ビットコインATMとは、その仕組みについて解説

ビットコインATM
2022-06-29 更新

(ビットコインATMは、2022年3月現在では日本での営業を停止しています。本記事では海外に設置されているビットコインATMの機能や仕組みを紹介しております。)

ビットコインATMは、文字通りビットコイン(BTC)の現金自動預払機(ATM)です。主にビットコインの購入や売却ができます。海外では銀行に設置されているATMと同様に、ビットコインATMは街中のビルや店舗の一角に設置されています。ただし、ビットコインATMは銀行ATMのように、いつでもどこでも誰でも気軽に自分のお金を引き出すというものとは少しだけ異なります。ですが、その仕組みや使い方がわかれば、暗号資産(仮想通貨)をより身近に感じられます。その存在を知っておくだけでも知識になります。

この記事では、ビットコインATMについて、その仕組みと、どこに設置されていて、どのように利用されているのかについて紹介します。

ビットコインATMとは

ビットコインATMは、ビットコイン(BTC)を始めとする暗号資産(仮想通貨)専用の現金自動預払機です。BATM、BTMと表記されることもあります。

ビットコインATMは、いくつか種類があります。機種によって、できる機能が異なりますが、最もポピュラーな自動預払機は、ビットコインの購入と売却ができます。この仕組みは、銀行というよりは暗号資産交換業者に近いものです。

機種によっては、購入はできますが売却ができないものもあります。また、取り扱うことができる暗号資産も、機種によって異なります。多くはビットコイン専用と考えたほうがいいかもしれませんが、中にはイーサ(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)などに対応するものもあります。

ビットコインATMでは、現金またはクレジットカードやデビットカードでの購入ができますが、これも機種によって異なります。

また売却が可能なビットコインATMでは、画面に表示されたアドレスに適切な金額の暗号資産を送金する必要があります。

購入と売却、いずれも自身のウォレットが必要になります。特に購入の際には、暗号資産を受け取るウォレットアドレスが必須です。あらかじめ、ウォレットを用意する必要がありますが、ビットコインATMによってはペーパーウォレットを発行してくれるものもあります。

このようにビットコインATMは、その機種によってできることが異なります。正確には機種というよりも、ビットコインATMを設置するサービス事業者により異なるものですが、いずれにしても、銀行ATMのようにどこの現金自動預払機でも同様のサービスが受けられるものではありません。まずはビットコインATMがどのようなサービスに対応しているか、あらかじめ知っておく必要があるでしょう。

ビットコインATMの使い方

海外にてビットコインATMを利用するには、ビットコインATMの設置場所を知る必要があります。ただし、海外でもビットコインATMは銀行ATMのようにそこかしこで見つかるものではありません。

また、実際にビットコインATMを利用する際には、ウォレットが必要になります。ウォレットの準備、ウォレットアドレスの用意はあらかじめ行っておくとよいでしょう。

さらには、売買をする際にはマネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)として、KYC(本人確認)が必要な場合があります。これもまた、ビットコインATMによって異なりますが、KYCの準備もしておきましょう。KYCは、スマートフォンのSMSや国際的に通用するIDが必要になります。少なくとも、ビットコインATMを利用するにはSMSが受信できるスマートフォンは必須と考えておきましょう。

実際に購入するには

ビットコインATMの操作を開始することでSMSや電子メールに送られてくるワンタイムパスワードで本人確認を行います(機種によって異なります)。

その後に、購入したい暗号資産(仮想通貨)を選択し、受け取り用のウォレットアドレスを入力します。アドレスの入力方法は、QRコードが利用できるものもあります。

このプロセスで、自身のウォレットがない場合は、ペーパーウォレットが発行できる機種も存在します。そうしたビットコインATMでは、ペーパーウォレットのアドレス、秘密鍵等がレシートや電子メール等で受け取れます。

その後、現金またはクレジットカードで購入金額を指定し、入金します。現金の場合は現金を投入します。

売却する方法

ビットコインATMで暗号資産を売却するには、自身の暗号資産を指定されたアドレスに送金する必要があります。

つまりビットコインATMを操作中に、自身のウォレット等から送金する手段が必要になります。スマートフォンのウォレットアプリからでも、ノートパソコンからでも、どのような方法でもかまいませんが、リアルタイムで送金できる環境が必要です。

ビットコインATMでは、指定されたアドレスがQRコード等でも表示されますので、スマートフォンでの利用が最も便利です。中には、直接USB接続可能なハードウェアウォレットをつなげることができる機種もありますが、セキュリティの関係上、あまりおすすめできません。

いずれの方法でも、指定されたアドレスに売却したい暗号資産を入金することにより、ビットコインATMにて法定通貨を受け取ることができます。

以上、簡単にビットコインATMによる暗号資産の購入と売却について解説しました。

これらのサービスは提供事業者と機種によって異なりますが、売買に必要なものは、根本的には変わりません。

ビットコインATMのメリット、デメリット

ビットコインATMのメリット、デメリットについても確認しておきましょう。

メリット

メリットとしては、次のような点があります。

  • 現地法定通貨と交換が可能
  • ATM間の送金が可能

ビットコインATMの大きなメリットは、暗号資産(仮想通貨)をビットコインATMが設置されている国の法定通貨と交換が可能なことです。旅行や出張先で、法定通貨同士を両替することなく現地通貨を入手できます。外貨の両替は、それだけで手数料が発生し、また為替レートの影響を受けますので、そうした手間を省くことができます。

また、逆に余った現地通貨を暗号資産に換えることもできます。銀行ATMのような使い勝手はありませんが、いつでもどこでも現地の法定通貨で暗号資産取引が可能であると考えると、銀行ATMとは異なるメリットを感じることもできるのではないでしょうか。

さらにビットコインATMは、同一のサービス提供事業者であればビットコインATM間で送金ができるものもあります。

デメリット

デメリットとしては次の点があります。

  • 日本では稼働していない
  • 種類によって機能が違う
  • 手数料が不透明
  • ウォレットを用意する手間

ビットコインATMは便利な面もあるとはいうものの、2022年3月現在は日本に設置されていないことは大きなデメリットでしょう

また、これまで解説してきたように、ビットコインATMの種類によって機能が違うことは、利用する際のデメリットにもつながります。ビットコインATMは、ソフトウェアがアップデートされることもありますので、使用方法等が変更されることも少なくありません。そのため慣れ親しむというよりも、都度、画面を見て、その流れを確認しながら操作しなければなりません。ですので、機械が苦手な方等には、あまり優しいとはいえません。

加えて、暗号資産交換業者と比べると、交換手数料が不透明かつ割高というのもデメリットでしょう。機種によって手数料が異なるために利用してみなければ手数料の額がわかりません。過去に日本で設置されていた際には5〜10%に手数料が設定されていました。旅行先、出張先で、急遽現地の通貨が欲しいといったシチュエーション以外は、あまり使う場面はないかもしれません。

暗号資産交換者を利用する場合は、自分自身でウォレットを意識することはあまりありませんが、ビットコインATMでは自分自身で用意する必要があるなど手間がかかります。

ビットコインATMの設置状況

2022年3月現在、ビットコインATMはアメリカやカナダ、イギリスを始め世界77の国と地域に設置されています。数にして世界に3万6000台以上(Coin ATM Radar 調べ)のビットコインATMが設置されています。参考までに、日本国内における銀行ATMの数は約10万台です(2019年現在)。

日本におけるビットコインATMの設置は、現在はありません。かつては東京や福岡等に数台設置されていたことがありましたが、日本では2017年の資金決済法改正により、日本国内において暗号資産(仮想通貨)の取引を行うには、ライセンスが必要になりました。それによりビットコインATMの機能はまさに暗号資産交換業者と同等のため、稼働することができなくなりました。

そうした理由で、日本国内においてビットコインATMを利用できる場所はありません。

デメリットに述べたように、ウォレットの手間や手数料の不透明かつ割高といった観点から、日本で暗号資産取引を行うにはビットコインATMよりも暗号資産交換業者を利用する方が取引しやすいといえそうです

まとめ

結論として、ビットコインATMは現在日本では利用できません。利用するには海外に行かなければならないということを考えると、活動範囲がグローバルなビジネスパーソンが何らかの理由で利用する以外は、興味本位で利用してみたいという人しか用途はないかも知れません。

これまで解説をしてきたように、ひと言でビットコインATMといっても様々なものが存在します。海外にて使用する際には、現地にどのようなビットコインATMがあるかを調べておかなければなりません。

運よく渡航先にビットコインATMがあったとしても、主要なビットコインATMでビットコインを売買する場合、平均的には8~10%程度の手数料がかかります。コストも機種ごとに異なることが多いのが実情です。そうなってくるとますます利用する必然性は少なくなるのではないでしょうか。暗号資産(仮想通貨)の取引を安心安全に利用するには、暗号資産交換業者にて行うほうが良いでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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