ビットコインの時価総額の今と今後について

ビットコイン
時価総額
2018-09-26 更新

その仮想通貨が世界にどの程度の規模で流通し、どれだけの資金を集めているのか、言わば人気ぶりを確認できるのが時価総額です。時価総額から具体的にどのようなことがわかり、どういった視点から観察するのが有効なのかについて説明します。

ビットコインの時価総額とは

株式や債券、為替など、市場で取引されているものの時価は日々刻々と変動しています。その価値を評価する指標の1つとして、時価総額と呼ばれるものがあります。ビットコインのような仮想通貨も例外ではなく、時価総額という尺度をもとにその価値を評価できます。時価総額で評価することによって、いったいどのようなことがわかるのか? 順を追って見ていきましょう。

時価総額とは、仮想通貨の価値を相対比較するためのモノサシ

ビットコインをはじめとする多数の仮想通貨が流通しているのは周知の通りですが、それぞれで価格や発行数量は異なっています。つまり、単純に価格の違いだけに目を向けても、同じ条件のもとでの公平な比較を行えないということです。その点、時価総額と呼ばれる指標は仮想通貨の価格とともに、発行数量も踏まえた総合的な比較が可能となります。

時価総額の計算式は非常にシンプルでわかりやすい

時価総額の計算式は単純明快で、「仮想通貨の市場価格(時価)×発行数量」によって算出されます。市場で取引されている仮想通貨の価格はつねに変動していますし、マイニング(採掘)が進めば発行数量も増えていきます。したがって、時価総額もそれらの変化に応じて更新され続けています。

時価総額からわかること

価格・発行数量の両方がともに右肩上がりを描けば、価格と発行数量との掛け算である時価総額はどんどん増えていくことになります。そして、時価総額が大きければ大きいほど、信用力が高いと評価するのが一般的だと言えるでしょう。人気を集めているからこそ、価格が上昇傾向にあるわけですし、実際により多くの投資家がその仮想通貨を保有しているからです。

たとえば株式市場においては、2018年7月現在、世界で最も大きな時価総額を誇っているのがAppleです。そして、それに次ぐ存在がAmazon.comやGoogleの持ち株会社であるalphabet、Microsoft。誰もが、世界をリードしている企業だと納得できることでしょう。同じく仮想通貨の世界においても、多額の時価総額を誇っている通貨は投資家から強く支持され、信任も厚いと判断して差し支えなさそうです。

時価総額の見方のポイント

時価総額という指標は、仮想通貨同士でその規模を比較するのが見方の基本中の基本ですが、他にもさまざまな観点から見ることで、価格の推移のモメンタム(すう勢)などまでうかがい知ることが可能です。ここでは、いくつかの見方のポイントについて紹介していきます。

価格上昇率、24時間取引ボリューム、BTCドミナンス、発行数量に注目

時価総額に関連するデータで特に注目しておきたいのは、①価格上昇率、②24時間取引ボリューム、③BTCドミナンス、④発行数量といった4つのポイントです。それぞれが何を意味しているのかについて見ていきましょう。

  1. ビットコインの足元の勢いがわかる価格上昇率

    その名の通り、価格上昇率は価格がどれだけ上がったのかを示した数値で、値上がり率とも言われます。仮に100円だった価格が150円になれば+50%、180円になれば+80%の上昇率となります。価格上昇率が高い仮想通貨ほど、投資家の間で人気が高まって買いが殺到している状況となっていると推測できます。

    ただ、過熱しすぎた人気はやがてピークアウトし、上昇が急であればあるほど、その反動で急落に転じるケースが多いのも確かでしょう。単に上昇率の数値だけを見るのではなく、現在に至るまでの変化もきちんと観察しておくのが無難です。

  2. 取引の盛況ぶりがわかる24時間取引ボリューム

    ボリュームとは、日本の投資用語に置き換えれば「出来高」となり、売買が成立した仮想通貨の総額を意味します。ボリュームが多いほど取引が活発で、売買も成立しやすいと考えられています。仮想通貨の場合は、24時間ごとのボリュームの推移を見て判断するのが一般的です。

    ボリュームが目立って増えれば、仮想通貨の価格も大きく動きやすくなります。その意味では、価格を動かすエネルギーのような存在とも言えるでしょう。

    また、仮想通貨のボリュームには独特の現象が生じることもあります。アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)を買うために、いったんビットコインを買ったり、あるアルトコインで別のアルトコインを買ったりする投資家の行動もボリュームに影響を及ぼすことがあります。

  3. ビットコインのシェアを把握できるBTCドミナンス

    BTCドミナンスとは、仮想通貨市場全体におけるビットコインのシェアがどの程度に達しているのかを示す指標です。2017年の前半までBTCドミナンスは80%を超えており、実に8割以上の高いシェアを獲得していました。しかし、2017年6月に分裂してビットコインキャッシュ(BCH)という新たな仮想通貨が誕生。さらに同年11月にもビットコインゴールド(BTG)が分裂・誕生し、こうした動きに伴ってBTCドミナンスは急低下しており、2018年に入ってからは40%を割り込む局面もありました。

    BTCドミナンスは単にビットコインのシェアがわかるだけではなく、その推移を観察していると、投資のヒントが見つかることがあります。BTCドミナンスの動きにはトレンドが生じることがあるからです。

    もし、足元でBTCドミナンスに低下傾向がうかがえたとしたら、他の仮想通貨への資金流出が顕著になっている可能性が考えられます。つまり、ビットコインの価格が下落し、代わって他の仮想通貨のいずれかが上昇するという展開を想定できるわけです。

    もちろん、その正反対のパターンも考えられます。BTCドミナンスの拡大が続いていたら、逆にビットコインが買われて、他の仮想通貨のいずれかが売られることになりそうだと推察できます。

  4. 普及率や価格の変動性がわかる発行数量

    発行数量とは、マイニング(採掘)されて世の中に出回っている仮想通貨の数量のことです。時価総額の計算式「仮想通貨の市場価格(時価)×発行数量」の逆算(時価総額÷仮想通貨の市場価格)によって、発行数量を把握することも可能です。

    発行数量が少ない仮想通貨は、多いものと比べて価格変動が派手になりがちです。発行数量が多い仮想通貨の場合にはさほどインパクトを与えない規模の資金流入・流出であっても、発行数量の少ないものの場合には大きな価格変動に結びつくことがあります。短期で大きな値上がりを期待できる反面、急落に巻き込まれるリスクも高いと言えそうです。

    また、ビットコインは最初から2,100万BTCという発行数量の上限が定められており、多くのアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)においてもそれぞれ独自に上限が設けられています。一方で、アルトコインの中には発行数量が無制限となっているものも存在します。発行数量に上限があって、すでにそれなりの量が流通している仮想通貨は新規発行も限られてくることから、希少性という観点で価格が上昇しやすくなる可能性が考えられます。

ランキングデータからわかること

仮想通貨の時価総額は公表されており、そのランキングデータも簡単に閲覧できるようになっています。ランキングデータでは、それぞれの仮想通貨の時価総額とともに、価格や前述した価格上昇率、24時間ボリューム、発行数量などをチェックできます。したがって、純粋に時価総額で上位に入っている仮想通貨の顔ぶれとそれらの足元の売買状況を確認するのはもちろん、その時点で際立って上昇しているものに注目する際にも役立つことでしょう。
基本的に日本国内で公表されているランキングデータの価格や時価総額は円建ての金額になっており、海外のものはドル建てになっています。円建てにはドル/円相場の動きが影響を及ぼすので、ドル建てとは多少異なる推移となります。

これまでのビットコインの時価総額の推移と今後の行方

ビットコインの生みの親と言われているサトシ・ナカモトが同仮想通貨に関する論文を2008年10月末に発表し、翌年1月初めには最初のブロックが生成されました。そして、その約1週間後には最初の取引が行われたのですが、今日に至るまでビットコインの時価総額はどのように推移してきたのでしょうか? さらに、特に気になるのは今後の行方でしょう。ビットコインの時価総額に関する過去と未来について見ていきます。

過去10年足らずで時価総額は急拡大

ビットコインと法定通貨の交換レートが初めて提示されたのは2009年10月のことで、1ドル=1,309.03BTC(1BTC=0.00076392ドル)でした。以来、数年間はあまり目立った動きが見られなかったのですが、最初に著しい価格上昇を示したのは2011年6月のことで、一時31.91ドルまで急騰しました。そして、2013年3月にはキプロスで金融危機が表面化し、同国の法定通貨・ユーロの信認が揺らいでビットコインへと資金を避難させる動きが広がったことなどから、一時1BTC=92.7ドルまで上昇し、当時としての史上最高価格を記録し、時価総額は10億ドルを突破しました。

その後、2015年前半までは下落に転じていたビットコイン価格ですが、じわじわと上昇傾向を示していくようになり、2016年後半からそのピッチが急加速しました。2017年に入ると2013年の最高価格を次々と更新し、特に12月に入ってからは約80%も急伸して1BTC=1万9,500ドルの大台にあと一歩まで迫りました。

2017年にビットコインからビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインゴールド(BTG)が相次ぎ分裂し、こうした動きに伴って時価総額は一進一退となる局面があったものの、先で述べた目覚ましい価格上昇によって、同年末には史上最高額である326億ドル台に到達しています。これは、世界石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェルの時価総額をしのぐ規模です。

しかし、2018年を迎えてからはビットコイン価格の下落基調が鮮明になり、2018年6月の時点でその時価総額は130億ドル台まで減少しています。とはいえ、IBMやマクドナルドの時価総額と比べても遜色のない水準です。

将来的にビットコインの時価総額はどうなる?

肝心なのは今後の動きです。数多くの専門家がビットコインの価格予測について独自の見解を示し、その見方が対立しているケースも見受けられます。ここでは、その中でも大いに話題となったスタンド・ポイントリサーチ社創設者で同社アナリストのロニー・モアス氏の予測を紹介しましょう。

モアス氏は2017年夏に、「年内にもビットコインの価格は5,000ドルに届く」と予想し、さらに「2018年には7,500ドルになる」と上方修正しました。当時のビットコイン価格はまだ3,000ドル台だったので、この予想に懐疑的な見方が主流でしたが、現実にはモアス氏の予想さえしのぐピッチで急騰し、2017年末には1万9,500ドルに迫る最高価格を記録しています。

2018年に入ってからはビットコインの価格は急落し、2018年6月の時点では7,600ドル台付近で推移していますが、モアス氏は依然として強気のスタンスで、「年内のいずれかの時点で2万8,000ドルに達する」といった主旨の発言をしています。しかも、もっと中長期的なスパンでは、「最終的に30万〜40万ドルに達する」との見解を示しているのです。

ビットコインの総発行数量に2,100万BTCという上限が定められている一方で、「2年後には世界で3億人がビットコインを使用する状況になっている」とモアス氏は予想しており、その結果、需要と供給の関係から価格は上昇していくと考えているようです。

ビットコインのみならず他の仮想通貨も2018年に入ってから大幅な価格下落に見舞われており、「もはや仮想通貨のバブルははじけた」と悲観視している投資家もいるかもしれません。しかしながら、モアス氏は2017年夏に、「Amazon.comやGoogle(alphabet)の株価が100ドルと200ドルへを記録した際、多くの投資家はバブルを懸念したが、現時点でそれらの株価は900ドル以上になっている」といった内容のコメントを残しています。その発言から1年近くが経過した2018年6月時点でAmazon.comの株価は1,600ドル台、alphabetの株価は1,100ドル台に達しており、これらの上昇ぶりと比較すれば、モアス氏の予想は大げさすぎるとは言えないでしょう。

まとめ

仮想通貨の価値を相対比較するうえで、重要な指標の1つとなるのが時価総額です。2009年1月に誕生してから2018年7月現在まで、ビットコインの時価総額は拡大傾向を続け、他の仮想通貨を圧倒する規模を誇っています。2018年に入ってから価格が急落したことで今後の行方について悲観的な見方も出ていますが、今なおビットコインの時価総額は他の仮想通貨を大きく上回っている状況です。

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