暗号資産(仮想通貨)の半減期とは?

仮想通貨
半減期
2023-02-08 更新

ビットコイン(BTC)を始めとした、いくつかの暗号資産(仮想通貨)には採掘報酬が半分になる「半減期」が組み込まれています。半減期は価格の変動や、マイニング(採掘)と呼ばれる暗号資産を得る作業に関連する重要なシステムです。

この記事では、ビットコインをはじめとしてアルトコインを含めた暗号資産に備わっている半減期について解説します。

半減期とは

半減期とは、マイニングによる暗号資産(仮想通貨)の新規発行報酬が半分になるタイミングのことをいいます。ビットコインでは約4年に1度訪れますが、暗号資産の種類によってサイクルは異なります。

ビットコインやライトコイン(LTC)などの暗号資産は、管理者が存在しない分散型ネットワーク上で流通しています。しかし管理者がいない分散型ネットワークでは誰かが取引を検証しなければいけません。マイニングとは、その分散型ネットワーク上で流通する暗号資産のトランザクションの正当性を検証するために、世界中のノード(マイナー)が分散して計算を行うプロセスのことです。

ネットワーク上のマイナー(採掘者)は、検証したトランザクションを集め「ブロック」と呼ばれるデータの塊を生成します。このブロックをいち早くブロックチェーンに繋いだマイナーに、報酬として新たに暗号資産が付与されます。

ちなみに、ビットコインの半減期が4年に一度訪れるというのは、ブロックが21万ブロック生成されたときのことをいいます。ビットコインではブロックが10分ごとに生成されるため、「10分×21万=約4年」として半減期の時期が予想されます。

ビットコインでは、1ブロックが約10分ごとに生成されるため、報酬は約10分ごとに支払われています。この報酬はビットコインが始まった当初は1ブロックあたり50BTCでしたが、半減期によって2012年11月28日に25BTCに、2016年7月9日に12.5BTC、2020年5月11日に6.25BTCへと半減してきました。次回は2024年春ごろ(2022年11月現在)が予定されています。この時期は計算機器の発達や、計算難易度を自動で調整するアルゴリズムによって多少前後します。

採掘報酬は永遠にあるわけではありません。ビットコインでは2140年ごろに2100万枚のビットコインがマイニングされるまで、半減期によって報酬が半減していくとされています。

半減期がある理由

マイニングによって発行される暗号資産(仮想通貨)は、もし発行量を制限しないとなると過剰に暗号資産が市場に出回ることになってしまい、資産価値が希薄化することでインフレーションにつながってしまいます。そうなると資産価値が上昇しにくくなってしまうでしょう。

そのため、年々需要が増加するという想定のもと、半減期によって徐々に新規発行数が減っていくことで希少価値が高まり、急激なインフレを防ぐことを狙って設計されています。

また、ビットコインの発行上限が2100万BTCと決められているように、暗号資産は発行上限が決まっているものが多くあります(発行上限がない暗号資産もあります)。これは政府や中央銀行が、原理的には無制限に発行できる法定通貨とは異なるものです。実際に2022年6月に40年来のインフレとなったアメリカでは、新型コロナウイルスの経済対策として、アメリカ政府が大量に米ドルを供給したことがインフレの要因の一つとされています。

このように、発行上限に向かって半減期によって徐々に報酬が減少することで、希少価値が高まり、インフレ耐性を持つ資産になるとされています。

ちなみに安全資産とされる金(ゴールド)も同様に埋蔵量が決まっているとされており、年々採掘量が減っていくことで希少価値が高まっているといわれます。

半減期前後の価格動向

希少価値に貢献する半減期は、暗号資産(仮想通貨)の価格上昇にも関係するとされます。

実際にビットコインでは半減期を境に、4年ごとに史上最高値を更新してきています。ただし、半減期が起きた後すぐに価格が上昇するわけではありません。ビットコインでは、2012年11月の半減期から1年後の2013年に入って価格が上昇しました。2016年7月の2回目の半減期では、2017年12月に最高値を更新するなど、場合によっては半減期から1年以上かかることがあります。2020年5月の3回目の半減期後のサイクルでは2021年11月の6万9000ドル付近が最高値となっています(2022年11月末現在)。

ただし、全ての暗号資産が半減期を境に価格が上昇しているわけではありません。

ビットコインと同様のコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)」を持つモナコイン(MONA)は2022年11月現在で、半減期を2回迎えています。

2017年7月にあった半減期後には価格が大きく上昇しましたが、2回目の2020年9月の半減期後にはまだ大きな価格上昇はありません(2022年11月現在)。1回目の半減期後の価格上昇も、モナコインの半減期による需給バランスというより、暗号資産市場全体が上昇したことに合わせて動いたとも考えられます。

こうしたことから、半減期後には需要と供給のバランスから価格上昇が見込まれているものの、必ず史上最高値を更新するわけではありません。投資にあたっては、さまざまな情報を鑑みる必要があるでしょう。

2023年に半減期を迎える暗号資産(仮想通貨)は?

2023年にはいくつかの暗号資産(仮想通貨)が半減期を迎えます。

ライトコインの半減期

そのうちの一つがライトコインです。ライトコインの次回の半減期は2023年夏頃とされています。ライトコインもビットコイン同様に発行当初は50LTCがマイナーに報酬として与えられました。ライトコインは1ブロックごとの生成時間は2.5分で、84,000ブロックがマイニングされるごとに採掘報酬が半分になります。そのため、ビットコインと同様に約4年ごとに半減期が訪れ、2142年ごろまで続くとされています。これまでに半減期は2015年8月、2019年8月と2回起きており、現在の採掘報酬は12.5LTCです。次回の半減期後には6.25LTCとなります。

モナコインの半減期

モナコインもコンセンサスアルゴリズムにPoWを採用しており、半減期によって採掘報酬が半減していきます。ただし、ビットコインやライトコインとは異なり、ブロックが90秒ごとに追加され、約3年(105万1000ブロックごと)に一度と、やや早いタイミングで半減期が訪れます。これまでに半減期は、2017年7月と2020年9月の2回あり、次回の半減期は2023年秋を予定しています。

現在の採掘報酬は12.5MONAで、発行上限数量は1億512万MONAで設定されています。

DMM Bitcoinで取り扱う暗号資産(仮想通貨)の半減期

DMM Bitcoinでは、現物取引17種類、レバレッジ取引は国内最多(※)の24種類の暗号資産(仮想通貨)を取扱っています。

※2022年11月現在、国内暗号資産交換業者及び第一種金融商品取引業者のWEBサイト調べ

これまでご紹介してきたビットコインやライトコイン、モナコインも含めて、今後の半減期の予定を確認しておきましょう。以下に示したタイミングは2022年11月末時点のものです。半減期のタイミングはマイニングを行うコンピューターやマイニングへの参加者数によって早くなったり、遅くなったりします。

暗号資産名 次回半減期
(2022年11月現在の推定値)
採掘報酬
ビットコイン 2024年5月 3.125BTC
ライトコイン 2023年8月 6.25LTC
モナコイン 2023年10月 6.25MONA
クアンタム 2025年12月 0.25QTUM
イーサクラシック 2024年8月 2.048ETC
ビットコインキャッシュ 2024年4月 3.125BCH

DMM Bitcoinで扱っている暗号資産ではこれまで紹介してきたビットコインやライトコイン、モナコインの他に、クアンタム(QTUM)、イーサクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の3銘柄で半減期があります。

クアンタムの半減期はビットコインと同様に、約4年に一度あり、次回は2025年12月に半減期を予定しています。QTUMの最大供給量は107,822,406.25QTUMで、2045年まで発行されます。クアンタムでは、ビットコインなどのPoWと異なり、コンセンサス・アルゴリズムにPoSを採用しています。QTUMの保有量が多いほど、報酬を得られる「QTUMステーカー」に選ばれる確率が高くなります。このステーカーがビットコインでいうマイナーに相当し、半減期ごとに報酬が半分になるという仕組みです。

イーサクラシックは500万ブロックごとに採掘報酬が20%減少するため、厳密には半減期とは異なりますが、半減期と同じ仕組みで、インフレを抑えるために供給量が減少していく仕組みです。次回は2024年夏頃に予定されており、採掘報酬は2.048ETCとなります。

ビットコインキャッシュの半減期は21万ブロックごとに実行され、2020年4月に初めて半減期を迎えました。次回は2024年春頃を予定しています。採掘報酬は3.125BCHとなる予定です。

関連コラム:
ライトコイン(LTC)の半減期とは?価格にいつどんな影響が?
モナコインの今後と将来性は?2023年の動向を詳しく解説
クアンタム(QTUM)の半減期とは?価格への影響も解説

まとめ

ビットコインをはじめとした多くの暗号資産(仮想通貨)には、希少価値を高める要素として半減期が組み込まれています。半減期は、マイニングによる採掘報酬が減少するタイミングから、価格変動に影響するとされます。特にビットコインやライトコインに採用されているコンセンサスアルゴリズムのPoWでは、ネットワークのセキュリティを維持する観点からもマイニングは重要な役割を果たしています。大量の計算を管理者なしで実現することでネットワークを保護しているのです。

ビットコインではこれまで、半減期ごとに史上最高値を更新してきていることもあり、半減期は投資家が値動きを予想するために注目しています。

ただし、半減期ごとに供給量が減るからといって、必ずしも価格上昇に繋がっているわけではありません。ビットコインと同様のコンセンサスアルゴリズム「PoW」を持つモナコインなどはこれまでに2回の半減期を迎えていますが、1回目前後は大きく価格変動があったものの、2回目以降は2022年11月現在で最高値を更新するような価格上昇は見られていません。

さらに半減期の当日に価格変動が起きるわけではなく、ビットコインでは半減期が一年過ぎてから最高値を更新するなど、時期も不明瞭です。

そのため、投資にあたって半減期は参考情報の一つとして捉えるのがいいでしょう。ビットコインの半減期についてさらに詳しくお知りになりたい方は「ビットコインの半減期とは?価格動向の予測に必須の知識」をご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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