ビットコインの時価総額の今と今後について

ビットコイン
時価総額
2020-07-29 更新

ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)が、世界中でどの程度の規模で流通し、どれだけの資金を集めているのか、いわば人気ぶりをうかがえる情報が時価総額です。時価総額から具体的に何が分かり、どういった視点から観察するのが有効なのか説明しましょう。

ビットコインの時価総額とは

株式や債券、為替など、市場で取引されているものの時価は日々刻々と変動しています。その価値を評価する指標の1つとして、時価総額と呼ばれるものがあります。ビットコインのような暗号資産(仮想通貨)も例外ではなく、時価総額という尺度をもとにその価値を評価できます。時価総額で評価することによって、いったいどのようなことが分かるのか? 順を追って見ていきましょう。

時価総額とは、暗号資産の価値を相対比較するためのモノサシ

ビットコインをはじめ多数の暗号資産が流通しているのは周知の通りですが、それぞれで価格や発行数量は異なっています。つまり、単純に価格の違いだけに目を向けても、同じ条件のもとでの公平な比較を行えないということです。その点、時価総額と呼ばれる指標は暗号資産の価格とともに、発行数量も踏まえた総合的な比較が可能となります。

時価総額の計算式は非常にシンプルでわかりやすい

時価総額の計算式は単純明快で、次の式によって算出できます。

時価総額 = 暗号資産の市場価格(時価)× 発行数量

市場で取引されている暗号資産の価格は常に変動していますし、マイニング(採掘)が進めば発行数量も増えていきます。したがって、時価総額もそれらの変化に応じて更新され続けています。

時価総額から分かること

価格・発行数量の両方がともに右肩上がりを描けば、価格と発行数量との掛け算である時価総額はどんどん増えていくことになります。そして、時価総額が大きければ大きいほど、信用力が高いと評価するのが一般的だといえるでしょう。人気を集めているからこそ、価格が上昇傾向にあるわけですし、実際により多くの投資家がその暗号資産を保有しているからです。

たとえば株式市場においては、2020年3月現在、世界で最も大きな時価総額を誇っているのがサウジアラビア王国の国有石油会社Saudi Aramcoです。そして、それに次ぐ存在がMicrosoftやApple、Amazon.com、Googleの持ち株会社であるalphabet、Alibaba Group Holdingとなっており、誰もが世界をリードしている企業だと納得できることでしょう。同じく暗号資産の世界においても、多額の時価総額を誇るものは投資家から強く支持され、信任も厚いと判断して差し支えなさそうです。

ビットコインの時価総額の見方

暗号資産(仮想通貨)同士でその規模を比較する方法としては、時価総額という指標は基本中の基本といえます。この他にもさまざまな観点から見ることで、価格の推移のモメンタム(すう勢)などまでうかがい知ることが可能です。ここでは、いくつかの見方のポイントについて紹介していきます。

価格上昇率、24時間取引ボリューム、BTCドミナンス、発行数量に注目

時価総額に関連するデータで特に注目しておきたいのは、①価格上昇率、②24時間取引ボリューム、③BTCドミナンス、④発行数量といった4つのポイントです。それぞれが何を意味しているのかについて見ていきましょう(BTCはビットコインの単位)。

ビットコインの足元の勢いが分かる価格上昇率

その名の通り、価格上昇率は価格がどれだけ上がったのかを示した数値で、値上がり率ともいわれます。仮に100円だった価格が150円になれば+50%、180円になれば+80%の上昇率となります。価格上昇率が高い暗号資産ほど、投資家の間で人気が高まって買いが殺到している状況となっていると推測できます。

ただ、過熱しすぎた人気はやがてピークアウトし、上昇が急であればあるほど、その反動で急落に転じるケースが多いのも確かでしょう。単に上昇率の数値だけを見るのではなく、現在に至るまでの変化もきちんと観察しておくのが無難です。

取引の盛況ぶりが分かる24時間取引ボリューム

ボリュームとは、日本の投資用語に置き換えれば「出来高」となり、売買が成立した暗号資産の総額を意味します。ボリュームが多いほど取引が活発で、売買も成立しやすいと考えられています。暗号資産の場合は、24時間ごとのボリュームの推移を見て判断するのが一般的です。

ボリュームが目立って増えれば、暗号資産の価格も大きく動きやすくなります。その意味では、価格を動かすエネルギーのような存在ともいえるでしょう。

また、暗号資産のボリュームには独特の現象が生じることもあります。アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)を買うために、いったんビットコインを買ったり、あるアルトコインで別のアルトコインを買ったりする投資家の行動もボリュームに影響を及ぼすことがあります。

ビットコインのシェアを把握できるBTCドミナンス

BTCドミナンスとは、暗号資産(仮想通貨)市場全体におけるビットコインのシェアがどの程度に達しているのかを示す指標です。

BTCドミナンスの動向

2017年の前半までBTCドミナンスは80%を超えており、実に8割以上の高いシェアを獲得していました。しかし、2017年6月に分裂してビットコインキャッシュ(BCH)という新たな暗号資産が誕生。さらに同年11月にもビットコインゴールド(BTG)が分裂・誕生し、こうした動きに伴ってBTCドミナンスは一時急低下しており、2018年に入ってからは40%を割り込む局面もありました。

2018年前半には30%台で推移した時期があったものの、後半には回復し、2018年8月には50%を超えました。

またその直後に、ビットコインを含めた暗号資産の価格が大暴落、暗号資産市場全体が冷え込みました。それによりアルトコインはビットコイン以上に動きが鈍化し人気が低迷しています。この時ビットコインは徐々に人気を取り戻し、2019年になってドミナンスが60%を超えました。2019年8月には70%に届きそうな勢いを見せています。2020年に入ってからは、ビットコインは60%台をキープしています。

BTCドミナンスから読み取れるトレンド

BTCドミナンスは単にビットコインのシェアが分かるだけではなく、その推移を観察していると、投資のヒントが見つかることがあります。BTCドミナンスの動きにはトレンドが生じることがあるからです。

もし、足元でBTCドミナンスに低下傾向がうかがえたとしたら、他の暗号資産への資金流出が顕著になっている可能性が考えられます。つまり、ビットコインの価格が下落し、代わって他の暗号資産のいずれかが上昇するという展開を想定できるわけです。

もちろん、その正反対のパターンも考えられます。BTCドミナンスの拡大が続いていたら、逆にビットコインが買われて、他の暗号資産のいずれかが売られることになりそうだと推察できます。

BTCドミナンスの注意点

BTCドミナンスについては、本当は90%を超えているという見方もあります。米メディアの報道によると、現在の70%弱というビットコインのシェア計算方法には、流動性が加味されていないことが指摘されています。

流動性を考慮しない計算方法では、事前発行数の多い暗号資産がわずかな取引で市場価格を決定し、時価総額を上げられるため、マイナーな暗号資産が一部の暗号資産取引所を使い意図的にシェアを確保できることを指摘しています。報道では、市場の流動性を加味すると、現在最も流動性の高いビットコインのシェアは、90%の超えるという研究成果があることを紹介しています。

普及率や価格の変動性が分かる発行数量

発行数量とは、マイニング(採掘)されて世の中に出回っている暗号資産(仮想通貨)の数量のことです。時価総額の計算式「暗号資産の市場価格(時価)×発行数量」の逆算(時価総額÷暗号資産の市場価格)によって、発行数量を把握することも可能です。

発行数量が少ない暗号資産は、発行数量が多いものと比べて価格変動が派手になりがちです。発行数量が多い暗号資産の場合にはさほどインパクトを与えない規模の資金流入・流出であっても、発行数量が少ない場合には大きな価格変動に結びつくことがあります。短期で大きな値上がりを期待できる反面、急落に巻き込まれるリスクも高いといえそうです。

また、ビットコインは最初から2,100万BTCという発行数量の上限が定められており、多くのアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)においてもそれぞれ独自に上限が設けられています。一方で、アルトコインの中には発行数量が無制限となっているものも存在します。発行数量に上限があって、すでにそれなりの量が流通している暗号資産は新規発行も限られてくることから、希少性という観点で価格が上昇しやすくなる可能性が考えられます。

ランキングデータから分かること

暗号資産(仮想通貨)の時価総額は複数WEBサイトで公表されており、そのランキングデータも簡単に閲覧できるようになっています。ランキングデータでは、それぞれの暗号資産の時価総額とともに、価格や前述した価格上昇率、24時間ボリューム、発行数量などをチェックできます。したがって、純粋に時価総額で上位に入っている暗号資産の顔ぶれとそれらの足元の売買状況を確認するのはもちろん、その時点で際立って上昇しているものに注目する際にも役立つことでしょう。

基本的に日本国内で公表されているランキングデータの価格や時価総額は円建ての金額になっており、海外のものはドル建てになっています。円建てにはドル/円相場の動きが影響を及ぼすので、ドル建てとは多少異なる推移となります。

ビットコインの時価総額の推移と今後

ビットコインの生みの親といわれているサトシ・ナカモトが同暗号資産(仮想通貨)に関する論文を2008年10月末に発表し、翌年1月初めには最初のブロックが生成されました。そして、その約1週間後には最初の取引が行われたのですが、今日に至るまでビットコインの時価総額はどのように推移してきたのでしょうか? さらに、特に気になるのは今後の行方でしょう。ビットコインの時価総額に関する過去と未来について見ていきます。

ビットコインの時価総額は過去11年で急拡大

ビットコインと法定通貨の交換レートが初めて提示されたのは2009年10月のことで、1ドル=1,309.03BTC(1BTC=0.00076392ドル)でした。以来、数年間はあまり目立った動きが見られなかったのですが、2011年6月に初めて著しい価格上昇を示し、一時31.91ドルまで急騰しました。そして、2013年3月16日にはキプロスで金融危機が表面化し、同国の法定通貨・ユーロの信認が揺らいでビットコインへと資金を避難させる動きが広がったことなどから、3月末に一時1BTC=90ドル以上まで上昇しました。さらに4月には一時1BTC=228.54ドルとなり、当時としての史上最高価格を記録し、時価総額は10億ドルを突破したとされています。

その後、2015年前半までは下落に転じていたビットコイン価格ですが、じわじわと上昇傾向を示していくようになり、2016年後半からそのピッチが急加速しました。

2017年~2018年の動向

2017年に入ると2013年の最高価格を次々と更新し、特に12月に入ってからは約80%も急伸して価格1BTC=1万9,500ドルにあと1歩まで迫りました。

特に2017年は、ビットコインからビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインゴールド(BTG)が相次ぎ分裂し時価総額が一進一退となる局面があったものの、先で述べた目覚ましい価格上昇によって、同年12月半ばには史上最高額である3,260億ドル台に到達しています。これは、世界石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェルの時価総額約2,813億ドル(2017年末時点)をしのぐ規模です。

しかし、2018年を迎えてからはビットコイン価格の下落基調が鮮明になり、2018年6月の時点の時価総額は1,300億ドル台まで減少しています。その後も下落傾向は続き、12月末には1BTC=3,800ドル前後、時価総額670億ドル前後となりました。

2019年の動向

2018年年末から2019年年初は、暗号資産市場全体が取引低迷を迎えるも、ビットコイン価格は1BTC=3,000ドル台後半をかろうじてキープしたため、時価総額も小康状態が続きました。その後、3月頃より1BTC=4,000ドル台へと上昇、4月には一気に4,000ドルから5,000ドルを超え、ビットコイン価格は上昇基調へと転じました。同年6月下旬には、2018年3月上旬以来1年3ヵ月ぶりに価格が1BTC=1万ドルを突破しました。同様にこの6月下旬は、1BTC=1万3,000ドルを超える2019年の最高値を記録しており、時価総額も2,000億ドルを突破するまでに回復しました。

2020年1月~4月の動向

2019年の後半から2020年の年初は、ビットコイン価格は1BTC=9,000ドルから7,000ドルあたりを行き来し、何度か1万ドルを突破することもありました。しかし2020年3月に入り急落し、1BTC=3,400ドル台の最安値を付けました。しかし、その後すぐに価格は1BTC=7,000ドル台まで復帰。2020年4月末では、価格は1BTC=7,000ドル前後を推移しており、時価総額は14,00億ドル前後となっています。

将来的にビットコインの時価総額はどうなる?

肝心なのは今後の動きです。数多くの専門家がビットコインの価格予測について独自の見解を示し、その見方が対立しているケースも見受けられます。

ここでは、その中でも話題になっている識者・アナリストらによるビットコインに関する将来予測をいくつか紹介しておきます。ビットコインに関する将来的予測・評価はまちまちといえる状態のため、そのまま鵜呑みにしたりせず、賛否両論の意見があることを理解しておきましょう。

楽観派

著名ベンチャー投資家のティム・ドレイパー氏は2018年9月、次の15年で暗号資産(仮想通貨)市場の時価総額が80兆ドルに到達するとの見方を示しました。この15年で、米国の株式市場を上回る規模に成長すると予想しています。同年の暗号資産相場の下落要因は、暗号資産を新たな資産クラスとして見なしていない投資家にあると指摘しています。多くの投資家がこれらの技術に慣れてくれば、暗号資産(ブロックチェーン)が世界中の重要な産業を変えるだろうと話したとされます。

デジタル資産管理会社モルガン・クリーク・デジタル共同創設者でビットコイン強気派として知られるアンソニー・ポンプリアーノ氏は、これまでビットコインが非相関資産であるという見方を主張してきました。これは、ほかの伝統的な資産とともに上下するわけではないということを意味しています。

ポンプリアーノ氏は、2019年5月の米中貿易戦争を例に挙げ、世界経済が不安定な中でも、ビットコインの価格は、伝統的な市場を代表するS&P500とは逆の方向に動いたことを示し、これをビットコインの負の相関と呼んでいることを明かしました。

ポンプリアーノ氏は、ビットコインをグローバルなリスクヘッジ手段として見ています。非相関資産という関係性は、不安定な市場が続く中でグローバルなリスクヘッジ手段として、非常に重要になると語っています。ビットコインは、投資家の富を多様化する手段・富を守る新たな手段となり、投資家はビットコインなしではやっていけなくなると主張し続けています。また、氏は中央銀行が米ドルへのリスクヘッジのためにビットコインを購入するようになるだろうとも予測しています。

中間派

ソーシャルキャピタルCEOで、初期のFacebookで幹部を務めたことのあるチャマス・パリハピティア氏は、将来、ビットコインの価格は数百万ドルになる可能性もある一方、ゼロになる可能性もあると予測しています。パリハピティア氏は、前述のポンプリアーノ氏のとの対談で、ビットコインの成功は現行の金融システムが崩壊への道を辿り続けることによって決まると主張しました。金融システムが崩壊し信用を失うことで、資産の逃避先としてビットコインは機能し、その価格が100倍になる可能性があるとしています。

パリハピティア氏は、世界経済が2030年までに経済危機から脱出する方法を見つけることができない可能性があると見ているものの、ビットコインのボラティリティ(価格変動)が高すぎることを理由に、すぐにビットコインが法定通貨に取ってかわることはないと述べています。

悲観派

スイス最大手の銀行UBSは、ビットコインが米ドルの供給量を超えるためには、1BTC=21万3,000ドルの値を付けるか、ビットコインの決済能力を大幅に改善しなければならないというレポートを2018年6月に発表しました。

UBSの報告は、ビットコインはVISAなどのクレジットカードと比べて極端に決済能力が低いため、取引量が少なすぎることを指摘しています。決済能力の限界がビットコインの決済利用機会が増えない要因になっていると分析しており、現状のビットコインは不安定で、海外送金に用いることや主流な資産クラスになることは難しいという見解を示しています。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、海外メディアによる2020年2月24日のインタビューにて、暗号資産は基本的に価値がないと述べ、他の人に売る以外は何もできないという主張を繰り返しています。ただし、バフェット氏は暗号資産を形成するブロックチェーン技術については、高く評価しているとされます。

ビットコインの時価総額まとめ

暗号資産(仮想通貨)の価値を相対比較するうえで、重要な指標の1つとなるのが時価総額です。2009年1月に誕生してから2020年4月現在まで、ビットコインの時価総額は拡大傾向を続け、他の暗号資産を圧倒する規模を誇っています。2018年に入ってから価格が急落したことで今後の行方について悲観的な見方も出ていましたが、2019年以降価格は上昇傾向にあり、一定の価格帯、時価総額を堅持しています。今なおビットコインの時価総額は他の暗号資産を大きく上回っている状況が続いているのです。

ビットコインの今後の動向について興味を持たれた方は「ビットコインの2020年、今後はどうなる?最新動向を解説」もご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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