ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の確定申告方法を解説

仮想通貨
確定申告
2024-01-20 更新

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を売買して利益が発生した場合には、翌年の一定期間内に自分で利益額を計算して確定申告し、納税する必要があります。

ここでは、2023年10月現在の税制において、暗号資産取引の利益が発生した際に確定申告する所得の扱いや違反した時の罰則についてお伝えします。

※本稿をご覧いただく方へのご注意

この記事では、国税庁WEBサイト「タックスアンサー(よくある税の質問)」などに掲載されている、暗号資産および確定申告に関連する情報を参照元としており、記載内容は一般的な解説となります。税務の詳細に関しては、必ず税務署または税理士へご相談ください。

確定申告とは?

確定申告とは、毎年1月〜12月までの1年間で得たすべての所得を計算し、翌年の2月16日〜3月15日(所得税の場合)の間に国に支払う税金を申告・納税しなければいけない手続きのことをいいます。

確定申告が必要となるのは、

・ 収入から経費を引いた「所得」が38万円(基礎控除額)を超える自営業者やフリーランスなどの個人事業主

・ 不動産収入や株取引などで一定以上の譲渡益がある人

・ 懸賞金、競馬の払戻金、拾ったお金の謝礼金などの一時所得が一定以上ある人

・ 年金が一定額以上ある人

・ 1年間の収入が2000万円を超える、あるいは副業の所得が20万円を超える給与所得者

などです。

給与所得のある会社員が確定申告をする際には、会社から発行された源泉徴収票が必要となります。

確定申告は、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の投資で得た利益を計算して、税務署や確定申告会場に行けば現地で申告用紙に記入することもできます。また、マイナンバーカードとそれを読み込むカードリーダー、パソコンまたは対応するスマートフォンをお持ちであれば、自宅からでも国税庁の国税電子申告・納税システムであるe-Taxを利用してインターネットによる方法だけで申告を完了できます。

暗号資産(仮想通貨)は確定申告が必要

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の取引をした結果、利益が出た場合には確定申告が必要となります。

一般的に、会社員である場合、会社から支払われている給料は、会社から一括して税金など源泉徴収されており、会社が税務署に税金を納めているため確定申告する必要がありません。

また、株式投資では、口座開設時に「源泉徴収あり」の特定口座を選択していれば利益が出ても自動的に20.315%(所得税15.315%、住民税5%、2023年10月時点)が源泉徴収で引かれており、こちらも確定申告する必要がありません。

一方、暗号資産には給料や株式投資のような源泉徴収制度が整備されていないため、投資の結果得た利益は自分でその利益額を計算して、申告する必要があります。

どのくらいの利益があったら確定申告する必要があるのか

給与所得のある会社員の場合、1月〜12月までの1年間におけるビットコインや、その他の暗号資産による投資で得た利益が20万円を超えた場合に確定申告する必要があります。

また、全く収入のない主婦の方などは利益が38万円を超えた場合、確定申告をする必要があります。

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は原則雑所得扱い

所得には、「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「退職所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」の10種類があります。

暗号資産(仮想通貨)取引による利益は原則雑所得扱いですが、令和4年12月22日に国税庁は「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」を改訂し所得区分を変更しています。その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合に限り、暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がある場合は「事業所得」とし、帳簿書類の保存がない場合は「雑所得(業務に係る雑所得)」とするとしました。

つまり、暗号資産取引による利益は条件によっては事業所得になりますが、原則は雑所得となります。雑所得は、副業でアフィリエイトやフリマアプリで利益が出た場合も雑所得として分類されることから、これらの利益を合わせて年間で20万円以上になれば、確定申告を行わなければなりません。

また、暗号資産取引における雑所得は、以下の計算式で算出します。

総収入金額-必要経費=雑所得

総収入金額は、暗号資産を売却した時の時価、必要経費はその暗号資産を取得した時の価格です。

暗号資産(仮想通貨)取引による雑所得で必要経費にできるもの

暗号資産による雑所得では、暗号資産を取得した時の価格以外に、必要経費にできるものがあります。

具体的には、暗号資産交換業者を利用して売買した時にかかる売買手数料や、勉強するために購入した書籍代、セミナー費用、また暗号資産の取引に関する電話料金、インターネット関連費用、暗号資産の取引を行うパソコンなどが該当する可能性があります。

インターネット関連費用や電話料金、パソコンなどは暗号資産の取引に100%使っているわけではないので、使用頻度に応じて按分します。

暗号資産(仮想通貨)取引による雑所得にかかる税率

ビットコインなどの暗号資産の取引で得た利益から雑所得を算出したら、給与所得など、他の所得と足し合わせて税率を掛け合わせ、納税する金額を計算します。

所得税は累進課税税率となっており、暗号資産による雑所得と、給与所得などの他の所得とを足し合わせた金額が高ければ高いほど税率は高くなります。

所得税の計算表

所得金額 税率 控除額
1000円〜194万9000円 5% 0円
195万円〜329万9000円 10% 9万7500円
330万円〜694万9000円 20% 42万7500円
695万円〜899万9000円 23% 63万6000円
900万円〜1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円〜3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

所得金額が194万9000円までだと税率は5%ですが、4000万円以上になると税率は45%にもなります。

暗号資産(仮想通貨)取引を事業所得として申告できる場合

その年の暗号資産取引に係る収入金額(売却額)が300万円を超える場合は、暗号資産取引に係る帳簿書類を作成し保存することで、暗号資産取引による利益を事業所得として申告できます。

事業所得は、万が一赤字であれば給与所得等(雑所得以外の)その他の所得と損益通算(相殺)できるので、確定申告により、払いすぎた所得税額(給与所得の源泉徴収税額)の一部又は全部が還付されます。

雑所得の場合は、ほかの所得と損益通算はできないので、事業所得は大きなメリットです。

暗号資産(仮想通貨)取引の課税のタイミング

暗号資産(仮想通貨)で利益を得るケースとしては「暗号資産交換業者」を利用した「暗号資産の売買(取引)」がもっとも一般的です。この場合、暗号資産の購入額と売却額の差が利益となります。

重要な点は、「売却」が「日本円などの法定通貨への換金」を指していることです。暗号資産交換業者から出金した時点ではなく、暗号資産を日本円などの法定通貨と交換した時点で利益が確定したとみなされ課税されます。「ビットコインを売却して日本円に換金したけど、預けたままだから課税されない」ということはありません。

また、毎年1月から12月までに成立(約定)した取引が課税対象となります。例えばDMM Bitcoinであれば、2023年の年間取引は、2023年1月1日の7時0分0秒から2024年1月1日6時59分59秒までに約定した取引となります。

暗号資産の取得価額、売却価額の算定方法

暗号資産の取得価額、売却価額の算定方法は、総平均法、移動平均法のいずれかの方法で行うものとされています。税務署への届け出を行えばどちらを採用してもよく、届け出を行わない場合は総平均法が適用されます。

移動平均法は暗号資産の購入、売却の都度、取得、売却単価を算出するものです。
総平均法は、基準となる期間全体の合計金額を購入、売却数量の合計で割って算出するものです。

二つの方法では売買損益が異なることがありますが、確定申告の際、どちらの方法を採用することが有利なのかは一概にはいえません。国税庁では暗号資産に関する税務上の計算書を公開していますので試算をしてみるとよいでしょう。

なお、一度採用した計算方法は、3年間変更が認められません。

また、DMM Bitcoinがお客様に提供している「期間損益報告書」では総平均法を利用しています。

参考:
暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和4年12月)

ビットコインで商品やサービスを購入したとき

ビットコインなどの暗号資産で、商品やサービスを購入した場合も課税の対象となります。

保有する暗号資産での商品の購入は、保有する暗号資産を売却したことになります。この時の所得金額は、暗号資産の支払い数量の価格(譲渡価格)と、暗号資産の取得価格との差額になります。

【計算式】

・(商品価格(消費税込み)- ビットコイン1BTCあたりの取得価格) ×支払い数量 = 所得金額

たとえば、1BTCを500万円で取得した人が商品を購入するために1BTCを支払ったとします。購入した商品が520万円で販売されているものだった場合、差額となる20万円が利益とみなされ課税対象になるのです。

ビットコインと他の暗号資産の交換

保有するビットコインと他の暗号資産Aを交換した場合は、ビットコインで暗号資産Aを購入したことになります。前述した「ビットコインで商品・サービスを購入」と同様に所得金額を計算する必要があり、課税の対象になります。

【計算式】

・(暗号資産Aの購入価格 - ビットコイン1BTCあたりの取得価格) ×支払い数量 = 所得金額

「暗号資産Aの購入価格」は、取引時点で同数量の暗号資産Aを日本円で購入する場合の支払い総額となります。

たとえば、1BTCを500万円で取得した人が10万円相当の暗号資産A60枚(購入価格600万円)と1BTCを交換した場合、600万円-500万円の差額100万円が利益とみなされ課税対象になるのです。

雑所得の他に課される可能性のある税金

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の投資で得た利益に対しては、雑所得以外に以下のような税金が課される可能性があります。

● 住民税

● 譲渡所得

住民税

住民税は1月1日時点で該当の市区町村に住所がある方に対して課される税金で、所得税の計算で算出した額に一律10%が住民税として課されます。

所得が4000万円超になると45%の所得税が課されるとお伝えしましたが、これに住民税10%が加算されるため、足し合わせて55%の税金を納めなければならないこととなります。

譲渡所得

ビットコインなどの暗号資産で得た利益に対しては通常雑所得扱いで計算しますが、人から譲り受けた場合や、給料の支払いとしてビットコインを得た場合などは譲渡所得で計算します。

雑所得を申告しなければならない条件は所得が20万円以上となっていますが、譲渡所得は50万円以上が条件となります。

確定申告の方法

確定申告を行う方法を具体的に説明します。

確定申告に必要な書類

確定申告をするために必要な書類は次のとおりです。

● 確定申告書類(e-Taxの場合は不要)

● 源泉徴収票(会社員の場合)

● マイナンバー確認書類

● 暗号資産(仮想通貨)取引における年間取引報告書

確定申告の手順

確定申告書類は、国税庁のウェブページで作成でき、計算などもすべて自動で行うことができます。

手順として以下のとおりです。

1.国税庁のウェブページにアクセス

国税庁ウェブページの「確定申告書等作成コーナー」から「作成開始」をクリックします。

(2023年10月9日アクセス時点の国税庁ウェブページ)

2.提出方法を選択

提出方法は「e-Taxで提出」と「印刷して提出」の方法があります。e-Taxには「マイナンバーカード方式」の他に、税務署にて発行されたID・パスワードを利用する「ID・パスワード方式」の2種類があります。

e-Taxで提出する場合は「事前準備セットアップ」をダウンロードする他、ICカードリーダライタ又はマイナンバーカード読取対応のスマートフォンを準備する必要があります。

(2023年10月9日アクセス時点の国税庁ウェブページ)

次からは「印刷して提出」の方法を解説します。

3.申告書の選択

「作成する申告書類等の選択」ページで「所得税」を選択します。

(2023年10月9日アクセス時点の国税庁ウェブページ)

4.基本情報入力

生年月日など基本情報を入力し、質問に答えます。暗号資産取引で収入が出ていれば「はい」と回答します。

(2023年10月9日アクセス時点の国税庁ウェブページ)

5.収入金額・所得金額の入力

「収入金額・所得金額の入力」の画面で雑所得の場合は「その他」を選択し、「雑(その他)所得の入力」から、事業所得の場合は「事業所得(営業・農業)の入力」から各項目を埋めていきます。

(2023年10月9日アクセス時点の国税庁ウェブページ)

6.その他の項目を入力

次に給与など、暗号資産取引以外の所得を源泉徴収票に基づいて転記しましょう。
その後控除項目などを入力すれば、計算結果が表示され、申告書類が完成します。

e-Taxを利用する場合は、上記2.で「e-Taxで提出」を選択し、マイナンバーカードを読み取った後に登録情報を確認(初期設定をしていない場合は案内に従って設定を行います)して手続きを進めます。データ入力は「印刷して提出」と同様に入力します。

確定申告には、DMM Bitcoinの「期間損益報告書」と「損益計算用データ」を活用しよう

DMM Bitcoinでは、確定申告に利用できる書類として「期間損益報告書」と「損益計算用データ」を用意しています。

DMM Bitcoinの「期間損益報告書」では、暗号資産(現物)の平均取得単価は「総平均法」で計算しています。「期間損益報告書」は、「スマートフォン版取引システムアプリ」「PC版取引システムアプリ」のどちらからでもPDFファイルとしてダウンロードできます。詳しくは「期間損益報告書について」をご参照ください。

ただし、DMM Bitcoin以外の暗号資産交換業者でも売買を行っている場合は、この「期間損益報告書」を確定申告にそのまま利用することはできません。国税庁の「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和4年12月)」ページにある「暗号資産の計算書(総平均法用)」(エクセル用xlsxファイル)を利用しましょう。

またマイニングを行っており、DMM Bitcoinの口座に入金したなどの場合は「損益計算用データ」をダウンロードし、自分で平均取得単価や損益を計算する必要があります。「損益計算用データ」には年間損益を計算するための「約定履歴(TRADE_RECORD_LIST)」と、ウォレット口座およびトレード口座の「キャッシュフロー履歴(CASHFLOW)」の2種類のデータが含まれています。

参考:

期間損益報告書について

取引報告書 兼 証拠金受領書 兼 取引残高報告書について

暗号資産(仮想通貨)の取引による損失は、翌年以降に繰り越せない

暗号資産の取引で発生した雑所得としての損益は、暗号資産と同じ雑所得の中で通算できます。ただし、雑所得以外の所得区分の所得から損益通算(差し引くこと)は行えません。

暗号資産の取引による所得は、総合課税の対象となる雑所得であるため、その損失を翌年以降に繰り越すことはできません。

また、暗号資産の証拠金取引(DMM Bitcoinのレバレッジ取引に該当)による所得は、申告分離課税の適用はなく、総合課税で確定申告を行う必要があります。

租税特別措置法上、申告分離課税(先物取引に係る雑所得などの課税の特例)の対象は、金融商品取引法などに基づく「商品先物取引等」、「金融商品先物取引等」、「カバードワラント」の取得とされています。暗号資産の証拠金取引は、これら取引に該当しないため、申告分離課税の適用はありません。

暗号資産(仮想通貨)取引の申告をしなかったらどうなる?

暗号資産交換業者は国税庁から情報を求められれば、データを渡すと考えられます。さらに2021年からマイナンバー確認書類の提出が義務付けられました。そのため、これまでに取引で利益を得ているにも関わらず、申告漏れがある場合には国税庁からの監査があるかもしれません。

海外の交換業者を利用している場合も申告漏れは発見されると考えられます。国税庁は租税条約等に基づく情報交換により、海外の税務当局より情報提供を要請することができるためです。

申告漏れの罰則は?

ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の利益に対して、20万円を超える利益がある場合に確定申告をしなかった場合、以下のような罰則があります。

● 延滞税

● 5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金

● 加算税

それぞれの罰則について解説します。

延滞税

定められた期日までに確定申告を行わなかった場合、納税する日までに、延滞税として7.3%〜14.6%が課されます。

納税が遅れた金額が大きければ大きいほど、期日から遅れれば遅れるほど多額の税金を支払わなければいけなくなります。

5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金

脱税したことに対する税法違反として、「5年以下の懲役」又は「500万円以下の罰金」若しくはその両方の罪に処せられます。

加算税

納税しなければならないのにも関わらず、納税していないことを自己申告せずに税務署から通告を受けた場合には加算税が課されます。

確定申告したものの、その額が小さかった場合には「過少申告加算税」が、申告をしなかった場合には「無申告加算税」が、事実を隠蔽するなど悪質なケースでは「重加算税」が課されます。

過少申告加算税は10%、無申告加算税は15%、重加算税は35%〜40%の税金を追加で支払わなければなりません。

申告する金額の差異や、期日に遅れることのないよう注意が必要です。

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の確定申告は会社に知られる?

会社が副業を禁止しているなど、給与以外に収入があることを会社に知られたくない方もいらっしゃるでしょう。

確かに、暗号資産投資で利益が発生し、確定申告した際には納めるべき住民税が増えてしまうため、会社に知られてしまう可能性があります。

しかし、住民税の支払い方は給与に対して課される税金と合わせて納付する特別徴収と、給与とは別に納付する普通徴収とを選ぶことができることになっています。

確定申告時に住民税を普通徴収の方法で納めるようにしておけば、確定申告したことが会社に知られてしまうことは少なくなるでしょう。

確定申告の内容を間違えた場合

確定申告書の提出後、計算間違いなど内容の誤りに気が付いた場合は、申告内容を訂正する手続きを行うことができます。税額を多く申告していた場合は「更正の請求」、税額を少なく申告していた場合は「修正申告」になります。

更正の請求

確定申告書提出後で、税額を多く申告していたと気が付いた場合、「更正の請求」という手続きを行い正しい税額に訂正を求めることができます。請求可能な期間は、法定申告期限から原則5年以内です。

税務署が請求内容の検討し、納め過ぎの税金などを認めた場合、減額更正として税金を還付します。ただし、所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額が変わらない場合は、更正の請求は行えません。

修正申告

修正申告で納付する新たな税額は、法定納期限の翌日から修正申告書を提出する日までの期間について、延滞税とともに納付する必要があります。

また期限後申告後の修正申告だった場合や、国税局(国税事務所)や税務署から調査の通知を受けた後で修正申告を行った場合は、新たに納める税額以外に過少申告加算税や重加算税が課される可能性があります。

更正の請求書と修正申告書は税務署に用意されています。また、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」では、金額の入力で、税額などが自動計算され、更正の請求書や修正申告書が作成できます。作成したデータは、電子申告(e-Tax)や印刷して税務署に郵送等で提出することができます。

節税する方法

暗号資産(仮想通貨)の税金は所得が大きいと莫大な金額になる可能性があります。

納税しなければならない税金を少しでも抑えるために、節税の方法を知っておくことが大切です。

節税と脱税の違い

節税の方法についてお伝えする前に、節税と脱税の違いについて考えておきましょう。

いくら税金を安くするためとはいえ、法律に違反して脱税してしまっては、後で加算される税金がより大きなものになる可能性もありますし、最悪の場合、懲役刑に科されます。

まず、脱税は課税される条件を満たしているのにもかかわらず、故意に隠して課税を逃れようとする行為のことを指します。

例えば、売上の一部を隠したり、架空の経費を計上したりして所得を減らす行為が脱税に該当します。

一方で、節税は法律の範囲内で税負担を減らそうという行為を指します。

例えば、必要経費に計上できるものの領収書を保管しておき、適切に計上することがこれにあたります。

節税の方法

ビットコインなどの暗号資産に関する節税法としては、以下のようなものがあります。

● 暗号資産を保有し続ける

● 年末に損失が出ている暗号資産を売却する

● 毎年20万円以下に利益を抑えて売却する

それぞれの節税方法についてみていきましょう。

暗号資産を保有し続ける

暗号資産はどれだけ値上がりして含み益が積み上がろうと、日本円や別の暗号資産に換金しない限り課税対象となることはありません。そのため、保有し続けていれば節税になるといえます。

年末に損失が出ている暗号資産を売却する

ビットコインなど暗号資産の取引で得た利益や損失は、1年間の間であれば差し引きすることができます。

ある暗号資産では利益が出ているものの、別の暗号資産では損失が出ているという場合、損失の出ている暗号資産を日本円に換金することで、納税額を少なくすることができます。

毎年20万円以下に利益を抑えて売却する

給与所得者だと、給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告する必要がありません。このことを利用して、毎年20万円以下に利益を抑えて売却することで税金の発生を抑えることができます。

この他にも利益が高額になる場合は法人化を検討することも可能です。法人化にはある程度の費用が必要ですが、事業運営のための必要経費を計上することもできます。

まとめ

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の投資は、大きな利益を得られる可能性がありますが、雑所得扱いの場合は最大で55%もの税金が課されてしまいます。

暗号資産の税制は、株式など他の資産運用手段と比較すると税制上の優遇措置が未整備な状況にあります。ただし2023年現在、暗号資産取引に係る税制の改善を求める動きが活発化しているため、今後の動向に注目しておくといいでしょう。

例えば、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)と日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は2023年7月31日、日本におけるWeb3.0産業活性化のため、20%申告分離課税と損失繰越、発行者以外の第三者法人が保有する暗号資産法人税、資産税、暗号資産同士の交換時に係る課税の整備を求める「2024年度税制改正に関する要望書」を取りまとめ、共同で金融庁に提出しています。

これら取り組みなどを通し暗号資産取引に係る税制が改善していくと、暗号資産市場への投資家の参加が促進され、活性化が進むかもしれません。

ビットコインの取引に掛かる税金について詳しく知りたい方は「暗号資産(仮想通貨)で利益が出た場合の税金対策!納税額はどのように決まるのか」もご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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