暗号資産(仮想通貨)カルダノ(ADA/Cardano)とは? 特徴と将来性を解説

カルダノ
ADA
2022-07-27 更新

カルダノ(Cardano)は、オープンソースのブロックチェーンプラットフォームプロジェクトの総称です。ネイティブトークンにエイダコイン(ADA)という暗号資産(仮想通貨)を持つカルダノは、コンセンサスアルゴリズムに独自に開発したプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)を採用しています。また、スマートコントラクトを備え、分散型アプリケーション(DApps)を開発できます。DAppsによる金融・医療保健・教育・流通・農業など、様々な分野での活用が期待されています。

この記事では、カルダノの特徴と仕組みを解説します。他のブロックチェーンと比較してどこが違うのか、何が優れているのか、その将来性についても紹介したいと思います。

カルダノ(ADA)とはどんな暗号資産?

カルダノは(Cardano)は、イーサリアム(ETH)の創設メンバーの一人である数学者チャールズ・ホスキンソン氏が開発に携わるオープンソースのブロックチェーンプロジェクトです。2017年9月に正式運用を開始しました。

コンセンサスアルゴリズムに数学を用いた学術研究を基盤に構築されたウロボロス(Ouroboros)という独自のプルーフ・オブ・ステーク (PoS)を採用しています。イーサリアムとは異なる検証可能なスマートコントラクトによる分散型アプリケーション(DApps)を開発できる、ブロックチェーンプラットフォームとして誕生しました。

カルダノは、ネイティブトークンにエイダコイン(ADA)という暗号資産(仮想通貨)を持ちます。エイダコインのエイダは、世界初のコンピュータープログラマーとして知られる19世紀の数学者エイダ・ラプレス氏に敬意を表し命名されました。

カルダノおよびエイダコインは、カルダノ財団(Cardano Foundation)、エマーゴ(Emurgo)、チャールズ・ホスキンソン氏がCEOを務めるIOHK(インプットアウトプット香港)の3組織により運用が行われています。

カルダノ誕生の経緯

カルダノは、2015年にビットコインやイーサリアムを始めとする暗号資産の設計と開発のあり方を変えることを目的に発足されたプロジェクトです。

全体的な焦点としてカルダノは、特定のイノベーションを超えて、多くのユーザーニーズに応えられ、また他のシステムとの統合を図ることができ、より調和のとれた、ブロックチェーンによる持続可能なエコシステムを目指しました。当時、日本に住んでいたチャールズ・ホスキンソン氏が、日本の知人と共に「日本版イーサリアムを創る」というコンセプトを掲げ、日本を始めアジア8カ国にてICOによる資金調達を実施しプロジェクトを開始しました。

ICOは、2015年9月から2017年1月の期間エイダコインを販売し、総額6200万ドル(69億円相当)の資金調達に成功しました。購入者の9割以上が日本人で、約1万4000人の投資家らが参加したとされます。

ICOはこの当時、世界各地で大ブームとなり、資金調達に成功したICOの膨大な調達金額ばかりが話題になったことから、同時期にICOによる詐欺も横行し始め、資金を集めたままプロジェクトを実行せず雲隠れしてしまう案件が世界各地で多数発生しました。

そんな中でカルダノは公開予定よりも半年以上も開発が遅れ、また、ICO時に日本で行われたプロモーションの一部にMLM(マルチ・レベル・マーケティング)が用いられ、アフィリエイターがこぞって広告宣伝を行ったことから、いわゆるマルチ商法ではないか、詐欺ではないかと疑われた時期もありました。

しかし、カルダノは無事に2017年9月29日にリリースすることができ、その疑いを晴らすことができました。

カルダノは、かつてユースケースの一つとして、また普及促進の一環として、エイダコインを使ったオンラインカジノの開発を計画したこともありましたが、これらはギャンブルという悪印象の側面から、普及促進においては逆効果であると判断され、この計画を完全に撤廃しています。よくあるカルダノの開発目的がカジノであるという表現は、誇張されたものに過ぎません。カルダノの本来のプロジェクト目的は、ユースケースを限定しない汎用プラットフォームです。

カルダノの特徴

オープンソースプロジェクトであるカルダノは、開発当初は包括的なロードマップや権威のあるホワイトペーパーの策定を行いませんでした。むしろそれまでのブロックチェーンにおける問題点を課題として、設計原則、工学的なベストプラクティス、また探求のための方法論を収集することから始めました。

その結果として、カルダノの特徴である台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する思想であったり、コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する手段であったり、ネットワークを止めることなく導入後のシステムをアップグレードする機能を構築するなど、同じ台帳システムで複数の資産を運用することができる設計になりました。また情報セキュリティの専門家を早期に採用するなど、学際的なチームを多用することにもつながりました。

こうして、カルダノはコンセンサスアルゴリズムにPoSの採用を決定し、エディンバラ大学のAggelos Kiayias教授が率いる学術機関の優秀な暗号学者のチームによって、独自のPoSであるウロボロスが設計され、導入されることになりました。

カルダノのスマートコントラクトは、実行後に修正が難しいイーサリアムのものとは異なる、検証可能な独自スマートコントラクトであるプルータス(Plutus)を採用しています。

さらにカルダノは、マルチアセット台帳という機能を持ち、ネイティブトークンのエイダコインと同等の独自トークンを発行できます。これらは、単純な送受信などにおいてはスマートコントラクトが不要であるため、低コスト・高セキュリティなトークンの発行が可能です。また、NFT(非代替性トークン)の発行も可能です。

カルダノの仕組み

カルダノおよびエイダコインの運用を行っている3つの組織カルダノ財団、エマーゴ、IOHKは、それぞれ独立した団体であり、運用において異なる役割を担っています。

カルダノ財団は、スイスに本拠地を構える独立した標準化機関です。主にカルダノで用いられる技術の規格・保護・発展などを目的に、コミュニティのサポートを行います。また、ビジネスや規制に関する課題を当局と共に取り組んでいます。

エマーゴは、カルダノブロックチェーンを用いてビジネスを展開するスタートアップやベンチャー企業に対して、投資等のサポートを行っています。

IOHKは、IT技術やブロックチェーン技術に関する研究開発を行っています。また、カルダノそのものの開発を担う企業です。カルダノのローンチ後は、カルダノプラットフォームに用いられる技術の開発を続けています。

コンセンサスアルゴリズムにはPoSを採用

ブロックチェーン上の取引は、ブロックチェーンネットワーク参加者(ノード)同士の合意によって行われますが、その合意形成のルールをコンセンサスアルゴリズムといいます。カルダノは、コンセンサスアルゴリズムにPoSを採用しています。

ビットコインを始めとする多くの暗号資産(仮想通貨)は、コンセンサスアルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)を採用しています。PoWでは取引の合意形成時に、多数のネットワーク参加者同士による膨大な計算処理を必要とするため、大量の電力を消費するという問題点がありました。

一方、PoSでは、合意形成時のネットワーク参加者を限定しているため、大量の電力を必要としないというメリットがあります。

カルダノの独自PoSであるウロボロスでは、完全にランダムに選ばれたネットワーク参加者達によって合意形成が行われ承認される仕組みです。承認者に選ばれるネットワーク参加者は、一定量のエイダコインを保有する必要があり、保有量が多いほど承認者に選ばれる確率が上がるため、承認者による悪意のある行動を抑制し信頼性を保つことができます。

ウロボロスは、数学的に証明されたセキュリティ保証を提供するアルゴリズムのみならず、プロトコル構成の機能をあとから強化できるモジュール化された柔軟な設計になっています。委任機能、サイドチェーン、閲覧可能なチェックポイント、より優れたデータ構造、様々な乱数生成方式、多様な同期方式など、さらに豊富な機能、より改善された機能をモジュール単位で実装可能になります。

ブロックチェーンネットワークは、今後、数千から数百万、さらには数十億のユーザーが利用する可能性がある技術として注目されています。そうした利用シーンの発展に伴い、コンセンサスアルゴリズムの要件も時代によって変化する必要があり、ブロックチェーンは、こうしたことにも柔軟に対応していかなければなりません。カルダノは、あらかじめそれらにも対応できるように設計されています。

独自スマートコントラクト「Plutus(プルータス)」

一部のブロックチェーンは、分散化アプリケーションの開発を可能にするためにスマートコントラクトを実装しています

カルダノはスマートコントラクトに、検証可能な独自スマートコントラクトであるプルータスを採用しています。

プルータスは、Haskell(ハスケル)をベースとした独自の関数型プログラミング言語です。独自言語のため他のスマートコントラクトと比べて学習コストは高くなりますが、品質を最優先する開発に向いているため、DeFi(分散型金融)等の開発には有利だといわれています。ハスケルによるプログラムはバグを発見しやすく、より正確なコードとなるため、金融関係ではよく使われている言語でもあります。

基本的にスマートコントラクトは、入力と出力がブロックチェーン上のトランザクションである短いプログラムです。スマートコントラクトは自己実行型で信頼性が高く、第三者の行動や存在を必要としません。しかし、プログラムは分散型ブロックチェーンネットワークに保存され、分散されています。また、イーサリアムなどのスマートコントラクトは、決済と計算を一つの台帳で行っており、一度実行すると、実行後はプログラムの修正が難しくなります。そのため、プログラム上にバグがあると大変なことになります。

これをカルダノは、簡単に説明すると決済パートと計算パートを二つのレイヤーにわけ、一つの台帳に対して、複数の計算パートを紐付けできるように設計し、スマートコントラクトを修正したい場合は、計算パートを個別に修正、調整できるようにしているのです。

専用ウォレット「ダイダロス」

カルダノには、エイダコインに対応したダイダロス(Daedalus)とヨロイ(Yoroi)という二つの専用ウォレットが用意されています。

ダイダロスは、エイダコイン用に開発されたウォレットです。カルダノのフルノード(すべての取引履歴が記録されたノード)に紐付けされたデスクトップ版のウォレットです。Windows、macOS、Linuxに対応しています。

ダイダロスは、カルダノのすべての取引履歴を保存しているため、初めて利用する場合は、ウォレットをインストールする際にブロックチェーン上の履歴と同期が行われることから、かなりの時間を要します。

ダイダロスでは、カルダノプロトコルに参加してカルダノネットワークをサポートできるほか、ステーキングにも参加できます。任意のノードを選択し、選択したノードがブロック生成の承認者になることで、ステーキング参加者として報酬の一部を受け取ることができます。

ヨロイは、ダイダロスよりもライトなウォレットです。ChromeまたはFirefoxの拡張機能として実行されます。ヨロイは、Windows、Mac、Linuxに加え、iOS、Androidにも対応しています。ヨロイは、過去の取引履歴と同期する必要がないため、瞬時に初期設定が可能で、最小限のシステムリソースで迅速かつ簡単に操作が行えます。ヨロイもまた、ステーキングに参加できます。

カルダノの今後や将来性は?

カルダノを運営するエマーゴは、東京理科大学と提携しハッカソンを共同開催したり、韓国最大手のモバイル決済プラットフォームと提携したり、大学や企業との提携を積極的に行っています。企業や大学との連携で、技術力が高まれば、ネットワークの安定性向上などにもつながるかもしれません。

カルダノを開発するIOHKとその子会社であるInput Output JP(IOJP)は2017年2月、東京工業大学と共同で、東工大情報理工学院にて「Input Output 暗号通貨共同研究講座」を開講しました。IOHKと東工大は2017年から2018年にかけて両機関の研究者チームにより、暗号資産(仮想通貨)およびブロックチェーン関連技術の共同研究も行っています。

IOHKは、その他にも(IOCHのWeb情報によると)エディンバラ大学やアテネ国立カポディストリアン大学ともパートナーシップを組み、ブロックチェーン関連技術の研究と研究者の育成教育を推進しています。

分散型リモートワークの提唱者でもあるIOGは、すでに50カ国以上で300人超のメンバーが働いています。誰もが異なるスキルセットを持ち、異なる文化を持ち、異なるライフステージで、多様性のあるコラボレーションを行い、「地理的な外から考える」をコンセプトに活動し、公共および民間セクターのクライアント向けに、高保証のブロックチェーン製品を構築しています。

実際のユースケースに関しては、カルダノ財団とフィンテックプラットフォームのCOTIは2019年10月、商業者向けのエイダコイン(ADA)支払い処理ソリューションADAペイ(adaPay)ソリューションを発表しました。adaPayサービスにより、商業者はほぼ即時に35カ国の法定通貨建てで銀行口座に入金することができます。adaPayは、エイダコインによる支払いの受け入れと決済を簡素化し、商業者がトランザクションをリアルタイムで管理できるようになりました。

adaPayは、韓国ではコンビニエンスストアやレストランなど約3万店舗で利用が可能になっています。日本国内においても、若干ですがadaPayを採用する店舗が出てきています。

ロードマップ

カルダノは、開発段階をバイロン(Byron)、シェリー(Shelley)、ゴーグエン(Goguen)、バショウ(Basho)、ボルテール(Voltaire)の5期に分けて開発を進めてきました。現時点(2022年4月末日)のカルダノは、ゴーグエン期の後半、バショウ期の前半にあたります。

バイロン期のカルダノは、独自PoSであるウロボロスを実装し、暗号資産エイダコインの発行および売買が実行できる機能を実装しました。また、専用ウォレットであるダイダロスとヨロイの提供を開始しました。同時期に、カルダノのコミュニティが開設されています。

次のシェリー期でカルダノは、ネットワークの成長と発展の時代を迎えています。ブロックチェーンネットワークは、バイロン期の連合型から、より多くのノードがカルダノコミュニティによって実行される方向にシフトし、より分散化され最適化され、カルダノブロックチェーンの安全性と堅牢性が高まりました。

シェリー期には、ステーキングの委任や報酬スキームが導入されました。それにより完全なPoSが実現しています。シェリー期でカルダノはネットワークの成熟期を迎え、実用性と報酬が増し、完全に分散化されたネットワークの構築が実現しました。

カルダノはシェリー期と平行してゴーグエン期の開発を進めてきました。ゴーグエン期には独自スマートコントラクトのプルータスが実装されました。それによりカルダノには、当初の目的の一つであったDAppsを開発する機能が追加されました。

また、ゴーグエン期には、技術的知識が不要のスマートコントラクト開発環境であるマーロウ(Marlowe)の実装計画がスタートしています。プルータス上に構築されるマーロウは、プログラミングの知識がない金融やビジネスの関係者がスマートコントラクトを開発することができるようになります。プルータスとマーロウを組み合わせることで、現実世界におけるあらゆるものにカルダノを実装することが可能になります。

さらに、ゴーグエン期には独自暗号資産の発行、デジタルおよび物的資産のトークン化をサポートする仕組みが実装されました。誰でも代替可能トークン、代替不可能トークンの作成が可能になりました。

バショウ期のカルダノは、スケーラビリティの改良、ネットワークの相互運用性の開発期を迎えます。

カルダノはバショウ期において、ブロックチェーン業界屈指のパフォーマンスと強靭さ、そして柔軟性を持ったブロックチェーンプラットフォームへと成長します。ネットワークインフラストラクチャーは持続可能性かつ安全に拡大し、ネットワークの信頼性を損なうことなく、新たな機能性を追加する能力を得ることになります。

カルダノは、開発最終段階となるボルテール期において、カルダノが自給自足型システムとなるために必要とされる最後のパーツとして、ガバナンスに関連する機能が組み込まれます。カルダノに投票システムとトレジャリーシステムを導入することで、ネットワーク参加者はステークと投票権を使って、ネットワークの将来を決定することが可能になります。

カルダノが真に分散化されるためには、シェリー期に導入された分散型のインフラストラクチャーに加えて、長期にわたる維持と改良を分散化された方法で行うことができる機能が必要です。これを目標として、ボルテール期では、ネットワーク参加者にカルダノの改良案を提案できる権限が付与されます。各提案は、ステーキングや委任に使用される既存のプロセスを活用した、ステークホルダーによる投票システムにより実行の可否が決定されます。

ボルテール期に実装されるトレジャリーシステムでは、すべてのトランザクション手数料からわずかな額が毎回プールされ、資金源が確保されます。プールされたエイダコインは、投票プロセスに従って決定される将来のネットワーク開発の資金として使用されることになっています。

カルダノは、ボルテール期を経て初めて真の分散化を果たし、その将来をIOHKの管理下から離れて、すべてがコミュニティの手にゆだねられます。

まとめ

カルダノ自身はまだ開発道半ばではありますが、カルダノの持つ柔軟性や拡張性の高さは、今後も見過ごせない要素の一つです。

ミルコメダ財団(Milkomeda Foundation)は2022年3月28日、カルダノにEVM(イーサリアム仮想マシン)互換性をもたらすサイドチェーンMilkomeda C1を公開しました。それにより暗号資産(仮想通貨)エイダコインの保有者は、ウォレットを介してカルダノとMilkomeda C1間で資産を移動し、イーサリアムのERC20トークンとの取引が可能になりました。

カルダノのサイドチェーンとしてMilkomeda C1が公開されたことで、カルダノはイーサリアムとの互換性が高まり、従来のブロックチェーンゲームやDeFi、NFTなど、イーサリアムベースのサービスとの相互運用性が高まります。それをいいかえれば、ガス代(手数料)が高騰するイーサリアムベースのサービスが、カルダノへの移行も可能になることも意味します。

こうしたカルダノの運営陣以外の業界の動きもまた、さらにカルダノの利便性を高めてくれるよい傾向にあります。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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