暗号資産(仮想通貨)エンジンコイン(ENJ)とは?将来性や今後を解説

エンジンコイン
将来性
2023-08-16 更新

エンジンコイン(ENJ)は、シンガポールのブロックチェーンエコシステムを開発するEnjin社により、イーサリアムブロックチェーンで発行された、ERC-20規格の暗号資産(仮想通貨)です。Enjin社が開発するエコシステム上では、エンジンコインを利用してNFTを購入したり、反対にNFTをメルティング(溶解)してエンジンコインを獲得したりすることができます。

エンジンコインは他にどのような使い道があるのでしょうか。また、エンジンコインのプラットフォームは、他のNFTプラットフォームとはどのような点が異なるのでしょうか。この記事ではエンジンコインの概要をはじめ、特徴や今後の将来性について解説します。

エンジンコイン(ENJ)とは

エンジンコイン(ENJ)を開発したEnjin社は、2009年にオーストラリア出身でコンピューターサイエンスに精通するマキシム・ブラゴフ(Maxim Blagov)氏と、カナダ出身でソフトウェア設計やセキュリティなどに精通するヴィテク・ラドムスキー(Witek Radomski)氏によって設立され、Enjin Networkというゲームコミュニティプラットフォームのサービスを提供していました。

そして、このEnjin社が2017年にブロックチェーン業界に参入し、誕生したのがエンジンコインという暗号資産(仮想通貨)です。2017年11月、Enjin社はEnjin エコシステムをローンチするため、プロジェクトの基軸通貨となるエンジンコインのICOを実施し、NFTという技術自体がまだ黎明期であった中で2,300万ドル(当時のレートで約26億円)を調達、ICO以外の資金調達も含めると、最終的に総額4,200万ドル(約47億円)もの資金調達に成功しました。

それから、Enjin社は2018年にエンジンコインを基軸通貨とした「Enjin Platform」をリリースした後に、ブロックチェーンゲームにおいて大きな変革をもたらすことになるERC-1155という新しいイーサリアムのトークン規格を開発するなど、高い専門性を発揮し、その後はSamsung(韓国)、Microsoft(米国)、Ubisoft(フランス)、Unity(米国)、Atari(米国)といった世界的にも著名な企業との提携を果たしました。

エンジンコイン(ENJ)の仕組み

エンジンコイン(ENJ)は、「NFTのためのユーティリティトークン」を掲げる暗号資産(仮想通貨)であり、いつでもNFTをメルティングしてエンジンコインに戻すことができる「信頼性」、NFTに保存されている様々な情報による「信憑性」や、「価値」、「希少性」、「有形性」、「アンチインフレ」が特徴とされています。

また、近年ガス代(手数料)が高騰しているイーサリアムネットワークでは、利用者がエンジンコインを入手するだけでも大きな手数料が必要となることもあるため、Enjinエコシステムでは、エンジンコインの他にポルカドット(DOT)のパラチェーンで稼働するエフィニティトークン(Efinity/EFI)が導入されており、この2種の暗号資産が連携してエコシステムで中心的な目的を果たす、「デュアルトークン」方式が採用されていることも特徴のひとつです。

NFTに特化したサービスを提供するEnjinエコシステムでは、「EnjinX(Enjin Marketplace)」というゲームのアイテムやデジタルファッションを購入できるNFTマーケットプレイスが存在します。Enjin Marketplaceでは、ENJを使用してERC-1155規格のNFTを購入したり、前述したメルティングしたりすることができます。

続いて、Enjin社が提供する「Enjin Wallet 2.0」では、EnjinXなどで取引したNFTなどを管理することができます。イーサリアムのEIP-1559という仕組みを導入していることで、取引にかかるガス代(手数料)を下げることができることや、ERC-20規格の暗号資産だけでなく、ビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)などのブロックチェーンにも対応しており、特にビットコインの場合ではSegWitにも対応しているなど、柔軟で使い勝手のよい設計となっていることも特徴です。

他にもEnjin社はウェブウォレットや、「JumpNet」というイーサリアムのサイドチェーンを利用した無料スケーリングソリューションを展開しており、現在はエフィニティトークンを利用した「Multi-chain NFT Highway」という、ガス代を気にせずにトークンを移行できるサービスを開発しているなど、より多くの利用者が手軽にNFTにアクセスするための仕組みを構築しています。

エンジンコイン(ENJ)の将来性

エンジンコイン(ENJ)の将来性は、Enjinエコシステムの利用者増加や、NFTの広がりに大きく依存するでしょう。

Enjinエコシステムの利用者増加という点に着目してみると、前述の通り、Enjin社はNFTを購入するためのマーケットプレイス、NFTを管理するためのウォレット、その他にもNFTを安価に購入できる手段や、NFTを手軽に作成する手段など、数多くのサービスを手がけており、現在も「NFT.io」という、新たなマーケットプレイスのローンチを進めています。

NFT.ioはEnjin Wallet 2.0とシームレスに接続できるように設計されており、利用者が簡単にNFTの取引をしたり、NFTを作成・配布したりすることができるとされています。また、NFTオークションに参加することをサポートするためのNFT専用のコミュニティが用意されるなど、これからNFTの取引をはじめる初心者からNFTに知見のある上級者まで、多くの人々に対応したサービスとなるようです。

EnjinエコシステムはNFT分野で最も歴史のあるプロジェクトのひとつであるものの、一方で、サービスの開発の遅さが指摘されています。実際、近年イーサリアムのガス代(手数料)が高騰する中で、Enjinエコシステムは、エンジンコインとエフィニティトークンという2種類の暗号資産(仮想通貨)によって手数料の低いエコシステムを構築する構想を発表していますが、2023年8月現在では、まだこの仕組みは十分に出来上がっておらず、ガス代の高騰に対する対策が遅れたことは結果的にポリゴン(MATIC)といった暗号資産の台頭を許すことになりました。

この他にも、NFTを取引するためのマーケットプレイスのEnjinXは、ゲームのアイテムなどの取引に特化している反面、NFTの一般的な規格であるERC-721に対応していないといった欠点も存在します。

これらの課題についてはリリース予定のMulti-chain NFT Highwayや、NFT.ioによって解決に向かう見込みです。開発進捗が気になる場合は、Enjin公式サイトのブログ上に隔週で公開されているEnjin Develop Updatesという記事を参考にすると良いでしょう。

続いて、エンジンコインの将来性については、NFTの広がりが重要な要素となっています。これまで解説してきた通り、Enjinエコシステムは、利用者に対してNFTに特化したサービスを提供しているため、NFT自体の人気や注目度が下火になってしまうと、同時にEnjinエコシステムの利用者も減少してしまうことが考えられます。

この点に関しては、Enjin社の取り組みだけで解決できる問題ではありませんが、イーサリアムネットワークのガス代(手数料)高騰問題が解決したり、NFTそのものがより安価で簡単に取引できたり、NFTがより多くのサービスで利用できるようになれば、NFT利用者がおのずとEnjinエコシステムを選択する機会は増加するでしょう。

これまでの価格推移

2017年~2021年末までの価格動向

エンジンコイン(ENJ)は、2017年8月21日から10月31日に実施されたICOでは、1ENJあたり約3.5円(価格は当時ドル/円レートから換算)で販売されており、同年11月に迎えた本リリースから約2カ月間は約2.3円で推移していました。

その後、本リリースから約3か月後となる2018年1月8日、突如としてICO時点の価格から15倍ほどの約50円まで上昇しますが、その後約3年間はこの日の高値を超えられずに推移することとなります。

そして、後にNFT元年とも称される2021年を迎えると、エンジンコインは再び価格を上昇させます。同年1月1日の始値1ENJ=約13円からスタートして以降、急速に価格を上昇させ、2月に入っても勢いは衰えないまま軽々と過去最高値の50円を突破し、翌3月には年初から約30倍の価格である340円の高値を付けました。

それ以降も過去最高値を更新しながら、同年4月には408円をつけますが、その後は1ENJ=約100~370円台を推移しながら、最終的に292円という価格で2021年を閉じることとなりました。

2022年以降の価格動向

明けて2022年は、1月4日に331円という高値をつけたことで好調な滑り出しを見せたかに思えたものの、2022年は結果的に最後までこの高値を超えることはありませんでした。同月21日には米国のNasdaq100指数の値下がりの影響を受け、ビットコイン(BTC)が下落すると、連鎖的にエンジンコインも240円から190円まで、20%以上も値下がりしました

その後約3カ月間は1ENJ=約150~200円の間で推移を続けるものの、米国の政策金利の上昇から暗号資産(仮想通貨)市場全体が活気を失っていき、極めつけには5月中旬、暗号資産の信頼を揺るがすテラ事件と呼ばれる騒動により、エンジンコインは1年3カ月ぶりの水準となる約60円まで下落することとなりました。

その後も、6月には暗号資産市場全体に波及したセルシウスショックと呼ばれる事件や、11月には世界的に話題となったFTX事件と呼ばれる取引所破綻騒動もあり、2022年を31円で閉じることとなります。

エンジンコインが2022年の始値が1ENJ=292円という価格だったにも関わらず、年末に約10分の1にまで下落してしまった不調の要因としては、「暗号資産の冬」と呼ばれるように、暗号資産市場全体が低調であった不可抗力的要因が挙げられる一方で、Enjin社としても、イーサリアムのガス代(手数料)高騰への対処に遅れた結果、この問題を解決できるPolygon(MATIC)などのレイヤー2ソリューションに注目が流れて行ってしまったことも不調に拍車をかけてしまったと考えられます。

そして、2023年に入ると、米国の政策金利上昇に対する楽観的な見方の広がりにより暗号資産市場全体が上向いたことだけでなく、NFTの注目度がやや再熱したこと、さらにはタイミングよくEnjin Wallet 2.0の iOS版サービスを提供できたことなどが重なった結果、年初の始値である1ENJ=31円から約2カ月半の間に、約70円まで上昇します。

3月以降は年初の勢いを失い、価格は下落を続けているものの、Enjinエコシステムでは前述の通り新規サービスが続々と展開予定であるため、この先、巻き返しに成功できるかどうかに注目が集まるところです。

まとめ

エンジンコインは、シンガポールのEnjin社によって発行され、NFT関連のエコシステムを構築するEnjinエコシステムにおける基軸通貨として機能するERC-20規格の暗号資産(仮想通貨)です。

Enjinエコシステムは、最古のNFTプロジェクトのひとつであるものの、ひとくちにNFTといってもゲームで使用されるアイテムの購入などが主な使い道であることから、流行のアート作品に対応できていなかったり、イーサリアムのガス代(手数料)高騰の影響を大きく受けてしまったことで、より安価かつ広範囲でNFTを取引できるサービスの追随を許してしまった過去があります。

対して、Enjin社はこれまで開発の遅さについて指摘されたことはあるものの、開発の方向性自体は一貫しており、実際、イーサリアムネットワークのガス代(手数料)高騰に対するソリューションも予定されており、今後正式リリースが予定される「NFT.io」では、アート作品の取引も可能となるため、より広範囲のNFTユーザーを巻き込むことができるようになります。

さらに、使い勝手の良いウォレットの提供なども行っており、Enjinエコシステムにおける数々のサービスをシームレスに使えるようになる計画が進められていることからも、エンジンコインは今後の巻き返しに注目が集まる暗号資産といえるでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

関連記事

今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン