NFTアートとは?作り方や販売方法も解説

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2023-03-29 更新

ノンファンジブル・トークン(NFT)が注目されるきっかけとなった出来事の一つに、「NFTアート」があります。ゲームやファッションなど、デジタルのモノに唯一性を担保する技術として、さまざまな業界で採用されているNFTですが、アートと融合したNFTアートは一つの作品が何十億円という高値で取引されるなど、特に注目を集めています。

この記事ではNFTアートとは何か、そしてなぜ注目されているかといった背景に加え、N FTの作成・購入方法などについても解説していきます。

NFTアートとは?

NFTは日本語で「非代替性トークン」と訳されます。「非代替性(ノンファンジブル)」とは、他に変えられるものがない、唯一のものという意味です。例えば、ある画家が白いキャンバスに描いた絵は、一つとして同じものはありません。それぞれの手描きの絵には固有の価値があります。これが代替できないものである「非代替性」です。反対に「代替性」とは、交換しても価値が同じものを意味します。例えばある人が持っている100円硬貨は、別の人の手に渡っても同じ価値を持ちます。代替性を持つトークンのことをファンジブルトークン(FT)と呼びます。

NFTはブロックチェーン技術を使うことで、非代替性を実現しています。デジタルデータに固有の価値を与えるNFTは、真正性を保証する証明書や鑑定書のようなものといえるでしょう。

「NFTアート」とは、従来のコピーされてしまうデジタルアートに、このNFTという唯一性の「証明書」をつけたデジタルデータのことです。デジタルデータは、一見簡単にコピーや改ざんできてしまう印象を持つ方もいるでしょう。しかしNFTを使うことでデジタルアートに固有性や真正性を与え、デジタル上の作品を売買可能な市場が形成されました。

また、NFTにはイーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)やポルカドット(DOT)など、それぞれのプラットフォームごとに対応した規格が存在していますが、中でもイーサリアムのERC-721はNFTシェアの大半を占めており、多くのマーケットプレイスで取引が可能であることから、最も代表的な規格といえるでしょう。

注目のきっかけ

NFTアートが注目を集めたのは、大手オークションハウスのクリスティーズでアメリカのアーティスト「Beeple」が販売したNFTアート「Everydays: The First 5000 Days」に約75億円もの値段がついたことでした。この75億円という価格は当時歴代3位の落札額でした。Beepleというアーティスト自身もそれほど有名でないにも関わらず、高額の落札となったことで、世界中を驚かせ、NFTアートへの注目が高まりました。

作品もブロックチェーンで保管する「フルオンチェーンNFT」

NFTの種類の一つとして、「フルオンチェーンNFT」があります。フルオンチェーンNFTアートでの代表的な例としては後述する、CryptoPunksがあります。

フルオンチェーンNFTとは、証明書であるNFTや画像データなど全てがブロックチェーン上に記録されていることです。インターネットや分散的に管理されているブロックチェーンが消えることがない限り、フルオンチェーンであればNFTアートが消えてなくなることはないでしょう。

NFTアートは、証明書であるNFTと、画像や動画によるデジタルアートのデータという別々の2つのものが一つになって形成されます。2022年12月現在、多くのNFTアートでは、画像や動画などのデジタルデータはブロックチェーン外で記録されています。ブロックチェーンに記録されているのは、データのURLなどわずかな情報のみです。別々で保存・記録されている理由は、ブロックチェーンに書き込めるデータ容量が小さいからです。

書き込めるデータ容量が小さいため、画像データなどをブロックチェーンの外にあるファイルストレージに保管しておき、保管場所のURLをブロックチェーンで管理しています。CryptoPunksは一つひとつが24×24ピクセルの小さなデータのため、フルオンチェーンを実現できています。

なお、保管場所のURL自体もブロックチェーンに記録せずに、ブロックチェーン外で管理するものもNFTアートとして販売されることがあります。

NFTアートの特徴

NFTアートの特徴としては、「唯一性」「ロイヤリティ収入が可能なこと」などが挙げられます。

唯一性

前述したように、NFTアートはこれまでのアートとの違いにブロックチェーンを使うことによって「唯一性」が実現されています。「唯一性」の証明書がつくことで、コピーではないことが証明され、それぞれに価値がつけられるようになったことが、特徴として挙げられるでしょう。

それぞれ固有の価値を証明する技術を使うことで、10点や100点といったように数量を限定して、シリアルナンバーをつけたようなNFTアートが可能です。

ロイヤリティ収入が可能

次に大きな特徴として挙げられるのが、アーティストに二次流通時のロイヤリティ収入が設定できることです。これまで、アーティストが作品の収入を得るには、画廊やコレクターに新作を直接販売する一次流通のプライマリー市場がほとんどでした。特にまだ知名度も高くないアーティストの場合は、いくら時間をかけた絵だとしても、高収入を得ることは難しいでしょう。

アート作品の価格が高く買われる可能性が高いのが、オークションなどのセカンダリー市場です。オークション後も、作品の評価が高ければ、さらに他の人の手に渡り、長い時間をかけて高額で取引されることになります。しかし高額取引の際にアーティストに収入は入ることは少ないのが現状です。

こうした状況を大きく変える可能性を持つのが、NFTアートです。スマートコントラクトを用いて、二次流通時にも一定割合の収益をアーティストが得られるように、あらかじめプログラムしておくことが可能です。この割合はアーティストが自由に決めることができます。アーティスト側からしても、画廊に持ち込んで販売する必要がなくなるほか、高額な仲介手数料を払う必要がなくなり、アーティストの収入が向上することにつながるでしょう。

著作権は作者に帰属

NFTアートを購入したからといって、著作権や知的財産権が購入者に譲渡されるわけではありません。実際には作品自体を購入したわけではなく、作品に関連するメタデータを購入したことになるからです。

NFTの購入者は著作権者の承諾を得なければ、NFTを複製するといったことはできません。ただし、こうした著作権に関する取り扱いはマーケットプレイスごとに異なる場合があります。購入する際には利用規約を確認しておきましょう。

代表的なNFTアート

実際にNFTアートにはどのようなものがあるのでしょうか。

世界初のNFTアートは、ニューヨークのアーティストであるケビン・マッコイ氏によって2014年に手掛けられた「Quantum」とされています。しかし、前述したようなERC-721の技術は使われていません。ERC-721はQuantumの発表後に生まれており、Quantum自体はデジタルアート作品の所有権をブロックチェーンで裏付けた作品で、当時、マッコイ氏は自身の作品について「マネタイズド・グラフィックス」と呼んでいました。実際にERC-721が初めて使われたNFTは「CryptoPunks」というNFTプロジェクトです。

CryptoPunksはドット絵で描かれた10000種類あるオリジナルキャラクターです。当初はイーサリアムに対応したウォレットを保有する人なら誰でも無料で入手することができました。しかし、やがて数ドルほどの価値で売買されるようになり、2022年12月20日現在では、入手可能な最低価格は63.68ETH(約950万円)です。2022年2月には、史上最高値の8000ETH(当時約27億円)で取引されました。

CryptoPunks以外にも人気が高いコレクションとして、Bored Ape Yacht Club(BAYC)が挙げられるでしょう。BAYCは猿をモチーフにしたNFTコレクションです。コレクション保有者のみが参加できるDiscordグループがあり、NFTを保有することが会員権としての役割を果たしています。

日本国内でのNFTアートでは、2021年12月に鉄腕アトムのモザイクアートが120ETH(当時約5300万円)で落札されました。原作者の手塚治虫氏の原稿データを使ってモザイク上に配置することで鉄腕アトムを描き出しています。

NFTアートの作り方・販売方法

NFTアートは特別な拡張子やソフトウェアで作らなければいけないわけではありません。自分で製作したデジタルアートがあれば、NFTアートとして販売できます。基本的にはイラストを作成するアプリケーションを使って、JPEGやPNG形式などの画像を作成すればNFTアートを作ることができます。さらには、CryptoPunksのようなドット絵を作るためのスマートフォンアプリも登場しています。

ただし、マーケットプレイスによっては、アーティストが招待制のところがあったり、作品集の提出や経歴を求められたりするものもあります。

そうして、作成した画像をNFTマーケットプレイスにアップロードすれば、デジタルアートがNFTアートになります。NFTを作成することを「ミント」するといいます。ミントとは「鋳造」という意味です。ミントする際に重要なのはデザインだけではありません。アーティストの思想やコンセプトも記載できるため、重要なアピールポイントになります。

NFTマーケットプレイスの利用手順

NFTマーケットプレイスは様々ありますが、大まかな利用手順はほとんど同じ仕組みになっています。以下のような手順が一般的です。

  1. ①アカウントを作成
  2. ②暗号資産(仮想通貨)ウォレットを用意
  3. ③マーケットプレイスのアカウントを作成
  4. ④作品をアップロード

アップロードする際に作品のタイトルや説明文のほか、定額販売にするか、オークション形式にするかなどの販売形式を設定します。

なお、NFTマーケットプレイスでNFTを販売するには出品にかかるガス代が必要です。このガス代を支払うためにDMM Bitcoinなどの暗号資産交換業者で口座を開設し、自身の暗号資産ウォレットに暗号資産を送金しておく必要があるでしょう。

NFTの税金について

NFTやNFTアートに関して、2022年4月に国税庁から「NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係」が公表されています。「いわゆるNFT(非代替性トークン)やFT(代替性トークン)が、暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できるものである場合、そのNFTやFTを用いた取引については、所得税の課税対象」と明言されています。

また、譲渡したNFTが譲渡所得の基因となる資産に該当する場合(その所得が譲渡したNFTの値上がり益(キャピタル・ゲイン)と認められる場合)は、譲渡所得に区分されます。

NFTアートの購入方法

NFTアートを購入するにはウェブ上にあるNFTマーケットプレイスを利用します。作成・販売する場合と同様にアカウントを作成します。また、事前に暗号資産(仮想通貨)ウォレットを用意しましょう。

購入のためにウォレットに暗号資産を保有しておく必要があります。DMM Bitcoinなどの暗号資産交換業者を通じて、販売されているNFTに該当する暗号資産を購入します。ETHが購入するための暗号資産として指定されているのが一般的です。

暗号資産をウォレットに入金できれば、マーケットプレイスとウォレットを連携させ取引を行います。ただし、2022年ごろからイーサリアム以外の暗号資産が使える場合やクレジットカード決済を対応しているマーケットプレイスも出てきています。

NFTマーケットプレイスでは、作品ごとに固定価格か、オークション形式なのかが設定されています。実際に気に入った作品を見てみるといいでしょう。

NFTマーケットプレイスは数多くあります。有名なNFTマーケットプレイスでは、NFTアートだけでなく、音楽やトレーディングカードといったものが売られているものもあります。

まとめ

NFTアートは、デジタルアートに「証明書」であるNFTを付与することで、唯一性や真正性が担保されます。これまでに何十億円という価格で落札されるなど、ますます注目度が高まっています。アーティスト側にとっても、セカンダリー市場での売買から収益が見込めるようになるでしょう。

さらに高額なNFTアートを分割所有するなど、これまでとは異なったアートの所有方法も出てきています。NFTがデジタルアートに組み込まれることで、より多くの人がアートを所有したり、親しんだりできるようになりました。

NFTアートはまだ生まれたばかりで、次々と新しい作品が発表されています。今後話題になる作品が登場することや、メタバースといったデジタル空間との連動性も期待できるでしょう。

ただ一方で、アートを含めたNFT全体の取引高が2022年の「暗号資産(仮想通貨)冬の時代」に合わせて下落しています。2022年1月時点で48億ドルあった取引高は、同年10月には5億ドル弱と9割ほど減少したことを見ると、単純に、市場が伸びていくと主張するのも難しいようです。NFTアートを投資として取り組む場合は慎重に検討する必要があるでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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