ビットコインに相次ぐ機関投資家の参入!その理由や影響は?

ビットコイン
機関投資家
2021-07-14 更新

ビットコインは2020年12月18日、230万円超の高値を付け、2017年12月に記録した過去最高値を更新しました。

ビットコイン価格は2020年10月下旬頃から急上昇し始め、200万円台に到達後すぐに過去最高値を記録。その後も価格の上昇は続き、2021年に入ってからも勢いはとどまるところを知らず、価格は300万円台、400万円台と高値記録を更新し続け、ピーク時には700万円台を記録するという高騰を見せ、瞬く間に世界中の注目を集めました。

今回の価格上昇の背景には、ビットコイン市場に米国の大手上場企業や機関投資家の参入があったことが理由の一つといわれています。

はたしてここまで価格を上昇させるほど影響力のある機関投資家とは、どんな存在でしょうか?ビットコインの価格に対してどのような影響を与えているのでしょうか?ここでは、機関投資家について解説します。

暗号資産(仮想通貨)業界における機関投資家とは?

一般的に機関投資家とは、個人投資家らが拠出した資金を集めて、有価証券(株式・債券)等に投資し、巨額の資金を一括運用・管理する団体を指します。機関投資家には明確なルールや法的な決まりはなく、手持ちの巨額資金を使って資金運用を行う大口の法人投資家を総称してそう呼んでいます。

実は業界によって、対象となる団体が若干異なります。たとえば有価証券市場における機関投資家は、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関などの団体を指すことが多いようです。

では、暗号資産(仮想通貨)業界における機関投資家とは、どういった団体を指すのでしょうか? 今回の話題の中心になっている米国においては、投資銀行や投資ファンドなど、いわゆる証券系の業界と同様の資産運用会社のことを指します。それに加えて大手決済企業や大手金融機関等も暗号資産における機関投資家と言えるでしょう。ここでは具体的な社名は割愛しますが、ネットニュース等を検索することで、すぐに暗号資産市場に参入する機関投資家を知ることができるでしょう。

機関投資家の巨額資金は、生命保険会社や損害保険会社であれば加入者の保険料収入が元手になり、銀行や信用金庫、農協等は顧客の預金が元手になり、投資信託会社であれば投資信託を購入した人たちの提供した資金が元手になります。

機関投資家は、いずれも大口資金をまとめて投資し資産運用することができるため、投資先となる市場に与える影響は大きく、市場においてはその動向が無視できない存在になっています。

それというのも機関投資家は、基本的には短期間での売買は行わず、優良投資案件をリサーチした上で、株式の場合は企業の長期的な成長や経済の状況を鑑みて投資判断を下し、資産運用の一環として長期保有を前提で投資していきます。そのため、機関投資家が購入したことが判明した投資銘柄は、比較的長期間の上昇トレンドに移行することも少なくなく、その銘柄が判明すると個人投資家なども連なってその投資案件に便乗することもよく見受けられます。

ちなみに機関投資家の市場への参入は、その多くは明確に発表されるものではありませんが、機関投資家の1回当たりの投資は売買金額が大きいのが特徴で、投資銘柄自体の出来高(取引量)が大きくなることから、マーケットをよく観察することで売買タイミングを知ることができ、その参入が見て取れるといわれています。

機関投資家がビットコインへ参入してきた理由

こうした米国の機関投資家や海外の大手企業のビットコインへの参入理由は、世界中の市場を対象として投資を行なう投資信託、いわゆるグローバルファンドらの投資基盤が整い始め、機関投資家に対して提供される資産運用サービスソリューションにビットコイン関連サービスの提供が可能になったからという意見も聞かれるようになりました。

また、ビットコインを始めとする暗号資産による新たな金融商品サービスを提供する企業や分散型金融(DeFi)プロジェクトを推進する優秀なスタートアップ等が多く登場し、さらには暗号資産においてはノンファンジブルトークン(NFT)やステーブルコインの急成長する分野が注目を集めるようになり、機関投資家の投資の矛先が暗号資産業界に向き始めたと見る人も少なくありません。

いずれにしても、暗号資産は長期保有を前提として投資することができる投資案件として、世間に認められるようになってきたと考えることができるでしょう。

市場に参入する機関投資家について

一般的に証券業界では、通常はヘッジファンドなど短期的な法人投資家は機関投資家に含めませんが、暗号資産業界では前述の機関投資家に加えて、暗号資産のヘッジファンドやそれらを取り扱う企業も機関投資家と同等の影響力があるため、これらも機関投資家の一部に含まれると見られています。

というのも米国を始めとする海外では、2020年以降、大手金融機関や大手証券会社が相次いで暗号資産による先物金融商品の開発やサービスの提供を検討し始め、暗号資産を含むデジタル資産のカストディサービスの提供を本格的に計画するようになってから、企業がビットコイン等を購入し現物を保有する動きが目立つようになってきました。

暗号資産業界では、従来の投資企業が暗号資産投資に特化した投資運用会社を設立したという報道もあります。その他の報道でも、大手決済企業が米国にて暗号資産の売買サービスの正式開始を発表したり、世界最大手の信託銀行が暗号資産カストディサービスを2021年内に開始する予定であることを発表したり、さらには大手投資銀行が暗号資産カストディサービスへの参入を検討していることも発表しています。加えて、大手決済企業が暗号資産によるオンライン決済を開始するなど、こうした報道が2021年になって相次いでいます。

また、機関投資家ではありませんが、米国の大手企業が暗号資産の保有を発表したり、暗号資産の購入を検討したりしているといった報道も続き、様々な企業がビットコインへの参入を発表しています。今では、これらも無視できない量の暗号資産保有量になっているようです。

ビットコイン価格高騰の背景、考えられるその理由

2020年年末から2021年年初にかけて、ビットコインの価格は200万円台から400万円超と、価格の急上昇が始まってわずか1か月程度で2倍超と過去最高値を更新し続けました。その後も、価格の上昇は続き、2月末には一時600万円を突破し、3月末に過去最高値となる650万円超を記録しました。

この価格の高騰をけん引したといわれているのが、米国の上場企業や機関投資家のビットコイン市場への参入です。複数の米国大手企業がインフレ対策の資産運用に暗号資産ビットコインを大量購入した、あるいは大量保有しているといった発表が相次ぎました。また、2020年12月には人気電気自動車メーカーがビットコインを購入したというニュースが流れ、同社の自動車を暗号資産でも購入可能となったことで話題になり、一時期、世界的な盛り上がりを見せました。

その他にも、投資銀行や資産運用会社など、巨額資金を運用する機関投資家の参入が報じられたこともあり、大手企業や機関投資家のビットコインへの参入は、暗号資産の短期値上がり益を狙うものではなく、資産運用の一環として長期保有が前提であると見られたことから、市場はそれを好材料と判断し、一気にビットコインは買われ、前代未聞の価格上昇へとつながりました。

その後しばらく600万円台を推移していたビットコインの価格は、前述の電気自動車メーカーが2021年5月12日に「ビットコインによるクルマの購入ができるサービスを停止した」と同メーカーCEOがTwitterでツイートしたことをきっかけに暴落し、価格は徐々に下がり一時は390万円台まで下がり、その後400万円台を推移しています(2021年5月末現在)。

まとめ

今後は、機関投資家がビットコインを買いポジションから売りポジションへと変えるタイミングも見逃せません。機関投資家の参入は出来高も多いことから、その動向は何よりも大きなものになる可能性があるということも念頭におく必要があります。機関投資家の動向はプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあるので要注意です。

もっとも暗号資産を含むデジタル資産のカストディサービスの提供を検討している企業やヘッジファンドについては、今後、暗号資産によるこうしたサービスがより本格化する方向に進んでいると判断することもできるため、これらの企業の参入は好材料でしょう。

ただし、これらはあくまでもすべて海外での状況というのも忘れてはなりません。

残念ながら日本においては、暗号資産は資金決済法にて定義されるデジタル資産のため、機関投資家が投資対象とする有価証券に位置づけられていないビットコインについては、法人による投資がしづらい状況にあります。また、法人にとって暗号資産は、会計上や税制上の面でもいろいろとクリアになっていないことも多く、いうなれば、グレーゾーンの部分が多い状況において機関投資家として投資するには、まだ超えなければならないハードルが少なくありません。

さらに日本においては、暗号資産によるカストディ業務を行う専門業者がいない(少ない)ことから、その点でも状況が異なります。そういう意味においては、グレーゾーンである部分が国内で法律的にクリアになった場合は、日本でも今回と同様な機関投資家あるいは企業の動きが見られる可能性はないともいえません。

結論からすると、今回の機関投資家や大手企業の参入は、暗号資産市場にとって新しいきっかけにはなりましたが、今後、どのような展開を繰り広げるのかは、さらにしっかりとこれからの機関投資家や大手企業の動向をウォッチし続ける必要があるでしょう。

ビットコインの価格に影響を与えるのは機関投資家だけではありません。これまでの相場の動きに影響を与えた出来事については、「2020年の暗号資産(仮想通貨)業界、今年の出来事まとめ」をご参照ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

関連記事

今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン