暗号資産(仮想通貨)のエアドロップとは?無料で手に入る仕組みを解説

エアドロップ
2024-05-25 更新

暗号資産(仮想通貨)のエアドロップとは、新興プロジェクトがICOやIEOをする際や、既存のブロックチェーンのプロジェクトがキャンペーンの一環として暗号資産やトークン、NFTを無償で配布することを指します。

エアドロップでは無償で暗号資産を手に入れることができるため、暗号資産界隈ではしばしば話題になります。

この記事では、なぜエアドロップでトークンが無償でもらえるのかや、エアドロップの目的や参加するための基礎的な知識について解説します。また、エアドロップのメリットやエアドロップに参加するうえでの注意点についてもお伝えします。

エアドロップ(Airdrop)とは?

エアドロップとは、一般的に企業やプロジェクトが発行した暗号資産(仮想通貨)やトークンを無償でユーザーに配布するイベントのことを指します。

エアドロップの多くは、プロジェクトの知名度やトークンの認知度を上げるためのプロモーションの一環として、発行者が暗号資産やトークンの一部を無償で他のユーザーに配布します。一般企業が新商品を認知させるために無料でサンプルを配るようなものと考えるとわかりやすいでしょう。

また、既存ブロックチェーン上に新規プロジェクトや新規プロトコルなどが追加される際には、新たにトークンが発行される場合があります。この場合に、親ブロックチェーンのトークン保有者(ホルダー)に対して新しいトークンが無償配布されることがあります。これらもエアドロップの一種といえるでしょう。

その他にも、ブロックチェーンがハードフォーク(分岐)する際には新たな暗号資産やトークンが誕生することがあります。こうした場合もそれまでのトークンを保有しているユーザーに新しいトークンが配布されるなど、条件によったトークンの無償配布が行われることがあります。ハードフォークによる新しいトークンの配布がエアドロップと呼ばれることは少ないですが、エアドロップの一種に分類されることもあります。

例えば、2017年には、ビットコインのハードフォークよってビットコインキャッシュ(BCH)が誕生しました。この際には、保有しているビットコインと同量のビットコインキャッシュが無料で配布されました。

また、無料で暗号資産やNFTを配布することを指す言葉として「ギブアウェイ(Giveaway)」があります。これは、エアドロップと同じようにマーケティングなどの目的でユーザーへ無料配布する際に使われます。

エアドロップのメリットと注意点

エアドロップにはメリットだけがある訳ではありません。「無償で暗号資産(仮想通貨)が手に入れられる」という甘い誘いの言葉で釣る、詐欺まがいの行為も少なくないので注意しましょう。
ここでは、エアドロップに関するメリットとデメリットについて考えます。

エアドロップのメリット

通常、暗号資産を手に入れる方法は、お金で購入するか、交換が可能なものであれば他の暗号資産と交換する場合がほとんどです。

エアドロップの一番のメリットは、購入や交換をせずに、暗号資産やトークンが無償で獲得できることです。エアドロップは、費用をかけずに暗号資産やトークンを手に入れることができるチャンスであり、暗号資産を知るいい機会にもなります。

エアドロップの目的は、基本的には配布する暗号資産やトークンの知名度の向上や新たなユーザーを確保するためのものが多く、エアドロップに参加することで暗号資産やトークンについての理解を深めることができます。

エアドロップで手に入れることができるトークンの量はわずかですが、エアドロップを実施する暗号資産やトークンには新規性が高く技術的に優れたものも少なくありません。

そのため、将来性のあるトークンが市場に出回る前に手に入るイベントとして捉えることもできるでしょう。将来性についての保証はありませんが、新しいプロジェクトを草創期から応援する喜びも得られます。

プロジェクトが順調に成長したあかつきには、配布された暗号資産やトークンが暗号資産取引所に上場されることがあるかもしれません。その場合は、保有しているトークンを売却することもできます。

また、上場されないまでも、新規プロジェクトがサービスとして定着することで、サービスを利用するためのトークンとして利用できる可能性があります。

エアドロップされる暗号資産やトークンがどのようなものに成長するかは、それぞれのプロジェクトによって異なりますが、有望なプロジェクトに出会えることもあるでしょう。

新規プロジェクトに投資するのはリスクが高く、その成長は誰にも保証することができません。しかし、エアドロップに参加するだけであれば無料のため、投資リスクは低いといえるでしょう。

エアドロップの注意点

新規性の高い暗号資産やトークンのエアドロップは、メリットがある反面、以下の点に気をつけなければいけません。

  • プロジェクトが成長する保証はない
  • 個人情報が悪用される可能性
  • 複数の参加条件でハードルが高い
  • 税金が発生する可能性

プロジェクトが成長する保証はない

新規プロジェクトの成長について、保証はどこにもありません。中には詐欺まがいのプロジェクトも存在します。エアドロップには、そうした悪意あるものも含まれていることを忘れてはなりません。

無償で暗号資産やトークンが手に入るというのは、多くの人を注目させるのに好都合なうたい文句のため、エアドロップが利用される場合があります。

個人情報が悪用される可能性

暗号資産やトークンを手に入れるためにエアドロップに参加する場合、メールアドレスなどの個人情報を求められる場合があります。そのため、悪意を持った運営者がいる場合には、個人情報を悪用されてしまう可能性があります。

エアドロップに参加する際にメールアドレスを登録する場合は、専用のメールアドレスを用意するほうがよいかもしれません。不要な広告やスパムメールが送られてくる可能性があるため、普段からメインで使用しているメールアドレスを使用するのは避けた方がよいでしょう。

また、エアドロップに参加する際にアカウント登録等が必要になり、ログインパスワード等を設定する場合は、普段使用しているものを流用するのは避けましょう。悪意があれば、メールアドレスとパスワードが紐づけられ、悪用される可能性もあります。

参加条件のハードルが高い

後述するように、エアドロップの参加には一定の条件を満たす必要があります。この条件は、ウォレットの接続やDAOの投票経験、ブリッジを行うなど、初心者には難易度が高いと考えられる項目の場合があります。

さらに条件を満たしていたとしても、より多くの条件を満たしているユーザーに比べると、配布されるトークンの数量が少なくなる場合もあります。

税金が発生する可能性

暗号資産やトークンを使って売買を行った場合、税金が発生する可能性があります。

エアドロップで手に入れることができる暗号資産やトークンには市場価格がついていないことが多いため、この場合は保有した時点で課税される可能性は低いでしょう。
しかし、暗号資産やトークンを売却したり、他の暗号資産と交換したり、それを使って買い物をした場合は課税対象となります。

エアドロップの時点で深く考える必要はありませんが、特にエアドロップで初めて暗号資産やトークンを手に入れた人は、心構えとして知っておくとよいでしょう。

関連コラム:
暗号資産(仮想通貨)で利益が出た場合の税金対策!納税額はどのように決まるのか

話題のエアドロップ

以前、リップル社の投資部門が出資するフレアネットワーク(Flare Networks)が、リップル(XRP)の保有者に対して、自社プロジェクトのネイティブトークン「Sparkトークン(その後「フレア(FLR)」に名称変更)」をエアドロップする計画があると発表し、話題になりました。

すでに発行済みの暗号資産(仮想通貨)の保有者に対して、新しいトークンが付与される機会は増えつつあり、X(旧Twitter)を始めとするSNSでも、エアドロップの話題をよく見かけるようになりました。

既存の暗号資産の保有者に対して新しいトークンをエアドロップする場合には、市場価格への影響も少なからず発生するため、情報は見逃せません。

最近は、話題のものや現在実施中のエアドロップについてまとめた情報サイトも数多く存在するため、ウェブ上で検索することでエアドロップの情報を見つけることができます。また、エアドロップ情報を発信しているSNSアカウントもあります。気になる方は一度チェックしてみてください。

過去のエアドロップ

リップル社のエックスアールピー(XRP)関連では、リップル社の投資部門であるXpringが出資するフレアネットワークからフレア(FLR)がエアドロップで配布されました。

分散化され、かつスケーリングが可能なスマートコントラクト・ネットワークをXRP Ledger上に構築することが、フレアネットワークの目的です。フレアネットワークでは、円滑な運用のために、フレア(FLR)とテストネット向けのSongBirdトークン(SGB)の2種類のトークンが発行され使用されます。

フレアネットワークは、2020年8月10日にXRPの保有者に対して、1:1の割合でフレア(FLR)を付与するエアドロップを実施することを発表していました。しかし、リップル社と米証券取引委員会との裁判の影響で予定が大幅に遅れ、実際の配布は2023年1月になりました。

エアドロップの参加方法

エアドロップの具体的な参加方法は、実施するトークン発行者によってそれぞれ異なります。

複数の条件をクリアする必要がある場合や、ユーザーか開発者かなどのプロジェクトへの貢献度合いによって、エアドロップされるトークンの数量が異なる場合があります。2024年3月時点では、次のような条件が設けられているプロジェクトがみられます。

  • 対象期間内に特定の暗号資産を保有していること
  • 対象トークンをステークしていること
  • 対象サービスで、一定以上の取引や出来高があること
  • 関連サービスを利用したことがあること
  • 開発に参加していること

エアドロップの参加条件は、上記以外にもさまざまあります。興味があるプロジェクトがあれば、公式サイトで確認してみるとよいでしょう。

多くの場合、エアドロップに参加するにはメールアドレスやSNSのアカウントが必要となります。参加表明として、エアドロップ関連情報を拡散したり、エアドロップアカウントをフォローしたりする必要があります。また、メールアドレスや個人情報を入力する場合もあります。メールアドレスなどは、専用のフリーアドレスを作っておくとよいでしょう。

また、暗号資産(仮想通貨)やトークンを受け取る際のウォレットアドレスが必要となります。これらは暗号資産やトークンによって異なりますが、ウォレットに関しては運用側から指示がありますので、必ず確認しておいてください。

エアドロップによっては、指定された暗号資産交換業者に口座を開設しなければならないものもあります。

エアドロップに関する注意点

エアドロップの情報を入手したら、まずは参加条件をしっかりと把握しましょう。参加条件等はエアドロップにより異なります。

すでに多くの暗号資産交換業者に上場している主要な暗号資産(仮想通貨)やトークンのエアドロップの場合は、交換業者によっても条件や対応が異なります。必ず暗号資産交換業者のお知らせもチェックしてください。

レバレッジ取引のみの暗号資産や安全性が確認できない暗号資産などは、暗号資産交換業者によってはエアドロップに対応しないこともあります。また、対応する場合でも、時期などが異なることもありますので、こうした情報も確認しておきましょう。

また、くれぐれも詐欺まがいのエアドロップにはお気をつけください。

エアドロップ用のウォレットアドレスは、暗号資産交換業者等のアドレスを使わずにウォレットアプリ等間接的なアドレスを利用するように心がけましょう。

エアドロップに参加する際に、暗号資産やお金を支払ったりすることはないため、金銭等を要求するような形ものは絶対に避けてください。ウォレットのパスワードや秘密鍵を要求するようなエアドロップには参加しないことをおすすめします。

まとめ

エアドロップは、運用側にとっては暗号資産(仮想通貨)やプロジェクトを知ってもらうためには有効な手段ですが、注意点に挙げたようなエアドロップにはくれぐれも気をつけてください。また、エアドロップへの参加は、ご自身の判断で行うようにしてください。

主催者やユーザー双方にメリットがあるものは、有望なプロジェクトといってもよいでしょう。うまくエアドロップを活用することで、誰でも暗号資産やトークンを手に入れることができます。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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