの報酬獲得、特定のトークンペアを預けることで報酬が得られるWoofという機能、シバイヌに関連したNFTの購入などを行うことができるNFTマーケットプレイスを展開する場所として公開されています。

BuryではSHIB、LEASH、BONEを一定期間ステーキングすることで報酬としてBONEを獲得することが可能です。

トークンの流動性を提供するDig機能は、ユーザーが流動性を提供することでそのトークンペアの取引で発生する手数料を報酬として獲得できます。

Digにより獲得した手数料を一定期間預けることで、BONEを獲得できるのがWoofの仕組みです。

このようにシバイヌならではのプロジェクト計画が進むにつれて、シバイヌはただのミームコインではないと認識されるようになり、その成果が注目され徐々に話題になっていきました。

NFTコレクションSHIBOSHIS

シバイヌプロジェクトでは、様々な創意工夫を行うアート活動をサポートする取り組み「シバイヌインキュベーター」も行なっています。

何かを成し遂げるために集結した才能豊かなアーティストが参画するシバイヌインキュベーターは、NFTにより創造性と成長を促す環境を整えることでアート活動を支援します。

その中で生まれたSHIBOSHISと呼ばれるNFTコレクションは、世界中の柴犬ファンやシバイヌに影響を受けたアーティストたちが作成しました。彼らは様々なコレクターズNFTを生み出し、コミュニティは盛り上がりを見せています。

また、ユニークな活動として、実際に柴犬を飼っている世界中の愛犬家に対して、独特の性格で飼うことが難しいといわれている柴犬で困っている飼い主をサポートするといった支援活動等も行っています。

レイヤー2ネットワーク「シバリウム」の開発

シバイヌプロジェクトで期待されているプロジェクトのひとつに、独自のレイヤー2ネットワークである「シバリウム(Shibarium)」の開発があります。

レイヤー2技術は、ブロックチェーンの基盤となっているレイヤー1におけるトランザクションの処理速度や、効率性を向上するために導入されるスケーラビリティ問題を解決するための技術です。

シバリウムは、SHIB、LEASH、BONEが利用するレイヤー1のイーサリアムブロックチェーンの上で稼働し、スケーラビリティ、取引時間の短縮、手数料の低減、開発フレームワークの拡張といったメリットを提供します。イーサリアムのセキュリティを享受しながら、オフチェーンでより速く、より安く、よりプライベートなトランザクションを処理できることを目指します。

シバリウムの主な目的は新たな分散型メタバースやブロックチェーンゲームのエコシステムなどに焦点を当て、ユーザー体験の向上を目指すことです。

2023年3月11日に早期ベータテスト版を公開したシバリウムは、同年8月17日に正式版をリリースしました。

シバリウムはリリース後まもなくブリッジされたトークンがロックされたままネットワークが停止し、数時間の間トランザクションが確認できない状況に陥り、ほぼ1日のトランザクション停止を経てブロック生成を再開するというトラブルに見舞われました。

その後、シバリウムは数日間のテストとパラメーターの微調整を経て、強化され、最適化されました。

この件に関してシバイヌの開発者のひとりは、シバリウムのメインネットの再稼働を8月28日に報告をし、今回のネットワーク停止については「シバリウムの問題ではなく、シバリウムが稼動したと発表した際に同時に起こった大量の取引とユーザーの流入によるもの」と報告しています。

シバイヌの今後と将来性は?

シバイヌは暗号資産(仮想通貨)そのものだけではなく、NFTマーケットプレイスや、独自のレイヤー2「シバリウム」の開発など、様々な分野に展開し続けています。

シバイヌの開発チームは、さらにコミュニティShib Armyの集大成となるメタバースプロジェクト「SHIB:The Metaverse」の計画を発表しています。メタバースはインターネット上に構築される3次元空間で、人間がアバターとして相互に作用する仮想世界です。

「SHIB:The Metaverse」は、Shib Armyメンバー(シバイヌ保有者)が集まり、コミュニティやトークン、ゲーム、ShibaSwapなどが一体となりメンバーによる創造、探索、交流、ショッピングなど、さまざまなことができる世界を構築することが目標です。

当初は2021年に一部が公開される予定でしたが、「SHIB:The Metaverse」はレイヤー2のシバリウム上で構築されることから、シバリウムの公開が遅れたことにより、その予定も遅れています。その後、メタバースの一部を2023年12月までにオープンする予定であることを改めてブログにて発表しました。

Shib Armyメンバーはメタバース上に構築された複数のエリアを探索することができるようになる予定です。

「SHIB:The Metaverse」の開発チームは、米国ロサンゼルスに拠点を置くVRの開発に定評のあるTHE THIRD FLOORと提携しています。ブログにて美しいグラフィックなどが公開されていることからWeb3界隈でも注目を集めています。

ちなみに「SHIB:The Metaverse」は、ゲームエンジンとして世界的に有名な「Unreal Engine」をフル活用して作られており、開発にかかる作業工程が大幅に短縮できるそうです。

このようにシバイヌは、ミームコインから脱却し、完全独自のブロックチェーン、暗号資産の道を歩んでいます。

まとめ

これまで、ミームコインは著名人の発言やSNSのトレンドに敏感で、ネタや話題性で価格が変動することが多かったことから、リスクが高い暗号資産(仮想通貨)としても知られています。また、開発者や投資家が大量に保有しているミームコインの場合は、価格操作や売り抜けのリスクが高いので注意する必要もありました。

ミームコインで気をつけなければならないのは、プロジェクトの透明性や監査状況をチェックすることです。開発チームが不明だったり、コードが監査されたりしていない場合は、詐欺やバグの可能性も高まります。

シバイヌのプロジェクトは、その計画が一歩ずつ現実のものとなり、やや遅れてはいますが確実に公開され、シバイヌの構築するエコシステムは絵空事ではないことが証明されてきました。

ミームコインは実用性がないことも多く、投機的な取引に使用されることが多いという面も多々ありますので、ミームコインを購入する場合は、以上のことを踏まえてリスク管理をしっかり行った上で慎重に取引を行うことが重要です。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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